ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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第10話「大パニック!?ズボン紛失事件!!」

宮藤とサーニャの誕生パーティーがあった数日後。

 

「おい!起きんかハルトマン!!」ドンドンドン

 

俺は朝食を食べに食堂に向かった。すると…食堂に行く途中。ハルトマンの部屋の扉を叩くトゥルーデ義姉さんの姿があった。

 

「義姉さん?何やってんの?」

 

「ん?あぁ・・・疾風か。今ハルトマンを起こしに来たんだが。なかなか起きなくてな」

 

「手伝おうか?義姉さん」

 

「え?いいのか疾風?」

 

「困ったときはお互いさまだろ?」

 

と俺はハルトマンのいる部屋の扉をたたいた

 

「ハルトマン?起きろ~もう朝だぞ。エーリカ・ハルトマンさ~ん。起床時間ですよ~?」

 

何度ノックしても返事がない。おらはドアノブに手をかけると・・・

 

「あれ?ドアが開いてる・・・・・」

 

二人はハルトマンの部屋に入った。そこで疾風が見た光景は・・・・

 

「・・・・・ごみ屋敷・・・・・」

 

そう、ハルトマンの部屋の中は衣服やら物が散らかっていてまさにゴミ屋敷そのものだった。

 

「起床だ。ハルトマン」

 

そう言うトゥルーデ義姉さんだが・・・・

 

「あれ?・・・・・トゥルーデに疾風・・・?まだ眠いからあと70分待って・・・・」

 

といい、ハルトマンは睡眠延長を申し入れてきた。てか70分て、どんだけ寝るんだよ。

 

「そんなちょっとがあるか!」

 

「じゃあ、40分・・・・」

 

「駄目だ。あと3分だ。3分間待ってやる」

 

一度だけこのセリフ言ってみたかったんだよな~

 

「え~まあ、いいか・・・・トゥルーデと違ってちゃんと待っててくれるから」

 

「なっ!なんだと!!」

 

「まあまあ義姉さん落ち着いて」

 

そして3分後。

 

「ハルトマン。時間だぞ。約束どうり起きろ」

 

「‥‥わかった。」 

 

そう言いハルトマンは目をこすりながら起きた‥‥しかし・・・・

 

「なっ!?ハルトマン早く服を着んか!ズボンをはかんか!疾風は後ろむいていろ!!」

 

そう・・・・彼女はTシャツ姿なんだが、下の部分が全く履いていない状態である。

するとトゥルーデ義姉さんはハルトマンの床に置いてある、あるものに気が付いたそれは…

 

「ああぁぁ!!!・・・・柏葉騎士鉄十字章が床に・・・・貴様それでもカールスラント軍人か!!」

 

義姉さんはハルトマンに叱るがハルトマンはあくびをして返す・・・・もはや怒る気力もなくなりそうなあくびだった。

 

「・・・・・とにかく午後はお前の表彰式だ。遅れるなよハルトマン。それともうすぐ朝食だ。さっさと準備して食堂に来い!!疾風行くぞ」

 

「あ、ああ・・・・・じゃあハルトマン食堂でな」

 

そう言い俺たちは部屋を出た。

 

ハルトマンは着替えようとするが‥‥

 

「・・・・・あれズボンがない・・・・」

 

 

 

 

 

 

「すまぬ、疾風こんなことにつき合わして」

 

「大丈夫だよ。それより義姉さん。表彰式ってなんだ?」

 

「そう言えば、あの時お前はいなかったな・・・・先日250機撃墜を評して本国から柏葉剣付騎士鉄十字章が届く予定だ。」

 

(250機ってハルトマンて俺より1つ年上だよな・・・・・その年ですごいな・・・・)

 

15歳で871機撃墜記録を持っている疾風に言われたくない・・・・ハルトマンが聞いたらそういうだろう

 

「その腕ならすぐにもらえてもおかしくないな・・」

 

「騎士鉄十字章なら持ってるよ。」

 

「何!?本当か疾風!?」

 

十字章を持っていると聞いてバルクホルンは驚いた。

 

「ああ、これだよ」

 

そう言い疾風は懐から十字章を出した。しかもそれはただの十字章ではなかった。

 

「こ、これは!!黄金柏葉剣ダイヤモンド付騎士鉄十字章!!」

 

そうそれはハルトマンがもらう柏葉剣付鉄十字章より上級のさらに武功を上げたものにしか貰えない黄金柏葉剣ダイヤモンド付騎士鉄十字章だった。

 

「この世界に来る1年前・・・・ドイツ連邦軍…ここではカールスラントのお偉いさんにもらった。」

 

