ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
EⅮ「Starear」
第13話「ペテルブルグへ」
501解散後、俺たちはここに仮配属となった
トップエースのエイラと、義勇兵扱いとなる俺とサーニャの扱いを、空軍上層部が決めあぐねていたからである
戦闘の合間を縫って、オラーシャへの連絡を付けるという名目でスオムス―オラーシャ間を行き来していた
ウラル山脈を越え、サーニャの両親のいる東オラーシャに出る。いつしか、三人の共通の目標となっていた
「ん~…」
地図とにらめっこしながら、俺はオラーシャ上空をさまよっていた。
「このルートもダメか…仕方がない今日は帰ろう」
紫電改を操り、機首を基地方面へ向ける。
「オラーシャへの道はまだ遠いな…」
とあるスオムス基地上空
「こちら疾風。ウッティ基地管制、応答せよ」
『こちら管制。貴機をレーダーに捉えた。着陸を許可する』
若干雪の積もった滑走路に着陸する。最初は着陸が大変だったが、もう慣れたもんだ
『ナイスランディング。お前さんの彼女さんがお待ちだ、会いに行ってやれ大尉』
「彼女じゃねぇよ。まぁ、会いには行くが」
『いい加減告っちまえよ、このヘタレが』
「・・・・・三式機銃の射程テストと行こうかな~#」
背中に担いでいた機銃を構え、管制塔へ向ける
『分かった!俺が悪かった!だから機銃をこっちに向けるな!!・・・・・はぁ、ユーティライネン少尉は食堂にいるよ』
「応、ありがとう」
まったく…まぁ、この会話もいつものことだ
コートとゴーグルを外して宿舎に入る。冬仕様の服を着ているので寒くはない。因みにこの冬着は義姉さんにもらった。
「へっくし」
それでも冷えたのか、くしゃみが出る。暖炉のある食堂の扉を開け、中に入る。あったけぇ… ここは天国か?
「ヨッ!おかえり。収穫はあったカ?」
サルミアッキを食べているエイラが手を振りながら聞く
「さっぱりだ。大戦前に使われていたオラーシャへの航路は全滅。空はクリアでも高射砲型陸戦ネウロイがうろうろしてる地区もあったよ」
缶からサルミアッキを取り出し、自分の口に放り込む。そのままキッチンに向かい、コーヒーをカップに注ぐ
「コーヒー私にもクレ。ソーカー、だめかー…」
トランプのダイヤのエースがあしらわれたカップをエイラの前に置き、白い雷マークが描かれたカップを自分の手元に置く。すると・・・・
「疾風大尉はいるか!」
と、スオムス空軍のお偉いさんが入って来た。
「ここにいますよ。」
と、俺は敬礼して返した。
「うむ、君に話がある。ちょっと来てくれ」
「は、はぁ・・・・・」
俺は高官に呼ばれ、食堂を出た。
「‥‥転属ですか・・・」
「そうだ。君には502JFWに行ってもらうことになった。」
高官の話ではカールスラント奪還のために少しでも人員が必要らしい。
「でも、なんで俺が?他にも1級のエースがいるんじゃないですか?」
「まあ、それはあれだ。聞けば君のネウロイ撃墜数は250機以上を超えているじゃないか。これ以上のエースはカールスラントのハルトマンを除いて他にいない」
現代、俺の撃墜数は250機。ただそれは仲間の協力があっただけで、俺一人の力じゃない
「まあ、というわけだ。そっちの方でも頼むよ大尉。」
と、言うことで俺はスオムスを離れオラーシャのペテルブルグ(俺たちの世界だとレーニングラード)にある502に派遣されることになった。
「転属!?」
「ああ、お偉いさんから声がかかってな」
「どこに転属になったんだ?」
「502JFWだ、そうだ」
「そうか‥‥ということはニパがいるな・・・・」
「え?」
「あ、いや何でもない。そうか・・・502にか・・・・」
「そんな心配な顔をするなよ。手紙とか書くからさ」
「ほ、ほんとだぞ!絶対にかけよ!」
疾風「分かった。分かった。」
俺はエイラに頭を撫でた。するとエイラの顔は赤くなりしばらくこれが続いたのだった。
そして翌日、俺はペテルブルグに向かって飛び立った。
数時間後
「・・・・空の色が変わってきたな・・・・」
しばらく飛んでペテルブルグの近くまで来たが天気が曇って、温度が下がってきた。
これは・・・・
「これは吹雪くな・・・・これ以上飛ぶとエンジンが凍る・・・ペテルブルグも近いしあとは降りて歩くか」
