ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
戦闘BGM「時代の風」
ED「鋼鉄ノ鳥」
AとBの両部隊による合同模擬空戦。最後に残ったのはA部隊にいる疾風とそして疾風の長年の宿敵でありB部隊に所属するエミリアであった。
「最後に残ったのは疾風とエミリアか・・・・・ある意味予想はしていたが・・・・」
と、審判のバルクホルンがそう言うとハルトマンが
「トゥルーデ・・・・」
「ああ分かっている。エーリカ万が一の場合に備えてハンガーとユニットの準備をするように整備兵に言っといてくれ」
「わかった」
「何か問題でもあるのですか?」
ハルトマンがバルクホルンの言葉に頷き、一緒に同行していた整備士にハンガーと自分たち二人のユニットを出すように言いに行き、それを不思議に思ったグリュンネ少佐は首をかしげて訊くとバルクホルンは
「グリュンネ少佐。あの二人が異世界人だということは知っているか?」
「え?あ、はい。そして二人が長年戦ってきた宿敵同士だということも本人たちから聞いています」
「そうか、なら話が早い。実はエミリアが501に配属されたばかりのころなんだがな、彼女の実力を知るため模擬空戦をすることになってエーリカがその相手をすることになったんだが・・・・・・・」
「だが?」
「・・・・・あいつ、ハルトマンに怪我させたんだ。しかも下手をすれば死んでいるかもしれないほどの攻撃で、あの時疾風が全力で止めなければ大惨事になっていた。そして疾風もエミリアを全力で止めようと空中戦をして両者とも酷い怪我をしたんだ」
「なっ!?」
バルクホルンの言葉にグリュンネ少佐は驚く
「その結果、エミリアはあれからミーナから模擬空戦を禁止されてな。彼女曰く『強者であれば強者であるほど闘争本能が燃え上がり、それ以降の戦いの記憶を失っていた』って言っていたよ。あれ以来エミリアもそうならないように努力をしてだいぶ前よりは良くなったんだが・・・・たまにな・・・まあ、どちらにせよ、宿敵同士がこうして模擬空戦をするなら、この一騎打ち、ダダでは済まないだろうな」
「じゃあ、さっきユニットとハンガーを用意しろと言ったのは・・・・」
「ああ、万が一二人が試合ではなく殺し合いになった場合は私とハルトマンが全力で二人を止める」
バルクホルンの真剣な顔にグリュンネはその言葉が冗談ではないということがわかった。そしてバルクホルンは
「ま、願わくばユニットを使わずに済むといいんだけどな・・・・・・・・・ところでグリュンネ少佐、さっきから気になっていたんだが?」
「あ、はい。なんでしょうか大尉?」
いきなりの言葉にグリュンネ少佐は驚くとバルクホルンがあるところを指さし
「あの三人は何をしているんだ?」
「え?」
グリュンネ少佐はその方向を見ると・・・・・
「さぁ這った這った!あともう少しで締め切りだぞ!」
「エース対エースの一騎打ちだよ!さあどちらに賭ける?」
「すごい!大尉たちこの模擬戦毎日やってくれないかな~」
と、黒田とカーラとアイザックが整備士や記者の人たちを集めて賭け事をしていた。無論整備士も記者たちも俄然乗る気満々で、黒田が持っている掛金箱にコインやらお札を入れている.
