ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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OP「アシタノツバサ」

EⅮ「Starear」



第21話「アイの正体」

アイを502基地に保護してから翌日、

アイは廊下を歩く、普段は父である疾風と母であるエイラと一緒だが二人は夜間哨戒明けで寝ている。この時雁渕も一緒に出撃したのだがこれはまた別のお話。

アイは歩いていると・・・・

 

「おっ!お前アイじゃないか。どうしたんだこんなところで?」

 

菅野直枝に会うのだった。

 

「ちょっと・・・・お散歩・・・・直枝お姉ちゃんは何を持っているの?」

 

「え?ああ、本だよ扶桑語の」

 

「本?それ面白いの?」

 

「ああ、この本はな俺が一番好きな本なんだ。アイ読んでみるか?」

 

「うん♪…でも・・・私・・・扶桑語あまり読めない」

 

「あ、そっか・・・これけっこう漢字、多いいしな。よし、じゃあ俺が読んであげるよ。アイ俺の部屋に来い」

 

「うん♪」

 

アイは菅野の後についていくのだった。そして部屋に着くと

 

「アイ・・・・なんでこの体勢なんだ?」

 

「だってこの方が見やすいから・・・・・」

 

管野が言うこの体勢とはアイが菅野の膝に乗っている状態のことだった。

 

「まあ、いっか・・・それじゃあ読むぞ。昔あるところに・・・・・・・」

 

と、菅野は本を読みアイは嬉しそうに聞いている。他人が見ていたらまるで姉妹みたいだ。

 

「・・・・・という事でした。めでたしめでたし。どうだアイ面白かったか?」

 

「うん♪…‥面白かった!」

 

「そうかそれはよかった。ん?アイどこかに行くのか?」

 

「お父さんとお母さんを起こしに行ってくる」

 

「そうか・・・・もうそろそろ昼だもんな。あまり廊下を走るんじゃねえぞ」

 

「うん・・・・直枝お姉ちゃん。またね・・・・・また面白い話聞かせてね」

 

「ああ、次はもっと面白い話を聞かせてやるよ」

 

アイは菅野の部屋を後にするのだった。アイが廊下を歩いていると・・・・

 

「おや?アイちゃんじゃないか。どうしたんだい?」

 

と今度はクルピンスキーに出会う

 

「クルピンスキーお姉ちゃん。うんお父さんとお母さんを起こしに行くの」

 

「そうか、あのバカップルを起こしに行くのか」

 

「?・・・・バカップルって?」

 

「ん?それはねアイちゃん。君のお父さんとお母さんみたいな・・・・てっいででで!」

 

とクルピンスキーがアイに説明しようとすると

 

「ニセ伯爵さん・・・・何小さい子に変なことを教えようとしてるんですか?」

 

そこにはクルピンスキーの耳をつねるロスマンがいた。

 

「ロスマンお姉ちゃん?」

 

「アイ、このニセ伯爵さんの言う事はあまり本気にしちゃだめよ。で、どうしたのこんなところで?」

 

「うん、お父さんとお母さんを起こしに来たの」

 

「そう、えらい子ね。」

 

と、ロスマンはアイの頭を優しくなでる。アイは気持ちよさそうに目をつぶる。その姿にロスマンは微笑んだ。その後ロスマンはアイと別れアイに変なことを教えようとしたクルピンスキーを連行するのだった。

 

 

 

 

そしてしばらくした後、全員作戦室に集まるのだった。アイはエイラの膝に乗っている

 

「なんでアイちゃんがいるんですか疾風さん」

 

「アイがどうしても一緒に行きたいってぐずってな・・・・」

 

「あんな顔をされたらだめって言えなくてナ~」

 

とエイラも頭を掻きながら言う、どうやらアイの泣き顔に根負けしたらしい

 

「まあ、別にその子がいても問題ない。先生、会議を始めてくれ」

 

ラル隊長はアイが会議室にいることを許可し会議が始まった。

 

「はい、先日。グレゴール攻略隊の補給基地が陸戦ネウロイに襲われたのはみんな知っていると思います。」

 

そう、今から数日前、巨大なネウロイの巣「グレゴール」を討伐するためその準備をしていたのだが突然現れた陸戦型ネウロイの奇襲によって補給基地が破壊されたのだ

 

「ああ、でもその陸戦ネウロイの出所はわからなかったんだろ?」

 

と、菅野が言う

 

