ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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OP「TAKE ME HIGHER」

ED「Fly Away」


第135話「(番外編)人質」

「そう・・・・サントロンの街に人型ネウロイがね・・・」

 

妹のクリスの見舞いを終えてサントロン基地に戻ったバルクホルンは先ほどの街で出会ったネウロイのことをミーナに話していた。因みにハルトマンは基地へ着くや否や『疲れた~』といい自室のベットに転がっている

 

「で、トゥルーデ。そのネウロイに危険はないの?」

 

「ああ、あいつの顔を見たが何か企んでいるような顔はなかった。信用してもいいだろう。それともミーナ。あいつを拘束した方が良かったか?」

 

「いいえ。静かに暮らすというなら・・・それ以前にトゥルーデが信じるって言うのなら別にいいわ。でもトゥルーデなぜ信頼できるって言いきれるの?」

 

「自分でもわからない…ただあいつはどこか私に似ている。ただそう思っただけだ」

 

「そう・・・・・あ、そう言えばトゥルーデ。セダン基地のことは知っているかしら?」

 

「セダン?確か506統合戦闘航空団のA部隊がいるところだが、それがどうかしたんだミーナ?」

 

「ええ、実はそこにあなたの弟がいるのよ」

 

「疾風が!?いや、待てあいつは確か502にエイラとアイと一緒にいるはずだぞ。なぜセダン基地にいる!?」

 

「なんでも特別任務だそうよ」

 

「特別任務・・・・・・?」

 

ミーナの言葉にバルクホルンは首をかしげるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、サントロンの湖の近くの別荘では

 

「帰ったわよ・・・・・て、まだ帰っていないのね」

 

と、先ほどバルクホルンと話をしていた人型ネウロイの女性は家に入ると、机に置手紙があり、その内容は『いつも通っている店で買い物に行ってきます』と書かれていた。それを読んだや否や彼女はコートを脱ぎほっと一息ついた瞬間

 

「っ!?」

 

急に何かの気配を感じたその瞬間、窓の外からいきなりビームが飛んでくる。そのビームを彼女はすかさず避け、机を倒し楯にするとその窓から、人型ネウロイが入ってくる。その人型はジブリールと同じ大人の女性型のネウロイであった。そしてそれを見た彼女は

 

「やめろ!そんな腕で私を狙っても無駄だ!」

 

と、そう言い彼女の身体が光りだし、元の姿である人型ネウロイに変わる。それを見た女性型は

 

「久しぶりね・・・・我がネウロイ軍第4軍戦闘隊のスーパーエース。マホ大尉!!軍の脱走は我がネウロイ軍ではいかなる理由があろうとも禁止されている!軍規を破り逃亡すれば貴様は死刑だ」

 

と指を指して言うと彼女は

 

「私の死刑執行人は戦闘隊長である少佐自身か!人間との戦争が始まって早6年がたとうとしている。泥沼のような消耗戦。その重大なときオラーシャ中央部チェリャビンスクに本拠地を置く人類軍の精鋭の一つ第503統合戦闘航空団と戦っているエスデス将軍の補佐をしている戦闘隊長がこのサントロンにやって来た本当の理由は何なのだ!?」

 

と、そう訊くと少佐と呼ばれた人型ネウロイの目のような部分が赤く光り

 

「私がここにやって来た目的は我がネウロイ軍の脅威となる優れたウィッチの抹殺だ。あなたも私に協力しなさい!」

 

と、そう言うが

 

「断る!私は人殺しが嫌になって軍を抜けたのだ!まして人間の抹殺など協力できるか!」

 

と、そう言い否定するのだが、少佐はふふっと笑い

 

「いやでも協力させてもらう!!なぜあなたが命を懸けて我が軍を脱走したのかはすでに調査してある!!」

 

「な、なに!?」

 

「サントロンにミホ・シュタインバッハーと名乗る女学生がいるがそれは人間の姿に変身したお前が命より大切にしているお前の妹だ!!」

 

「しょ、少佐!ま、まさか!?」

 

マホと呼ばれたそのネウロイは少佐の言葉に驚きを隠せずうろたえるのであった

 

 

 

 

 

 

サントロンの街

 

「すみませんミーナ中佐。買い物に付き合わせてしまいまして・・・・」

 

「別にいいのよハイデマリー少佐。私もいい気分転換になったわ♪」

 

それからしばらくした後、街では私服姿のミーナとハイデマリーが買い物に出かけていた。いつも補給物資が来るとは言え、私物などの品は自給自足でやらなくてはいけない。特に私服や嗜好品なんかがそうだ。軍規に厳しいバルクホルンもプライベートなときには私服や妹のクリスや姪のアイのためにお菓子や可愛らしい服とかを探したりしている

