ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
OP「IGNITE 」
ED「Los! Los! Los! 」
第33話「ロマーニャ」
グリゴーリ攻略から数日、俺とアイは、504JFWの基地があるロマーニャに転勤になることになった。そして出発の日、502のみんなは出迎えに来てくれた
「お世話になりました。サーシャさん」
「いえ、こちらこそ。疾風大尉。あんまり無茶してユニットを壊さないようにしてくださいね」
「ははは…善処します」
「アイ。また会おうな。今度はもっと面白い話聞かせてやるから」
「ロマーニャでも元気でね」
「アイちゃん。また会おうね」
「うん。菅野お姉ちゃんや二パさん、雁渕さんもお元気で」
俺たちは502のみんなに別れを言う。するとアウロラさんが慌てて走ってきた
「はぁ・・・はぁ・・・どうやら間に合ったようだな」
「アウロラさん」
「・・・伯母様」
「アイ。お前にプレゼントがあるんだ受け取ってくれるか?」
そう言って取り出したのは小さなクマのぬいぐるみだった
「これ…私に?」
「ああ、手作りだがもらってくれるか?」
「はい!このぬいぐるみ大切にします」
そう言ってアイは嬉しそうにそのぬいぐるみを受け取りアウロラさんは嬉しそうに微笑み周りのみんなもその光景を微笑んだ。ちなみにアイはそのぬいぐるみに『ボコ』っと名付けるのだった。
そして俺たちはペテルブルグを後にし、次の配属先であるロマーニャへと向かうため輸送機のJU-52へと乗るのだった。
それから数時間後ロマーニャ 504基地
「ロマーニャへようこそ、疾風大尉。歓迎します」
「出迎え、感謝します。竹井大尉」
Ju-52のタラップを降り、ロマーニャの土を踏む 。そしてアイは緊張しているのか俺の後ろにしがみついている。そして出迎えてくれたのは502『アルダーウィッチーズ』の戦闘隊長である竹井醇子大尉だった。
「『レッドファイター』…数少ない男性ウィッチっと聞いて、どんな方かと思いましたが・・・・・」
「思っていたのよりも案外普通でしょう?」
「ええ、かわいいくらい普通です」
可愛いって…どゆこと?
「それより・・・・・その子が報告書に書いてあった人型ネウロイ・・・」
と、竹井はアイをじっと見るするとアイはますます怯え俺の後ろに隠れる。アイはこう見えて結構な人見知りだ。
「はい。それとあまり睨まないで上げてください。怯えてますので」
「失礼しました。普通の人と見分けがつかなかったのでつい・・・・」
と、竹井さんは頭を下げて謝る。そしてアイの目線まで腰を下ろし
「怖がらせてごめんなさいね」
竹井大尉はアイに言う。アイは少し警戒心が解けたのか、顔をのぞかせ、そして俺の顔を見る
「大丈夫だよアイ。」
俺がそう言うとアイは安心したのかゆっくりと竹井大尉の前に出る
「初めまして竹井大尉。私はアイです。先竹井大尉が言った通りネウロイです」
アイはお辞儀をして挨拶する。
「初めましてアイさん。私は竹井醇子大尉よ」
と、笑顔でそう言う。俺は少し安心して竹井さんに今回のことを聞く
「それで大尉。輸送機の中で資料を読みました。ロマーニャにいる穏健派ネウロイとのコミュニケーション実験、ですか?」
「ええ、この作戦が成功すれば、戦争を終わらせられるかもしれない。前にコミニケションを取りに来たウィッチがいたのだけれど言葉が通じないみたいで、それで大尉には人類とネウロイの通訳になってもらいます」
「ガリアの時のか・・・・あれ痛いんだよな~」
そう言い俺は頭をさする。あの時はすごく痛かった。あれをまたやるとすると少し不安だ
「その必要はないと思います」
「「え?」」
「私が通訳になります。私もネウロイなので」
確かにその方法はある。けど・・・・
