ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
ED「No More Time Machine」
俺とアイはとある駅で、休暇を終えスオムスに帰るエイラとサーニャを見送りに来ていた。
「いいかアイ。疾風の言うことをちゃんと聞くんだゾ」
「はい。お母さん」
「それと、歯はちゃんと磨くんだぞ。それに・・・」
「エイラ…心配しすぎ」
エイラの言葉にサーニャが突っ込む。そう、駅について以来エイラはアイのことを心配しすぎてキャラが変わっていた。その姿にサーニャは少しジト目で見る。
「エイラ。大丈夫だよ俺がちゃんと見てるから」
「お母さん。私なら大丈夫です」
と、アイもエイラにそういう
「そ、そうか・・・・・でも手紙は書くんだぞ」
「うん。分かった」
そうしているうちに汽車が出発する時間となった。
「エイラ、そろそろ行かないと」
「ああ、そうだな。じゃあ、疾風。アイのことを頼むな。それと・・・・」
「・・・ん?」
エイラは疾風に抱き着く
「それと、無事でいろよな////」
「////」
「(また始まった・・・・このバカップル・・・)」
サーニャは二人の雰囲気にあきれ顔でため息をつく
「サーニャお姉ちゃん。お母さん何で、お父さんに抱き着いているの?」
「アイちゃんにはまだ早いわ」
「?」
こうして、エイラとサーニャは汽車に乗ってスオムスに帰ったのだった。
「・・・・・・行っちまったな」
「お父さん・・・・」
「ん?なんだアイ」
「またお母さんに会えますか?」
アイは少し寂しそうな顔で疾風に訊く。
「大丈夫だアイ。これが最後の別れじゃない。きっとどこかで会えるさ・・・・・・さて帰ろうか。」
「はい!」
そういい俺とアイはペテルブルグの基地に向かう。その時俺は今朝のことを思い出していだ。
「・・・・・・ロマーニャですか」
「ああ、何でも上層部が何やらロマーニャで秘密の作戦を行うみたいだ。」
「‥‥秘密の作戦」
「ああ、内容は知らないんだがな。」
「で、いつ出発なんですか?」
「書類云々がやや遅れたみたいだから、2週間後だ。・・・・・・早くその命令書を偽造しとくか燃やし、彼がここにとどまるという書類を偽造しとけば502は安泰だったのにな。」ボソッ
と、彼女は疾風に聞こえないように小声で話す。実はラルは書類偽造して疾風を502にとどめるつもりだったが、上層部がそれにいち早く気づき、予定より早く書類とかをまとめたのだが、そこでもラルの妨害工作により遅れ2週間後に転属っということになったのだ。
「少佐。何か言いました?」
「いや、何でもない。それとだ。近々大きな作戦が開始される」
「・・・・いよいよグリゴーリ攻略ですか」
「ああ、この作戦が502での君の最後の任務になるな」
そして、その作戦が開始されるのは当初の予定である1月より早い7日後となり俺はラル少佐の部屋を出た。
そして夜。俺は刀の素振りや射撃の練習をしていた。おそらく次の戦いは過酷になる。生き残るためにも昔の感覚を思い出す必要があったからだ。俺が射撃所で三式13㎜機銃の射撃練習をしていると・・・・
「おや?疾風君じゃないか」
「どうも。クルピンスキーさん。クルピンスキーさんも射撃練習ですか?」
「まあね」
そういい現れたのはSTG44アサルトライフルを持った。クルピンスキーだった。ちなみにSTG44はアサルトライフルの原型といってもいい銃で、あの有名なソ連のAK47のベースモデルとなった名銃だ。
それからしばらくは二人で射撃練習をしてると・・・
「そういえば聞いたよ。君とアイ君は、次のグリゴーリ攻略後、ロマーニャに転属になるらしいね」
「はい。」
「君が502にいなくなると基地も少し寂しくなるな」
「はは・・・そうですか。確かに少し名残惜しいところがあります」
「じゃあ、ここにいる?」
「それはちょっと無理ですね。もう決まってしまったことですし」
「そうか・・・・。」
そういうとクルピンスキーは少し寂しそうな顔をする。すると・・・
「珍しいわね。疾風さんはともかくあなたが隠れて特訓なんてね」
いつの間にかロスマンさんが後ろにいた。
「こんばんわ。ロスマンさん」
「やあ、先生。また深夜にデートのお誘いかい?」
「疾風さん。話はラル少佐に聞きました。ロマーニャに転属になるらしいですね」
クルピンスキーの言葉をあっさり無視し、俺のところに来る
「ああ、予定だと2週間後にな」
「転属続きで大変ね・・・・」
「いえ、向こうの世界でも転属ばかりでしたからもう慣れましたよ」
「へ~初耳だね~。向こうではどんぐらい転属したんだい?」
「そうですね・・・・・まず、空母「飛龍」に半年。そしてアジア最前線であるソロモン諸島のラバウルに2年半・・・・そして欧州に派遣されここに飛ばされるまで2年ですから・・・・大体3回くらいですかね」
「結構、飛び回ってるね・・・・」
「そういえば、疾風さんのいた世界では人同士の戦争でしたね・・・・いつから戦っていたんですか?」
「11の時から。かれこれ4年間ずっと戦っていたな・・・・」
今思えば、11歳の時、ナチスの軍港があったポートモレスビー攻撃からここに飛ばされる前の欧州でのノルマンディー、バルジ、そして俺がここに来る前に戦ったベルリン空戦までいろんなことがあったな・・・・
因みにロスマンは1937年のヒスパニア戦線から7年。クルピンスキーは1939年から5年戦い続けている。それと比べると短いがそれでも疾風は十分ベテランといいってもいい経歴だ。
「そう・・・・疾風さん。あなたは元の世界に戻りたいと思ったことはないの?」
ロスマンがそう言う。
「そうですね・・・・昔の俺ならそう思ったかもしれません。ただ、今は違います。俺にはこの世界で大切な人ができた。」
「それは、ユーティライネン少尉のこととアイちゃんのことですか?」
「ああ、それに。501にいたとき、坂本少佐にも言ったことなのですが、あの世界での俺の役目は終わったと思っています」
「終わった?」
「ええ。俺がこの世界に来る前、もう戦争は終わる寸前だった。ですから俺がいなくても次の世代が頑張ります。だから大丈夫です」
「そう・・・・」
ロスマンはそう言うと何も言わなくなった。するとクルピンスキーは何か思い出したように
「そういえば疾風君。アイちゃんは今どこ?」
「どこって・・・・俺の部屋で寝たいるけど。なぜそんなことを?」
「いや~この前先生のところで寝ていたでしょ?だから今回もそうだったら忍び込んで寝込みをおそ・・・・」
ドゴっ♯!
ドガッ#!
「うぎゃー」
クルピンスキーがそう言った瞬間。クルピンスキーはロスマンや疾風に鉄拳制裁されるのだった。(もちろん疾風は少し手加減して)
「まったく。クルピンスキーは・・・・・」
俺は射撃の特訓を終え、ロスマンさんたちと別れると格納庫に向かう。相棒である紫電改の整備をするためだ。格納庫につくとそこには俺が長い間戦ってきた相棒の姿があった。俺はそいつに近づく。
「紫電改・・・・・次の戦いはこれまで俺たちの世界で体験してきた戦い以上に激しくなる。だから、これからも共に頑張ろうな」
そう紫電改に話しかけ俺は5日後のグレゴーリ攻略に向け、そう言うのだった
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