ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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OP「TAKE ME HIGHER」

ED「Angel Fly」


第141話「合同模擬空戦」

合同模擬戦、当日

ガリア、トロア郊外、フォレ・ドリオン、オーゾン・タンブル湖畔

空は合同模擬戦にピッタリな雲一転もない青空。その青空の下の湖に506統合戦闘航空団のA部隊とB部隊が集まっていた

 

「今日はよろしくお願いしますグリュンネ隊長」

 

「こちらこそ、今日はありがとうジーナ隊長」

 

と、グリュンネ少佐とジーナ中佐は握手をし挨拶するとジーナ中佐はちらっと横を見ると・・・・

 

「それにしてもこの前の模擬空戦と同じマスコミが来ているが、また黒田中尉が?」

 

「いえ、今回は黒田さんは関係ないわ」

 

「じゃあ、なぜマスコミが・・・・・・」

 

ジーナ中佐が首をかしげるとキーラ少佐が

 

「どうやら、疾風大尉がこの基地にいるという情報がどこからか漏れたらしい・・・・・彼は世界初でただ一人のウィザードであり、501,502,504で活躍して今では世界に知らない者はいないという英雄だ。その英雄が506にいるという情報が少しでも外部から漏れれば彼を取材したいという記者が大勢集まるのは自明の理だ」

 

と、ため息をついてそう言うキーラ少佐。どうやら彼女にとっては想定外の出来事だったらしい

 

「でも、大丈夫かしら?前みたいに爆破事件を起こされたら・・・・」

 

「その件なら問題はない。今回は以前と違い警備を厳重にし、マスコミたちも我が諜報部の人間が念入りにセキュリティーチェックをし、基地周辺に怪しいものが置かれてないかチェックしている。そのほかにガリア警察も警備に出ているから不審なものが出たら真っ先に捕らえることができるし、ウィッチである彼女たちがマスコミに何やらの問題を起こすことはないのだろ?」

 

「確かに・・・・カーラのようにマスコミ受けのいい連中もいますし・・・・・」

 

「そうですね。うちのバーガンデール少尉もそうですね・・・あと。あそこにいるエミリア大尉もそうですね」

 

「ああ、カールスラント人は固い性格ばかりだと思っていたのだがな」

 

とそう言いカーラたちの方を見るとマスコミがカーラやアイザック、そしてエミリアの写真を撮っており三人は笑顔でそれに応じていた。するとジーナ中佐は

 

「それよりもあそこにいる二人は・・・・・もしかして以前の?」

 

「ええ、ゲルトルート・バルクホルン大尉とエーリカハルトマン中尉。以前のようにオブザーバーとして呼んだのよ」

 

グリュンネ少佐が説明するとバルクホルンたちがこちらへきて

 

「久しぶりだ、ジーナ隊長。前にあったのは去年あたりでしたか?」

 

「これはバルクホルン大尉、ハルトマン中尉。お久しぶりです」

 

とジーナ中佐が二人に挨拶すると・・・・・・

 

「あれ?フラウじゃない!」

 

「あ!ミリア!!」

 

そこへエミリアがやってくる

 

「ミリア、久しぶりだね!」

 

「ええ、本当ね。元気にしてたか?」

 

「うん。エミリアも模擬戦に参加するんだね」

 

「ええ、B部隊として参加することになっているわ。疾風の奴もA部隊として参加することになっているし、これでやっとあいつと決着がつけられるわね」

 

「ミリア・・・・言っておくけど」

 

「わかってるって、やりすぎないように努力するから」

 

「本当?前みたいなことは嫌だよ?」

 

苦笑いしながらハルトマンがそう言う。前にエミリアは501部隊所属の時、模擬空戦でうっかり本気を出してしまいハルトマンに怪我を負わせてしまったことがあり、疾風との一騎打ちではまるで某人斬りと壬生の狼のような一騎打ちのようになってしまったためミーナ中佐に模擬戦を禁止されていたのだ。

 

「大丈夫よ。まあ、疾風との一騎打ちではどうなるかはわかんないけどね~♪」

 

「もう、ミリアたら、ミーナがいたら怒られるよ?」

 

と、しばらく話をする中、バルクホルンがエミリアの方へやってきて

 

