ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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新作の方に夢中になって投稿が遅くなって申し訳ありませんでした。



今回は少し短めです


第171話「踊る大捜査inターミナル」

「・・・・どうだ?キーラの様子は?」

 

「はい。今のところ彼らの組織が建てた作戦通りに動いています」

 

パリの街中ベンチに座って新聞を読む黒服でサングラスと帽子をかけた男二人が背中越しに話し合っていた

 

「そうか・・・・まあ、海を渡るまで我々の出る幕はない・あるとすればあの男の抹殺と基地の破壊だ」

 

「ヤプール様はなんと?」

 

「今のところ待機だそうだ。ただあの男は隙あらば抹殺せよとのことだ」

 

「疾風大尉なら別次元へと送られたはず・・・・・」

 

「それなんだが奴を護送していた連中が何者かによって撃破され、疾風が救出されたそうだ」

 

「誰に?・・・・・まさか穏健派の生き残りか?それとも革新派か?」

 

「それはまだ不明だ。俺たちに任務はキーラを監視すること。奴が港を出たら上に報告するだけだ。余計な事は考えるな・・・・・」

 

男がそう言うと遠くから大きな音と煙が上がる。

 

「・・・・・・どうやら始まったみたいだな」

 

「ここはお手並み拝見と行くか・・・・・」

 

 

 

 

一方、黒田たちはジープでアルゴの教えたターミナルに向かっていた

 

「う~ん。ターミナル駅って言ってもパリには何か所もあるしどちらから向かえばいいのかな?」

 

黒田がそう訊くとサムが

 

(キーラ)もこの現状は把握済みだろう。潜伏し続けても意味がないなら何かしら手を打つはずだ。さっきの情報屋も言ってたしなテロを起こすって。そうだろミリア?」

 

「ええ、恐らくどこかに小さな爆弾を設置して爆発騒動を起こせば、住民は大混乱その混乱に乗じて逃亡・・・・ありきたりだけど上策ともいえるわね・・・・」

 

「なるほどな・・・・」

 

そうj話していると遠くから爆音が聞こえる。そしてその音がした方へ振り向くとそこから黒煙が立ち上っていた

 

「?今の音・・・・・」

 

「爆音がしたな。不発弾の処理に失敗し・・・・・」

 

「いいえ違うわ。奴さんついにおっぱじめたわ」

 

「じゃあキーラさんが!?」

 

「ええ!飛ばすわよ!しっかりつかまってな!!」

 

「え・・・・て、うわあぁー!!!???」

 

そう言うとエミリアはスピードを上げ、その場へ向かうのだった。そして現場では・・・・

 

「な、なんてことなの・・・・」

 

ジェニファーは自分の目の前にあるターミナル駅が爆発し黒煙が舞う中そこから必死に避難している人たちを見て顔を青ざめると、目を吊り上げキーラを睨む

 

「あなたたちの仕業ですね!?」

 

「私達の組織はこうした事態に備えパリ市内に色々と工作している。派手なのは音と煙だけだ。無辜の臣民を傷つけるのは我々も本意ではない」

 

キーラがジェニファーの問いに答えた。その言葉を聞いたジェニファーは

 

「助けに行かないと!!」

 

そう言いターミナルの方へ向かおうとするがキーラが彼女の手を持ち

 

「おっと・・・・君が逃げ出せば別のスイッチが作動する。今の爆発は人気のないホームの端だったが…次はどうかな?」

 

キーラは目を細めそう静かに彼女を脅す。これ以上犠牲を出したくないジェニファーは悔しい気持ちを抱きながら

その場に泊まる。そしてキーラは彼女の肩を抱き

 

「いい子ちゃんはいい子ちゃんの殻を破らず言いなりのお人形さんでいればいいのさ・・・・」

 

そう言いジェニファーを連れ人混みに紛れ逃亡しようとすると突然後ろから車のクラクションが鳴り、二人が振り向くと後ろからジープがものすごい勢いでこちらに向かってくる。そしてドリフトをしたかと思うと二人の前に立ちふさがる

 

「あ、いた!!ジェニファー!!」

 

「キーラさん。ジェニファーさん!

