ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
キーラの逃亡ルートを掴んだエミリアは電話ボックスでセダンのグリュンネ少佐と連絡を取っていた
「……というわけよ。キーラはその後、組織の手配した
『ブリタニア?どうして?』
「正直わからないけど。これは私の推測だけどね。キーラたち王党派にとって506は貴族階級のない民主主義のリベリオンが混ざった部隊。奴らにとってリベリオン人は目の上のタンコブ。だから奴らは今回起きたセダン基地爆破事件をリベリオンのウィッチの犯行だとして、506に一番支持をしているブリタニアの警察に引き渡す。そうすれば・・・・」
『結果はリベリオンは506や欧州から手を引かざるしかなくなる・・・・・』
「あくまで推測よ。それで少佐。頼みなんだけど、ル・アーブルの海岸にストライカーユニットと整備員を送ってくれ、奴らのルートはキーラを知るマフィアのボスから聞いた。私たちはそこで連中を待ち伏せるわ」
『わかったわ。すぐに送る手配をするわ』
「感謝するよ。うまくいけば明日の昼か夕方くらいにケリが付くわよ」
『そう・・・・』
「ところで少佐。疾風の方はどうなっている?」
『今のところ、基地で怪我が治るまで大人しくしているわ』
「だろうな。あんな大怪我で出撃できるまで回復してたらバケモンだ。なあ少佐。もしかしてあいつ無理にリハビリとかはしていないか?」
『目が覚めて最初はそうだったんだけど、アドリアーナさんやハインリーケさんが監視しているから前みたいに無理な行動は控えているわ』
「そうか。まあ、あいつが無事なら別にいいけど。もしまた無茶してたら今度は彼の奥さんに連絡した方がいいわね。あいつ、ああ見えてエイラに頭上がらないから」
『そ、そうなの・・・・・』
「それじゃあ、私はそろそろ切るわ」
『わかったわ。エミリアさん。デブランク大尉のことお願いします』
「ジークハイル。お任せを」
そう言いエミリアは電話を切りそして電話ボックスを出るとエミリアはしばらく歩き黒田たちのいる店へと入る
「すまない遅くなった・・・・・・・・て、どうしたの?」
店に戻るとそこにはまるで葬式みたいな雰囲気を漂わせた黒田とそしてなぜかずぶぬれでタオルをかぶったカーラ。そしてバーで静かに酒を飲むサムの姿があった
「あ・・・・・・エミリアさん」
「どうしたのよ。そんな葬式みたいな雰囲気をして、それにカーラはなぜずぶ濡れなのよ?」
と、そう言うとカーラはエミリアをキッと睨み
「ミリア!お前何処にいてたんだよ!!お前がいない間、ジェニファーが・・・・・・ジェニファーが・・・・」
泣くのをこらえるような声でカーラはそう言いエミリアは困惑す
「ちょ、落ち着きなって。ねえだれか説明してくれない?たった数時間で何があったのよ?」
エミリアがそう訊くと
「俺が説明するよ」
そうさっきまで酒を飲んでいたサムがエミリアに状況を説明する。琴はエミリアが出かけてから一時間くらい後、店に男性が怒りながら入ってきた。何でも黒服姿の集団が港に集まっていると聞いた、黒田たちはその黒服集団が諜報員たちだと悟り、店を出て港に向かった。そして港に向かうと諜報員たちが一隻の小型ボートを追いかけるのを見てその追っている船にジェニファーが乗っていると確信し、黒田とカーラは海へ飛び込み、ボートへと無効としたその瞬間。諜報員の放ったパンツァーシュレックのロケット弾がボートに命中し二人の目の前で爆散。
それを見たカーラはジェニファーが死んだと思い気絶し、黒田は気絶したカーラを連れ諜報員たちにつかまる前に急いでその場を後にし店に戻ったのだという
「なるほど……そんなことが」
エミリアは軽くため息をつく。そしてカーラは
「こんなのって・・・ないよ・・・・」
と泣きながらそう言う。そしてサムは
「何はともあれ、これは少佐に報告しないとな。店主、電話を借りるぞ」
そう言い席を立とうとすると
「待って!」
黒田が止める
