ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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第28話「鉄の竜騎兵(後編)」

当時13歳の疾風は陸戦隊として戦っていたころ、とある島でバイク乗りの伝令兵の少女と出会う。疾風は彼女とともに西の方角にある基地に撤退命令を伝えるため側車に乗り向かうのだった。

 

「それにしてもすごい人ですね、この側車を直した人。寄せ集めの部品でここまで走らせるんなんてすごいですよ」

 

「まあ、自称日本一っといっても過言ではないな」

 

と、二人が話していると・・・・

 

グオォォォーン!!

 

「な、何だ!?」

 

急に二人の頭の上を何かが通り過ぎる。そしてその飛行物は旋回してこちらのほうへと向かっていた

 

「太陽の光でわかりませんが・・・・あの影は・・・・・・三式戦闘機です!おぉーい!!」

 

太陽の光で飛行機の正体がわからなかったが、鈴乃木は友軍の戦闘機「三式戦闘機飛燕」だというが・・・・・・

 

「・・・・・」

 

「少尉。どうかしましたか?」

 

鈴乃木が飛行機に向かって手を振るが、疾風はその影を凝視して、そして・・・・・

 

「っ!? 鈴乃木!よけろ!急げぇ!!」

 

「え?・・・」

 

疾風の言葉に鈴乃木が首をかしげていると・・・・

 

ダダダダダダダっ!!

 

急にその戦闘機が二人めがけて機銃を撃つ。幸い機銃の弾は二人には当たらなかった。

 

「ばかぁー!!味方だぞ!!」

 

と、鈴乃木は声を立てるが・・・

 

「鈴乃木!あれをよく見ろ!あれは三式戦じゃない!!」

 

「えっ?」

 

鈴乃木が目を凝らして攻撃してきた戦闘機を見る。すると太陽の光がその機体の姿を照らした。それは三式飛燕の胴体には似合わないハーケンクロイツのマークがついていた水冷式の戦闘機それは・・・

 

「あれっって!Bf109!?」

 

そう、疾風たちを襲った戦闘機は友軍である三式戦闘機ではなく、敵であるナチス第三帝国の主力戦闘機。Bf109戦闘機だった。

 

「鈴乃木!急いで森の中に入るぞ!」

 

「は、はい!」

 

鈴乃木は側車のエンジンをフルスロットルにして森の中へと逃げ込もうとするが、Bf109の戦闘機は容赦なく機銃を撃ち続ける。

 

「うわっ!」

 

「くっそー!もう許さん!!」

 

疾風は側車についてあった99式軽機関銃をBf109に向ける。

 

「少尉!いったい何を!?」

 

「黙って、運転しろ!!」

 

そして疾風は軽機関銃の照準を向け引き金を引こうとしたが・・・・・・

 

バル…バルルル・・・・

 

「ん?」

 

「あれ?」

 

急に戦闘機の発動機からオイルが漏れ始め、どんどん機体がゆっくりと降下し始めてそして地面に墜落し爆発したのだ。

 

「な・・・・なんだったのでしょう」

 

「多分。エンジンの不調だろ。おそらくあの戦闘機乗りは整備を整備員だけに頼りすぎて自分は整備を怠ったんだろ」

 

「え?飛行機って、整備員がやるんじゃないんですか?」

 

「まあ、大半は整備員がやるさ。だけど最後の点検とかは搭乗員がやるのが当たり前なんだ。おそらくあいつは訓練上がりなんだろ・・・・・・・・ってどうした?」

 

疾風が話していると鈴乃木はなぜか、わき腹を押えて少し顔色が悪かった。

 

「鈴乃木どうしたんだ?具合でも悪いのか。それとも撃たれてびっくりしたのか?」

 

「えっ?・・・・いえ、なんでもありません。はははっ・・・・」

 

そう乾いた笑い声を出す。しかしこの時疾風は気づかなかった。彼女の抑えていたわき腹が赤く染まっていたことを・・・・・・

 

 

 

 

 

 

あの襲撃からしばらくして夕日の中、側車を走らせていく

 

「お前、バイクの運転上手いな」

 

「はい。私の実家はバイク屋なんです。このバイクも実家から持ってきてたんです」

 