それを見たグリュンネ少佐は頭を押さえ
「はぁ~あの子たちは何をしているのよ・・・・・」
胃薬が欲しい・・・・・とそう呟きそれを見たバルクホルンは
「大変だな少佐・・・・」
「ええ・・・・いろいろと」
とバルクホルンの言葉にグリュンネ少佐が苦笑していると
「この痴れ者がっ!!!」
「カーラお前は何をしている!!」
と、ハインリーケとマリアンの怒声が響くのであった。
一方、上空では
「何やら下が騒がしいわね」
「そのようだな。ただの模擬戦のはずがすっかりお祭り騒ぎだな」
三式機銃とMg3を持ったエミリアと疾風はため息交じりにそういう
「まあ、いいわ。この方が面白い。でしょ疾風?」
「そうだな・・・・・」
と、そう言い疾風はコッキングレバーを引くとエミリアは笑い
「あんたと出会って幾度も死合いしたが結局決着はつかなかったわね」
「ああ、初めて戦ったラバウル航空戦から、ソロモン諸島、欧州のノルマンディーやバルジ、数えきれないほどお前と戦ったな」
「ええ、かれこれ100以上は戦ったわね・・・・・これでやっとあんたと決着ができる。まあ今までの戦闘機ではなくストライカーユニットという私たちの世界にない機材なんだけどね・・・・」
「ああ、でも動作方法は戦闘機と変わらない」
「そうね・・・・さて長話はそこまでにして、そろそろ始めましょうか・・・・・私たちの戦争を」
「そうだな・・・・」
そう言い疾風はインカムを取り
「グリュンネ少佐」
『あ、はいなんでしょうか疾風大尉?』
「なんか合図みたいなのを出してくれませんか?」
『え?合図ですか?』
「ああ、仕切り直しというか・・・・合図は何でもいいカウント10で上げてくれ』
『あ・・・えっと・・・わかりました。照明弾でいいかしら?』
「ああお願いします」
そう言うと下にいるグリュンネ少佐は整備兵から照明弾を借りると
「では二人ともカウントを取ります」
「「了解」」
そう言い二人は魔道エンジンをフルスロットルにし、銃を持ち互いの目線を反らさずじっと見つめ合図を待っていた。
「5・・・4・・・3・・・2・・・1・・」
グリュンネ少佐のカウントダウンが始まり、そして
「0!!」
「「っ!!」」
戦闘BGM「時代の風」
カウントが0になった瞬間、照明弾が上がると、二人の目はカッと見開き、互いに離れて交差し始めると
「先手必勝だ!!」
そう言いエミリアは素早く背後を取る。それを見た疾風は急降下してエミリアもそれに続き、二人は湖に水面すれすれを飛ぶ。そしてエミリアは疾風に向かって銃弾を放つ。疾風はそれを回避する。それを見たバルクホルンは
「先にエミリアが背後を取ったか・・・・・・・」
「疾風、何をしておる!高度を上げんか!」
その様子を見ていたハインリーケはそう言うがそれを見たバルクホルンは
「いや、今あがると弾丸が当たる。海面すれすれの方が当たりにくい。無駄弾を撃たせようとしているんだ。しかしそれだけじゃない。水面すれすれの飛行はただでさえバランスを取るのが難しく飛行がしづらい。下手をすれば水面につっ込んでしまう。疾風はそれを狙っているんだ」
疾風の姉であり、幾多の激戦を潜り抜けたエースであるバルクホルンは疾風の意図をすぐに見抜いた。そう疾風が水面ギリギリに降り立ったのは、エミリアに無駄弾を撃たせるだけではない。水面ギリギリの飛行はバランスをとるのが難しい、それに水面ギリギリは下手に高度を下げると水面につっこんでしまうのだ。
「ちっ、疾風の奴。無駄だまを撃たせる気ね・・・・・その手は食うか・・・・それに・・・」
とエミリアは銃口を慎重に疾風に向け
「飛行機の場合は機銃を正面ではなく下に向けるため機首を下げなきゃいけないが、ストライカーユニットの場合はその心配がない。後は機銃の弾道を間違えなきゃ・・・・・仕留められる」
そう言い、エミリアは銃弾を疾風に向かって撃つが疾風はそれを回避しながらエミリアの行動を見ると
「水面ギリギリまで飛んで運よくばバランスを崩し水面につっこむのを期待したんだが、やっぱ、エミリアにこの手は通用しないか・・・・・ならば」
そう言い、疾風は急上昇し、それを見たエミリアは
「ふ、痺れを切らしたわね。上昇力ならヴィルガーの方が上よ」
そう言いエミリアも急上昇するが、疾風は目にもとまらぬ速さでエミリアの背後を取り疾風を追いかけていたエミリアは逆に疾風に追われる形となった
「あれって捻り込みか!?」
