ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
黒田たちがマルセイユに向かう中、セダン基地では・・・・
「皆さんお疲れ様です」
「ごちそうになりますグリュンネ少佐」
セダン基地ではディジョンのB部隊の隊員であるジーナ中佐とマリアン・E・カール大尉がいた。なぜ彼女がたちがここにいるのかというと、先ほどネウロイが現れたときに合同で撃墜したのち、グリュンネ少佐にお茶会に呼ばれてきたのだ。
「なんだか夢見たいですね。AとBの合同で戦果を挙げてしかもこのセダンでコーヒーを飲みあうなんて」
グリュンネ少佐はにこにことした表情で皆にコーヒーを配るとアイザックが
「ちょっと前だとドゴール将軍でも連れてこないと無理だったね」
「ああ、それが・・・・・」
アイザックの言葉にアドリアーナがニヤッとした表情でハインリーケを見た
「天地がひっくり返るかと思ったぞ姫様」
「・・・・・なんじゃ?わらわがB部隊を誘ったら何がおかしいのじゃ?」
コーヒーを飲みながらハインリーケがそう言うと、一緒にコーヒーを飲んでいたマリアンが
「聞いたときは鳥肌が立ったぞ」
「それはどう意味じゃ?」
マリアンの言葉んむっとしたハインリーケだがすぐに軽いため息をつきそっぽを向くと
「・・・・・ふん。まあ良いわ。それに今は下らんと思ったからじゃ・・・・・それに」
ハインリーケはコーヒーを一口飲むと
「こんなところで仲違いしている場合ではない・・・・・黒田や疾風がいたらきっと笑われてしまうからの・・・・」
「・・・・確かに」
ハインリーケの言葉にマリアンは渋い顔をして頷くとジーナが
「ところで・・・・・肝心の疾風大尉はどこに?目は覚めたんだろ?」
そう今、このコーヒータイムを楽しむこの居間に疾風の姿はいなかった。するとアドリアーナが
「大尉ならたぶんリハビリだとか言ってどっかを歩いていると思うよ」
「歩いてる!?あのケガでか!!?」
「うん。疾風大尉。じっとしているのが嫌いみたい。でも不思議だよね疾風大尉の体」
「何がだアイザック?」
「いや疾風さん。あんなに酷い怪我だったのに今は杖で歩けるまでに回復しているんだよ?」
「・・・・言われてみれば確かにの・・・・あやつ「生まれつき傷直りが早い」とか言うておったからてっきり冗談だと思ってたわ・・・・・」
「まるでゾンビみたいだな・・・・」
「皆さん・・・・疾風さんのことそういうふうに言うのはダメですよ?」
グリュンネ少佐が苦笑いしながらそう言うと、ハインリーケがすっと立ち上がり、扉のほうへと行く
「姫さんどこへ行くんだ?」
「ト、トイレじゃ。バーガンデール少尉」
と、少し恥ずかしそうに顔を赤くし、部屋を出ると
「あ~そう言えば疾風のやつに貸してた本があったけな~ちょっとあいつの部屋にでも行ってくるかな?」
と、マリアンが目を背けて頬を掻くと立ち上がり同じく部屋を出る。そしてその様子を見たA、B部隊は微笑み
「ハインリーケさんも素直じゃないわね。それにカール大尉も」
「そうだな。カール大尉もほんの少し素直に疾風大尉に自分の気持ちを伝えればいいんだがな・・・・」
二人の様子を見てグリュンネ少佐とジーナ中佐はそう言うのであった
数時間前
カツン・・・・カツン・・・・カツン・・・・
基地の部屋の中、杖の付く音が響き渡る。そしてその廊下から、一人の少年・・・・・そう疾風がロフストランドクラッチ杖で体を支えながら歩いていた。
「・・・なんとしてでも早く動けるようにならなければ・・・・」
疾風はそう言いながら、杖を突いて歩く。本来ならば絶対に動かず安静にしなければいけないのだが、疾風は早く戦線に戻りたい焦りとそしてあのヤプールがいつキングジョーダークを送ってくるかわからないため、すぐにでも自分の体を自由に動けるようにするため、リハビリのためこうして杖を突きながら歩いていた。
自分でも本当は体を休めるべきだということは理解はしていた。だが、みながこうして戦っているのに自分だけのうのうと休んでいられない。そう思っていた。
