ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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今回の話は麗央の修業は出ません。今回はとある来訪者の会話です


第199話「二人の取材者」

扶桑から離れた島、そこは扶桑本土を防衛するNACの基地だ。その基地の施設や滑走路は島の中にあり、外敵からの攻撃は島の岩壁やその岩壁内に張られている装甲で簡単には破られない頑丈なつくりとなっている

 

そしてそのNACのウィッチたちのストライカーユニットを保管している格納庫では・・・・・

 

「ナツオさん。整備ご苦労様です。これ差し入れです」

 

「おう、すまねえな隊長さん」

 

NAC隊長である疾風が、ストライカーユニットを整備している整備班長である、荒磯ナツオやほかの整備士たちにおにぎりとお茶を配って労っていた。

 

「どうです?ユニットの調子は?」

 

「あんたに頼まれた通り、陸軍の四式、海軍の紫電改。全部のストライカーユニットの魔導エンジンを換装させておいて速度を上げておいたぞ」

 

「すまない。急にこんなことを言って」

 

「本当だ。急にエンジンを馬力の高い奴にしかも全ユニット同じエンジンをつけてくれって言ってきたときは驚いたぞ。まあ、おかげでいい仕事ができたし何より、今まで陸軍海軍と違う魔導エンジンだったのが同じ共通のエンジンになって整備もしやすくなったからいいけどさ」

 

オイルまみれの顔をふくナツオ整備長に疾風は

 

「本当に済まない。だが、これからの戦いを考えるに速度が大事だと思ってさ」

 

「まあ、お前さんの言いたいこともわかるよ。この頃のネウロイの奴も進化してきてるってやつだろ?新聞なんかで見たよ。特に欧州戦線では速度の速い個体なんかも出て来てやがる」

 

「ああ、恐らくここも例外じゃないだろうな・・・・・」

 

そう言い疾風は近くにあった湯飲みにお茶を注ぐとナツオに渡し、ナツオはそれを受け取ると

 

「それとついでにあんたの乗る零式戦も改良しといたぜ。機関銃以外にも翼下にカールスラントから取り寄せたロケット弾を6発づつ搭載させておいた。さすがに中型は倒せないがダメージを与えることができるぜ」

 

「すまないな」

 

「いいさ。それよりも隊長さんよ。足の怪我の具合はどうでい?永琳先生に見てもらったんだろ?」

 

ナツオが疾風の怪我した右足を見てそういう

 

「ああ、まだ完治するまではだいぶ先とのことだ。神経をやられた以上治るまでに一年以上はかかるんだとさ」

 

「それは大変だ。けど残念だ。噂に聞いたスペック以上の速さを出すお前さんのストライカーユニットを整備してみたいと思たんだがな」

 

「俺のユニットは今欧州の知り合いに預けて直してもらっている。あの戦いで結構、壊れたところがあったからな」

 

「そうかい。ああ、ストライカーユニットで思い出した。隊長さん訊いたか?」

 

「ん?何をだ?」

 

「なんでも大本営の技術省から新型のストライカーユニットが送られてくるそうだ」

 

「新型?」

 

疾風は首をかしげると、

 

「あ、少佐。ここにいたのですか」

 

そこへ宮辺がやってくる

 

「やあ、宮辺さん。どうかしたんですか?」

 

「実は少佐にお客さんが来ていますよ?」

 

「お客?こんな離島にか?もしかして新たに配属になる隊員か?」

 

「いいえ。なんでも民間人で・・・・・カメラマンと取材者らしいのですが・・・・」

 

「カメラマンに取材者?わかった。その人たちは今どこにいるんだ?」

 

「今はほかのところ回ってなんか隊員たちに取材してます。最後に隊長室によるとか言っていましたけど」

 

「そうか。ならそこで待ってたほうがいいな」

 

そう言い疾風は杖を取り、格納庫を後にするのであった。そして疾風は隊長室に入り椅子に腰かけると、残っていた書類作業をする

 

「まさか、この世界で隊長をやるとは思わなかったな」

 

書類に判やサインをかきながらそう呟く。元の世界でも疾風は戦闘部隊の隊長を務めたことがあったため、それほど苦ではなかった。いやむしろ向こうにいた部隊の隊員たちは問題児が多くいつも始末書を片付けたためそれに比べれば今ある書類はむしろ可愛いくらいだった。

するとドアの向こうからたたく音が聞こえた

 

「失礼しますよ。お仕事中でしたかな?」

 

「いいや。今ちょうど終わったところですよ」

 

ドアが開きそこからセーターとスラックスを着用したブルネットの女性と襟と袖が青いセーラー服を身に着け、胸には黄色のスカーフを締めている少女がいた。

 