「それスズキのGSX400Sカタナだよな。側車に改造したのか?」

 

「はい。これは兵器ではないので側車にするなら特別に特別に許すっということでそれにしたんです。」

 

「そうか」

 

「これは私の大切な分身なんです。もし私が死ぬときはこのバイクも死にます」

 

「・・・・・なあ、もしかしたら西の部隊の連中・・・撤退したんじゃないか?」

 

「わかっています。確かに私たちが付く前に撤退命令を聞いて撤退しているかもしれません・ですけど任務は任務です。いったん引き受けたからには途中で投げ出したくないんです」

 

「そうか・・・・・」

 

疾風はこれ以上言わなかった。もう何を言っても無駄だと思ったのとそのまじめさに感心していたのだ。すると側車は急に止まる。

 

「ん?どうしたんだ?鈴乃木一等兵?」

 

疾風がそういうと鈴乃木は平原を指さして・・・

 

「あそこを直進すれば15分の距離です。あとは私一人で行きます。少尉はここで引き返してください。」

 

「馬鹿言うな!こんなところから引き返せるか!俺も最後まで付き合うよ」

 

「で、でも・・・分かりました。では行きましょうか」

 

そう言い、彼女は側車を走らせるのであった。

 

 

 

 

15分後、西の基地。

 

「無事についたはいいが、誰もいないな・・・」

 

「はい・・・・」

 

15分後、疾風たちは無事に西にある友軍の基地にたどり着いたが、その基地には誰もいなく。静かだった。

 

「どうやら、一足先に撤退したようだな。鈴乃木。俺達も撤退するか?」

 

「は、はい…任務も無事終えたみたいで・・・・・ぐっ・・・」

 

鈴乃木はそういうとまた苦しそうに呻く

 

「どうした?腹でも痛いのか?」

 

「い、いえ・・・・・少し疲れただけです」

 

そう言い鈴乃木はバイクのエンジンを切る。すると疾風は側車から降りて

 

「・・・・・・よし。じゃあ、少し休むか?」

 

「え?」

 

「ここから、撤退集合場所である海岸から約10キロ少々。側車で行けば20分の距離。それに集合時間までまだたっぷりあるし、ここで少し休んでも大丈夫だよ。時間になるまで寝ろよ」

 

「このバイクから離れたくはありません少尉」

 

「そんなら、舟の中で寝ろ」

 

そしてしばらくし、夜空は夕焼け色から暗闇に代わり星が輝く空になる。疾風はバイクの横に寝っ転がり星を眺めている

 

「南国だから星が綺麗だ。ここは天国みたいだな・・・・・・さて、もうそろそろ行かないとな。おい、鈴乃木。起きろ」

 

疾風が鈴乃木を起こそうとするが。鈴乃木は舟の中で寝ていた。

 

「あれま。寝ちゃったか・・・・・まあ、あと少しくらい寝かせるか」

 

疾風は鈴乃木の寝顔を見てほほ笑むが・・・・

 

「んっ!?」

 

何かの気配を感じその方向へと顔を向けるするとその奥から光が見える。その光を見た疾風はバイクに乗りエンジンをかける。

 

「ん?・・・・・・うわぁ!」

 

エンジンの音で目が覚めたのか、鈴木のは体を起こし疾風の方を見て注意をする

 

「しょ、少尉!これは素人には無理です!・・・・・・はっ!」

 

鈴乃木も気配を感じその方向を見ると一転の光が見えるそう、敵だ!

 

「敵の斥候だ!来るぞ!しっかりつかまってろ!!」

 

「え?・・・・うわぁ!」

 

疾風はそういうとバイクを急発進させる。だが、敵のバイク兵はすぐ後ろに迫り、片手に持ったMP40サブマシンガンを撃つ。疾風はその弾丸を必死によける。

 

「うわっ!!」

 

「くっ・・・・奴はプロだ!片手運転で銃を撃つとは良い腕だよ」

 

「少尉!バイク運転できるんですか!?それにそのゴーグルは?」

 

「まあな。知り合いにバイクに『ウラヌス』ってなずけている大和撫子から教わった!!それにこのゴーグルは戦闘機乗りのゴーグルだよ」

 

