ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
遡ること疾風が扶桑に到着する数日前・・・・・
ベルリン・・・・そこはカールスラントの首都であり、現在ネウロイの占領地となっており、そしてネウロイ軍地球攻略部隊の総本部となっている場所だ。そのベルリンの空を覆う巨大なネウロイの巣の中で、ベルリンを占領している過激派ネウロイの巣の指揮官であり、ネウロイ四天王、知将の肩書を持つネウロイ。ジブリール他、他の四天王のネウロイと会議をしていた
「まさか、またここで会議をするとは思いませんでしたわね・・・」
「まったくだこの前はただのお茶会に呼ばれ、今度はいったい何の会合だというのだ」
ジブリールの言葉にそういう女型ネウロイ。彼女はオラーシャ攻略軍司令でありネウロイ四天王の豪将の肩書を持つネウロイ、エスデス。
「ですが、これも待った一興で良いではありませんか。思わぬ来客もいるようですしね?」
「そのようだな・・・・・・・」
そういいジブリールとエスデスはとある方向を見ると、そこから白衣を着た人間の女性が現れる
「ふん・・・・何十年ぶりか?相も変わらず馬鹿みたいに仲がいいな?」
「ヤプール・・・・まさかあんたが生きていたとはな?」
「ですがそのお姿・・・・・そう、地球人に憑依しているということはネウロイとしての力を無くし、本来の姿に戻れないっと、言ったところでしょうか?」
赤く目を光らせてそう言う二人、彼女らの前に現れた女性ははヴェネチアで疾風と激闘をし、敗れ去ったネウロイ四天王、邪将の地位に就くヤプールであった
「頭のいい奴は嫌いだな中将。確かにこの体はわが魂を具現化させるために入れ物だ。しかし私は必ず元の姿に復活して見せよう。そして戻ったその時はいずれお前たちを私が製造する戦闘兵器に改造し、わが支配下に加えてやる。」
「口先だけはいいですね?」
「ふん!人間に敗れ去ったやつが何を言うか、この元上等兵風情が。貴様は亡き先代の邪将に代わり空席になっていた邪将の地位に座っただけではないか?なんでこんな奴が四天王の一人に・・・・・」
「エスデス。皇帝の気まぐれは今に始まったことではありませんわ」
「ふん!どうとでも言え。いずれ地球も征服してやるあの男、疾風村正を抹殺し、その首とともに皇帝に献上してな」
と、高笑いをするヤプール。そんなヤプールを見た二人は
「「はぁ・・・・・」」
あきれたように軽いため息をつくと
「悪いけど、地球人の生首なんて私はいらないわよ」
「「「っ!?」」」
突如、頭上から声がし三人が上を向くと、そこから子供型のネウロイと付き添いの大人女性方ネウロイが降り立ち、
エスデス、ジブリールは跪く。
「ヤプール。皇帝の許可なく随分と勝手な行動をしていたようね?」
子供型ネウロイのそばにいる、ネウロイが赤く鋭い光を発してそういうとヤプールは臆せずニタリと笑い
「これはこれは参謀総長様である謀将のサクヤ大将閣下。本星からわざわざ地球に来られて・・・・・・これも地球制服という偉大な目標のためですよ」
「口の減らない奴が!」
「ここで殺り逢いますか?人間に憑依してもビーム攻撃はできますよ?」
ヤプールの挑発的な言葉に、サクヤと呼ばれたネウロイは両手から無数のナイフ形のビームを出し、ヤプールは片手にビームを溜めて両者はにらみ合い状態になる
しかし・・・・・・
「そこまでになさい・・・・・・」
「「っ!?」」
子供型ネウロイの静かでそれでいてとても冷たい言葉ににらみ合っていた両者は、まるで蛇に睨まれた蛙のように硬直し冷や汗みたいなのを流し、彼女の前に跪く。
「ヤプール・・・・・貴様がやった独断専行。あまり褒められたものじゃないわね。しかも上層部の・・・・しかも私の許可なしに勝手に他星の技術を使用した兵器まで使用して・・・・・」
「だが、貴重なデータはそろったのでしょ?皇帝陛下・・・・・」
「・・・・・・・」
ヤプールの言葉に皇帝・・・・・レミリア・スカーレットは人差し指をヤプールに向けるとその指先からビームを放ち、放たれたビームはヤプールの頬をかすめ、その頬から血が流れだすが、ヤプールは動揺せず、にやにやと笑っていた。
そしてレミリアは
「同種族でなければ首をはねるところだけど、あんたの罰はこれぐらいにしとくわ・・・・・でも心に留めておきなさいヤプール」
そういい彼女は手にビームを溜めヤプールの首元にあて
「お前は四天王の邪将の地位にある将軍・・・・だがそれは我が亡き妹フランの空席を埋めるためのものだ・・・・・そのことを覚えておけ。次はないぞ?」
「御意・・・・・」
レミリアがそういうとヤプールは頭を下げる。そして・・・・・
「さて・・・・ヤプールの処罰はこれぐらいにして、とりあえずティータイムと行こうかしら?」
そういいレミリアが手をたたくと彼女たちの前に円形のテーブルとイスが現れ、そしてティーポットとカップが現れる
「地球のものを私なりに再現してみたわ。それではお茶を飲みつつ会議を始めようかしら?」
そういいレミリアはパチンと指を鳴らすと、レミリアの姿はネウロイの姿から人間の姿に変わり、それと同時にジブリールたちもネウロイの姿から人の姿に変わるのであった。
