ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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OP「TAKE ME HIGHER」

ED「鋼鉄ノ鳥」

ここでリクエストをいただいた作品を出したいと思います。今回は疾風ではなくディジョンのB部隊とエミリア中心のお話です


第148話「ウィッチ標本5・6前編」

疾風が使い魔であり相棒である宗近に忠告された数日後、とある山の道に一台のバスが走っていた。そしてそのバスの中、客に交じってリベリオンの軍服を着たウィッチ二人が乗っていた

 

「もうすぐ事件現場に近いな」

 

「はい・・・・・ですが隊長。本当にネウロイの仕業なんでしょうか?」

 

「わからない。だから今こうしてバスに乗って調査しているんじゃないかジェニファー」

 

506ノーブルウィッチーズディジョン基地の奥にある、とある山でここ数日間バスの転落事故が相次いで起きた。ガリア警察の必死の調査でもこの事件を解決することができず原因はいまだに不明であったが一部の証言者が黒い大きな影を見たという証言から、この事件の原因はネウロイが絡んでいるかと睨んだ警察は事件現場に近いデジョンのB部隊に調査を依頼したのだった。そしてその事件の調査に出たのは、リベリオン海兵隊大尉ジェニファーとB部隊隊長であるジーナ・プレディ中佐であった

 

「(もうすぐ正午・・・・)」

 

プレディは腕時計を見る。事故は決まって正午に起きる。そして今乗っているこのバスもその事件現場にちょうど正午に通過するのだ

 

「隊長。もうすぐ事故現場です」

 

「そうだな・・・・・」

 

そう言うと、バスの揺れでジェニファーのポケットから時計を落とす。それを見たプレディがその時計を取ろうととすると、彼女たちの隣の席にいた黒いサングラスをかけた少女が時計を拾い。ジーナに渡す

 

「あ、あのどうぞ」

 

「ああ、すまないありがとう」

 

「ありがとうございます」

 

ジーナとジェニファーがお礼を言うと少女は笑顔で返す。そして彼女らの乗るバスはどんどん山道を進む。そしてバスが崖の曲がり角を通った瞬間

 

「っ!?」

 

急にバスのフロントガラスに突然紫色のスクリーンのようなものがかかり、運転手の視界がさえぎられた。それを見た運転手は驚きハンドルを大きくきる。そしてバスの中では悲鳴が上がりバスはそのまま崖へと転落するのであった

 

 

 

 

 

一方、ディジョン基地では

 

「ドロー!」

 

「残念カーラ。ドロフォーよ」

 

と、基地内ではエミリアとマリアン。そしてカーラがコーラを飲みながらウノをしていた。

 

「それにしてもこのウノというカードゲーム面白いな。これも異世界の遊びなのか?」

 

「まあそんなところね。ここにはテレビゲーム無いし、このスマホも毎日は使えないしね。まあウノはよく疾風と遊ぶゲームだから嫌いじゃないけど」

 

「テレビゲーム?」

 

「ああ、いやこっちの話よ。それよりも・・・・」

 

そう言いうエミリアは壁にかかる時計を見る

 

「今頃隊長とジェニファーは事故現場か・・・・」

 

「何事もないといいんだけどね」

 

「まあ、たぶん大丈夫だとは思うけどね・・・・・」

 

そう呟くと・・・・

 

「カール大尉、カーラ大尉、エミリア大尉すまない入るぞ」

 

そう言い入って来たのはプレディ中佐の専属整備士であるクハネック軍曹であった

 

「あら、クハネック軍曹。どうしたのもしかして一緒にウノでもやりに来たの?」

 

「軍曹、コーラ飲む?」

 

「いいや、遠慮させてもらう。今回来たのはそれじゃない。実はさっき病院から電話がかかってきてね。なんでもデブランク大尉らしきウィッチが運ばれたらしいわよ」

 

「なんだって!ジェニファーが!?」

 

「隊長はどうなったんだ!?」

 

カーラとマリアンがそう言うとえみりあが

「とにかく病院に行きましょ!」

 