「やあ、久しぶりだね疾風大尉‥‥いや、今は少佐だったかな?」

 

「ペテルブルグ以来ですねシーモアさん」

 

と彼女の言葉に疾風は懐かしそうに言う。最初に声をかけたブルネットの女性の名はデビー・シーモア。リベリオン人でありリベリオンのグラフ誌と契約しているカメラマンだ。そして彼女は以前502統合戦闘航空団の密着取材をしていたため、以前そこに配属していた疾風とは面識があった。

 

「ところで彼女は・・・・」

 

「ああ、彼女は私と同じ扶桑の記者さ」

 

と、シーモアが隣にいる彼女をちらっと見ると彼女は

 

「私、扶桑の月光新聞の記者のバイトをしてます銀城哲与といいます。今は記者ですが一応、脚本家を目指しています!」

 

と元気に挨拶をする銀城と名乗る少女。疾風は

 

「こちらこそわざわざ本土から離れた島に来てすまない。それでリベリオンと扶桑の記者さん二人がここまで来た理由は取材かい?」

 

「察しの通りそうさ。オラーシャから今度は扶桑になったってわけさ。まあ納得はできるけどね。欧州の英雄がここで新部隊の隊長を務めているんだから」

 

「相変わらず耳が早いな結成してからまだ一週間もたっていないんだがな?」

 

「情報収集は記者の専売特許なんでね。それと取材許可のお礼を持ってきました。本当は酒でもっと思いましたが疾風少佐は酒がダメと聞いたのでお菓子を持ってきました」

 

デビーは紙袋からリベリオン製のドーナツをそして銀城は羊羹を取り出した

 

「すまないね。二人とも座ってくれ。今お茶でも出すよ」

 

隊長室には立派なソファと木製テーブルがある。デビーと銀城に座るよううながし、疾風は戸棚から湯飲みを二人分だし、そして急須に茶葉を入れてお湯を入れ。そして湯飲みにお茶を淹れる

 

「扶桑茶だがいいか?」

 

「私は構いません」

 

「私も扶桑茶は初めてですがいただきます」

 

そう言い二人は疾風の入れた扶桑茶を飲み、そしてシーモアは杖を突いて歩いていた疾風を見て

 

「以前あったときは勇猛果敢にユニット破棄ネウロイ相手に獅子奮迅の活躍をしているところを見たのですが、やはり疾風村正大尉が欧州・・・ガリアでの戦いで魔法力を失い右足を怪我したっている話は本当でしたか・・・・その足は治るので?」

 

「今のところ腕のいい医者に見てもらったが感知するかは今のところ不明だ。もしかしたら一生このまんまって可能性も否定できない。が、魔法力を失っても俺にはまだ戦う選択はある。今は戦闘機のパイロットとして戦闘に参加することもある」

 

「そうですか・・・・・」

 

シーモアの質問に疾風は答え、そして疾風は

 

「それでシーモアさん。扶桑(ここ)にきてどう思いました?」

 

「はじめて来たんですけど、思ったより静かですね。銀城さんが言うにはどこも自粛ばかりで祭りもほとんど中止になっているとか・・・・」

 

「はい。なんでも『戦争中に祭りをやるとは何事だ』と文句を言う人がいるようで・・・・」

 

シーモアの言葉に銀城がそう言うと疾風は軽くため息をつき

 

「まったく。頭の固い人ばかりだ。こういう時こそ祭りで気分を明るくしなければいけないのだがな‥‥映画もプロパガンダ系のやつばっかりだな」

 

「疾風少佐は、娯楽が必要と?」

 

「ああ、ヒーローものとかいいかもな」

 

「ヒーローものですか‥…例えばどんな?」

 

疾風の言葉に銀城が食いつく

 

「そうだね・・・・・はるか遠い宇宙の星から来た宇宙人が地球にやってきてその星の人のことが好きになり地球を侵略しようとする宇宙人や怪獣を人間と協力して戦う・・・・・てな感じかな?」

 

疾風は子供の時に見た光の国出身の銀色の巨人のことを軽く話した。

 

「なかなか面白そうですね。そのアイディア。もらってもいいですか?後に書こうと思う脚本の参考にしたいので」

 

「まあ、好きにしていいぞ?」

 

疾風がそう言うと銀城はメモ用紙にそのアイディアを書くとシーモアは

 

「でもあなたの話を聞くとまるで宇宙人がウィッチ・・・・そして侵略者がネウロイみたいだね?」

 

「言い得て妙だな。だが、ネウロイ=悪とは限らない。良いネウロイもいる」

 

「それはうわさに聞く穏健派ネウロイのことかね?」

 

「・・・・・・」

 

シーモアの言葉に疾風は少し黙る

 

