ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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番外編「歴史は繰り返す(パート1)」

疾風が扶桑にいる頃、セダンでは506統合戦闘航空団のA部隊、B部隊のウィッチがセダン基地の談話室でお茶を飲んでいた。

普段はディジョンにいるはずのB部隊がA部隊のセダン基地にいるかというと、

先ほどの出撃でネウロイを共同撃墜した後にグリュンネ少佐の計らいでこうしてお茶を飲んでいるのだ。

 

「皆さんお疲れ様です」

 

「ごちそうになりますグリュンネ少佐」

 

グリュンネ少佐がみんなに紅茶と自分が焼いたクッキーを振る舞う。

 

「美味しいですね」

 

「ほんとだ」

 

「でしょ!隊長はやっぱり引退後はパティシエになった方がいいですよ!」

 

「コラ黒田!お主、隊長に向かってなんてことを言うんじゃ!!」

 

「そうだ。不謹慎だぞ!」

 

ジェニファーとカーラはクッキーを食べて嬉しそうに言うと黒田が余計なことを言いハインリーケとマリアンに怒られる。

しかし、それが506ノーブルウィッチーズの日常となっているのだ。

 

「そう言えば疾風さん・・・・扶桑に無事についたかな?」

 

アイザックがぽつりとつぶやく。その言葉にみんなはアイザックの方を見て、そしてB部隊隊長ジーナ中佐が

 

「そうか・・・・・あれからもう二週間以上が経過するのか・・・・大尉は今頃どうしているのだろうか・・・」

 

あの戦い以降、魔法力を失いさらに右足に大けがを負った疾風のことを心配する。

 

「きっとあ奴なら無事じゃ・・・・・無事に決まっておる」

 

「そうだな。今頃扶桑でのんびりしているんだろうな」

 

ハインリーケとマリアンは興味なさげにそう言う。しかし本当はこの二人が一番疾風のことを心配しているのはみんなは知っている。

 

すると・・・・・

 

「あ、大尉。大尉。ヴィトゲンシュタイン大尉」

 

急に黒田がハインリーケに声をかける

 

「なんじゃ?中尉?」

 

「あれ。いつまで置いておくつもりですか?」

 

「あれ?・・・・・あれとはなんじゃ?」

 

ハインリーケは黒田の言いたいことがわからず首をかしげると黒田は

 

「ほらあれですよ。あそこに掛けてある・・・・・」

 

「え?」

 

黒田が指をさす所、それは小さな机にポツンとたたまれた子供用の服だった。

 

「あ~懐かしいなそれ・・・・姫さん。まだ持ってたんだ」

 

「べ、別によかろう!」

 

「でも確かに懐かしいですね。あの時の疾風さん・・・・・」

 

アドりーなの言葉にハインリーケは顔を少し赤くし、ジェニファーがその時のことを思い出したのかフフッと笑う

その子供服と疾風・・・・何の関係があったのかはそれでは少し時間を遡って見よう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれは児童養護施設での演劇が始まる数日前のことだ。

 

「すまぬな大尉。共に夜間哨戒についてきてもらって」

 

「別に構わないさ。いい気分転換になるしな」

 

月夜が照らすガリアの空、二人のウィッチが飛んでいた。一人はハインリーケ。そしてもう一人は疾風であった

 

「それにしてもアイザックの演技指導はさすがに堪えたな・・・・・」

 

「妾も同感じゃ。じゃがこれも施設の子供たちのためじゃ」

 

「まあ、それもそうだな」

 

と、二人は他愛もないことを話しながら夜のガリアをパトロールしていた。疾風と飛ぼ中ハインリーケはちらっと疾風を見る

 

「(・・・だめじゃ、胸のドキドキがとまらぬわ・・・)

 

彼の笑顔を見るたびに胸の鼓動が高まっていく。

自分でも分かるほど顔が赤くなっている。

夜の暗闇のせいで赤くなった顔がまだ彼には気づかれていない。いや、もしかしたらこの月の光でばれたかもしれない。

ハインリーケはそう思った。

 

「(そうじゃ・・・・妾はあ奴のことが好きじゃ・・・)」

 

初めて夜間哨戒で助けてもらった時から、ハインリーケは初めて恋心というものを持った。 心の中で唱えれば唱えるほど、想いが高まっていく。

 

「(好きで好きで・・・たまらない。)」

 

目の前に居る男性が・・・・心の底から好き・・・

 

「た、大尉」

 

「ん?どうした?」

 

ハインリーケの言葉に疾風は顔を向けると彼女は顔を赤くしてこういった

 

「つ、 月が、綺麗じゃな・・・・」

 

ハインリーケは以前本で読んだことがある。扶桑のとある作家が「あなたを愛しています」という意味の外国語を別の言葉で表現したと

もしもその意味を疾風が知っていたら・・・・・だから彼女は言った。そうでなければ自分の胸が張り裂けてしまいそう。たとえそれでこの関係が壊れてしまったとしても・・・

だから彼女は決意し、疾風にそう言ったのだが・・・・

 

「うん、綺麗な月だ。でもどうしていきなり月なんだ?」

 