それを見たマリアンは驚く。マリアンは前に504の竹井と一騎打ちした際、彼女の捻り込みを体験したことがるためすぐにわかった。すると黒田が
「え?あのマリアンさん捻り込みって?」
「黒田お前、扶桑の出身なのに扶桑海軍ウィッチの大技の捻り込みを知らないのか?」
「え?私、陸軍ですし・・・・」
「お前な~」
黒田の言葉にマリアンは呆れたようにため息をつく。そんな中、疾風は照準をエミリアに合わせる。しかし・・・・
「撃たないぞ?」
「どうなっているんだ?機関銃の故障か?」
背後を取っているのに打たない疾風を見て記者たちが不思議そうに言うと、バルクホルンが
「なるほど・・・・・・そう言うことか」
「何がそう言うことなんですかバルクホルン大尉?」
「デブランク大尉。弟は・・・・疾風は最後まで撃たない気だ」
「え?なんで?」
「今のエミリアはまだ体力が有り余っている状態だ。今、撃ってもエミリアに回避されることを疾風はすぐに呼んでいる。だからエミリアの体力がつき弱ってきたところでユニットに二、三発つけて蹴りをつけるまで無駄弾を使わない気だ」
「な、なるほどの・・・・・・」
「弟さんのことよく見てますね」
ハインリーケとグリュンネ少佐は感心して言うと
「そだよ。トゥルーデたら。戦場では鬼神みたいな堅物軍人って言われているけど、本性は大が付くほどのシスコンだからね~前に宮藤や疾風の写真集が出版されたとき売っている店という店によって買い占めてたりしてたもんね~」
「「「うわ~」」」
「なっ!?ハルトマン。変な冗談は言うな!!」
ハルトマンの言葉にみんなはドン引きした顔になり、バルクホルンは顔を真っ赤にしてそう言うのであった。そして上空では
「おい、疾風なんで反撃しないんだ?まさか弾切れ?ざまあみなさい!!」
先ほどから撃ってこない疾風を見てエミリアは調子に乗ってそう言うが
「・・・・・#」
疾風は少し眉間に青筋を立て無言でエミリアに機銃を二、三発撃つとエミリアは
「あ、やばい。やりすぎた」
と挑発じみた言葉とともに旋回し疾風もそれに続き、互いに旋回しながら互いの背後を取ろうとするいわゆるドッグファイト、巴戦が始まったのだ
「すげ~」
「こんな空中戦、一生に一度しかお目にかかれないぞ」
「これはいい記事がかけそうだな」
「おい、こっちカメラとってるかニュース映画にも出すぞ!」
記者たちは感動を含めた言葉を漏らし、カメラなどで写真や映像を撮っていた。そして同じく506メンバーも
「すごい空中戦だな・・・・・・」
「そうですね・・・・・」
「それにしても二人とも随分長く巴戦をしているわね・・・・・・・」
「ああ、すごい粘り強さだな・・・・」
記者と同じく感心してみていた
「ねえ、トゥルーデ。今回ばかりは大丈夫そうだね」
「だといいんだが・・・・・」
「やっぱり心配?」
「当たり前だ。義理とはいえ弟なんだからな・・・・・・で、ハルトマン準備は?」
「うん。いつでも動かせる状態にしているよ」
「そうか・・・・・ん?」
バルクホルンはあることに気が付いた。それは疾風が空隙に減速したかと思えば目にもとまらぬ速さで右旋回をしエミリアの背後を取った。
「あれ?あれってまた捻り込み?」
「いや、捻り込みは左のはずだ・・・それに今の速さ捻り込みよりも速い。まるで瞬間移動したようだな・・・・」
と驚いていると
「勝負あったな・・・・」
「フィナーレじゃの」
「賭けは僕たちの勝ちだよカーラ」
「やったー!コーラ10本ゲット♪」
「悔し~」
「お主ら・・・・・後で説教じゃな」
と、そんな話がされている中、空では
「くそ、燕返しか・・・してやられたな・・・」
エミリアがそう言う中、疾風は照準をエミリアのユニットに絞り、引き金を引く。しかし・・・・・
カチ、カチ、カチ
「・・・・・あれ?」
引き金を引いても弾が出ないことに疾風は凝視した。おかしい、弾はまだ数十発残っている。だとすると
「故障か!?」
故障だとわかり疾風はコッキングレバーを何度か引く。それを見たエミリアはチャンスを見逃さず、すかさず疾風の背後を取り
「ふ、これで終わりよ」
そう言いエミリアはMg3の引き金を引く。しかし・・・・・
カチ、カチ、カチ
「・・・・・・え?」
疾風と同様、エミリアの機銃も弾が出ない。それを見たエミリアは
「詰まったのか!?」
そう言い疾風同様コッキングレバーを引くのだが、エミリアの隣についた疾風はコッキングレバーを引きながら
「バカヤロ。お前のはただの無駄撃ちによる弾切れだ!!」
