ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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第159話「「演劇大乱闘!?真†ロミオとジュリエット パート3」

いよいよクライマックスとなった506の演劇のロミオとジュリエット。ロミオ役であるハインリーケは愛する恋人疾風が演じるジュリエットへのいる屋敷へと向かい、いろんな障害を越えとうとうジュリエットの元へたどり着こうとしたその時、ジュリエットの父親役であるキーラがラスボスとして登場。

そしてキーラは魔術によって巨大なドラゴンもといキングギドラに変身し、ハインリーケに立ちはだかる

 

「ロミオよ!貴様の快進撃もここまでだ!あの世へと行くがよい!!」

 

「私は、ジュリエットに会うまでは決して死なん!覚悟せよ!!」

 

そう言いハインリーケはサーベルを構え、キーラに向かうとキーラギドラはニヤッと笑い

 

「死ねぇっ!!」

 

そう言いキーラーギドラはやけに感情が籠った声でそう言い放ったかと思うと、3つの口から稲妻状の光線、引力光線・・・・・・ではなく火炎を吐く

 

「っ!?」

 

ハインリーケはすかさず火炎を避ける。因みに火炎はキーラが背中に火炎放射器を背負って放っている。因みにこの火炎放射器は演劇用に改造したもので、安全を考えて火力もそんなには高くないが火傷を負わないわけではない。だからこそハインリーケはキーラギドラが火炎を発射した時すかさず避けている

 

「アーハハハ!!どうしたロミオヨ避けているばかりではつまらぬぞ!」

 

先ほど不満がっていた表情とは打って変わり、迫真の演技でそういうキーラギドラ。

 

「ッ!!………」

 

周辺に着弾し、ハインリーケの周囲で爆発が連続で起こる。それを見た観客たちは驚きの声を上げ、子供たちは目をキラキラと輝かせながら興奮した表情で見ている。そしてハインリーケはキーラギドラの火炎を躱し宙返りするとサーベルでキーラギドラに斬りつける

 

「ぐおっ!?」

 

一撃を喰らったキーラギドラはよろめくが

 

「お、オノレェッ!! 三下如きがぁっ!!」

 

するとキーラギドラは、3つの口から同時に火炎を発射!3つの火炎が1つに合わさり、ハインリーケの足元に着弾する!

 

「!? うおわっ!!」

 

爆風に吹き飛ばされ、仰向けに倒れるハインリーケ。すぐに起き上がろうとしたハインリーケだったが

 

「させん!!」

 

「ぐはぁ!!」

 

キーラギドラの巨大な足で踏みつけて来る。ハインリーケはキーラギドラと床の間に挟まれ、身動きが取れなくなってしまう。

 

キングギドラを退かそうとするハインリーケだがビクともしない 。そしてキーラギドラは

 

「アーッハッハッハッハッ!! 所詮愛の力など、この程度だ! 我がの力の前ではゴミと同じだ!ジュリエットのことは諦めてさっさと帰れ!!さもなくばこの火炎で貴様を丸焼きにするぞ!!」

 

「くっ・・・・誰が貴様の言うことなど聞くものか!愛するジュリエットに会うまでは私は負けるわけにはいかないのだ!」

 

「そうか・・・・・・ではさらばだロミオ」

 

そう言い三つの首から火炎を放つとするキーラギドラ。それを見た子供たちは不安そうな顔をする。そしてハインリーケは

 

「くっ・・・・そうだ。そう言えば!」

 

そう言いハインリーケはポケットから棒状のカプセルを取り出す

 

「そう言えば、召使がピンチになった時これを使えと言っていたな!ならば今こそ使う時!」

 

「死ねっ!ロミオ!!」

 

そう言い火炎を吐こうとするキーラギドラにハインリーケはカプセルの赤いボタンを押すと、カプセルからフラッシュとフラッシュ音が鳴り響く。その瞬間、キーラギドラの体が突然爆発する

 

「ぐわぁっ!!?」

 

いきなりの爆発にキーラギドラはよろめき、その隙をついてハインリーケは脱出する。そしてキーラギドラは

 

「誰だっ!私の邪魔をするのは!!」

 

そう叫ぶと

 

「ここだぁ!!」

 

声がし、スポットライトはその声のする壁の方へとライトを向ける。すると壁の上には覆面を被り二丁拳銃を持った女性が立っていた。

 

「貴様は何者だ!!」

 

キーラギドラがそう言うと彼女は壁からスタッと舞い降り

 

「私は愛の使者であり愛の守護者!その名もラ・セーヌの星だっ!!」

 

拳銃を構えてそう名乗るラ・セーヌ。もちろんラ・セーヌの正体は言うまでもなくマリアンだ。そしてラ・セーヌの登場に子供たちは

 

「わー覆面ヒーローだ!!」

 

「かっこいい!」

 

「すごい!!」

 

こどおたちは突如現れた謎のヒーローに大喜びし、それを見たマリアンは

 

「(おお‥‥すごい反応だ)」

 

子供たちの喜ぶ声を聞いてマリアンは感動し、舞台裏ではアイザックと黒田、そしてエミリアは

 

「(二丁拳銃だしよかった!)」

 