そしてティーポットは宙を舞いそれぞれのティーカップにお茶を注ぎ、ジブリールたちのもとに置かれる。そしてレミリアは
「まずは戦況確認と行こうかしら?ジブリール?」
「はい。ベルリン周辺のテリトリーは今のところ防御を固めつつ要塞計画をしております。ですがそれと同時に人類軍もカールスラント…つまりベルリンへ向けての奪還作戦を準備中との情報が入りました。おそらく二、三か月後ぐらいにこちらへやってくるでしょう?」
「対抗策は?」
「現在ベルリン守備隊の特殊型戦闘兵器を多数配置する予定です。早くて1か月半ほどで配置が終わります」
「さすがね・・・・・・エスデス中将。オラーシャ方面は?」
「正直言って一進一退といったところでしょう」
「へ~豪将であるあなたが苦戦するなんて珍しいわね?どういうことかしら?」
「人類軍精鋭部隊の503統合戦闘航空団なる部隊がなかなかの精鋭のため予定より遅れています。しかももうすぐ大寒波が起こる季節となれば寒さに強い我が軍団が有利に立つでしょう」
「そう・・・・期待しているわ・・・・・さて・・・・ヴェネチアに関しては言うまでもないわねヤプール?」
「・・・・・」
「まあ、いいわ。あんたの後の命令は・・・・・サクヤ。後をお願いするわ」
「畏まりました」
そう言うとレミリアは消えるのであった。そして彼女の側近であり四天王筆頭のサクヤが
「さて・・・・ヤプール。ヴェネチア作戦の失敗。あなたはどう責任を取るつもりかしら?」
「そのことなら既に考えがある大将閣下殿」
「ほ~どんなことかしら」
サクヤがそう聞くとヤプールは地面に手をかざす。すると下の空間から地球が映し出され、その中で小さな島国が映し出された
「これは・・・・・」
「地球の東にある国。扶桑皇国だ。とても小さな島国だがそこの住人は我々には邪魔な存在だ」
「…と、いうと?」
「ガリア、ヴェネチア、そして北欧のグリゴーリ作戦で失敗したのはみんなこの島国・・・・・・扶桑出身のウィッチが出しゃばってきたことが大きい。あの国のサルが出てこなければ我々の地球侵略は順調に進んでいたはずだ。放っておけばまた新たな扶桑の英雄が生まれ我々の妨げになるだろう。その前に危険な芽は潰しておきたい」
「つまり、あなたはどうしたいと?」
サクヤがそういうとヤプールは邪悪な笑みを浮かべ
「扶桑そのものを消し去る。扶桑全滅作戦を始めたい。扶桑に住む扶桑の人間一人残らず全滅させる。これが俺の計画だ」
「兵員はどうするの?ヴェネチアの残党を集めても足りないわよ。むろん援軍を出す余裕もこっちはないのよ」
「ふっ…安心しろ。私の科学力をもってすれば人工的に兵器を作ることなど造作もない…で、どうだ?大将殿?」
ヤプールの言葉にサクヤは黙り、そしてジブリールとエスデスは黙ってみていた。そして
「作戦を許可します。確かにあなたの言うことも一理あります。ですが・・・・・」
そういうとサクヤは赤い瞳をギラリと輝かせ
「失敗は絶対に許しません。どんな手を使っても必ず成功させなさい。あなたにできるのならね?もし失敗しあなたの軍団が敗れるよ腕あれば…その時は」
「敗者と失敗者には死を・・・・・鉄の掟だな?了承した。だが大将よ。あなたは一つお忘れだ」
「何がですヤプール?」
「俺は生物のマイナス感情がある限り死ぬことはない怨念の集合体だということをな・・・・」
そう言いヤプールは消えるのであった。そしてジブリールは一口紅茶を飲み
「やれやれ・・・・大将閣下よろしいので?」
「あいつ。いつかは我々を裏切り、皇帝の寝首を刈るもしれないぞ?」
「あのヤプールが皇帝に勝てるとでも?正面切って戦いを挑んで勝てないのはおそらく向こうも知っているでしょ。それに今回奴の作戦を承認したのは半ば追放扱いよ。レミリア様もヤプールの行動についてはもう好きにしなさいと言っておりましたわ」
「皇帝らしいな・・・・・それで陛下は今どこに行ったのだ?」
エスデスは先ほど消えたレミリアの行方を聞くとサクヤは
「恐らく・・・・・・」
一方、レミリアはカールスラントの小さな廃墟の前にある小さな墓前に花を添えていた
「シオン・・・・・これはあなたの好きな宇宙の花だったわよね?」
そう言い彼女は両手を合わせ
「あなたもバカよね。恒点観測員に転職せず、ずっと私の相談役をしていればこんな星で死なずに済んだのに・・・・・私が親友であるあなたを殺されたと知らなければ怒りの矛先をこの星に向けることなんてなかったのにね」
そう墓前の前でそう言う
「でも始めてしまったからには、私はこの星を征服するわ。この星を愛したあなたには悪いけど私は中途半端は嫌いなのよ。それに配下であるヤプールも私に反逆しようと画策しているくらいに気合十分見たいでね・・・・・それにもしかしたら死ねない私の人生を終わらせてくれる人間が現れた気がするのよ。もし私が死んであの世でまたあなたに会うことがあったのなら、あなたの説教。気が済むまで聞いてあげるわ」
そう言って立ち上がりレミリアはもう一度、墓標を見て
「また来るわ。古き友よ・・・・・・・・」
そういうと彼女は廃墟を去っていくのであった