空を見るとこれは吹雪きが来ると悟って疾風は降りて歩くことにした。現在の気温もかなり寒いうえにこれ以上寒くなったら。エンジンが凍って墜落する可能性があるからだ。現に俺の紫電改も少し煙を吹いてきている。これ以上の飛行は危険だ。
「それにしても見渡す限りの松の木だらけだな・・・・」
俺は着陸できそうな場所に降り立ち基地に向かってユニットを担ぎながら進んだ。しばらく歩いていると・・・・・
「ん!?」
後ろから何かの気配がした。俺はユニットを置き、背中の刀を抜いた。
「誰だ!出てこい!!」
すると、木の陰から長い銀髪の女性が出てきた。水色の制服からしてスオムス軍の人だろう
「ほぉ~黒い服を着て空を飛んでいるから、ネウロイだと思っていたが、ウィッチ・・・・いやウィザードだったか」
彼女は右手にスコップを担ぎながら、にやけて言った。
「・・・・・あんた誰だ。」
「人に名を名乗らせるにはまず自分から名乗るのが礼儀じゃないか?ぼうず」
その人の言うことにも一理あるな・・・俺は刀を鞘に戻し、名乗った
「俺はスオムス空軍の義勇兵の疾風村正。階級は大尉だ。」
「疾風・・・・あぁ・・・あの「レッドファイター」か。これは失礼したな。私は第502統合航空戦闘団補助部隊でストライカーユニット回収班の隊長のアウロラ・ユーティライネン。階級は同じく大尉だ。疾風大尉、君のことは妹から耳にタコができるくらい聞いている」
妹?それにユーティライネンって、もしかして・・・・
「もしかして・・・・エイラの・・・」
「察しのとうり、イッルは私の妹だ。それにしてもイッルもいい男に惚れたものだな~あのオカルト好きのイッルが」
そう言い、くくくっと笑うアウロラさん。
言われてみれば確かに顔がエイラに少し似ている。なんていうかエイラを大人にした感じだ。
「さて、大尉。お前はなぜこんなところにいる?君は確かスオムスにいるはずだが」
「え?ああ・・・俺は上の命令でこの502に転属になったんだよ。ほらこれがその書類」
俺はアウロラさんに書類を渡し、アウロアさんはその書類を一とうり見る。
「で、基地の向かう途中、吹雪いてきそうなのと、エンジンが限界だったからいったん降りて歩いて行こうとね」
「なるほど。一通り分かった。さて、疾風大尉・・・」
「疾風でいいです。いつもそう呼ばれていますので」
「そうか。では疾風。ペテルブルグまでは私が送ろう、ちょうど基地に戻る予定だったしな」
「ほんとですか?ありがとうございますアウロラ大尉」
「アウロラでいい。同じ階級だからな。それにイッルが世話になってるんだ。これくらいの子とお安い御用だよ。あっちにトラックがある。行くぞ義弟候補殿」
「あ、ちょっとアウロラさん!?///////」
俺はユニットを担ぎ、アウロラさんにトラックに載せてもらい。そのままペテルブルグ基地まで送ってもらった。
一方ペテルブルグ基地
「遅いな・・・・・」
「確かにそうですね。予定ではもうすぐ来るらしいのですが」
隊長室では、隊長であるグンドュラ・ラル少佐が派遣される隊員の資料を見ていた。
「疾風村正・・・階級は大尉。所属は扶桑海軍343航空隊に所属で、世界初の男性ウィッチか・・・・」
因みに疾風の原隊は扶桑皇国海軍ってことになっている。これは異世界人だというのをごまかすため。
「でも、彼には謎が多いところもあります。聞けば彼のユニットはひかりさんや孝美と同じ紫電。しかも二人の紫電より高性能らしいです。それに・・・・」
戦闘隊長であるサーシャがそう言った。彼女が見た資料は
『人型ネウロイと接触。何らかの情報を入手、ないしはネウロイと関係を持った模様』
と、書かれていた。
「確か、彼は501に所属していたはず・・・・あそこで一体何があったのかしら」
因みに501の最後の戦いについては機密情報になっているため彼女たちは全く知らない。
「・・・・・・彼はいったい何者なんだろうか・・・・」
そう呟くラルであった。そして、その会話の30分後に疾風が到着するのだった。
因みに疾風が基地に着いたとたん猛吹雪となったのだった。
はい、今日はここまでです。疾風、エイラのお姉さんに会いました。しかもアウロラさんに義弟候補として見られています。
私もブレパン見たのですがアウロラさん最終回の最後だけちらっと出てきましたが台詞がなかったのは残念です。
さて、皆さんまたお会いしましょう!
ストパン!ブレパン!ガルパン万歳!!!