そして疾風は格納庫の近くまで歩くと、ユニットの整備をしていた整備士たちが疾風に気づき、
「疾風大尉!何をしているんですか!?」
整備長の人が慌てて疾風に言うと
「何って、リハビリだ。リハビリ。何をそんなに驚いているんだよ?」
「リハビリじゃないですよ!そんなぼろぼろの体で!!今は安静にするときでしょ!?」
「大丈夫だ。ドーセ先生に部屋から格納庫ぐらいまでの距離なら歩いてもいいって許可もらっているし。それにほら俺、傷直りが早いからな。すぐに回復するよ。ちょっと座っていいか?」
そう言い疾風は近くのベンチに座ると整備長が
「大尉。あんまり無茶はしないでくださいよ。あんまり無理に歩くと怪我が悪化しますよ。こういう時は無理にやんないでじっくり休んだほうが怪我の治りも早くなります」
整備長が心配そうな表情でそう言うと疾風は
「確かに整備長の言う通りかもしれないけどな‥‥なんだかじっとしていられなくてな・・・・・こうして体を動かさないとなんだか落ち着かないんだよ」
「気持ちはわからなくもないですが、無茶して怪我が悪化したら元もこうもありませんよ。何を焦っているのかはわかりませんがここは仲間を信用してゆっくり休んでくださいよ」
「そうか・・・・そうだな。わかったよ・・・・ところで整備長。俺の紫電改のほうは?」
「そこは大丈夫です。いつでも万全にやってます。ですから大尉はすぐにでも怪我が治るように休んでくださいよ」
「わかった。わかった。じゃあ、俺は部屋に戻るよ。すまないな仕事中に」
「いいえ、大尉もお大事に」
そう軽く会話をすると疾風は立ち上がり、再び歩き始め自分の部屋に戻るのであった。そして、自室に戻り疾風はベッドに座るが何もすることがなくなにか、本でもないか棚を見ていた。するとある二冊の本に注目する
「ん?この本て確か・・・・義姉さんが渡してくれた本だな・・・・・」
その本は疾風の義理の姉であるハルクホルンがサントロンに帰る間際に
《お前は本が好きだと聞いてな。退屈なときに読め》
と、渡されたものだ。
「義姉さん・・・・・」
疾風はバルクホルンの優しさにありがたみを感じその本のタイトルを見る。それはカールスラント語で書かれていたのだが疾風はカールスラント基ドイツ語が堪能なため難なく読めた。そして題名は
『弟をお姉ちゃん大好きっ子にする百の方法』
「・・・・・・・・・」
この時疾風はこう思った『さっきの感動を返してくれ』と・・・・
「はぁ・・・・じゃあこっちの本は何だろう?」
そう言い疾風はもう一冊のほうを見る
「『カールスラント軍の軍規』・・・・さっきのよりましか・・・・」
そう言うと疾風はその本を読み始めるのであった。それはマリアン達、B部隊が来る少し前のこと・・・・・
そして現在
「ここがあいつの部屋か姫さん?」
「そうじゃ。お主は疾風の部屋に来るのは初めてじゃったな」
「その言い方だと何度も来てたみたいじゃないか?」
「あ奴が目覚めるまで、様子を見に何度も・・・・な」
「・・・・・・・そうか」
マリアンとハインリーケは疾風の部屋の前に立っていた。目的は疾風に会うためだ。しかし・・・・
「「・・・・・・」」
二人は部屋の前に立ったまま、動かない
「おい・・・何をしているんだ姫さん。早くノックして入れよ!」
「それはこっちのセリフじゃマリアン・E・カール大尉!それにいきなり男子の部屋に入るなんて無粋じゃろ?」
「毎日、疾風の部屋に入って夜這い未遂している人に言われたくないな!」
「誰が夜這いじゃ!看病だといっておろうが!ええい!わかったわ!ノックすればいいんじゃろ?」
そう言いハインリーケはノックをしようとするがピタッと止まり
「おい、どうしたんだよ姫さん?」
「い、いや。早り部屋に入るとき手ぶらじゃなんじゃ。やはり手土産が必要じゃな。ちょっとクッキーを焼いてくる」
「だあぁー!!この期に及んで逃げるな!乙女かっ!?ああ、もう!私がやる!!」
顔を赤らめるハインリーケにマリアンが突っ込み、そして疾風の部屋をノックするが返事はない。