そうあれは1年前、欧州に派遣された時だ。敵機撃墜記録450機を超えた時にドイツ連邦から勲章を受章すると聞かされた。その時俺は断ったんだが源田司令がせっかくなんだからもらっておけと言われもらったのだ。でも勲章をもらってもあまり嬉しくなかった。なぜなら、撃墜した数ほど俺は人を殺したんだから・・・・・

 

「・・・・・疾風・・・・お前の撃墜記録は?・・・・…」

 

「871機・・・・・いや、それ以上かもしれない俺が殺した人の数は・・・・・」

 

「疾風・・・・」

 

「義姉さん・・・・・いきなりで悪いけど相談に乗ってくれるか・・・」

 

「・・・・わかった。ここではなんだ私の部屋に来い」

 

 

 

 

バルクホルンの部屋

 

「疾風、私はお前の義姉だ。遠慮はするな何でも聞いてみろ」

 

そう言い義姉さんは優しい顔で聞いてきた。

 

「義姉さん‥・・・義姉さんは人を殺したことがあるか‥‥」

 

「・・・・・・・」

 

「俺はある。俺の世界は人と人が戦争をする世界なんだ。俺は国や仲間を助けるとはいえ多くの命を奪っていった・・・・・殺さず無力化する方法だってあったはずだったのに俺は敵兵を殺した。でも俺はこの世界に来た間、奴らのことを忘れかけていた・・・忘れかけると殺した奴が夢に出てくる・・・・・・つまり俺は血で汚れているんだ。

上官に『国や大切なものを守るため血で汚れるそれが軍人』と言われてきた。俺は人を殺したくもないし、やりたくもない。でも俺は軍人だからやるしかないそう自分に言い聞かせてきた。けど・・・・」

 

そう言い苦しむ疾風にバルクホルンは疾風を優しく抱きしめた。

 

「・・・・義姉さん?」

 

「‥‥済まない疾風・・・・お前の義姉だ、カールスラント軍人だと偉そうに言ったが、私はお前の背負った罪も苦しさもわかってあげられることもできない。私はお前のいた世界を体験したことがないから・・・・だからお前の人を殺したと言う重みもわかってあげられない。だがこれだけは言える。お前がそうした。そうしなきゃならなかったのは大切なものを守るためだったのだろ?」

 

「え・・・」

 

「もちろん正当な理由で殺してもいいってことじゃない。だがその結果助かった命を考える権利が関わった人にもある。無論お前にもだ。疾風…お前は自分が助けた人を思い浮かべる事で自分を助ける権利があるんだぞ・・・・」

 

「自分を助ける権利・・・・・でも・・・俺は忘れかけていた。忘れかけていたんだ!重荷や危惧も放り出そうとしていた。そんな俺が救われる権利なんか!」

 

疾風は涙を流しながら叫んだ。するとバルクホルンは強くは疾風を抱きしめ頭をなでながら言った。

 

「忘れかけていたなら、そんなに苦しんだりない。それに疾風、お前は人殺しじゃない。お前が救った奴だっているんだからな・・・・」

 

俺は前にエイラたちに言ったことを思い出した。そうか・・・俺は・・・・・

 

数分後

 

「落ち着いたか疾風?」

 

「ああ・・・・・ありがとう義姉さん。相談に乗ってくれて・・・おかげで少し楽になった」

 

「かわいい弟の為だからな。またなにか困ったことがあったら相談しろ」

 

「ありがと・・・・・」

 

疾風はバルクホルンに微笑み部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

それからしばらくして事件が起こった。何でもペリーヌのズボンが無くなったということだ。それを聞き、俺は代わりに履けるものを捜しに外に出た。ん?なぜ外に出たって?うん。それは聞き込み調査しているときに証拠物だということで宮藤のズボンが履けない状態。しかもそれ見て義姉さんンがいきなりズボンを脱ごうとしたから恥ずかしくなって少佐に探しに行ってくるといい、外に出たのだ。

 

それにしても義姉さんのあのやり方・・・相談の時の感動が少し崩れた感じがした。

 

「う~ん。部屋になんか履けるようなものなかったかな~」

 

そう言い、俺は自分の部屋に向かった。するとそこでスクール水着姿の少佐にあった。なぜスク水?

