ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
扶桑に降り立った、欧州出身の女性。それは疾風が欧州の第506統合戦闘航空団に所属していた時、かつてガリア諜報部のクリス・キーラ少佐と名乗り過激派ネウロイと同盟を結んでいた王党過激派に所属していた女工作員だ。
「さてと・・・・例の新設部隊に行くには海軍省の許可が必要だったかな・・・」
そう言い、彼女はそう呟き、暗くなる港を歩く。そして何かを思い出しているかのように空を見上げ
「・・・・ふっ。誰にも称賛されずに、孤独に戦う・・・か。私はどうやら今と前も変わらず虚しい人生を送るようだな」
「なら、その虚しい人生を終えたくなかったら、そこを動くな」
キーラと名乗っていた女性がぽつりとつぶやくと、背後から声がし、そして喉ものに冷たい感触がするよく見るとそれは刀であった。
「この私が気付かないとは、やはり扶桑人は少しおっかないところがあるな・・・・これがサムライという奴かな?」
そう言いキーラと名乗る工作員はちらっと後ろを見ると、そこには海軍第二種軍装を着た短い髪の女性が立っていた
「ここは海軍港だ。一般人が入ってきていい場所ではないぞ?しかも貴様、見たところ外国人・・・・・しかもその雰囲気や目を見る限り多くの命を奪ってきたな?」
「さすが軍人ともなると観察力が高いな。正解だよ」
「お前・・・・・何者だ?」
「名前か・・・・あいにく自分の名前と呼べるものがない。まあクリス・キーラとでもしとこう・・・・それであなたは?」
「扶桑海軍の若本徹子だ。さ、まずは話してもらおうか・・・・・お前の目的は何だ?」
扶桑海軍のウィッチ・・・若本徹子は警戒した目でキーラを見る。しかし彼女が答えたのは意外なものだった
「人助けだが?」
「・・・・へ?」
キーラのあまりの回答に思わず気の抜けた声で驚いた
「この国に来たのはある人物に借りを返すためだ。まあ今はその人物がいる場所へ行くための方法を探しているのだがね」
「ちょ、ちょっと待った!?…ひ、人助け?」
若本は予想外の回答に驚いた。この女の第一印象と目的がまるで一致していないからだ
「そうだ。ここに来る前も船で船員の手伝いをしたり、迷子になった子供の親を探してあげたが・・・・」
「ほ。本当か?(見た目とやっていることが待ったく違う・・・・)キーラといったか?なぜそこまでする?」
若本がキラーに尋ねるとキーラは
「理由?理由か…そうだな・・・・・私が人間であるからではダメかな?私は今まで多くの過ちを犯した。その償いとして・・・・"人間として償う"ことはこのやり方でいいのか・・・・その償いができるか・・・・」
「償うだと?」
「私は一度、命を失った身だ・・・・そして今こうしてまた蘇り、二度の人生を歩もうとしている。ならば自分のやるべきは一つ・・・・・」
そう言いキーラは若本に振り替えると
「以前犯してしまった罪を償う。そして償うにはどうしたらいいか探し出し生き、そして、偽りすぎて偽物になってしまった私の本当の自分を見つけてみたい・・・それが今なすべき私の役目だ」
「(こいつ・・・・強い。何より心が)」
若本はキーラの強い意志を見て悪いやつではないことを悟り、刀を鞘に納める
「すまない・・・こんな時間にここでウロチョロしている君を見て誤解をしてしまったようだ・・・・だが、ここは軍の関係者以外立ち入り禁止だ」
「その件なら、この手紙を海軍関係者に渡せば大丈夫だと出発前に言われたよ」
そう言いキーラは手紙を若本に見せる。
「これは?」
「茅場中将からの手紙だ・・・・」
その言葉に若本は何か察した
「すまない。君が借りを返したい人物とは・・・・・もしや?疾風少佐のことか?」
「そうだ・・・・そのため私はNAC本部に行きたい」
「残念だが、今は無理だ。まずは海軍省の茅場昌彦中将のところに行け。私も同行しよう。私は若本徹子。海軍中尉だ」
「そうか・・・・君がうわさに聞いた扶桑最強のウィッチか・・・・ふっ・・・・感謝する」
そう言いキーラは若本に連れられ海軍省へと向かうのであった。
一方、そのころNAC本部の指令室では・・・・・
「あれ?宮部大尉。隊長は?」
指令室にいた麗央は隊長である疾風がいないことに気づき、副隊長である宮辺に訊くと