 

「おい!ミリア!もっと安全に運転できないのか!?」

 

「緊急事態だから文句言わない!あんたこそ刑事ならパトカーのサイレンぐらい持ってなさいよ!」

 

「何の話だよ!」

 

「黒田邦佳・・・・それにエミリア・ハルトマンだと・・・・!?」

 

「さてと・・・・ずいぶん派手にやってくれたが、これでお終いだぜキーラ」

 

サムが車から降りリボルバー拳銃を取り出しキーラに向ける。するとキーラはジェニファーを盾にする。するとエミリアが

 

「この爆発テロはお前の仕業かキーラ?」

 

「これは古き良きガリアの再生に必要な破壊だよ大尉」

 

「はっ!その古き良きガリアを守る立場の人間がその国に住む住民巻き込んで、こんなことするとは本末転倒だな。そんなことすれば国民から非難の目を向けられるのはあんたでもわかっていたつもりだったんだけどね?」

 

「それに民主主義の時代にレトロな王政復古か?ガリア国民はだれも支持しちゃくれないぜ?」

 

エミリアとサムがそう言うとキーラはふっと笑い

 

「衆愚による統治より優れた王による独裁の方が国家により利益をもたらし延いては国民も富と幸福を享受できる。それがガリア人の心に中世以来刻まれている決して近代哲学では消し去れぬドグマなのだ。エミリア。君もわかるだろ?」

 

「あいにく私はガリア人じゃなくドイツ人なんでね。あんたのエゴに付き合っている暇はないわ」

 

「ふっ…元テロリスト…基我々に似た思想のナチスの幹部の台詞とは思えないな?」

 

「レイナーレから聞いたのそのこと?あいにく私はナチスなんかのファシズム主義に崇拝してテロ側に入ったんじゃないわ。その軍団を指揮する第四帝国総統・・・・・我が親友ラウラ・フォン・アドラーを助けたくてその道に入っただけよ。もし別の人間だったら私は連合側にいたわ。だが、私ともう一人の親友テアがいたにもかかわらずあいつをファシズムだ覇道だという孤独の道から救うことはできなかったけどね」

 

エミリアはH&K P8を構えてそういうと黒田は話の内容についていけないのか

 

「ええっと、どぐま?」

 

「こっちに振るなよ」

 

「つまりは我々の理想とするところは貴族を中心とした編成、A部隊の設立理念と一緒なのだよ。 誰もが政治に口を出すようになればお前たちが言うような高貴なる義務など滅ぶんだ、黒田、分からないのか?」

 

「ん~キーラさんもう少し簡単に説明して」

 

「高貴なる義務を果たそうとするなら衆愚が政治を左右する現状を止めなくてはならない。古き良きガリアを護るために」

 

「全っっっ然簡単になってないんですけど!?・・・・・でも。これだけは言わせてもらいます!」

 

黒田は一呼吸入れると

 

キーラさんが望むようなガリアは、うちの隊長たちが絶対に許さない!!! 

 

力強く、そしてはっきりと言う黒田にキーラはふっと笑い

 

「ふ、ご高説承ったよ。しかし私にかまけていていいのかな?実はこのメトロの駅にはもう一つ少しばかり強力な爆弾が仕掛けてある。こちらは時限式でね、あと9分40秒か。」

 

キーラが腕時計を見る。

 

「まだ駅の構内には逃げ遅れた市民が残っているだろうな。どちらを選ぶ?市民の救助か仲間の身か」

 

 

と言う中、エミリアとサマンサ

 

「(すこしまずいことになったな・・・・どうする?あいつデブランク大尉を盾にしているが?)」

 

「(サム。あんた射撃の腕は?)」

 

「(正直言って中の下だ。あんたは?)」

 

「(まあいい方だ。救出方法だが、私はジェニファーの足を撃つ。そのすきに・・・・・)」

 

「(なるほど・・・・逃亡する犯人に取って動けない人質は足手まとい・・・・だが)」

 

「(安心しなさい。脚は掠めて打つ。そして奴を確保した後、爆弾を除去する)」

 

「(だが、時間がないぞ?)」

 

と話し合う中、キーラは小声で話す二人に気付いたのか

 

「大サービスだ、爆弾はそこを降りてすぐの柱の所にある。急いだ方がいい」

 

とそう言うとジェニファーが

 

「私はいいから!みんなを、みんなを助けて!」

 

そう叫ぶと・・・エミリアは

 

「す・・・すまないジェニファー。今は町の人が優先だ・・・・だが次は必ず助ける。それまで待っててくれ!!」 

 

悔しそうに言うとキーラとジェニファーは人混みに紛れて姿を消す。そしてカーラは

 

「次は、次はきっと助けるからな!」

 

涙ぐみながら叫んだ。するとエミリアが肩を叩き

 

「急いで爆弾を除去するわよ。すぐにやって。あいつを追わなくちゃね。サムは市民の避難誘導をお願い!私たちは爆弾を探す!」

 

「わかった!」

 

そう言い4人は爆弾が設置されている。ターミナル駅へと走るのであった

 

 

 


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