ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
横須賀海軍ウィッチ訓練場
「え~ですからこの編隊の長所と短所は・・・・・」
ウィッチ育成訓練所の教室の中で、ガーディアンウィッチーズの隊長である疾風は、休暇を利用して今、訓練ウィッチの講師をしていた。
疾風が講師内容を説明する中、ウィッチの訓練生たちはまじめに講義の内容を聞く。その中で一番真面目に聞いているウィッチがいた
すると授業終わりのチャイムが鳴る。
「今日の講義はここまで、各自必ず次の授業まで課題をしておくように、以上!」
「気を付け!礼!!!」
「「「「ありがとうございました!!」」」」
一人の生徒の号令に皆は立ち上がり、礼をするのであった
「あ、あの疾風教官!!」
「ん?」
授業が終わり疾風は教官室へ向かおうとすると、一人の生徒が呼び止めた。それは先ほど熱心に疾風の講義を聞いていた生徒であった。
「君はたしか・・・・・」
「服部静夏飛行生です!」
と、びしっと敬礼をする服部。しかも目をすごく輝かせながら疾風を見ていた
「(確か・・・・この生徒は坂本さんが前に言っていた、自慢の教え子の一人の子…そういえば俺の授業の時も真面目に聞いていたな‥‥)ええ…と服部訓練生。俺に何か?」
「あ、あの!先ほどの講義、誠に感服いたしました!編隊飛行だけであんなにいろんな方法があったなんて思いもしませんでした!それにほかの講義でも、いろいろと勉強になりました。」
目をキラキラさせそういう服部
「それに疾風教官は世界では知らないほどの有名人です!欧州に突如現れガリアを二度救いそしてヴェネチアも救って、それに北欧でも大活躍した英雄ですそんな英雄の講義を聞くことができるなんてすごく感激です!!!」
「ああ・・・・そうですか・・・」
彼女の勢いのある言葉にさすがの疾風も苦笑してしまう。するとチャイムが鳴る
「ほら、次の講義授業始まるぞ。遅れたらまずいんだろ?」
「ああ、はい!すみませんお時間を取らせました!では失礼します!!」
と、元気そうに疾風に敬礼し、次の講義が行われる教室へと戻った
「ははは…元気な奴だな・・・・坂本さんが目にかけるわけだな。将来が楽しみだ」
彼女の真面目さに疾風は少し微笑んだのだった
「3時方向!ネウロイ発見!」
ある日の出来事、哨戒任務に就いていた宮辺、凰、そして新たに配属になった妖夢の三人は、夕方の帰還中、数機のネウロイと接敵した
「敵種類‼小型が4機、フォーメーション!サッチ!!」
「「はい!!」」
宮辺の指揮のもと、二人はネウロイに対しサッチウェーブをかけた。
サッチウェーブ。別名「機織り戦法」ともいう。二機編成で機織りのように互いにクロスするようにS字の旋回を繰り返す。一機が囮となり、敵が追いかける中、もう一機がその敵を撃墜する
疾風の世界では、アメリカ海軍のジョン・S・サッチ海軍少佐が編み出した空中戦闘機動であり、ミッドウェー海戦で零戦に大打撃を与えた。
そしてこの世界でも508JFW指令のジェーン・S・サッチが対ネウロイ対策として編み出した技である
「鳳少尉!二次方向に敵がいい位置につきます!狙いなさい!」
「了解!」
宮部の指示により、麗央は囮となっている宮部の追うネウロイに照準を合わせた。そして有効射程に入った瞬間引き金を引く。
放たれた銃弾は、小型ネウロイに命中し、コアに命中したネウロイは白く光りだしそして粉々に砕けるのであった
「よしっ!!」
敵を撃破したことに麗央は笑みを浮かべる。
すると、残った小型ネウロイが逃げ出す。
「あっ!逃がしません!!」」
「あっ!魂魄さん!!」
逃げ出すのを見た妖夢は麗央が止めようとする中で一機の小型ネウロイを追いかけ始める。
そして妖夢は持っている機銃をネウロイに向け撃つがネウロイはジグザグによけなかなか当たらない
「ちょこまかと!」
なかなか当たらないことに焦りを感じる妖夢。すると
