ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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あけましておめでとうございます。この頃、アイディアや話がまとまらず時間が掛かって投稿が遅れて申し訳ございませんでした

OP「~たった1つの想い~」

ED「あさきゆめみし」




第130話「人斬り二人」

「黒田が誘拐されたじゃと?」

 

「ええ、疾風が送ったこの手紙によればね」

 

黒田がレイナーレに誘拐されたのち、エミリアやほかの506のメンバーたちは、疾風が書き残していった手紙を読んでいた。その内容はレイナーレが黒田を誘拐し決闘を申し込んだこと、そして決闘場所はとある場所の森の中だということ、そして黒田の救出は自分一人でやるが、万が一の場合は皆で黒田の救出を頼む。などと書かれていた。それを読んだエミリアは

 

「ちぃ!あの馬鹿が、何でもかんでも一人で抱え込みやがって」

 

と、舌打ちをすると、ジェニファーが

 

「それよりも早く黒田さんを助けに行かないと!!」

 

「おい、エミリア。この手紙に居場所は書かれていないのか!?」

 

「落ち着けカーラ。残念ながら場所は森のどこか、詳しい場所は書かれていない」

 

「森といっても広いしな・・・・・」

 

と、困っているとマリアンがバンと机をたたき

 

「それにしてもジャックザリッパーの奴!どうして黒田を巻き込んでまで疾風大尉をしっつのように狙うんだ!?」

 

「さあの。殺し屋の考え謎わらわには到底わからぬという事じゃな。だが、ここは疾風大尉のいた世界とは違うしわらわもその世界には関係のないことじゃ。じゃが、このまま戦友を見殺しにすることはできぬな」

 

「私たちだってそうです!隊長。すぐに二人を救出しないと!!」

 

と、そう言うがキーラが紅茶をいれながらこう言う

 

「なに、心配はないんじゃないかな諸君。疾風大尉のことだ。きっと黒田中尉をあのヒトラーを崇拝するナチズム思想の殺人鬼を倒し救出するだろう。我々は信じて待とうではないか」

 

「しかしだなキーラ」

 

「場所がわからない以上、むやみに探しても時間の無駄。それに探しに行っている間ネウロイが襲撃したらどうするんだ?」

 

「うっ・・・・それはそうだが・・・・」

 

キーラの言葉にマリアンがそう言うとエミリアは

 

「とにかく今は、あいつのことを信じるしかないな・・・・・・」

 

と、そう言うとプレディ中佐は

 

「彼を信頼しているんだな大尉」

 

「まあね中佐。あいつの実力は誰よりも知っているつもりだ。そう簡単に殺されるか・・・・・」

 

と、そう言うが彼女自身も若干疾風のことを心配していた。するとグリュンネ少佐は

 

「そう言えばハインリーケさん。あなた今日は夜間哨戒任務でしたわよね?」

 

「ああ、そうじゃが、隊長いきなり何を・・・・・・・・」

 

とそう言いかけた時ハインリーケはふっと笑い

 

「なるほど了解した。夜間にネウロイに襲われたらかなわんからの~特に陸に潜む奴とかの」

 

グリュンネ少佐が何を言いたのか察しそう言うと、ジェニファーも何かに気付き

 

「あ、あのプレディ隊長!私も夜間哨戒に出ても構いませんか?」

 

と、そう言うとプレディ中佐はジェニファーをじーと見て

 

「そう言えば大尉は夜間哨戒の経験があったな・・・・・・わかった。ヴィトゲンシュタイン大尉と一緒に行ってこい。構わないか大尉?」

 

「ああ、断る理由はないからの・・・・・では行くぞブランク大尉」

 

「はい!!」

 

と、そう言い二人は夜間哨戒に出かける。そんな中、エミリアは先ほどから紅茶を飲んでいるキーラ少佐の方を気付かれないようにじっと怪しむように見つめていたのだった

 

 

 

 

 

 

 

一方、暗い森の中、ネウロイの攻撃でなのかそれともそれ以前なのかボロボロになりもはや原形をとどめていない小さな小屋に両手両足を縛られた黒田とその小屋の近くにある切り株に座って煙草を吸っているレイナーレがいた

 

「さて・・・・決闘の時間まで一時間を切ったか・・・・」

 

と、腕時計を見ながらそう言うレイナーレに黒田が

 

「ねえ、もうこんなこと止めましょうよ。今からでも遅くはありませんレイナーレさん。自首してください!本当はあなたはいい人で殺人とか殺しとかは他の悪いやつに命令されて仕方なくこんなことをやっているんですよね!?そうですよね!?」

 

と、そう言うがレイナーレは鼻で笑い

 

「はっ!何処まで頭の中がお花畑なんだあんたは。私はね、生まれついての殺し屋だ。殺し屋にいい奴なんていないだろうが、それに人殺しという稼業は私が好きでやっているんのよ。だから自首する気もないし、やめる気もないわ」

 

「じゃあ、なんで私を人質にしたんですか?殺すのが生きがいなら私を誘拐なんかしないでそのまま殺すはずですよね?」

 

と、そう言うとレイナーレはたばこを吸いふーと息をついて

 

「ふふ・・・あんたはわかっちゃいないわね。あんたは疾風を呼び出すための餌だ。本当はあんたより奴の恋人と娘のように慕っているあのガキを誘拐するはずだったんだが、ここからペテルブルグまで遠いし、連れ去る余裕もなかったしね・・・・・・・それにあいつは仲間想いな奴だ。だから奴のすぐそばにいたあんたをさらったというわけさ。やつを怒らせるためにね・・・・」

