ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
ed「帰還」
「くそ!あいつ・・・」
「ウィッチじゃったのか!」
黒いストライカーユニットを履いたキーラを見て彼女達は驚き、空にいるキーラはにやりと笑っていた。その姿を見たマリアンとハインリーケは顔をしかめ
「く、私も出る!」
「妾もじゃ!!」
そう言い窓から飛び出し、格納庫の方へ走る。そして黒田も二人の後を追おうとした
「私も・・・・・・あ!私ストライカー持ってきてない!」
ストライカーユニットを持ってきていないことに気付く黒田。するとジーナが
「黒田中尉は私のP-51Dを!」
「はい!」
「残りは消火だ!弾薬庫を死守する。ヴィスコンティ大尉たちは疾風大尉を安全な別室に移動させてくれ!」
ジーナがそう言いみんなは頷く
「黒田中尉!マリンコを頼んだぞ!」
カーラが黒田にそう言うと黒田は頷き格納庫へ向かおうとしたがサマンサが彼女を呼び止める
「おい!私も連れてけ!」
「無理ですよ刑事さん、ウィッチじゃ…」
「これでどうだ!」
そう言い、サマンサが黒田に渡したのは1ドル札だた。渡された黒田は目を輝かせるとサマンサを背負って
「しっかり掴まってください!!」
「ちょっ!?まだ心の準備が!?」
黒田はそう言いサマンサを背負って飛び立ちのであった
一方、マリアンたちはキーラを追っていた。そしてマリアンは自分で改良したP51Ⅾの速度を活かし、ハインリーケより早く先行し、そしてついにキーラに追いつくことができた。
「見えた!待てキーラ!!」
そう叫ぶとキーラは
「やれ、やれ。君はもっと冷静な女だと思っていたが、以外と熱くなるタイプだな君は。丸腰でどうするつもりだカール大尉?」
あきれ顔でそういうキーラにマリアンは
「丸腰はそっちも同じだろ!」
キーラを捕まえようとマリアンは手を伸ばすがキーラは彼女を簡単に躱し
「やれやれ。最高速に振りすぎている。まるで猛牛だ、動きが大きすぎて話にならん」
と、冷静に彼女のことを評価する。そしてマリアンはキーラを見て
「(たしかに私のユニットはピーキーに調整しちゃいるが・・・・そもそも対人用は想定外なんだよ!)」
そう思う中、キーラは懐からワイヤーを取り出し両手で構えると
「B部隊のウィッチは極力傷つけるなとのことだったが仕方ない。」
そう言うと彼女はマリアンの首に紐を巻き付け、マリアンの首を絞めつける
「ふふ・・・空中で縊り殺される最期なんて想像していなかったようだったな」
「くっ・・・・」
「苦しいか?こういう言う時の対処法、海兵隊では習わなかったのか?」
首を絞めるキーラにマリアンは
「あ・・・当たり前だ。ウィッチの力は…人を殺すためにあるんじゃない!」
「そうか・・・・・だが、あの男はどうなんだ?」
「なん・・・だと?」
「あの男、疾風村正大尉は元の世界で多くの人間の命を奪ってきた。血で汚れたあの男も私と・・・・いや、あの殺人鬼レイナーレと同じという事さ」
「っ!?・・・・・・・ふざけるな・・・・・あいつは・・・・疾風はお前らのような殺人鬼じゃ・・・ない!き、貴様らと一緒にするな!!」
「そうか・・・・なら貴様もあの男の元に行かせてやる。アデュー、マリーン」
そう言いキーラは力を入れマリアンにとどめを刺そうとするが・・・・・
「ストップだアホ!」
マリアンにとどめを刺そうとした瞬間、キーラの横腹に何者かが体当たりしてきた。その衝撃にキーラの手が緩みマリアンはそこから脱出する。体当たりしたのは黒田たちだったのだ
「頭、打った~」
「バカヤロウ!頭打ったのは俺だ!」
「大丈夫かカール大尉?」
「すまない・・・助かった」
マリアンがハインリーケたちに礼を言う中、体当たりされたわき腹を抑えるキーラは