と、そう言った瞬間ばきっという音が聞こえる。その音を聞いた疾風は音のした方を見るとコッキングレバーが根元から折れていた
「あ、いけね。折っちゃった・・・・・・・どうしよう・・・・・・・・ん?」
疾風が困惑すると、隣から発砲音が思隣を見るとエミリアが拳銃、無論ペイント弾使用の銃を撃っていた
「こんな形で引き分けなんかにはしないわよ!!」
「アハハ!エミリア。西部劇じゃあるまいし、第一今飛んでいる速度じゃ、拳銃程度の速度の弾丸が当たるかよ!」
笑ってそう言うと、疾風の顔すれすれのところでエミリアの拳銃弾が飛んできた
「うわっ!危なっ!?・・・・てめぇ!!」
そう言い疾風は折れたコッキングレバーをエミリアより先の方へ投げるとエミリアは大笑い
「あははは!あなた馬鹿じゃないか?それこそ当たらないわよ!それに投げる方向も違うじゃない」
「さて、それはどうかな?」
「え?」
と、笑って言うのだが、先ほどのコッキングレバーがブーメランのようにエミリアの方へ飛んでいき彼女の頭に直撃し、そしてそれと同時にカーンと金属音のような音が鳴り響きエミリアは目をぐるぐるさせる。疾風が違う方向へ投げたのは風と速度を計算して投げたからだ
「あははは!」
疾風はそれを見て笑うとエミリアは顔をブルブルと振り
「くそ~よくもやったわね、このチビ助!!」
そう言いエミリアもポケットからボールペンやら時計やらいろんなものを投げ疾風もポケットからいろんなものを投げ合うのだった。下で見ている人たちは
「あの二人何やってんだ?」
というような顔をしていた。そんな中、疾風とエミリアは物を投げ合いながら
「それよりもあんたの姉、インカムで聞いてたけど。ほとんど実況しかしてないないじゃない。まるでヤムチャみたいに」
「失礼なこと言うな!せめて天津飯にしろ!」
「テンさんもヤムチャも大して変わらないでしょうが!zから影薄くなってたし」
「テンさんとヤムチャに謝れ!!無印とzの前半では大活躍だったんだぞ!仕方がない。じゃあ・・・・・・ベジータで!」
「・・・まあ、性格的には・・・・・似ているわね。じゃあ差し詰めミーナさんはブロリーかしら?」
「ブロリーか・・・・普段は大人しいが、怒ると未知数の力が出る・・・・まあ確かにそっくりだ。エミリア上手いこと言うな・・・・・でも本人には言うなよ」
「ええ、顔面めり込みのグーパンチは嫌だからね。あとキュも・・・・」
「確かに、宮藤の治癒魔法とギャグの世界じゃなかったら死んでたな・・・・・」
物を投げ合いながらそう言うとエミリアは
「さて、くだらない罵倒はそれまでにして。機銃は使えなくなったし本来、戦闘機での戦いだったらここで終わりなんだけど・・・・・・」
「ああ、幸い。このユニットではそう言うのがないし、それにまだ武器は残っている・・・・」
そう言い二人は腰と背中に差してある木刀を抜く
「自分の愛刀じゃないのは残念だけど・・・まあこれはこれで面白い。あんたはどう?」
「う~ん・・・・・ちょっと軽いけどまあ、剣速が早くなるから問題ないよ。まさか空で剣術ができるとは思わなかったがな・・・・・」
「ええ・・・・・じゃあ、行くわよ!」
素言った瞬間疾風とエミリアは急接近し互いの剣と剣をぶつけ白兵戦が始まる。それを見た会場の記者たちは驚きの声を上げる。それは506メンバーも同じであった。空中での銃撃戦が一気に剣と剣の戦いになる。しかも二人の戦いはまるで剣舞のように奇麗な戦い方であった。
人の力を凌駕した速度でエミリアが攻撃を繰り出せば、そのすべてをかわしながら剣で受け流す疾風。刀で息つく間もなく突き攻撃を繰り出す疾風をまるで踊るようなステップでかわしながら剣で捌くエミリア。まるで打ち合わせでもしたかのように互いの息がぴったりだった
「すごいですねマリアン」
「ああ、そうだな・・・・剣の腕は立つて聞いてたけど」
「すごい!まるで映画のチャンバラみたいです!」
「しかもあの二人、はじめの銃撃戦から一回も固有魔法を使用していないな・・・・」
「なに?それは本当か中佐!?」
「ああ、それだけじゃない。固有魔法だけでなくシールドも一切使っていない。あの二人は技術だけで戦っている。恐らくだが、彼らにとっての戦いは固有魔法とシールドを出した方が負けなんだろう・・・・」
「戦闘機乗りの意地ってやつじゃの・・・・・」
そう言いそ皆は疾風たちの戦いを見守る。そして疾風とエミリアは互いの動きを先読みしながら剣撃を放っていいた
