ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
特別ED「Wonderland-Go-Round 」
ここでアンケートが多かった作品を出したいと思います
ペテルブルグ、502統合戦闘航空団基地では・・・・・・
「ついに・・・・ついにこの日が来てしまったんダナ」
「大丈夫エイラ?」
「サーニャ。大丈夫じゃないと言えば嘘になるナ。覚悟はしていたんだが、こればっかりは・・・・・はぁ~こんな時、疾風がいれば無事に解決できる重要任務なのに」
「イッル。大丈夫だって。きっとなんも問題ないよ」
「ソウナンダケドナ・・・・・でもやっぱり万が一のことがあったら、もうお終いだ。何もかも終わってしまうんダゾ」
「エイラ・・・・」
「イッル・・・・」
「とにかく。これは決戦なんだ!だから二人とも力を貸してくれ!!頼む!!」
エイラは机にめり込むぐらいに頭を下げるとエイラと二パは頷き
「わかった。イッルの頼みだからね」
「私も協力する。でもエイラわかっているけど、私たちはただ見守るぐらいしかできないよ?」
「ウン。わかってる。アンガト二人ともこれで希望の光が見えた!」
と目をキラキラさせてお礼を言うエイラに二パは
「でもエイラ、少し大げさじゃない?重要て言っても・・・・・・・・・・・・・・・・」
そう言いニパとサーニャは一呼吸入れ
「「アイちゃんが初めて一人でお買い物に行くだけだよ?」」
事の発端は数時間前、日常品が足りなくなってしまい基地の近くの街に買い物に行くことになっったのだが、突然疾風とエイラの愛娘であるアイが
「だったら、私がお買い物に行く!」
と言い出したのだ。それを聞いたエイラは
「ア、ア、ア、ア、ア、アイッ!?何言ってるんダ!?一人で買い物なんて!?」
「お母さん大丈夫!私だってみんなの役に立ちたい!」
「で、でも、もし何かあったら・・・あ、そうだ私も一緒に行こうか?」
「大丈夫。アイ一人でお使いできるもん」
「で、でもお前にもしものことがあったら・・・・」
と、アイはそう言うがエイラは心配そうな顔をするとラル少佐が・・・・
「まあ、ユーティライネン中尉。お前の娘がそう言っているんだ。心配なのはわかるが過保護すぎると子供は成長しないぞ」
「で、でもな~」
と困惑すると、アイはエイラの袖をクイクイと引っ張り
「お母さん・・・・・」
「う”っ・・・・・」
捨てられた子犬のように目をキラキラさせるアイにエイラは言葉に詰まり、そばにいた下原が
「は~アイちゃんかわい~///!!」
と、アイに抱き着こうとしたが・・・・
「下原!少しは空気読め!」
「定ちゃん。今はやめようね~」
と、菅野とジョゼに羽交い絞めされ止められる中、アイはエイラを見て
「お母さん・・・・・お願い」
「うっ・・・・・・・・はぁ~わかったよ・・・・」
娘の可愛いまなざしに勝てる親はなく、エイラは渋々アイのお使いを承認するのだった。するとアイは華が咲いたような笑みをし
「っ!ありがとうお母さん!アイ頑張るから!」
と、笑顔で鼻歌を歌いながら部屋を出るのであった。そしてアイが部屋を出た後ラルが咳ばらいをし
「さて・・・・みんな。これから重大な作戦会議を始めよう・・・・・・先生」
「はい。それでは皆さん。席についてください。これからアイの初めてのお使い大作戦を始めます」
『『了解!』』
ロスマンの言葉に皆は頷くのであった。
そして時は戻って基地の門の前
「じゃあ、お母さん、行ってきます」
「本当に大丈夫?迷子にならない?」
「大丈夫ロスマンお姉ちゃん。すぐ近くだし地図もちゃんと持ってるよ」
「でもアイちゃん。これだけは覚えてね。知らない人にはついて行っちゃだめだよ?後、道を渡るときは車に気を付けてね」
「うん。ありがと、ひかりお姉ちゃん」
「じゃあ、アイ。気を付けて行くんダゾ」
「うん。じゃあお母さん。行ってきます!!」
とアイはぬいぐるみのボコとリュックサックをしょって笑顔で基地を出るのであった。そしてそれを見届けたエイラとロスマンたちは
「さて・・・・それでは先ほど立てた作戦通りに。それとユーティライネン中尉はなるべくあの子の干渉しないように・・・・」
「わかったんダナ。これもアイのためだもんな・・・・・」
そう言いエイラはアイの方をじっと見るのであった。