「・・・・返事がないの?」
「いないのかな?・・・・おい、疾風大尉。いるか?」
今度はマリアンがノックをすると、ドアが少し開く
「あれ?開いておる?」
「ほんとだ?」
そう言い二人はこっそり疾風の部屋に入るとそこには疾風がベッドに寝っ転がり本を片手に持って寝ていた。どうやら読書をしていたみたいだが途中で眠ってしまったようだ。それを見た二人は
「なんじゃ・・・・・寝ておったのか」
「どおりでノックしても返事がないわけだな」
二人は軽くため息をつくとそのまま部屋へ入りそして二人はベッドのそばにあった二つの椅子を取り疾風の前に座り疾風の寝顔を見ていた
「まるでガキだな・・・・・」
「ああ、いつも黒田みたいに調子の狂うことを言い、そしてその割には圧倒的な強さを持っている男の顔には思えぬ。本当に幼子のような無邪気な寝顔じゃの」
そう二人は疾風の寝顔を見てそう言うとハインリーケはマリアンの顔を見てニヤッと笑い
「どうじゃ、カール大尉。こやつが眠っている今なら、キスぐらいしても良いと思うぞ?」
「ぶふっ!?」
突然の言葉にマリアンは吹き出し
「な、ナナナナな何を言っているんだオマエは///!?」
「とぼけるな。妾とお前が疾風のことを好いているのは互いに知っておるではないか」
「うっ・・・///」
ハインリーケの言葉にマリアンは言葉が詰まる。事実、マリアンもハインリーケも疾風に対し恋心を抱いている。しかしマリアンは疾風の顔を向けては逸らしてを繰り返していて本当はキスしたいのだが、恥ずかしい気持ちで我慢していた
「そ、そう言う姫さんはどうなんだ?もしかしてもう疾風とキスを!?」
「しておらん・・・・・さすがにあやつの婚約者であるユーティライネン中尉に悪いからの・・・・」
「そうか・・・・・」
そう言い二人は複雑そうな表情をする。
「なあ、姫さん。もし疾風がフリーだったらどうなっていた?」
「おそらく。お主と妾でこやつを取り合っていたじゃろうな・・・・・今となっては無縁じゃがな。じゃが妾がこやつのことが好きなことには変わらない」
「そうだな・・・・・私だって同じだ」
「「だから・・・・・」」
そう言うと二人は寝ている疾風の両方の頬にキスをする。そしてキスをした二人の顔は赤かった
「これくらいなら、きっとあやつもあやつの婚約者も許してくれると思う・・・・・」
「ああ。そうだな姫さん。実際にやるのはけっこう恥ずかしかったがな」
「そうか・・・・それでお主ディジョンに帰るのか?」
「ああ、そろそろ戻らないと体長が多分格納庫で待っている」
「そうか。ならばそこまで送ろう」
そう言うと二人は立ち上がり、部屋を出ようとするがもう一度二人は疾風のほうへ顔を向け
「「・・・・・好きだぞ(じゃぞ)疾風・・・・」」
と、小声で微笑んでそう言うと二人は部屋を後にするのであった
おまけ
一方、サントロン基地では・・・・
「ない!?ない!?どこに行ったんだ!?」
「トゥルーデ。何を探しているの?」
「エーリカ。実はな私が愛読している本がないんだ!!」
「ふ~ん。もしかしてその探している本って疾風のところにあるんじゃない?」
「なに?そう言えば基地に帰る前に疾風に本を渡したが……まさかその時に!?」
「そんなに慌てる必要はないじゃない?何かまずい本なの?」
「・・・・・ああ、姉の威厳に関わるものだ・・・・・下手をすれば弟に嫌われる」
「そんなに!?」
と、その後のバルクホルンがどうなったのかは誰も知らない・・・・・・・
一方、ペテルブルグ・・・・・
ピキュィーン!!
「むむ!!」
「どうしたんだい?エイラ君?タロット握りつぶしておっかない顔をしているけど?」
「なんだか疾風のやつが変なフラグというか役得したように感じた」
「役得?」
「もしかしてかわいこちゃんにキスでもされたんじゃないの?それともそのままベッドの中に連れ込んで・・・・」
「あ”あ”!?何か言ったかクルピンスキー?」
「い、いいえ、冗談です。そんなミーナ中佐やロスマン先生よりも怖い怖い顔しないでください奥さん(ガクブル)」