 

「疾風大尉を怒らせる?」

 

「そうさ。今の奴はすっかりこの生ぬるい世界にどっぷりつかりすぎて腑抜けている。さっきの見ても奴の今の実力じゃあ私が煙草を一本吸うまでに殺せる。それじゃあつまらないわ。怒りは人の本性を出す。奴が怒ればあの頃の疾風に戻るわ」

 

たばこを吸ってにやりと笑うレイナーレに黒田が

 

「でも大尉は今のままで十分強いですよ?あなた大尉の強さ知らないでしょ?」

 

と、そう訊くとレイナーレは不機嫌そうに眼を細め、吸っていたたばこを捨てると

 

「あんたこそ知らないのよ。あいつの本当の実力を・・・・あいつは元の世界では世界最強のエースパイロットとしてナチスやテロリスト軍はもちろん味方からも恐れられていた。だが奴は昔、南太平洋で左目を負傷して一時的に陸戦隊に配備されたことがある。その時の奴の戦いは通常の歩兵の戦いの常識を超えていた。銃や大砲でドンパチする時代にまるで昔の侍のように刀と拳銃で戦い、そしてその場にいた敵兵を皆殺しにするんだから、これほど狂気で恐ろしいやつは他にはいないわ。そんな奴とギリギリの一線で殺し合う。こんなに楽しいことはないわ」

 

「随分と大尉のこと詳しんですね・・・・」

 

「あの頃、私もアジア方面に配属されていたからな・・・・・・・て、貴様。人質なのに何気軽に誘拐犯に話しかけているのよ?」

 

「え?だって、退屈ですし・・・・」

 

「・・・・・・・」

 

レイナーレは黒田の言葉に少し呆れ『調子の狂う女』だと悪態をつくと黒田が

 

「そう言えば、エミリア大尉に聞いたんですが、あなたの部隊って確か討伐されたんですよね?よく無事でしたね?」

 

「・・・・あの討伐戦の時、私はすでにラフコフから脱退していたのよ」

 

「え?なんでですか?」

 

と、そう訊くとレイナーレは目をつぶりあの頃を思い出す。それは真夜中の欧州の街中、当時ssだったレイナーレは味方に追われていた。そして、目の前が行き止まりになった時、彼女を追っていた兵士が

 

「レイナーレss中尉!貴様の行き過ぎた行為はナチス及び我が第9ss師団「ラフィン・コフィン」の恥だ!よって師団長の命により貴様を粛清する!!」

 

「はっ!やってみるもんならやってみなさい!!」

 

と、そう言いMP40を構えた兵士に向かってレイナーレは目にもとまらぬ速さで、その兵士に急接近しナイフ術でその兵士の首を掻っ切る

 

「おのれ!!」

 

砥の粉た兵士がMP40を撃とうとした瞬間、彼女はニヤッと笑い。懐からあるものを取り出し発砲し、その兵士を蜂の巣にする。蜂の巣にされた兵士はレイナーレの持つ銃を見て

 

「UZI9ミリ銃・・・・・・戦時条約違反の兵器だ…ぞ・・・・」

 

と、そう言い絶命するとレイナーレはニヤッと笑い

 

「戦争に条約違反もくそもないでしょ?」

 

と、そう言いその場を立ち去るのであった。そして今に戻りレイナーレは目を開けて

 

「あんたに話す義理はないわ・・・・・・・さて、おしゃべりの時間もここまで。これからは楽しい殺し合いが始まるわよ。ねえ、疾風大尉?」

 

と、そう言うと彼女の後ろの茂みから足音が聞こえ、そしてそこから疾風が現れる

 

「疾風大尉!!」

 

疾風の姿を見て黒田は嬉しそうにそう言うのだが、疾風の顔はいつもの穏やかな顔ではなく、目が吊り上がり少し怖い表情をしていた

 

「(・・・・あれ?)」

 

その顔に黒田は疾風に対し、彼がいつもと違うのに気が付く。そしてレイナーレは

 

「ふふ・・・・いい目つきね。怒っているねあんた?」

 

と、そう言うと疾風は

 

「ああ、俺を殺すためだけに黒田を巻き込んだこと、そしてそれを阻止できなかった俺自身にな・・・・」

 

と殺気を込めた目でレイナーレを睨むとレイナーレは笑い

 

「いいぞ、この殺気その目つき、かつてのあなたに戻りかけているわね・・・・・」

 

「どうとでも言え」

 

と、そう言い疾風は背中に差してある刀を抜き、そして刃を返す。それを見たレイナーレは

 

「峰打ちで戦うなんて・・・・・まだ完全には戻りきっていないのね・・・・・いい加減にそんな甘い思想を捨ててさっさとあの頃みたいな軍人に戻りなよ。それとも峰打ちで勝てるとでも思っているのかしら?」

 

と、そう言うと疾風は

 

「やってみなくちゃわからんさ・・・・・」

 

と、鋭い目でそう言う中、レイナーレはニヤっと笑い

 

「そうかい、そうかい。まあしょうがないわね。決闘の時間にもなったことだし、そろそろ始めようか。血の鮮血が舞う月下の決闘を・・・・・・イッツショウタイム!!」

 

と、そう言いレイナーレは狂気の笑みを見せるのであった

 


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