「なかなかやるな疾風!」
「お前こそな!お前の剣術何処で習ったんだ?」
「独学よ。映画や本や漫画なんかでね。さて・・・・・疾風。そろそろ決着をつけましょ」
「そうだな・・・・・」
そう言い二人は距離を取り剣を構える
「(エミリアに小手技は通用しない・・・・ここは全力を込めた一撃を放たないとな・・・・)」
「(おそらく、次の一手で決着がつく。ならば次の太刀で決める一発勝負!)」
「「行くぞ!!」」
お互い次の一手が最後になると予測し、二人は全力を込めた剣技を相手に放つことを決意するそしてエミリアは急上昇すると疾風はすかさず追う。するとエミリアは急激に減速し太陽を背にして自然落下で疾風の方へ急降下する。その技はエミリアの得意とし、あまたの敵戦闘機や爆撃機を撃墜した急降下戦法「オスプレイ・ダイブ」であった。それを見た疾風は
「急降下を利用して剣の威力を上げる気か・・・・なら俺も!」
そう言い疾風も全速力で急上昇し、その急上昇を利用し、疾風はエミリアに向かって得意剣技である突き技『ヴォーパル・ストライク』を放ち、そしてエミリアも彼女が一番得意としている突き技「フラッシング・ペネトレイター」を放つ
「「うおおぉぉぉー!!!!」」
二人の渾身の一撃が炸裂し、その技による衝撃波で爆風が発生し二人は白い煙に包まれる。それを見た観客たちは
「なっ!?どっちだ!どっちが勝ったんだ!?」
皆がどちらが勝ったのか緊張の汗を流しその爆煙のする方を見る。そして爆煙が晴れるとそこにはエミリアが疾風の首をそして疾風はエミリアの心臓の所に木刀を突き付けていた
「どうやら・・・・・この世界でも引き分けみたいね」
「・・・・・・そのようだな。それ以前にもう獲物の方が使い物にならなくなったな・・・・」
「そうね・・・・やっぱ木刀じゃ強度不足ね」
そう言った瞬間二人の木刀にヒビが入り、そして砕け散る。どうやら二人の放った技に木刀自体が耐えられなかったようだ。そしてエミリアはため息をつき
「最後の得物である木刀も使い物にならなくなったし他に武器はないし…どうする疾風。ここは青春ドラマみたいに拳でやる?」
「女の子を殴るのはちょっと・・・・な。ここは次回に持ち越しでいいんじゃないか?」
「そうね・・・・・これ以上はさすがに疲れるし。今回は引き分けにしといてあげるわ。だけど、次こそは模擬戦ではなく本格的な死合いで決着をつけるわよ疾風」
「ああ、俺も同じ思いだエミリア。だからエミリア、その日まで・・・・・」
そう言い互いの手を取り
「「絶対に先に死ぬなよ。勝ち逃げは許さないからな」」
と、笑って再び再戦を誓うのであった。そしてその下の会場では
「すごい空中戦だったな。これはいい記事がかけるぞ!」
「みろ、戦った相手同士、腕を認め合って握手しているぞ」
「感動的だな!」
記者の人たちは感動して写真を取り、拍手をする。506メンバーも
「引き分けか・・・・・」
「でも、いい試合を見ることができました」
「そうじゃの・・・・・」
その一騎打ちに感動の声を漏らした。こうして506A部隊、B部隊による合同模擬空戦は無事に終わることになった。
一方、パリの喫茶ではキーラ少佐が誰かと電話していた
「ええ・・・・・はい。レイナーレについては失敗しましたが・・・・はい。次の作戦には強力な同盟者とともに作戦を開始します。・・・・・ええ。必ず成功させて見せましょう・・・・ガリア我が喜び」
そう言い電話を切ると
「さて、第二作戦ももうじき開始されるな・・・・・」
そう呟いその店を後にするのであった。すると・・・・
「第二作戦開始かな?」
「っ!?」
人気のないところに着くと背後から声が思キーラが振り向くと、そこには白衣を着た金髪の女性がいた。するとキーラはふっと笑い
「これは頼れる同盟者。ええ、予定通り『プロジェクト・ペダン』を開始する」
「そうか。では我々はすぐに準備しよう・・・・・君はいつものように君の仕事をしたまえ」
「しかし大丈夫なのかね?」
「・・・ふ、我が科学力を侮るな・・・・」
そう言いその女性はニヤッと笑い消えるのであった。この時506は気づかなかった。恐るべき陰謀が刻一刻と動いていることに・・・・・・・
やっと書き終えることができました。最近挿絵を描こうとしているんですが絵が下手なので出すことだできません。
そこで挿絵を募集したいと思います
次回も楽しみにしてください。感想などお待ちしています