「(ナイスリベリオンテイスト!よし、子供の受けはバッチリだね)」

 

「(やっぱり覆面ヒーローが一番よね~さて、どうなるかな?)」

 

と、三人が見守る中、マリアンはサーベルをキーラギドラに向け

 

「ジュリエットの父・・・・いや、邪悪な龍よ!愛する二人の仲を引き裂こうとするとはこの愛の戦士、ラ・セーヌの星が絶対に許さん!ロミオよ!助太刀するぞ!!」

 

「(ノリノリですねマリアン)」

 

「(ああ・・・)」

 

ジェニファーとカーラがそう呟くと、キーラギドラが

 

「ふん!たとえ誰だか知らないが!死にぞこないどもが!まとめてあの世に送ってくれるわ!!」

 

「そうはさせない!行くぞロミオ!」

 

「お、おう!」

 

そう言い二人はサーベルを手に持ち、キーラギドラに向かう

 

「ふっ、愚かな私の業火で焼き尽くされるがいいわ!!」

 

そう言いキーラギドラに三つの首から火炎が放たれるが

 

「そうはさせん!!見よ!私の愛のシールドを!!」

 

そう言いマリアンはシールドを張り火炎を防ぐ、

 

「なっ!?なんだと!!」

 

「今だロミオ!!」

 

「すまない。ラ・セーヌとやら!!龍よ覚悟!!」

 

そう言いハインリーケは飛び上がり大上段から一気にサーベルを振り下ろし、キングギドラの真ん中の首を真っ二つにした。しかしキーラの顔まで刃が到達するかと思われた瞬間に、寸止めをする。そして

 

「ぐわあぁぁぁー!!!!」

 

キーラは悲鳴を上げると、また、キーラの身体がスモークに包まれ、少しして、スモークが晴れるとそこには元の姿に戻ったキーラが倒れていて、そして胸を抑えたキーラは

 

「う・・・ぐっ・・・・・ま、まさか、この私が敗れるとは・・・・ふふロミオよ。どうやら私の負けのようだ・・・・・娘の元へ行くがよい。あの子のことを頼んだぞ」

 

そう言いキーラは目をつぶりガックシと倒れる。そして最大の敵を倒し、そして

 

「ラ・セーヌの星。おかげで助かった」

 

「礼はいらない。さあロミオよ!お前を待ち続けるジュリエットの元へ行くのだ!」

 

「すまない感謝する!」

 

ハインリーケはマリアンに礼を言いジュリエットの元へと急いだ。

 

(よし暗転よ! すぐにセットを組み換えて!!)

 

「(は、はい!!)」 

 

エミリアの言葉に皆は急いで舞台上のセットは組み替える。そして場面は最初のシーンで出たバルコニーの場面になり、バルコニーにはジュリエット役である疾風が、その下にはハインリーケがいた。その姿は先ほどのキーラギドラの火炎のせいか顔が少し煤で汚れ服もところどころ焦げているところがある。そしてバルコニーから吊り梯子が垂れるとハインリーケは

 

「ああ、愛しのジュリエット。ようやく君に会えましたね・・・・・」

 

「ロミオ様。私も同じ気持ちですわ・・・・この日をどんなに待ちわびたことでしょう・・・」

 

そして疾風は一呼吸入れると

 

「ああ、ロミオ・・・・どうしてあなたはロミオなの?あなたがモンタギュー家のロミオでなければ私たちの愛を邪魔するものは何もないというのに・・・・・ですからそのロミオという名の代わりに私のすべてを受け取ってください・・・・」

 

そう言うと梯子から登ったハインリーケはバルコニーによじ登りそして

 

「頂戴しましょう。その代わり私を恋人と呼んでください。そうすれば私はロミオでは無く一人の恋する男になるでしょう・・・・・愛しのジュリエット」

 

「私も愛していますわ。ロミオ様・・・・・」

 

そう言うと二人は手を取り合い、その直後、照明が消えて、ハインリーケと疾風の姿だけが、真上からスポットライトの光で照らされる。するとそこで、光の粉が降り注ぐようなエフェクトが掛かった。その神秘的な光景に観客たちは全員見惚れる。そして語り部であるアイザックは

 

『こうして禁断の恋に落ち何も障害もなくなった二人はその後、末永く、そしていつまでも幸せに暮らしました………御終い』

 

アイザックの締めのナレーションが響く中、舞台の幕がゆっくりと下りる。そして完全に幕が降り切ると、観客達から溢れんばかりの拍手が送られたのだった。後半はどたばたなアドリブの演劇もこうして無事に終わることができたのであった。

そして観客席で見ていたペリーヌは

 

「最初はどうなると思いましたが素晴らしい劇でしたわ・・・・」

 

と感動の涙を流していた。そして別の観客席ではトレンチコートと帽子をかぶった少女が

 

「へ~噂とは違い。なかなかいい劇をしているんじゃないか」

 

とそう言い、別の場所では白衣を着た金髪の女性が軽い拍手をし

 

「ブラボー・・・・・人間の芝居にしてはなかなかだ・・・・だが、本当のショーはこれからだ」

 

と怪しい笑みを浮かべてそう言うのであった

 


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