 

「それにしても驚きました。あの疾風大尉とバルクホルン大尉が義理の姉弟だったとわ・・・・」

 

「ええ、でも案外、似合うと思わない?」

 

「私は疾風大尉のことは良く知りませんが、確かに並べてみればそっくりだと思います・・・・」

 

「ふふっそうでしょ」

 

と、二人は楽しそうに買い物をしていた。因みにバルクホルンとエーリカは基地で留守番をしている。すると・・・・

 

「離してください!!」

 

「「?」」

 

急に大きな声が思二人がそこを向くと、そこには・・・・

 

「ほら、さっさとこい!!」

 

「いや!お願い離して!!」

 

いかにもガラの悪い男二人が、中学生ぐらいの少女を無理やり車に乗せようとしていた。

 

「中佐」

 

「ええ、わかっているわ」

 

と二人は頷き、その少女の方へ向かい

 

「あなたたち一体何をしているの!」

 

「ああ#」

 

ミーナ中佐が男2人に近寄りそう言う。すると少女が

 

「助けてください!この人たち、いきなり私を車の中に連れ込もうとして・・・・・」

 

「その手を離してください」

 

とミーナは少女の腕をつかんでいる男の腕を握るが

 

「邪魔するなら殺すぞ女!!」

 

と、そう言い殴りかかろうとしたがミーナはそのパンチをよけそして彼に背負い込みをし倒す。その男は打ちどころが悪かったのか目を回して気絶し

 

「くっ!この!!」

 

もう一人が、ナイフを手に襲い掛かろうとするが・・・・・

 

「いででで!!!」

 

ハイデマリーが男性の腕をつかみハンマーロックをして抑え込む。すると・・・・

 

「おい、お前たち何をしている!!」

 

と、そこへ騒ぎを聞きつけて憲兵たちがやってきて男二人は逮捕されるのであった。

 

「あ、あの・・・・助けてくれてありがとうございました」

 

先ほどの少女は二人にお礼を言うと

 

「いいえ、それよりも大丈夫?怪我はしていない?」

 

「はい。おかげ様です。あ、あの失礼ですが私、急いで家に帰らないといけないのでこれで失礼します」

 

と彼女は二人に一礼をしてその場を去るのだった

 

「良かったわねハイデマリー少佐」

 

「はい。あの子に怪我がなくてよかったです・・・・・・そ俺よりもミーナ中佐。先ほどの投げ技って・・・・・」

 

「え?ああ、あれは扶桑の柔術で背負い投げって言う技よ。前に美緒に教わったの」

 

「そうなんですか・・・・」

 

と、そう話していると先ほどの憲兵が

 

「あの。すみません。ミーナ中佐。お手数ですが詳しい話を聞きたいので所の方にご同行お願いできますか?」

 

「え?ええいいですけど」

 

「わかりました」

 

と二人は憲兵の事情徴収を受けるべく憲兵についていくのであった。そしてそれから数分後、先ほどマホと呼ばれた少女が街にやってきて隅々まで街の中を歩き回りそして公園に差し掛かると

 

「妹が連れ出された・・・・戦闘隊長め、私に協力させるため人質を取ったというのは本当だったのか・・・・」

 

と悔しそうな顔をしていると

 

「マホ大尉に命令する!!」

 

「っ!?」

 

背後を見るとそこには少佐と呼ばれた人型ネウロイがたっていて

 

「ゲルトルート・バルクホルン以下、サントロンにいるウィッチを抹殺せよ!!」

 

「・・・・ゲルトルート・バルクホルン?」

 

「奴らこそが今回のターゲットだ!奴らを殺せば、戦況が傾く!見事三人のうち一人でも殺すことに成功すれば、お前の脱走の罪を許し、姉妹二人楽しく生きられることになる!」

 

「・・・・・・本当に妹を返すんだろうな!」

 

「本当だ!約束する!殺れ!!ネウロイ軍エースの力を思う存分に振舞うのだ!妹の命はお前のそれにかかっている!!」

 

と、そう言い彼女は姿を消すのであった

 

「・・・・バルクホルン・・・・・・いや。私にとって妹の命は何ものにも代えられない・・・・・・」

 

そうつぶやくとマホはギュっと拳を握り・・・・・

 

「まっていろミホ・・・・・・お姉ちゃんが必ず助けるからな・・・・・」

 

と、そう言うのと同時に彼女は歩き出し、

 

「まずはブリタニアだな・・・・・・すまないバルクホルン大尉・・・・・」

 

悔しそうなそして悲しそうな声で彼女はそう呟くのであった

 

 

 


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