「ええ、でも昨日スオムスの偵察部隊が怪しい遺跡を発見したんです」

 

「遺跡?」

 

「はい。しかもそこには陸戦ネウロイがいて、先日の奇襲された補給基地と距離が近いんです。」

 

「なるほど。そこを叩くってことか!腕が鳴るぜ」

 

「いいえ菅野さん。私たちがするのは捜査です」

 

「偵察?撃滅じゃなくて」

 

「ええ、その偵察隊によれば先ほどまで大量にいたネウロイが忽然と消えその遺跡の奥に地下へ通ずる階段があったそうですしかもその奥から怪しい光が出ていたそうです。偵察部隊は先を進もうとしたんですが何かの防御魔法が貼ってあって進めなかったらしいんです」

 

「なるほど、だから上は俺たちにその捜査を頼んだってわけか。魔法で防がれているなら、魔法力を持つウィッチでそれを破りその先を潜入せよって」

 

「簡単に言えばそうだ」

 

ラル隊長は頷く

 

「で、その調査に行くメンバーは5人、指揮は・・・疾風大尉が執れ。残りの4人はエイラ、菅野、ニパ、そして雁渕だ」

 

「分かりました。」

 

こうして5人は調査に行くことになった。

 

「ごめんなアイ。お父さんとお母さん、ちょっと出かけてくるから下原さんやサーニャたちと一緒にお留守番してくれないか?」

 

「嫌!アイもいく!」

 

「アイちゃん。お父さんがこれから行く所は危ないの、だからお利口にして待っていようね?」

 

下原がアイを説得しようとするが・・・

 

「嫌!」

 

「おお、これが反抗期ってやつか・・・・」

 

「馬鹿なことをいうナ!アイ・・・」

 

エイラに言われるとアイは疾風にしがみつき

 

「一緒に行く~!」

 

結果、娘の涙に勝てる父親は存在しなかった・・・・・

 

 

 

 

「♪~」

 

「で、結局、連れてきちまったのかよ」

 

「仕方ないだろ。あんな目で見られたら」

 

「確かに私もああいったけど。あんな捨てられた子犬のような眼で見られたら・・・・」

 

エイラはため息をつきながら歩いている。

今疾風たちは遺跡の地下にある洞窟を歩いている。因みに入口に貼られていた魔方陣は簡単に破れることができ、疾風はアイを肩車しながら歩いている

 

「まったくとんだ親バカだぜ」

 

「でも、菅野も結局認めたんじゃないか」

 

にニパが菅野の横で言う

 

「だ、だって今にも泣きだしそうだから・・・・」

 

「フフ・・・・管野さんて優しいんですね」

 

「ち、ちげーよ。それにしてもこの廊下、不気味だぜ。それにこれ遺跡っていうよりも・・・・」

 

「何かの研究所みたいな感じだな」

 

そう、最初この地に着いた時は遺跡の風景だったが地下の通路を行くとまるで近代科学の研究所みたいだった。

5人はさらにその先へと進むとその先に何かの部屋みたいのが見えた

 

「あそこに何かありますね」

 

「何かの部屋かな?」

 

「とりあえず行ってみよう」

 

ニパ、雁渕、菅野の3人はその部屋みたいなところへと向かう。疾風もエイラもそこに向かおうとするが、疾風は雁渕達のそばにある柱みたいなところから何かの気配を感じる。

 

「雁渕!ニパ!菅野!避けろ!」

 

「へ?」

 

3人が部屋の前に着こうとした瞬間、柱の陰からビームが飛んでくる。疾風はとっさに3人のとこに行きシールドを張り防いだ。

 

「な、なんだ!?」

 

4人が驚く中、柱の陰から黒い塊が出てきた

 

「ネウロイ!しかも陸戦型!」

 

現れたのは蜘蛛型のネウロイだった。

 

「雁渕!アイを部屋の中へ頼む!」

 

「はい!」

 

疾風はアイを雁渕とニパに渡し、菅野と疾風とエイラは持っていた機銃をネウロイに撃ったがネウロイの装甲は固くなかなか剥がれない

 

「くそっ!固いな!」

 

「こいつ、なかなか強いな!」

 

3人は別れ固有魔法や機銃で攻撃をするが全く効かないそれどころか、機銃の弾が切れ3人はネウロイの攻撃で吹っ飛ぶ。幸いシールドを張ったため大怪我はなかったがかなりダメージを食らった。

 

「うっ・・・・」

 