502基地から少し離れた街
「やってやる、やってやる、や~てやるぜ♪」
愛は元気に歌を歌いながら街の中を歩いていた。アイが歌っている歌はアイのぬいぐるみのボコの歌でアイの伯母であるアウロラが作詞したものだった。そして陽気に歌っているアイの後ろにある電柱から彼女を見守る4つ影があった
「おい、押すなよ二人とも」
「イッルこそ。もうちょっと詰めてよ。これじゃあアイちゃんにバレちゃうよ」
「お前こそもう少し詰めろよ・・‥てかひかりももう少し頭を下げろはみ出てるぞ」
「え~そんなこと言ったって~」
その陰の正体はエイラと二パと菅野とひかりであった。なぜ彼女たち4人がそこにいるかというと、やはりアイのことが心配なのかこうして見守りに来ていたのだ。本当ならサーニャも一緒に行く予定ではあったのだが夜間哨戒の任務があったため代わりに菅野とひかりが一緒に行くことになったのだ。斯くいう菅野も妹分であるアイのことが心配でこうして同行している。するとひかりが
「ねえ、アイちゃんが心配なのもわかるけど、せめてもう少し離れて見守りませんか?これだとさすがに見つかっちゃいますよ」
「何言ってんダヨ雁淵!もしアイに何かあったらどうするんダヨ!!」
「そのために俺たちがいるんだろうが・・・・・たく、おめえたちも心配性だな。たかが買い物なのに」
「だったらなんで菅野も一緒に来たの?」
「そうですよ?作戦会議の時アイちゃん見守り隊に一番志願したの菅野さんじゃないですか?」
「ソウダゾ~なんでついてきたんだ?」
「うっ・・・・それは・・・・」
そう言い菅野は少し頬を染めると、それを見たエイラは
「なっ!?まさかお前、アイのことを!?」
「え!?そうなの菅野!?」
「もしかして、同性愛者で幼女好きなんですか!?」
「バ、バカヤロー!誰が同性愛者だ!アイは俺にとっては妹みたいなやつだから心配になって見に来ただけだ!!」
顔を真っ赤にしてそう大声を出すと・・・・
「ん?」
向こうにいたアイが突然振り向き、4人は慌てて隠れる
「キュ?・・・・今、直枝お姉ちゃんの声が聞こえたような・・・・・・・気のせいかな?」
首をかしげるアイだが、すぐに前を向き歩きだすのであった。そして隠れていた4人は
「ふ~危なかったですね」
「うん・・・・どうなるかと思ったよ・・・・」
「おい、大声出すなよ。あともう少し出会いに見つかるところだったじゃないカ」
「す、すまない・・・・」
「あ、それより早く追いかけないと、アイちゃん見失っちゃうよ」
「ソウダナ・・・じゃあ、4人とも行くか」
そう言い4人はアイを追いかけるのであった。
「♪~♪~♪」
アイは鼻歌を歌いながら、地図を見ながら街の中を歩くと不意に声をかけられた。そこには若い3人の男性がいた
「やあ、お嬢ちゃん可愛いね~」
「キュ?」
「一人で買い物?お母さんはどこかな~?」
「えっっと・・・・」
「もしかして迷子かな?お兄さんたちが教えてあげようか?」
「ここではなんだし、別の場所に行かない?」
誰にでもわかるようなナンパであった。人見知りのアイはどうすればいいかわからなからず、怖くて目をつぶりぶるぶる震えていた。すると若い男性は
「さあ、お兄さんたちがいいところに連れて行って・・・・・・・・・っ!?」
ニヤニヤした表情でアイの腕を掴もうとした瞬間、その男性は何かの殺気を感じ、その方を見ると目を見開き冷や汗をかき始める
「おい、どうしたんだよ?・・・・・・っ!?」
不思議に思った仲間がその男に訊くが返事もせず顔があるところを見て強張っていた。仲間二人はその方向を見ると・・・・・
『『ガルルルルルッ!!!!!』』
建物の陰の方でブルドックと黒狐が仁王のような形相で今にも殺さんとばかりの殺気を出し若者三人を睨んでいた
「「「ひっ!?す、すみませんでしたー!!」」」
そのあまりの怖さに若者三人は逃げ出すのであった。そしてアイは目を開けると先ほどの男たちは消えていた。
「・・・・・?」
いきなりのことにアイはわからず首をかしげて
「まっ・・・いいか」
そう言い、また歩き出すのだった。そして柱の影では・・・・
「「「ふ~」」」」
4人は人がため息をついていた
「イッルと菅野の殺気のおかげで何とかアイちゃん、連れ攫われずに済んだね」
「そうですね・・・・・」
と、苦笑して言うひかりと二パ。すると