『魂魄さん!三時方向にもう一機!!』
「っ!?」
インカムから麗央の声が聞こえ、妖夢は三時方向を見るともう一機の小型ネウロイが向かってきていた。そう妖夢が追いかけていたネウロイは囮であった。敵はこちらと同じようにサッチウェーブを仕掛けてきたのだ
「(しまっ!?)」
目の前にいるネウロイが彼女にビームを放とうとし、彼女は覚悟を決めたその時であった
そのネウロイの真上に銃弾が当たり、妖夢を攻撃しようとしたネウロイは消滅した
「え?」
妖夢は驚いていると
「魂魄さん。大丈夫ですか?」
彼女の前に現れたのは宮部だった。
「み、宮部大尉・・・・・・ありがとうございます」
基地格納庫
「いいですか魂魄さん。敵を倒すことより倒されないことが大切なのよ」
「はい・・・・すみません」
戦闘が終わった後妖夢は格納庫で宮部に説教をされていた
「それとも自分の命とネウロイ一機で交換するつもりなの?」
「いえ・・・・」
「なら何体のネウロイとなら交換できるの?」
宮部の言葉に妖夢は少し考え
「ひゃ・・・・・百体くらいでしょうか?」
恐る恐る答えると
「魂魄さん。貴方の命はそんなに安いものなの?」
「す・・・・すみません」
宮部はあきれた口調でそう言い、妖夢は謝る中、宮部のその瞳はとても悲しそうな眼をしていた
「いい‥妖夢さん。どんなことであれ、絶対に生き残ることを忘れないで頂戴。私が言いたいことはそれだけよ」
「はっ!わかりました」
妖夢の言葉に宮部は小さくうなずき、妖夢は自室へと向かうのであった
「・・・・・はぁ」
一人になった宮部はため息をつく
「やっぱり私には副隊長なんて向いていないのかな・・・・・」
少し落ち込む宮部そして脳裏には
『どうしてお前は逃げてばかりなんだ!!』
『そんなに命が惜しいのか!臆病者!!』
『この、卑怯者!!』
「・・・・・・」
呪いのような声が響く。それはかつて欧州でいた仲間たちの声だった。
「・・・・・・」
彼女は格納庫の窓から見える昇り始めた月を見て悲しげな表情を浮かべるのであった
「‥・・・宮部大尉の様子が変?」
基地から戻った疾風は、宮藤にあることを聞かされていた
「はい。さっきから上の空といいますか・・・何か悩んでいるみたいなんです」
「悩み?」
「はい・・・・大丈夫とは言っているんだけど、なんというか深刻そうで。私も永琳先生も心配してるんです」
「う~~ん・・・・・わかった。あとで俺も宮部さんに聞いてみる。…ところで宮藤。医学の勉強の方はどうなんだ?」
「はい。永琳先生の指導のおかげで、知らないこともいっぱい勉強させてもらって、すごく楽しいよ…それに特に永琳先生の胸も大きくて・・・・・」
「おいおい宮藤・・・・・」
宮藤のセクハラ言葉に疾風があきれた表情をすると
「あらあら…何やら楽しそうなお話ね~宮藤さん私の胸がどうしたって?」
「え?」
後ろから声がし、宮藤が振り向くとそこには八意永琳がいた。しかもその表情は目が笑っていなかった
「宮藤さん…たまに集中してない時があったけど…そう…そういう理由だったのね?」
「あわわわ~~~」
永琳先生の怖いくらいの黒い笑みに宮藤は顔を青くする。その気持ちは疾風にもよくわかった…なぜならその顔はミーナさんが怒った時の笑みに似ていたからだ
「宮藤さん・・・・・・」
「は・・・・はい」
「ちょっと・・・・少しだけ『オハナシ』しましょうか?」
「ひっ!?」
「少佐。少しだけ彼女を借りてもいいですか?」
「あ・・・ああ・・・」
「では・・・・・」
こうして宮藤は永琳に連れられてしまうのだった。
「・・・・まあ、宮藤にも非はあるな…さてと・・・宮部さんを探すか」
そういうと疾風は宮部を探し始める。他の隊員や作業員に聞いても彼女の行方は分からなかった。
「あと探していないのは‥‥あそこだな」
疾風は次に向かったのは基地の外の一番はずれにある岩浜へ向かった
岩浜へ着くとそこには月に照らされ体育すわりをし、うずくまる宮部の姿があったのだった