「隊長なら先ほど用事があるって、基地を出て本土に向かったわよ。なんでも調べたいことがあるって・・・・」
「調べたいことですか?もしかして昼間に尋ねてきた刑事さんと何か関係が?」
麗央は今日の昼、銭形と名乗る扶桑の刑事が疾風を尋ねたことを訊く。そう今から数時間前に、銭形という扶桑の女刑事がやってきて疾風に面会を申し入れたのだった。
話の内容は、最近巷で騒ぎになっているウィッチ殺人事件についてだ。
会話の内容は二人だけで話していたため、分からなかったが、話が終わった後、銭形は基地を出て、そして扶桑警察から夜、特にウィッチは出歩かないように指示が出たのだった。
「ウィッチの殺人事件でなんであの刑事は隊長を尋ねたんだろう・・・・・」
麗央は理由が分からず首をかしげている。すると疾風がいつも座っている席に地図が置かれていた
「なんだろうこれ?」
麗央はその地図を見ると、そこは扶桑の関東地域の地図でありところどころ赤い丸と日にちが書かれていた
「この赤い丸と日にちって・・・・確か事件があった現場だ」
麗央は赤い丸が記してある場所はかつてウィッチの殺人が起きた現場であった。そしてその丸には線が引いてあり、最後につけられた赤い丸には日にちがつけられてなかった。
「最後の丸の場所って・・・・・・・横須賀?」
カツーン・・・カツーン・・・・カツーン
連続殺人事件により、警察の指示により人々は夜間は出歩かず、人影の絶えた深夜の街に敵の正体を探る杖の音が響いていた
「・・・・・・」
川辺の道を歩く疾風の鋭い目は闇に潜む黒い殺戮者を待っていた。するとまるで幽霊か陽炎のように黒い影が疾風の真後ろからゆっくりと近づいてくる。
そしてその影はだんだんと疾風に近づいて行き、そして・・・・
キィィーー!!
「っ!?」
金属のような金切り声とともに疾風の真正面から現れる。その正体は全長2メートル近くのネウロイであった。姿は黒く、そして赤くライン線の描かれた円盤状でまるで土星のようなネウロイであり、その縁取りには鋸のような赤いビームが回転していた。そしてそのネウロイは金切り声とともに疾風に襲い掛かり疾風はすかさずよけると真後ろにあった標識版を真っ二つに切られる。
「くっ!」
そしてネウロイは素早い動きで疾風に襲い掛かり疾風は瞬時にそれをよけビームの刃が当たりそうになれば杖で防ぐ。そして通り魔のネウロイはまた素早い動きで疾風の背後を取り彼の体をまっぴたつにしようと襲い掛かるが、疾風はその攻撃を杖で抑え、鍔迫り合い状態になる。疾風の杖は特殊合金と対ネウロイ用装甲でできており、ちょっとやそっとじゃ切れない。そしてネウロイのビームの刃は疾風の杖をガリガリと音を立てて回転し杖から赤い火花が飛び出る。
「とりゃぁ!!」
疾風は杖でネウロイを押し飛ばし、距離を取る。しかし疾風の背後はガードレールでありその後ろは川であった。まさに背水の陣となり疾風は杖を構える。そんな中ネウロイは真っ赤なビームの刃を怪しく光らせながら回転させ、そして疾風にまた押しかかり疾風はそれをよけると今度はその刃によってガードレールが真っ二つになり、そしてそのネウロイは素早い軌道で疾風の背後を取り襲い掛かろうとすると疾風は杖で叩き、距離をとるがバランスを崩してしまい倒れてしまう。
それを見たネウロイはジワリ、ジワリと疾風に迫り、疾風はそばにあった木材をそのネウロイに投げつけた。だが、その投げた木材は瞬く間にバラバラになり地面に落ち、ネウロイは疾風に迫ると・・・・・
「隊長!!」
そこへ麗央が現れ疾風の前に立ち、ネウロイに身構える。しかしネウロイは素早い速度で麗央に向かう
「っ!?」
あまりの速さに麗央は驚くと・・・・
「麗央!どけぇ!!」
「うぐっ!?」
疾風は杖で麗央の頭を殴り、麗央は倒れるそして迫ってきたネウロイに疾風は、杖で叩き、そして杖先をそのネウロイに向けると
ズドドド!!
杖先から火花が出てそこから弾丸が飛びでる。疾風の杖は自衛用に仕込み杖になっており。杖の先から銃弾を放つことができるのだ。そして一発の弾丸がそのネウロイに命中し、
ネウロイは慌てたような奇声を上げて空高く飛び上がり逃げて行った。
「ふぅ・・・・」
敵が逃げたことにより安心した疾風は一息つけると、自分の前で気絶し倒れている麗央を見る
「やれやれ・・・・ちょっとやりすぎたな」
そういい疾風は麗央を背負い基地にへ帰るのであった