「何、ボーとしてるんだ二パ、雁淵。さっさと行くゾ」
と、そう言うとエイラはいつの間にか黒いサングラスとどこから持ち出したのかモシン・ナガンM/28を持っていた
「イッル。何してるの?」
「イッル?誰だそれ?私はアイの守護者であり殺し屋、エイラ13。アイに不埒な虫がつかないため母ちゃん、不埒な虫を排除するため頑張るんダナ!」
「エ、エイラさん?」
「イッルが壊れた?ねえ菅野。なんか言ってよ」
ニパが苦笑してそう言うと
「誰が菅野だ?」
そう言い菅野も黒サングラスをかけ、拳を組んでボキぼきと拳を鳴らしていた
「俺は殺し屋、デストロイヤー13、不埒な野郎どもをアイに触れる前に破壊してやるぜ。おいエイラ、俺も協力するぜ!」
「おうよっ!」
そう言い二人はアイの後を追い、残された二人は
「二人ともキャラが変わっちゃいましたね二パさん・・・」
「うん。イッルはともかく、菅野は疾風さんやイッルと同じようにアイちゃんのこと可愛がっているから・・・とにかく二人を追おう、ほおっておいたら本当に誰か撃っちゃうかもしれないから」
「そ、そうですね!」
そう言い二パやひかりもエイラや菅野が暴走しないよう監視しつつアイの買い物を見守るのであった。
一方アイは4人に見守られていることも知らず、メモを見ながら歩いていくと
「あ、ここだ」
とアイはある店の前に立ち止まった。そこはいろんな食材が売っている店だった。アイはその店に入りアイを追いかけている4人は
「アイちゃん。無事に店に入ることができましたね」
「ソダナ」
「そう言えばアイに何を頼んだっけ?」
「確か、ハムにチーズと…あとキャビアとかかな?そう言えばクルピンスキーさん。アイちゃんの買い物メモに何か書き加えたような・・・・」
「とにかくこれじゃあ中の様子がわからないから、入ります?」
「それじゃあ、アイにすぐに見るかるじゃんカ?」
「エイラさんや菅野さんみたいにサングラスして変装すればいいんです」
「ソッカ。その手があったなあとはライフルを用意すれば・・・」
「「ライフルはいらないよ」」
そう突っ込む二人、そして4人はサングラスをかけそしてアイにわからないように帽子とコートを着て店の中に入り
、そしてすぐそばにあった席に座り新聞やら雑誌を読むふりをしてアイの行動を見ていた
「こんにちはお嬢さん。一人で買い物かい?」
と、女性の店員さんがそう訊くとアイは頷き
「うん。今日は一人で買い物に来ました」
「そうか~偉いわね。で、何が欲しいの?」
と、そう訊くとアイは買い物メモを取り出し
「えっと・・・・・ハムにチーズにイクラとキャビアの缶詰・・・・」
「はい。ハムにチーズにイクラとキャビアの缶詰ね。後他には?」
「えっと・・・・大人のぶどうジュース」
「え?大人のぶどうジュース?」
アイの最期に出た注文に店員さんは首をかしげる。そして様子を見ていた4人は
「(大人のぶどうジュースって・・・・・)」
「(クルピンスキーの野郎だな・・・・)」
「(うん。間違いないね・・・)」
「あ、あの・・・もしかしてないのですか?」
「う~んそうね・・・・大人のぶどうジュースてどんなのかわかる?」
「うんクルピンスキーお姉ちゃんがよく飲んでいるんだけど、確か、『ボルドー』ていう名前だったんだけど・・・・」
「あ~なるほどね・・・・ごめんね。そのジュース。大人の人と一緒じゃないと買えないの」
「そうなの?」
「うん。でも送り先を教えてくれたら運ぶからこの紙に書いてくれる?」
「うん」
そう言いアイはその紙に送り先である502統合戦闘航空団の住所を書く。そして店員さんはアイが書いている間、注文された品を袋に入れる
「はい。うちにある物だけ用意したから、お金預かってきた?」
「うん。はい」
そう言いアイはお金を渡し店員さんはそれを確認すると
「はい。じゃあ、これ、おつりね・・・・あ、そうだ。これ、サービスね」
と、店員さんは小さな棒付きキャンディーをアイに渡す
「いいの?」
「その年で一人で買い物なんて偉いわ。だからそれは私からの気持ちよ。帰るときは気を付けてね」
「うん。ありがとう」
そう言いアイは買い物袋を持ち店を出ると笑顔で見送った店員はアイが店を出たのを確認すると・・・・
「はぁ~どこの誰よあんな小さくてかわいい子にワインを買わせる人は・・・・顔が見てみたいものだわ」