「エミリア・ハルトマン大尉。久しぶりだな」

 

「ああ、シスコ・・・・・こほんバルクホルン大尉久しぶりね」

 

「今、シスコンって言いかけなかったか大尉?」

 

「さぁ?でも間違いだと?」

 

「私はシスコンではないぞ大尉。ただ妹と弟が愛するほど好きなだけだ」

 

「それをシスコンって言うのよ大尉」

 

「そうだよね~昨日もトゥルーデたら、疾風の寝室に忍び込んで添い寝しようとしていたじゃん!」

 

「なっ!あの時はああするしか方法がなかったんだ!弟が辛い思いをしている時は添い寝をしてやるのは姉の義務でありそれが一番いい方法なのだ!」

 

バルクホルンは熱意のこもった声でそういうと、二人は少しドン引きしたような顔になり

 

「トゥルーデ落ち着いてって、マスコミに聞こえるよ」

 

「この人どんどんキャラがおかしくなっているような・・・・・最終的には後をつけたり、一緒に風呂だったり、結婚するのも姉の義務だって言いだしそうね・・・・」

 

「あ~確かに…えっとこういうのをなんて言うんだけ?ストローだったけ?」

 

「違うわよスニーカーよ」

 

「ストーカーだ!!それ以前に私は断じてストーカでも変態で妹や弟キャラが好きな姉バカな人間ではないぞ!」

 

「「いや、誰もそこまで言ってないよ・・・・」」

 

wハルトマンがつっこむとバルクホルンは自分が何を口走ったのか気付き、顔を赤くし

 

「とにかく!は、早く試合を始めよう///ほら行くぞハルトマン!」

 

「「あ、誤魔化した」」

 

そう言いバルクホルン真っ赤な顔で会場へ行き、ハルトマンとエミリアは

 

「バルクホルンは相変わらずねフラウ」

 

「むしろ姉バカが悪化しているような気がするんだけど、ミリア」

 

「いいじゃないの。さて、私たちも会場に行きましょうフラウ」

 

「そだね~で、ミリア。そっちはどうだったの?」

 

「まあ、いろいろあってね~まず、ディジョン基地でウノやったり・・・・」

 

とエミリアはディジョンでの生活をハルトマンに話すのであった。一方、疾風の方は

 

「マリアン。久しぶりだな」

 

「ああ、疾風か・・・・そのお前の方は元気か?腕の怪我はもう大丈夫なのか?

 

「ああ、この通り、腕相撲もできるくらいに回復してるよ」

 

「そうか・・・それはよかった」

 

俺がそう言うとマリアンは安心したような顔をし少し顔を赤らめると

 

「疾風さん。実はマリアン。あの事件の後疾風さんが負傷したと聞いてすごく心配していたんですよ?」

 

「なっ!?ジェニファー!!その話は///!?」

 

「え?そうなのか?」

 

ジェニファーがこっそり俺の耳元でそう言うとそれが聞こえたのか、その言葉にマリアンは顔を真っ赤ににして俺はそう訊くと

 

「そ、それは・・・・その・・・・仲間が傷ついたら誰だって心配するだろ?」

 

マリアンは頬を掻きながら俺から目をそらし顔を赤くしてそういうと

 

「疾風。そろそろ試合が始まるぞ。早く来ぬ・・・・・・・っ!?」

 

と、ハインリーケがやってくるとマリアンと目が合う。その瞬間マリアンとハインリーケの体からゴゴゴと何かのオーラが出てくるのが見えた

 

「カール大尉・・・・・なぜ疾風にくっついておる。離れぬか」

 

「なんだ?別に疾風と仲良くして何が悪い。それに私はただ単に彼と談笑していただけだ。それともあんたの許可が必要だったか姫さん?」

 

互いににらみ合いそう言う

 

「あ、相変わらずだな・・・・・・あの二人」

 

「そ、そうですね・・・・・・・私たちだけでも先に行きますか大尉?」

 

「それもそうだな。じゃあ行こうか」

 

「はい♪」

 

と、そう言いハインリーケとマリアンがにらみ合う中、俺とジェニファーは先に会場へと向かうのであった。

 

 

そして試合会場ではファンファーレが鳴り響き

 