 

「疾風!ルッキーニを見なかったか?」

 

「え?ルッキーニですか?ルッキーニは先ほど食堂でハルトマンと一緒にご飯食べていたじゃないですか。なんかあったんですか?」

 

確かにルッキーニは食堂で蒸かしたジャガイモを食べていた。ちなみに俺はジャガイモに塩をかけて食べる派だ。バター派の奴は・・・・・

 

「実はペリーヌのズボンを盗ったのはルッキーニだということがわかってな。ルッキーニは今もどこかに逃走中だ。見つけ次第こっちに渡してくれないか?」

 

「え?あ、はい。分かりました」

 

そう言うと少佐はまたルッキーニを探しに行った。

 

「やれやれ・・・ルッキーニを探すとするかな」

 

俺はそう言いルッキーニを探しに行った。

 

一方ルッキーニは草原にひっそりと隠れていた。

 

「ど、どうしよう・・・・」

 

盗むつもりじゃなかった。風呂から出た後、籠を見たら自分のズボンが無くなっていた。だから少しの間だけペリーヌのズボンを借りたただそれだけのつもりだったのに・・・・それが見つかって怖くて逃げだしてしまった。しかも芳佳たちの服装までも盗ってしまった・・・・どうしよう・・・・

 

「見つけた・・・・ここに居たのかルッキーニ」

 

後ろから声がする。ルッキーニは声がする方に顔を向けるとそこには疾風がいた。

 

「ルッキーニ。なんでペリーヌのズボンを盗ったんだ?正直に言ってみろ」

 

疾風は怒らず優しく聞いてきた。

 

「うん・・・・実はね・・・・」

 

ルッキーニはペリーヌのズボンを盗った経緯を話した。

 

「なるほどな‥‥でも、黙って持ってちゃだめだぞルッキーニ。せめて一言言わないと。それにズボンが無くなったら、無くなったでちゃんと誰かに言わなきゃダメじゃないか。この前もいっただろ?」

 

「うん・・・・・ごめんなさい・・・」

 

「わかればいいんだ。ルッキーニとりあえず少佐の所に出頭してペリーヌのズボンを盗った理由を話せ。そうすれば悪い様にはならないから。俺も一緒に行ってやる」

 

「うん・・・・・わかった・・・・」

 

ルッキーニはその後疾風に連れられて、坂本少佐たちのもとに出頭した。その後、ルッキーニはズボンを盗った理由をみんなに話した。

 

「じゃあ、他に誰かが持ってたの?」

 

「ふむ・・・それが本当だとするとまずルッキーニのズボンを盗ったやつを見つけないとな・・・・」

 

「‥・・・ところでエイラ。そのズボン確か、サーニャのだよな・・・・・」

 

「え!?・・・あのそれは・・・・」

 

そう、今エイラの着ているズボンはいつもの白い奴じゃなくサーニャが着ていた黒の奴だった。

 

「あとでサーニャに返すんだぞ」

 

「わ、わかった・・・・」

 

その後、俺たちは、ルッキーニのズボンを探したが結局見つからずこの事件は迷宮入りとなるはずだったが・・・・この事件はハルトマンの表彰式で解決することとなった。

 

「それではこれよりエ-リカ・ハルトマン中尉の受勲をします」

 

そう言いミーナ中佐は柏葉剣付騎士十字章を取り出した。

 

「ハルトマン中尉。貴官は第501統合戦闘航空団にとって見事な殊勲。多大なる戦果を挙げた。よってこれを称する」

 

といいミーナ中佐はハルトマンに勲章をあげた。

 

そしてみんな祝福の拍手を送る中、小さな風が舞いハルトマンのスカートこっちではベルトというらしい、それがめくれた。そしてハルトマンが履いているズボンは…

 

「あっ!あれって!!」

 

「私のズボン!?」

 

そう、ルッキーニのズボンだったのだ。

そのことに全員が驚いた…

 

(今回の事件・・・・元凶はこいつか‥‥)

 

そう思い俺はため息をついた。

その後ハルトマンは授与式が終わった後、義姉さんにこってり絞られ部屋掃除をさせられたそうな・・・・・

なんでもルッキーニのズボンを盗った理由は部屋中探しても見つからなかったそうだ。確かにあの部屋じゃ見つける者も見つけられないな・・・・

やはり部屋は整理整頓が一番ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

                       次回「黒きウィッチと負傷」

 

 

 




どうも疾風海軍陸戦隊です。今回はルッキーニのズボン事件を書こうと思いましたが、事件より疾風の悩み相談の方が多く書いてしましました。
さて、今回の事件では疾風がルッキーニを早く見つけ説得したため、警報が鳴る場面はなくなりました。
次回はとうとうエイラの心情を描くつもりですサーニャのことが好きなエイラ。だが疾風のことは・・・・・
それは次回のお楽しみです。それでは皆さんまたお会いしましょう。

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