「・・・・・・。」ハァ

 

彼は、ぜんぜん分かってなかった・・・。 だが、これでよかったのかもしれないとハインリーケはそう思った

 

「(そうじゃな・・・・・あ奴には婚約者がおるし、娘だっている。それを妾は何を泥棒猫みたいなことを・・・・・)」

 

遠回しに言った言葉が彼に伝わらず、そして恋人がいるのにも関わらずに彼を寝取ろうとした。その複雑な感情を彼女は抱いていた

 

「(ハインリーケ。どうしたんだろう?)」

 

彼女の思いも気づかない疾風は首をかしげる。その瞬間、疾風の固有魔法である弾道予測線が彼女をすっぽり埋まるくらいに表示される

 

「っ!?」

 

その予想を見た疾風は目を見開き

 

「大尉、危ない!!」

 

そう言うが、彼女はなぜかボーと、というより何かぶつぶつ呟いて物思いにふけっていた

 

「(仕方ない・・・・・)許せ大尉!!」

 

「え?うわっ!?」

 

疾風はそういうのと同時に彼女を突き飛ばした

 

「何をするんじゃお主は!!」

 

ハインリーケがそう言った瞬間、突如、ビームが飛んできて彼を包み込む

 

「っ!?大尉!!」

 

ビームに包まれた疾風を見てハインリーケは叫び、そしてビームが飛んできた方を見ると、小型のネウロイがいた

 

「あ奴!よくも疾風を!!」

 

そう言い、彼女はMG151/20 機関砲を放ち、ネウロイを撃破する。コアは破壊され、白い破片となって空中に広がる

 

「は、疾風!!」

 

ネウロイを倒した後ハインリーケは疾風の方を見ると・・・・・

 

「・・・・・おろ?」

 

ビームの直撃を受けたのにもかかわらず、疾風は無傷のまま空中に浮いていた。

 

「疾風!すまぬ!妾がぼーとしていたせいで!どこか怪我はしておらぬか!?」

 

慌てて彼女は疾風に両肩をつかんですごい剣幕で訊くと・・・・

 

「あ、あの・・・・痛いんだけど?」

 

「痛い!?どこか負傷したのか!?どこじゃ!どこをやられたんじゃ!?」

 

「いや、落ち着けって・・・・・ハインリーケ。痛いって言っても君がつかんでいる肩だぞ?ちょっとそんなに掴まれたら痛いんだが?」

 

「え?ああ、すまぬ!!」

 

疾風の冷静な言葉にハインリーケは正気に戻り、彼の肩をつかんでいる手を放す。

 

「落ち着いた?」

 

「う、うむ・・・・それでお主怪我は?」

 

「それが、火傷もなければ何にもない。いたって普通だ」

 

「それはある意味心配じゃ。すぐに戻ってドーセ先生に診てもらおう」

 

「それもそうだな・・・・(あれ?なんかこういうの前にも経験したことが・・・?)」

 

ハインリーケは被弾した?疾風の体を心配し、彼を連れて基地に戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、基地に戻ると・・・・

 

「う~ん・・・・どこも異常はないぞ大尉?」

 

「そうですか・・・・」

 

ドーセ先生の診断の結果は、なんも異常はないとのことだ。

 

「でも変ですね?ネウロイのビームをまともに受けても平気だなんて?」

 

「不思議なことがあるんだ?」

 

先生の言葉を聞いて黒田がアイザックが不思議そうに言う

 

「だが、後から症状が出る可能性もあるな」

 

「そうね。疾風大尉。今夜はもう休んでちょうだい」

 

「りょ、了解しました」

 

アドリアーナはあとから症状が出るのではと推測しグリュンネは疾風に休むように命令し疾風はそれを承諾し、部屋を出るのであった。

 

そして翌日の昼・・・・

 

「おはよう疾風大尉」

 

「ああ、おはようハインリーケ」

 

目が覚めるとそこにはハインリーケがいた。どうやら彼を起こしに来てくれたようだ

 

「どうじゃ?体の様子は?」

 

「いたって健康だ」

 

「そうか・・・・それはよかった」

 

疾風の言葉に彼は安心した表情をする。そして

 

「もうすぐ朝食じゃ。その後、B部隊とともに演劇の練習じゃぞ」

 

「アハハ…そりゃ大変だ」

 

疾風は苦笑しベッドから起きて、、廊下への扉へと歩を進める。今まさに扉に手を掛けようとした、その時だった。

 

「っっっ!! ぐは……っ!!」

 

疾風は突然、今まで感じたことのないような熱さを体の中に感じ、その場に倒れこんだ

 

「は、疾風!どうしたんじゃ!?」

 

疾風が突如、倒れこんでハインリーケは驚き彼に駆け寄る

 

「(体の中が、とても熱い……!まるで、骨が溶けていくような……っ!!)」

 

激しい激痛が彼を襲う

 

「大尉!おい!疾風!!おい!大丈……――――」

 

彼の耳にハインリーケの声が聞こえるが、それもだんだん遠くなっていく。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

疾風が覚えているのは、そこまでであったのだった・・・・・・・・

 

 

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