「ぐッ・・・・」

 

 

「菅野!疾風さん!イッル!・・・・・・ひかり!アイちゃんのこと頼むよ!」

 

そう言いアイをひかりに預けニパも機銃を持ち戦闘に参加しようとしたが・・・・

 

「あ、アイちゃん待って!」

 

「・・・・・・」

 

アイが3人の所に向かう

 

「アイちゃん!駄目だよ戻って!」

 

「危険だよ!」

 

「ばかっ!! はやく逃げろ!!」

 

「アイ、来ちゃダメダ!!」

 

「アイ、戻れ!!」

 

疾風たち三人は、必死に上体を起こそうしながら叫んだ。ネウロイは赤いビームを放とうとする。この攻撃を受けてしまえば、アイ確実に消し飛んでしまう。しかし次の瞬間、信じられない事が起こった。

 

「大丈夫だよ。お父さん、お母さん・・・・・」

 

言葉と同時に、アイの体がふらりと宙に浮いた。しかも彼女の姿は光に包まれそしてある姿に変形した。

 

「あれは・・・・ガリアで見た人型ネウロイ・・・」

 

そう小柄で髪みたいなところが長いが、その姿はかつて疾風が501で出会った人型ネウロイだった。

人型ネウロイは手の部分にビームをためそして陸戦ネウロイに向かって発射した。するとそのネウロイはコアごと焼き尽くされ粉々に消えたのだった。

疾風たち5人はアイの所に近づく。アイは人型ネウロイの姿ではなくいつもの少女の姿に戻っていた。

 

「‥・・・アイ」

 

疾風は、アイに呼びかけた。

アイは、音もなく振り向いた。

小さな唇は微笑んでいたが、大きな漆黒の瞳にはいっぱいの涙が溜まっていた。

アイは5人を見上げたまま、静かに言った。

 

「お父さん、お母さん・・・・みなさん・・・・ぜんぶ、思い出したよ……」

 

その後疾風はアイを抱え、謎の部屋に入った。その部屋は完全な正方形で入り口は一つだけで、中央には磨かれた黒い立方体の石机が設置されている。アイは、石机に腰を掛けている。記憶が戻った、ひとこと言ってから、アイは数分間沈黙を続けていた。その表情は何故か悲しそうだ。疾風は意を決して訊ねた。

 

「アイ・・・・・記憶が戻ったのか?」

 

アイはしばらく俯き沈黙していたが、こくりと頷いた。

泣き笑いのような表情のまま、アイは小さく口を開く。

 

「はい……。全部、説明します。疾風さん、・・・・エイラさん、ニパさん、菅野さん、ひかりさん・・・・」

 

アイの丁寧な言葉を聞いた途端、疾風たちは何かが終わってしまったのだという、切ない確信があった。

四角い部屋の中に、アイの言葉がゆっくりと流れ始めた。

 

「私たちネウロイには2つの政権があります。一つは武力で侵略をする「過激派」もう一つはその星の住人と共存を考える「穏健派」がいます。この施設は「穏健派」のネウロイが人類とは何かを研究し、そして「過激派」が侵略し大地に放出した猛毒の瘴気を浄化するシステムを作る場所です。」

 

「つまりアイはネウロイでこの研究施設にいる科学者なのか?」

 

疾風がそう言うと、アイは暫し沈黙した後、ゆっくりと首を振った。

 

「・・・・・ここの科学者たちは『過激派』によって攻撃された、人たちの心に残る不安や恐怖を取り除き、そしてその瘴気を浄化する人工生命体を作ったんです。『アースクリーンプログラム』試作T-1000型、コードネーム『AI』・・・・それが私です」

 

5人は驚愕のあまり息を呑んだ。言われたことを即座に理解できない。

 

「じゃあ・・・・アイはネウロイに作られた人工ネウロイなのカ?」

 

「でも、それならなんでネウロイの反応がなかったの?」

 

確かにそうだ。あの時はサーニャもいたはずなのになぜネウロイのコアの反応がなかったんだ

 

「私は、人と交流するためネウロイとばれないようにコアにステルスシールドを張ってるんです。そのためコアを探知するウィッチには見えないんです」

 

それでサーニャに探知されなかったのか。

 

「そして私には人に違和感を与えないように、わたしには感情模倣機能が与えられています。――偽物なんです。全部……この涙も……。」

 

そう、言いアイは両目から涙を流し、アイは話を続ける。

 