「戦闘機?そういえば少尉の名は疾風って・・・・まさか!」

 

鈴乃木は疾風の正体に気付く。しかし敵はそんなことも知らずMP40を撃ちまくる

 

「喋ってないで撃てっ!」

 

「は、はい!!」

 

鈴乃木は軽機関銃を動かし、敵の方に向かって機銃を撃つ。敵も負けじと撃ち続け壮絶な撃ち合いとなっていた。

 

「少尉!まさかあなたが『ホワイトサンダー』って呼ばれている疾風少尉だったんですね!」

 

当時の疾風の戦闘機には赤いラインがなく尾翼の白い雷が特徴だったため「ホワイトサンダー」っと呼ばれていた。

 

「まあね」

 

「あれ?そういえばこのバイクを修理した人も・・・・」

 

「敵から目をそらすなっ!」

 

疾風の言葉に鈴乃木は照準を背後にいる敵に合わせて撃つ。敵も撃ち続けていた。

 

「くそっ!いつまでもあいつにかまってはいられない!」

 

疾風はそういうとバイクをUターンさせ敵と正面になる。

 

「いくぞっ!」

 

「はいっ!」

 

そう言い鈴乃木は機銃を撃ち続け、敵も撃ち続けるが・・・・

 

「そぉーれぇー!!」

 

疾風が右に身体を思いっきり傾けると側車が右側に傾いた。

 

「うわっ!」

 

急なことに敵のバイク兵は驚き、そのまま側車にぶつかりバイクから転げ落ちたのだった。疾風はバイクを元に戻すとその場を急いで去るのだった。

 

「・・・・もろに車をぶつけたら殺せたのに・・・・・どうして殺さなかったんですか?」

 

「ん?あんな良い腕、平和になったらすごいレーサーになっている。殺すにはもったいないよ。まあ、武士の情けってやつだよ。さて、急いで海岸に向かうぞ!急がないとお前の腹の傷直せないからな」

 

「えっ!?気づいていたんですか?」

 

「ついさっきな。今、急いで向かうならまだ間に合う。思いっきり飛ばすからしっかりつかまれよ!」

 

「は、はい!」

 

そう言い二人の乗りバイクは味方駆逐艦と輸送船が待つ海岸へと急ぐのであった・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだった?お父さんの記憶?」

 

「話には聞いていたが、人間との戦争は残酷だな」

 

「疾風君も隅に置けないね。あんなカワイ子ちゃんと会っていたなんて。僕にも紹介してくれよ」

 

「あなたは黙ってなさい似非伯爵#」

 

「ねえ、疾風さん。そのあと鈴乃木さんはどうしたんですか?」

 

「それとだ疾風、その鈴乃木と恋人だったのカ#」

 

「鈴乃木なら海岸についてすぐに治療されたから大事には至らなかったよ。そ、それとエ、エイラ。そんな怖い顔で睨まないでくれ。彼女とはそういう関係じゃないから。大丈夫だから」

 

「なら、、いいんダ…」

 

「(そういえば、あいつ今どうしてるんだろ・・・・)」

 

疾風はかつての仲間である鈴乃木のことを思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾風の世界、戦争終結から5年後

 

「すみません!インタビューお願いできますか!鈴乃木選手!!」

 

と、記者に囲まれカメラのフラッシュの中、ライダースーツを着た一人いの少女がいた

 

「なんでしょうか?」

 

「今年、バイク世界レース2年連続チャンピョンになりましたけど。誰かに感謝の気持ちとかありますか?」

 

一人の記者が少女に訊く

 

「そうですね・・・・・疾風村正大尉ですかね」

 

「疾風大尉っと申しますと、あの「最強の戦闘機乗り」で有名な空の軍神疾風村正大尉のことですか?」

 

「はい。もし、あの時、疾風大尉に出会わなければ、私はあの戦場で死んでいたでしょう。あの人は、私の恩人ですよ。」

 

と、笑ってインタビューに答える少女こと鈴乃木凛だった。

 

(大尉。天国で見ていますか?私は今を楽しんで生きています。もしそちらに行くことがありましたら、その時はあの時の話を酒を飲みながらゆっくりと話しましょう)

 

 

 

 

 

 

 

 

                            続く   

 

 

 

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