「アイ!?でもお前に何かあったら・・・」
「大丈夫ですお父さん。それにこれが成功すれば、もう誰も悲しむことのない世界が生まれるかもしれません」
「だけど・・・・」
「お父さん。お願いです」
と、アイは真剣な目で見つめる。その瞳には強い信念を感じた。
「アイ…本気か?」
「はい・・・・」
「・・・・・・わかった。でも無理はするな。危ないと思ったらすぐに俺のところに来い」
「わかりました」
と、言うことでロマーニャにいるネウロイの通訳はアイになり俺はその護衛っという風に決まった。
「作戦までしばらくこの基地で暮らすことになるでしょうから、部隊のみんなを紹介しておくわ」
そういって、『ブリーフィングルーム』と書かれた扉を竹井さんは開ける
「さぁ、入って」
「お、噂をすれば。来たわね」
「竹井、そいつが例の男性ウィッチか?」
と、赤い服を着た女性とアメリカ人。いやここではリベリオン人かその二人が竹井さんに訊く
「そうよ。疾風さん」
「スオムス空軍義勇兵の疾風大尉です。以前は501,502に所属しておりましたが本作戦に限り、504に配属となりました。よろしくお願いします」
俺は海軍式敬礼でそう答えるが、さっきの赤い服の人が笑って
「そう硬くならなくても良いのよ?私がこの隊の指揮官フェデリカ・N・ドッリオよ。よろしく」
「私はドミニカ・S・ジェンタイル。大尉だ。気軽に大将と呼んでくれ」
え?大尉なのに大将??俺が不思議にそう思っていると
「ジェーン・T・ゴッドフリー大尉です。大将の僚機を勤めてます。大将っていうのは、あだ名みたいなものです」
と、ゴットフリー大尉が説明してくれる
「は、はぁ・・・・なるほど」
「パトリシア・シェイド中尉。この隊の後方支援を任されてるわ。気軽にパティって呼んでね」
「い、いいんですか?」
「基本的にみんなニックネームとかで呼んでるから。敬語もなしよ。私はフェルナンディア・マルヴェッツィよ。階級は中尉。フェルって呼んで」
「あ、そうなんですか」
もっとお堅いとこだと思ってた。そのことを考えると俺の世界の343航空隊『剣隊』となんか似たような感じだな。通りで少し懐かしいって思った・・・・・
「アンジェラ・サラス・ララサーバル中尉だ。『レッドファイター』の噂は聞いている」
「う、噂って?」
なんかこの人トゥルーデ義姉さんっと似た感じがするんだが気のせいだろうか
「そうだな…新聞には、不可能を可能にする神出鬼没の特攻野、または破天荒な飛行をし、大型ネウロイをぶん殴るとか」
「それ全部嘘です」
タイトルコールとともに銃声が鳴り響くような登場の仕方はしないし、後者にいたってはそれ人違い。
「ルチアナ・マッツェイです。よろしくお願いします」
「僕はマルチナ・クレスピ!よろしくね!」
「…名前が混乱しそうだな」
「ははは…」
「いつものことだから、気にしないで!」
「すんません…」
なんか、この二人仲がいいな・・・・
「で、最後に私が、隊の戦闘隊長。竹井醇子大尉よ」
「改めて、よろしくお願いします」
「で、その子が例の人型ネウロイ?」
と、フェルがそう言い、アイのところに来る。するとアイはやっぱり恥ずかしいのか怖いのか俺の後ろに隠れる
「あれ?もしかして嫌われちゃった?」
「フェル。いじめちゃだめじゃないか~」
「いや、私まだ何もしてないわよ」
「大丈夫ですよ中尉。アイはこう見えて人見知りなんですよ」
「そ、そうなの・・・・」
と、フェルはそう言いアイの目線までしゃがみ、
「大丈夫。私たちはあなたをいじめたりしないから。私のことはフェルって呼んでね♪」
っと優しい言葉でアイの頭をなでる。その後、アイはその場になれたのか504のみんなと打ち解けていて504もアイがネウロイっと知っていても邪見せず温かく迎えてくれたのだった。
そしてその夜