「私は欧州である噂を聞いた。ネウロイには二つ‥‥いや三つの政権があるって、一つは私たちの知っている町や国を武力で破壊し侵略しようとする過激派。過激派に属するが暴力を嫌い穏便に侵略しようとする革新派。そして人類と共存しようと考える平和主義の穏健派・・・・・連合軍上層部はその穏健派を保護するためのペーパークリップ作戦なるものを実行しているとか・・・・そして君の養子でもある彼女もそのネウロイだといううわさもあるが?」

 

「軍機に触れる」

 

と言ったものの、そのあたりは勘のいい人間ならすぐ分かることであった。だが疾風はこう付け加えた

 

「仮にアイがネウロイだろうと人間だろうと関係ない。俺の大切な娘には違いないんだからな」

 

「すまない野暮な質問だったよ」

 

疾風は少し威嚇するような目でシーモアに言うとシーモアは下手に質問をして彼を怒らせるのは得策ではないと感じ謝罪した。そして銀城は

 

「それで疾風少佐。扶桑の小笠原に新たに表れたネウロイの巣・・・・大本営はコードネームをブラックスターって呼んでいるらしいのですが?」

 

「ブラックスターね‥‥・なんとも安直な呼び名だ」

 

「はい。それでそのネウロイは今・・・・」

 

「観測班の報告では下田を襲撃したネウロイを倒して以降は静かだ・・・・だが、奴らはいずれ襲撃するだろう。ただ手口はいつもみたいに多勢で襲い掛かるか、人型ネウロイや小型を使って、暗殺まがいな手でこそこそと行くのかは不明だ。だが、奴らはきっと扶桑を襲撃しに来るだろうな」

 

疾風は真剣な顔でそういう。今までの過激派は徒党を組んで襲ったり、またはヴェネチアに現れた獣型のような特殊なネウロイを送ることが多かったが、今回の扶桑のネウロイはそれを凌駕する強力なネウロイが多いと判断していた

 

「今までのネウロイを凌駕する力を持ったネウロイ…ね。いわゆるTerribleMonster‥‥超獣ってところですかね?あ、これもネタにできそう・・・・」

 

「超獣ね‥…いいニックネームだと思うが私は今まで通り怪異(ネウロイ)のほうがしっくりするよ」

 

銀城はそう言うとシーモアがそれを否定する。そしてシーモアは

 

「そう言えばニックネームで思い出した。疾風少佐。あなたの部隊の通称名・・・NAC。ニックネームを『ガーディアンウィッチーズ』と名付けたみたいですね?」

 

「ああ、扶桑本土防衛の名前にぴったりだと思ったんだが、なんかまずかったか?」

 

「いいや。良いニックネームだと思ったよ。501の攻撃(ストライク)、502の勇敢(ブレイブ)。そして724NACの守護者(ガーディアン)・・・・隊長格の人たちはいい名前を付けると思いましたよ」

 

「私もいいニックネームだと思います。正直に言って。NACの名とあの名前だと最終的に全滅しそうな感じだと思いましたので。世間でもNACよりそっちの名のほうが親しまれています」

 

「そうですか・・・・」

 

銀城の言葉に思わず苦笑いしてしまう疾風。事実疾風もあのマークにいやな感じがするのだが、茅場中将が言うにはほかにも候補となるマークは提出したものの大本営陸海軍はこのマークを気に入っているんだとか・・・・

 

「そう言えば取材の件・・・・・茅場中将はなんと?」

 

「疾風少佐の判断に任せると聞いてね・・・・・私と銀城さんはしばらくここで取材をしたいのだがいいかね?」

 

「俺がダメと言ってもあなたが引かないことは知っています。でもここは最前線で敵の襲撃にあう可能性も否定できない。命の危険がありますが構いませんか?」

 

「オラーシャの時もそうだが、おかげで退屈しないよ」

 

「私もこの基地に足を踏み入れた時から覚悟はしています」

 

そう言うと、シーモアは

 

「それに君のことだから、許可はもらえると思ったしね」

 

「よくお分かりで・・・・・・」

 

疾風がジト目で彼女たちを見る。すると銀城が

 

「ああ、それと最後にいいですか疾風少佐?」

 

「なんでしょう?」

 

「今回の部隊、君と戦闘隊長である宮辺久大尉と森喜子中尉以外は素人と聞いたけど戦えますか?」

 

銀城がが聞くと疾風は少し笑い

 

「大丈夫ですよ‥…彼女らならきっと」

 

と、そういうと二人は微笑み、そしてシーモアが

 

「そうですか。では面白い記事が書けることを期待しています」

 

と、そう言うのであった。こうしてこの基地にしばらく二人の記者が滞在することになったのであった。

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