「く、黒田・・・・っ!?それにハインリーケにサマンサだと!?」
「ああ騎兵隊の登場だぜ!」
「第7騎兵隊登場!」
「おい、第七はよせ。リトルビッグホーンで玉砕しているだろ」
「じゃあ、ジョン・フォード監督の映画『駅馬車』の騎兵隊で」
「お主本当に映画が好きなんじゃな・・・・・」
4人はキーラの前に立ちふさがるとキーラは舌打ちをし
「時間をかけすぎたか。振り切れないなら此処で肩をつけるしかないな」
懐に隠し持っていたナイフを取り出し殺気を出しながら言う
「忠告しておくがこちらは空中での格闘戦の訓練を積んでいる」
「・・・あんたがもし軍にいたら間違いなくトップエースだよ」
「なぜ、テロリストになったのじゃ?」
ハインリーケとマリアンがそう訊くとキーラはナイフを構え無防備になっている邦佳達に突進する
「私は魔法力の発現とほぼ同時に私は親に売られた、軍のスカウトが来る前の事さ!」
「わ!」
キーラは黒田に切りかかり間一髪、髪の毛が切れただけで済んだ。黒田は一旦離れるとキーラに向かって
「キーラさん!もうやめましょうよ!こんな事!ウィッチ同士分かりあえるはずですって!戻ってちゃんと話をしましょう!きっとレイナーレさんみたいに悪い奴に命令されて仕方なくやったんですよね!?」
声を上げ必死に説得する黒田。その言葉にキーラは若干動揺した表情を見せる。その中、マリアンとハインリーケは・・・・
「姫さん。あんた武器は?」
「・・・・・・・勢いで飛び出してしもうたから無い。じゃが素手でもたぶん戦える」
「毎度のことだが、お前、いつも肝心な時に抜けているよな!」
「ええい!仕方なかろう!それにお主も丸腰ではないか!!」
と、小声で話す中、キーラが黒田の説得にふっと笑い
「ふ、君のそう言うところ疾風大尉同様、嫌いじゃなかったよ」
少し寂しそうな笑みを浮かべるとサマンサはリボルバー拳銃を構え
「俺は許さねえぞ!!」
拳銃を発砲するが弾はシールドに止められた。
「私もグリュンネ少佐同様ウィッチとしては年齢的な限界に来ていてね。シールドは張れるが完全に防ぎきれる自信はない。だから撃たれると非常に不愉快なんだよ!」
そう言い再び襲い掛かろうとするが
「そうはさせぬ!!」
そう言いハインリーケがキーラに体当たりし、キーラはバランスを崩しそして黒田に背負われているサマンサがキーラの持つナイフを蹴飛ばし、そしてマリアンが背後へ回り込み、キーラを羽交い絞めにする
「黒田、今だ!」
「くそっ!離せ!!」
暴れるキーラを必死に抑え込むマリアン。そしてそれを見た黒田は
「刑事さんこれポケットにあったから使って」
そう言い取り出したのは手錠だった
「よし!これであいつの手に手錠・・・・・」
そう言いサマンサは犯人に逃げられないように片っぽを自分の手にはめるのだが、もう片っぽはなぜか黒田がはめていた
「おい!なんでお前がはめているんだ!?」
「え?だって手錠は片っぽが逮捕する人がつけてもう片っぽが犯人・・・・・・・あ」
黒田も自分がした過ちに気付き、顔を青くする
「このうつけが!すぐに鍵で手錠を外せ!」
「そ、それが・・・・ヴィトゲンシュタイン大尉。鍵・・・・墜としてしまいました」
「「はあぁぁぁー!!!??」」
黒田の言葉にサマンサとハインリーケは声を上げる。
「ええい!ならば妾がこやつを殴って気絶させるわ!!」
そう言いハインリーケはキーラに向かうがキーラはふっと笑い
「貴族の娘にしては安直な考えだ。そりゃぁ!!」
そう言いキーラは羽交い絞めしているマリアンを背負い投げするように投げ飛ばす。
「うわっ!?」
急に投げ飛ばされ、マリアンは思わず手を離してしまい。そして向かってきたハインリーケにぶつかる
「「うわっ!」」
体勢が崩れる二人。それを見たキーラはふっと笑い
「ふっ…なかなか手こずったが、これでさよな・・・・・」