「それでは皆さん。お待たせしました。これより506統合戦闘航空団のA部隊B部隊の共同模擬空戦を始めます」

 

会場の壇上でグリュンネ少佐が解説を始める

 

「まず始めに今回の模擬空戦のルールですが、安全を考慮してペイント弾を用います。また刀を持っているウィッチとウィザードもいますが模擬戦では木刀に変えますので安心してください。話を戻します。今回の試合では身体の被弾は撃墜とみなし戦闘から離脱。ストライカーユニットへの飛弾は片側のみならばそちらを停止させ戦闘を続行、両側ならば撃墜扱いとします」

 

と説明するとそばにいたバルクホルンが

 

「こちらのモニターを見てくれ。撃墜された隊員の名前にはx印が表示される。試合をする隊員は折を見てモニターを確認してほしい。因みにだが顔写真はサービスだ」

 

説明すると彼女の後ろにある大型モニターに模擬戦に参加する隊員の名と顔写真が表示される。そしてグリュンネ少佐が

 

「この模擬戦はあくまで相手を倒すことが目的ではなく、A部隊とB部隊の親睦を深めお互いの能力を理解することが目的です!それでは各自戦闘準備をしてください!」

 

と、その言葉に皆は各自準備に取り掛かるのであった。そして疾風とエミリアは

 

「疾風・・・・まさかここでやっと決着がつけるとは思わなかったな」

 

「そうだな・・・・」

 

「言っておくけど手加減は一切しないぞ?」

 

「ふっ、当たり前だ。あの戦場でもそうだが俺は戦いで手を抜いたことはないぞ」

 

「だろうな・・・・・・・疾風。模擬戦が始まる前に一つ訊きたいことがある」

 

「なんだ?」

 

「お前のことは戦後いろいろ調べた」

 

と、エミリアがそう言うと疾風に眉がぴくっと動く、そんな中エミリアはメモ帳を取り出し

 

「疾風村正。日本の熊本出身で母親が海自、父親が陸自。祖父は旧海軍。だが、お前が生まれた直ぐ後、両親は自然災害と事故により殉職。その後姉と一緒に暮らすが4つの時にテロリスト戦争が勃発。姉は空自であったがその後対テロリスト部隊新日本国防軍の海軍に所属するが戦闘の中、戦死。その後は姉の親友であった北郷華琳の養子となり軍人への道を進む。士官学校での成績は常にトップ。その後、戦場で無双ともいえる戦いぶりをし、仇名は『レッドファイター』。そして最高撃墜数は871機となっていて終戦直前の8月1日に機銃暴発のため行方不明になり戦死と判定。階級は大尉だが、二階級特進のため中佐になっている・・・・・・あなたの人生は戦いばかりね」

 

「エミリア・・・・・何をいまさらそんなことを訊くんだ?もしかして俺を動揺させる目的なら意味はないぞ?」

 

「別にそんなことは思っていないわ。ただ一つだけ気になったことがあってね・・・・・」

 

「気になったこと?」

 

「ええ、海軍所属であった、あなたがなぜ陸自のレンジャーを持ちさらには特選群()に所属していた?」

 

「短期間だけだがな。まあ上官に反抗的な態度をとったらなぜか陸自のレンジャー訓練やらされた上にsに入れられた。まあ用は成り行きでそうなっただけだ」

 

「成り行きで日本の精鋭部隊に入れられるなんて、あんたぐらいね・・・・・」

 

「そう言うお前はどうなんだ?お前ぐらいのエースなら別にナチじゃなくても連邦軍でもよかったんじゃないかエミリア?」

 

「・・・・・・それは‥‥秘密よ」

 

と、ふっと笑うエミリア。やれやれ…相変わらず謎の多い奴だ。俺はため息をつくとエミリアが

 

「さて、そろそろ始まる。では試合の空でな疾風・・・・・・試合で相まみえよう」

 

「ああ、お互いの道を汚さない戦いをしようなエミリア」

 

「そうね。あのあんたとは正々堂々と決着をつけたいからな・・・・この試合で完全決着をつけるわよ」

 

「ああ・・・・またな」

 

 

と、そう言い俺とエミリアは別れ、そして506統合戦闘航空団のA部隊、B部隊の合同模擬空戦が始まるのであった。

 

 


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