「…とまぁ、いろいろあってね」
『ホェ~』
俺はいま竹井大尉に頼んで電話を借り、エイラに電話をかける
『それで、その作戦はいつだっけ?』
「一週間後だ。4日後、作戦に参加する全部隊が揃う。そのあといろいろ調整がある」
『504以外にどこか参加するのカ?』
「ウィッチ隊じゃないよ。確か・・・・空軍のネウロイの研究グループ、だったかな」
『ふ~ん…じゃあ疾風は、ガリアのときみたいに?、』
「そうだ。ネウロイに体を貸すんだっと言いたいけど、そのネウロイの通訳はアイがすることになった」
『アイがっ!?大丈夫なのかそれ?』
と、エイラは心配そうな声で訊く。すると・・・
「お父さん。お父さん」
と、そばにいるアイがコートの袖を引っ張る
「ん?何だアイ?」
「私もお母さんと話したい・・・・」
「ああ、そうだな。ちょっと待っててくれ」
『どうしたんだ?』
「え?ああ、アイが話したいって。代わるか?」
『ああ、いいぞ~』
「ほら、アイ」
そう言い俺は受話器をアイに渡す
「もしもし、お母さん?」
『おおー!アイ!久しぶりだな。元気にしてるか?』
「はい、お母さんも」
『ちゃんとご飯ちゃんと食べてるカ?』
「はい!」
と、エイラは愛娘であるアイと楽しく話していた。するととエイラはアイにあの作戦のことを聞いた。
『・・・・で、アイ。お前ロマーニャにいるネウロイとの通訳をするらしいな』
「はい」
『…キケンだってことは、分かってるんダナ?』
「わかっています。でも私とお父さんは必ずお母さんのところに帰ってきます」
『……そうか・・・・まったく誰に似たんだか・・・。でもアイ、無理はするなよナ。いいな。約束だゾ』
「はい。じゃあ、お父さんに代わりますね」
『ほいほ~イ』
そして疾風はアイから受話器を受け取り
「今変わったぞ。エイラ」
『疾風、次の作戦大丈夫か?もしかしたら・・・』
「大丈夫だ必ずアイと一緒に戻るよ」
『ほんとダナ?本当に作戦が成功すれば、すぐ戻って来るんだよナ?』
「ああ、なるべく早く戻るつもりだけど…何を焦ってるんだ?」
『だって…会えないし…』
「はぁ…距離が離れただけで、ここ数ヶ月と状況は変わらんだろう」
『ウン…』
「ロマーニャ土産買って帰るから。またな」
そう言い俺は電話を切る。心配してくれるのはとてもうれしいんだが…もうちょっと信用してくれてもいいじゃないか?
「それだけ二人は愛されてるってことよ」
いつの間にか横には竹井大尉がいた。
「…いつから居たんです?」
「『空軍の研究グループ』のあたりだったかしら?」
「初めから聞いていたんですか」
「そうね。・・・・で?本当に大丈夫なの?」
心配そうにそう聞く竹井さん
「…大尉、この作戦が成功すれば、戦争は終わる。これ以上の犠牲を出さずに済む。そう言ったのはあなただ。方法を選んでる暇はないはず」
「そうね…あなたの言うとおりだわ、気を引き締めないと」
俺は、電話を貸してくれたお礼を竹井さんに言ってから、アイを連れて部屋をあとにするのだった。
その後、竹井は机に置かれた疾風のプロフィールを見る。その内容は501に正規配属されてからの経歴や502での活動しか載っていない。原隊やどこの軍学校とかそう言う肝心なところが書かれていないのだ。
ちなみに彼が異世界人だと知っているのは501と502のウィッチだけだ。
「(扶桑で最近開発された紫電改より高性能の紫電改を履き、短期間で200機以上のネウロイを撃墜。またネウロイの攻撃を刀で切り裂いて防ぐ。など・・・)」
竹井は疾風がただの義勇兵でないことを感じるのだった。
一方そのころ同じように一人の女性が彼のプリフィールを読んでいる。暑い飛行服を着て、胸には照準眼鏡を下げていた。
「・・・・この少年・・・・一度会ってみるか」
そう言い彼女は立ち上がり輸送機のほうへと向かうのであった。