そう言うと二人は頷き病院へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ・・・・・・・ここは」

 

一方、ジーナは目を覚ます。そして目が覚めると自分は今崖に生えてある木に引っかかっている状態であった

 

「確か・・・・急にバスが転落して」

 

頭をさすりながらジーナがそう呟くと、彼女のすぐ近くで先ほどジェニファーの時計を拾った少女が倒れていた。それを見たジーナは彼女に駆け寄り

 

「おい、君大丈夫か?」

 

そう言い彼女を揺り起こすと、彼女は静かに目を覚ます

 

「うっ・・・・・は、はい…大丈夫です。なんともありません・・・・でもどうして」

 

そう言い辺りを見渡し、下の方を見ると

 

「・・・・バスだ」

 

ジーナがそう言う。彼女らの下には横転したバスが転がっていた。それを見たジーナは

 

「ジェニファー・・・・・すまない。少し下の様子を見てくる絶対に動いちゃだめだ」

 

ジーナがそう言うと彼女は頷き、そしてジーナは崖を下りる。そして崖を下りたジーナは無残に転がっているバスの中を見るとバス中にはだれもいなく、ジェニファーはおろか猫一匹いなかった。それを見たプレディは

 

「おかしい・・・・これだけの大事故なら救援隊や警察が来てもおかしくない。それに乗客の姿もないなんて・・・・」

 

そう言い隅々までバスの中を捜索したジーナはバスを降り崖の上に戻ろうとした瞬間、誰かが自分の肩を掴み驚いたプレディは振り向くと

 

「何をしているんですか?」

 

そこにはガリア警察の警察官がいた。それを見たジーナはほっとし

 

「すまないがバスの乗客は?」

 

「乗客ですか?とっくに収容されていますよ。もう事故から一時間以上たっていますからね」

 

「一時間!?」

 

そう言いジーナは腕時計を見ると確かに事故が発生する直前に見た時刻から一時間以上経っていた

 

「そうか・・・それで乗客がいなかったのか」

 

そう言うジーナをよそに警官は

 

「それにしてもあの高さから落下したというのに不思議な事件ですな。何せ乗客全員がかすり傷ほどの怪我で済んだのですから、まあ一人だけ脚をねん挫した人がいましたが」

 

「一人だけ?」

 

「ええ、たしか506統合戦闘航空団のジェニファー・デブランク大尉とおっしゃっていましたよ」

 

「そうか・・・・・ジェニファーは無事だったか」

 

「はぁ?」

 

「いいや、すまない」

 

そう言い彼女は先ほどの崖へと戻ろうとすると

 

「ああ、国道へ上る道なら向こうですが?」

 

「いや、向こうで用事があるんだ」

 

そう言うと彼女は事件現場を後に思先ほどの崖へと昇るとそこには彼女の姿はなかった

 

「どこに行ったんだ彼女は・・・・」

 

そう言い辺りを見渡すと、崖の向こうで先ほどの少女が崖の上を登っているのが見えた

 

「彼女はどこへ行くつもりだ?あの上には町はないはずだ・・・・・たしか」

 

そう言いジーナはポケットから地図を取り出し彼女の向かう方を見ると

 

「・・・・特殊化学実験所が山の上にあるだけか」

 

そう言い、ジーナは彼女を追いかけるのであった。

 

 

 

一方、病院では・・・・

 

「良かったねジェニファー。ねん挫で済んで。はいこれ差し入れのコーラね」

 

「ありがとうカーラ。でもごめんなさい。私がいながら隊長とはぐれてしまうなんて」

 

「ジェニファーのせいじゃないさ。大丈夫隊長は無事だよ。きっと無事さ」

 

「ありがとうマリアン・・・・・そうね隊長はきっと無事よね・・・・・・それよりもエミリアさんの姿が見えないけど?」

 

「アア、ミリアなら一階の購買でパンを買ってくるとか言っていたよ?」

 

「そう・・・・」

 