そう言い逃げようとしたが不意に黒田の方を見た瞬間目を見開く。黒田の後ろにはサマンサが拳銃を構えていたのだ
「マフィーとサチコの仇だぁ!!!」
そう言い発砲しキーラは慌ててシールドを張るが魔法力に上りを迎え始めているキーラのシールドは銃弾を止めることができず、弾丸は彼女のユニットにあたり煙と火が吹きだす
「バ・・・・馬鹿な」
自分の敗北に驚くキーラ。そしてユニットは止まり自然落下し始める。しかし落下するキーラをマリアンとハインリーケは受け止める
「貴様…なぜ?」
「いやな奴でも死なれたら気分が悪いんだよ」
「それに貴様にはいろいろと話してもらわなければならぬからの」
そう言うとマリアンはインカムで
「こちらカール。ジーナ隊長。少佐の身柄を確保した」
そう言い4人はキーラを連れて基地へと戻るのであった
ディジョン基地
「・・・・・・で、そろそろ話したらどうだ?私はグリュンネ少佐みたいに優しくはないぞ?」
基地の個室でキーラはジーナに取り調べられていたが一向に口を割らず黙秘を続けていた。しかしキーラはふっと笑い
「ああ、いい加減君の仏頂面にも飽きてきたところだ・・・・何を訊くのかね?」
「・・・・・君は随分前から『クリス・キーラ』を名乗っていたみたいだがいつからだ?」
「68日前。新任の諜報部将校を名乗っていた期間はね」
「そうか。セダンの基地破壊では君が裏で糸を引いていたと認めるか?」
「残念ながら違う。君も知っているだろ?私が来たのは爆破の数時間後だ」
「なるほど・・・となると爆弾をセットさせたのは別の工作員か・・・・・・次の質問だ。異世界の殺人鬼レイナーレに殺人の依頼をしたのは貴様か?」
「ああ、奴はボスのお気に入りでね。よく一緒に任務をするうちに仲良くなり私が計画を奴が実行する間柄となった。数少ない悪友さ。ま、向こうは私を利用するだけだと思っていたがそんなことは重々知っていたさ。他に訊きたいことは?」
「・・・・・・君らの組織はいつからネウロイ・・・・・過激派側のネウロイと繋がっていた?」
「さあ?ボスがいつ奴らと接触したのかはわからない。ただ同盟について知ったのは数か月前・・・・・ヴェネチア戦が始まる直前だ。後は奴らがどこに潜んでなにを考えているかは知らん。・・・・で。私をどうする?全部吐けば銃殺刑を終身刑に減刑しよう・・・・・とでもいうつもりかね?」
「不満か?」
「いいや。ただ無意味な行動だ。私がここにいられるのもあと僅かだからね」
そう言うとドアからノックの音がし、マリアンが入って来た
「隊長・・・・・ガリア諜報部の連中がやってきました」
数分後、キーラは黒服の諜報員たちに車に乗せられていた
「じゃあ本物のクリス・キーラさんはもう・・・・・あのキーラさんは?」
「なりすました誰かさ。彼奴がマーフィ殺しを突き止める唯一の手がかりだってのに!」
「諜報部も身内が殺されて躍起になってるのかもな」
悔しそうに言うサマンサ。そしてカーラは
「あの連中、本当に諜報員ですか?また偽物じゃないですよね?」
「書類上に不備はない・・・・」
ジーナがそう言うとジェニファーが
「あの、隊長、私がパリまで同行します。諜報部もそれくらいなら拒まないと思いますから」
「ジェニファー・・・・・・・わかった。だが無理はするな」
ジーナは同行を許可し。そしてキーラを乗せた車はパリへと向かうのであった。そしてそれを影で見ていたヤプールは
「フン・・・・・一応。台本通りにやったかあの女狐は・・・・・・まあ少しイレギュラーも混じっているみたいだが計画に問題ない」
そう言いヤプールは腕時計を見て
「さて…‥そろそろ疾風の死刑執行の時間だな・・・・」
そう言いにやりと笑うのであった
久しぶりに何とか書くことができました。書くのが遅くなって申し訳ございません。感想お待ちしております