「まだだよ!まだ、何もわかっていない!あの船にだれか乗っていたのかも!」
「……黒田。お前のお気楽も度が過ぎるとうざいぜ」
黒田の言葉にサムは冷たい目で見ると黒田は
「違う!お気楽で言っているんじゃない!なんかこう現実味がないっていうか、嘘っぽかったんだよ!」
「その根拠は?」
「ない!考えるの苦手だもん!」
「じゃあ、意味はないな・・・・」
黒田の言葉にサムはそう言うとエミリアは
「はいはい。喧嘩は止めなさい。それと黒田、サム、カーラ。すぐに支度しなさい」
「そんな!ミリアもジェニファーが死んだって!?私はまだ認めないわだからセダンには戻らないよ!!」
すごい剣幕でエミリアに言う黒田。するとエミリアは
「セダン?あんた何を言っているの?私が行っているのはキーラとジェニファーの追跡をするから支度しろって言ったのよ」
「・・・・・・・え?」
エミリアの言葉に黒田はきょとんとした顔をする。そしてサムは
「おい、ミリア。あの二人が生きている証拠でもあるっているのか?」
「当り前よ。何のために私が外に出たのよ。あの二人は生きているわよ。あんたたちが見たというボートはキーラがとあるギャングから手配した諜報部の連中の目を欺くためのフェイクよ。情報では奴らは別ルートでブレストに行ったわ」
「なっ!?本当かそれは!」
「ええ。だから時間がない。さっき少佐に報告してル・アーブルノ海岸に整備士とストライカーユニットを手配してもらった。今行けば明日の昼には片が付くわよ」
とエミリアがそう言うと
「本当かエミリア!ジェニファーは本当に生きているんだな!?」
「ええ、カーラ。だからすぐに支度しなさい」
エミリアはカーラに対し笑顔でそう言うとカーラは嬉しそうに笑みをこぼす。そし手カーラと黒田は服に着替え、出る準備をすると・・・・
ドンドンドン!!
急にドアを叩く音がすると
「そこにいるのはわかっているんだ!ドアを開けろ!!」
「貴様たちがキーラの仲間だということはわかっているぞ!!」
と怒鳴り声が聞こえる
「ちっ、もう来やがったか」
「全くドブネズミは足が速くて困るわね」
「え?ミリア、サムどういうこと?」
「わからないのか諜報部の連中よ。たぶんあんたらが506のウィッチでここに逃げ込んだということがばれたのね。仕方がない。店主?」
「はい。」
「秘密の裏口あるんでしょ?三人を案内してくれる?」
「はい。かしこまりました」
「え!?ちょっとミリアは!?」
「私はここで足止めしているわ。さ、早く!!」
「そんな!?」
エミリアが残ることを訊き黒田は驚くとサムも
「俺も残るぜ。後はお前らだけで行け」
と、サムも残ると言い出すと黒田は
「そんな!?サム!ミリア!」
黒田がそう言う中エミリアはカーラを見て
「後のことは頼むよカーラ。ジェニファーを救えるのは私でもサムでもない。あんたら二人だ。あんたたち二人なら。さ、あ速く時間がないわよ」
「ミリア……分かった。行こう黒田」
「ええ!?ちょっとカーラ!!」
そう言いカーラは黒田を連れ店主とともに秘密の裏口へと向かった。そして残されたミリアとサムは
「やれやれ・・・・で、サム。あんた実戦の経験は?」
「こっちは伊達にニューヨークでギャングとドンパチしてたわけないさ。諜報部連中に後れを取らないよ。で、あんたの方は?」
「こちとら軍人よ」
「すまないわかりきっていたことだな」
そう言いサムはリボルバー拳銃をそしてエミリアは日本刀とホルスターからH&K P8を取り出すのと同時にドアがけ破られそこから拳銃を持った諜報員たちが襲い掛かってくる
「「ふっ・・・・・無事に追いつけよ(なさいよ)邦佳、カーラ」」
二人がそう言った瞬間、店の中は激しい銃撃の音が響き渡るのであった
同時刻、別の場所では
「ふふふ・・・・ついに修理が終わったか。待っていろ今目覚めさせてやる」
ヤプールが不気味に笑い、そして片手をあげると
「起きよっ!!キングジョーダーク!!!!」
そう言い放つと、キングジョーダークの目が不気味に光りだすのであった