一方、エミリアは・・・・・

 

「なあ、あんたもうどっちにするか決めたかい?」

 

「ちょっと待っておばさん。そうね・・・・イチゴジャムか、それともチョコか・・・・いやいや、クリームというのも捨てがたい」

 

とエミリアは売店に並んである菓子パンを見て悩みこんでいた。すると・・・

 

「だ、誰か助けて・・・・」

 

「ん?」

 

急に背後から助けを求める声が聞こえエミリアは振り向くと病院の玄関先でボロボロの白衣を身にまとった少女が息絶え絶えにドアの方に寄り添っているのが見えた。それを見たエミリアや看護師たちが慌てて彼女を漢語部屋へと運ぶのであった。そしてその後彼女のいる部屋には警察とそしてその騒ぎを聞きつけたマリアンやエミリアがいて、そしてベットに運ばれた少女は一言、一言ゆっくりと話すのであった。彼女はこの病院の先にある山の上にあるウィッチの魔法力を研究する化学施設、特殊化学研究所の研究員ウィッチで彼女の報告はその場にいた皆を驚かせた

 

「せ、占領・・・・されたわ・・・・・ダダに」

 

「ダダ?ダダとはなんだ?」

 

「宇宙生命体・・・・・・人型ネウロイよ」

 

「ネウロイだって!おい、もっと詳しく話せ!」

 

マリアンの言葉にその少女が頷くと彼女は詳しく話すのであった。事の発端は一週間くらい前、ちょうどバスの転落事故が始まった時のころだ。突如、研究所に謎の人型ネウロイが現れその場にいた研究員やウィッチたちを謎の光線でミクロ化させカプセルに閉じ込めたというのだ。幸い彼女はデータを取りに行っていたため、襲撃を回避することはできたが、すぐにその人型に見つかり追われる形となったというのだった

 

「私は‥‥運が良かったわ。偶然逃げ込んだ部屋は貯蔵室だったんです・・・・そのネウロイは壁抜けできる能力を持っていたのですがその部屋の扉はあらゆる宇宙線を遮る目的で特殊重金属でできていたので入ってこれなかったんです・・・・それからはその部屋にあった小窓から脱出し、ここに来たというわけです・・・・・」

 

「なるほど・・・・・・」

 

少女の言葉にエミリアは納得したように頷くとカーラが

 

「じゃあ、もしかして隊長はその施設にいるかもしれない!」

 

「その可能性はある。よしすぐにそこに・・・・」

 

マリアンがそう言った瞬間、急に少女が悲鳴を上げた。その悲鳴に驚いた皆は彼女を見ると突然彼女の姿が消えるのであった

 

「なっ!消えた!?」

 

「どうなっている!?」

 

急に消えた少女を見て皆が驚くのであった。そしてその少女は彼女の元居た場所である研究所の床に置かれていた。そして

 

「とうとう捕まえたわ。手間を掛けさせて」

 

と、倒れた彼女の前に人型ネウロイが立っていた。そして人型はその少女を何かのビーム機で撃ち彼女をミクロ化して小さなカプセルに閉じ込める。すると何かのアラームが鳴ると彼女の前に立体映像が出てその映像に彼女と同じ姿をした人型ネウロイが現れた

 

『ネウロイ軍諜報員コードネーム『ダダ271号』。任務は無事にできているな?』

 

「はっ、研究所員全員の内、ウィッチとしてまたは標本に適している人間を4人見つけ収容しました」

 

『私たち研究員が指示した標本は6体。本星ではすぐに戦局を打開すべく、敵の秘密兵器であるウィッチの研究を急げばならぬ。急いで残り二人を捕まえるのだ・・・・・・それと、誰かがここにやってくる警戒せよ』

 

「はっ!」

 

と、そう言うと立体映像は消えると彼女は腕をクロスさせそして腕を下に下げると彼女の身体が光り、そして人の少女の姿に変わるのであった。そして少女に変身したネウロイはその場に落ちていた白衣を着てにやりと笑うのであった。

 


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