「「「「(ごもっともです)」」」」
店員の呆れた声にエイラたちはごもっともな顔をするのであった。そして店員さんはエイラの方へ向き
「あなた達、あの子の保護者でしょ。さっさと追いかけないとあの子、見失うわよ」
「「「あ・・・はい」」」」
と、店員さんにはあっさりとバレていたようだ
一方、アイは買い物を終えてペテルブルグ基地に一番近いバス停に行くバス停に向かう。
「お母さん。喜んでくれるかな?」
母親であるエイラが自分のことを褒めてくれる姿を想像して嬉しそうにするアイ。
「お父さんもいたら・・・・・アイのこと褒めてくれるかな・・・」
と、ふいにアイは父親である疾風のことを思い浮かべる。するとアイの心の中で寂しさが現れる。
「・・・・お父さん」
アイは静かにそう呟くと・・・・
♪~♪~♪~
「キュ?」
何処からか音楽が聞こえてくる。その不思議な音色にアイは思わずその音のする方へ行くと、着いた場所はアイの向かっているバス停のすぐ近くの公園で、その広場では、エイラと同じくらいの年齢かチューリップハットをかぶったグレーのかかった銀髪の女性が琴に似た楽器、カンテレを弾いていた。すると女性は引くのを止めて
「何かお探し物かな?可愛らしいお嬢さん?」
「ううん。もうすぐ帰るところ、でもいい音色が聞こえたから少し聴いていた」
「そう・・・この音楽はね私にとっていろんな思い出が詰まった音楽なんだよ」
「そうなの?」
「ええ、この音楽はね、小さい頃、母の友達がよくピアノで弾いてくれた曲なんだよ。もう一度聴くかい?」
優しい声でそう訊く。するとアイはこの女性とは初めて会った気がしないような感じがしたがすぐに頷いた
「うん」
「そう、じゃあ弾くわね。まず最初は「雨の音」そして次はスオムスの曲、「サッキヤルヴィンポルカ」よ」
そう言い彼女はカンテレを弾くのであった。それを聞いたアイはその音楽を聴いて、うっとりとした表情を見せるのであった。
「アイを見失ったゾ!?」
「どうしましょ!」
「とにかく探せ!!」
一方、エイラたちは見失ったアイを全力で探していた。そして・・・・
「見つけた?ひかり?」
「ううん。二パさん。見つからない。もしかして先に戻ったのかな?」
「じゃあ、バス停に言ってみるか?」
「ソウダナ」
そう言い4人は502基地の近くにあるバス停に向かうバス停へ向かう。そして公園を通りかかった時
「あれ?」
「どうしたのひかり?」
「今、音楽が聞こえたような?」
「あ、ほんとだ。あ。あそこで女の人がカンテレを弾いているよ。あの曲はサッキヤルヴィンポルカかな?」
「音楽なんて今はどうでもいいだろ?」
「でもあそこにアイちゃんいるよ?」
「ナンダテ!?」
ひかりがそう言いエイラが見るとそこにはカンテレを弾く女性の音楽を聴き楽しそうに笑ているアイの姿があった。そして女性が弾き終わるとアイは拍手をする。すると女性はにっこりと笑い
「どう?楽しかったかい?」
「うん。すごく楽しかった」
「そうか。それはよかったわ。ここでもう一曲弾きたいところだけど、どうやらあなたのお母さんが迎えに来たようね」
「え?」
そう言いアイが振り返ると
「アイー!迎えに来たゾ!!」
「お母さん!!それに二パお姉ちゃんたちも!」
そこへエイラが猛ダッシュでアイの方へ走りアイを抱きしめる
「お母さん。アイちゃんと一人でお買い物で来たよ」
「よくできたんだなアイ~」
「立派だぞアイ!」
と、4人はアイを褒める。そして
「アイ。そろそろ帰るゾ」
「うん。お姉さん、またね。音楽ありがとう」
「うん。帰り道に気を付けてね」
そう言いアイはエイラたちと一緒に帰るのであった。そして残された女性は
「ふ~どうやら元気になったようね。これで過去の私を元気づける任務は終わりのようだし、そろそろ元いた時代に帰らないと妹たちが待っているし、早く帰ろう」
そう言い女性はアイと手を繋いでいるエイラを見て
「未来で会おうね・・・・・お母さん。そしてセダンでの任務、頑張ってお父さん」
そう言い彼女は煙のように消えるのであった。
その後、アイの買い物が終わった後、502に一本のボルドーが届いたのだが・・・・
「アイちゃんにお酒を買わせようとした罰です!これは没収します」
「そ、そんな~」
と、ロスマンにワインを取り上げられがっかりするクルピンスキーの姿があったとかなかったとか・・・・・