「そして、3年前、私は出動する予定でしたが、過激派の人たちにそのことがばれて、研究員たちは拘束され別の部署に飛ばされてしまい、私は浄化システムを取り上げられ私はここに閉じ込められました。それでも、わたしはこの世界の状態のモニタリングすることができした。状態は、最悪と言っていいものでした……。瘴気は蔓延し 殆んど全ての人は恐怖、絶望、悲しみといった負の感情に常時支配され、時として狂気に陥る人すらいました。 わたしは徐々に崩壊していきました……。 ある日、いつものようにモニターをしていると、二人の人物に気が付きました。喜び、安らぎ……。 でもそれだけじゃない……。 そう思ってわたしはその2人のモニターを続けました。 会話や行動に触れるたび、わたしの中に不思議な欲求が生まれました。 あの2人の傍に行きたい……。 わたしと話をして欲しい…と。そして私はここを無理やりこじ開けその周辺を監視していた陸戦ネウロイを撃滅し、彷徨いました。 その頃にはもうわたしはかなり壊れてしまっていたのだと思います……」

 

「それであの森にいたのかアイ」

 

疾風はそう言い、アイは頷く

 

「はい・・・・ わたし、とっても会いたかった……。 おかしいですよね、わたし、ネウロイなのに……」

 

涙を流しなら、アイはそう言う。すると疾風はアイに近寄り・・・・・

 

「アイ・・・・君はもう自由だ。だから自分の好きなことができるんだよ。アイの望みは何だい?」

 

「わたしは……、わたしは……」

 

アイは、細い腕をいっぱいに広げて伸ばしてきた。

 

「ずっと、一緒にいたいです!お父さん、お母さん!!」

 

エイラはゆっくりとアイに近づき、そしてアイを優しく抱きしめた。

 

「ずっと・・・ずっと一緒だかんなアイ・・・」

 

「アイは俺たちの大切な娘だ。」

 

疾風もアイを抱きしめる

 

「そうだよアイちゃん・・・・だから一緒に基地に戻ろ」

 

「そうだよ。アイちゃんを一人にはさせないよ」

 

雁渕やニパもアイに近づき頭に手を乗せる撫でる

 

「いいんですか?私はネウロイ…あなたたちの敵なんですよ」

 

すると管野も近づき

 

「アイお前が人だろうがネウロイだろうが関係ねえ。だから一緒に帰ろうぜ。お前にはまだ聞かせたい本がいっぱいあるんだ。」

 

そう言い菅野もアイの頭をなでる

 

「本当にいいんですか・・・・・?」

 

アイは5人の顔を見上げる

 

「ああ・・・さっきも言ったろアイ。お前は俺たちの子供だ。だから一緒に帰ろう」

 

「お父さん・・・・・ありがとう!」

 

「でも、ラル隊長になんて言う?いつかばれるぜ」

 

「確かにね。どうしたら・・・・・」

 

『話は聞いたぞ』

 

すると菅野の腰に下げている無線機からラル少佐の声が出てきた。

 

「!?ら、ラル少佐!」

 

「あ、いけねぇ!無線のスイッチ、オンにしたままだった!!」

 

「あ、あの・・・・少佐。どこいらへんから聞いていたんですか?」

 

『そうだな・・・・・エイラ少尉が『あんな子犬のような眼で見られたら』っというあたりからかな…』

 

つまりほぼ初めから聞いていたのである。

 

『疾風大尉、調査報告をしてくれ、ネウロイはいたのか?貴様の娘は怪我はないか?』

 

「へ?・・・・ああ・・・調査報告。無事に遺跡の地下に着きましたがネウロイの存在はありませんでした。アイも無事です」

 

『そうか・・・・では直ちに6人は基地に帰還しろ。』

 

「え?6人?」

 

『ああ、アイはお前とエイラ少尉の子供だろ?それよりはやっく戻ってこい。下原たちがおいしい夕食を作って待っているからな』

 

ラル少佐の声を聴いて5人は顔を見合わせ笑みを浮かべる

 

「分かりました。調査隊6人ただちに帰還します」

 

そう言い疾風は無線を切る

 

「それじゃあ、帰るかみんな」

 

「「「はい!」」

 

「アイも一緒に帰ろうな」

 

「はい!お父さん!」

 

こうして疾風たちはアイを連れて基地に戻るのだった。疾風とエイラはこの時誓った。何があっても娘であるアイを守り抜くぞと・・・・

 

 

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