ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
ED「Los! Los! Los! 」
1945年3月 ロマーニャ上空 トラヤヌス作戦戦闘空域
ついにこの時が来た。今俺とアイを先頭に後ろから504のウィッチたちや研究員を乗せたJU52輸送機。そしてその護衛のロマーニャ空軍戦闘機のMC.202「フォルゴーレ」がついていた。
そして今、ロマーニャやベネツィアにある穏健派ネウロイのもとへと辿り着き、そして相手側が現れるのを待つ。すると・・・・
ネウロイの巣の真下から何か現れる。その姿はアイのような子供型でもジブリールのような大人型でもない少女型そう、ガリアに現れたあの人型ネウロイと同じ奴だ。
そしてネウロイの巣の下、俺とアイと竹井大尉、そして人型ネウロイが向き合う。アイは一歩前に出てそして何か喋り始める。欧米の言葉でもアジア地域の言葉でもない。おそらくだがアイの喋っている言語はネウロイの言葉であるネウロイ語だろう。するとその言葉を聞いた人型は頷き、そして笑っているのか楽しそうに会話する人型ネウロイ。ちなみにだが今アイは脚部をネウロイユニットに変形し飛んでいる。
「どうやら、上手くいきそうね」
「ああ、」
作戦は成功に思えた・・・・・・・だが
ぞくっ・・・・・
急に悪寒が走る。すると俺の固有魔法である弾道予測線がとあるところに表示された。その場所はアイや人型ネウロイがいる場所でその予測線の大きさは二人がすっぽり入るぐらいの大きさだった。まずい!!
「どりゃぁっ!」
「キュイ!?」
「わっ!?」
「大尉!?いったい何を!?」
なりふり構わず、俺は二人の腕を取り乱暴に引っ張る。そしてその瞬間。二人が先ほどまでいた場所に極太のビームが照射された。間一髪だ
「ネウロイのビームがネウロイを……!?」
「・・・・まさか・・・あれは」
「キュィィン!?」
竹井さんやアイが驚き、そして人型ネウロイに表情はないが、かなり驚いているようだ
「あれは…」
上空には、今まで見たことも無い巨大な巣が出現し、小さいほうの巣を飲み込んでいた。その新たに表れた巨大な巣はまがまがしいオーラを発していた。
「一体…何が…」
「お父さん!あれは過激派に所属する武闘派ネウロイたちの巣です!早くこの場所を離脱しないとまずいです」
アイがすごい剣幕で俺に言う。アイの顔から見て相当やばいやつらなんだろう。そうと分かれば答えは一つだ。
「なんだって!?・・・・わかった!大尉、撤退命令を今の我々で何とかできる相手じゃない」
今回の任務は穏健派ネウロイのコミュニケーションが任務だ。そのためその任務に参加する研究員も巻き込んでしまうし、俺たちの武装も護衛程度の弾薬しか積んでいない。もしここで交戦が始まれば全滅する可能性がある。そのためにもこの空域を離脱する必要があった。
「わかったわ。作戦は失敗!繰り返す!作戦は失敗!全員この空域を離脱せよ!」
竹井大尉の言葉にあたりはまるでクモの子を散らすように逃げる無論研究グループを乗せた輸送機も、撤退命令に従って逃げ始めた。
「大尉!先に行け!ここは私たちに任せろ!お前はアイやその子を基地に連れて行くんだ!」
「ですが!」
「早く行け!今この二人を守れるのはお前だけだ!だから早くいけ!」
「っ!…すまない」
俺たちの任務は、ネウロイとのコミュニケーション実験から、人型ネウロイの保護へと移った 。アンジェラさんの言葉に俺は頷き、俺はアイや、人型ネウロイを連れて安全区域まで逃げるのだった。
「よし!みんな!あの3人がこの空域を脱出するまで耐えるのよ!」
「「はいっ!」」
こうして504の殿戦が始まったのである。
一方、二人を連れて逃げる疾風はとても辛そうな顔をしていた。
「…お父さん。大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。アイ、それと君。今から飛ばすからしっかり掴まっていろ!」
「はい!」
「キュイ!」
アイと人型は俺の身体にしっかり掴まる
「よし!、エンジンフルスロットルだっ!!」
そう言い俺は紫電改の出力を最大にする。しかし小型ネウロイたちがここを通させまいと通せんぼをする
「邪魔をするな!!」
俺は三式機銃を撃ち、小型をネウロイを撃ち落とす
「お父さん!後ろです!」
アイの言葉に俺が振り向くと背後に敵が二機喰らいついてきた
「この速度でも追ってくるのかよ!」
俺は三式機銃を撃つが、向こうは軽くよけて今にもビームを放とうとしていた。だが・・・・
「キュイっ!」
「えいっ!」
アイと人型が片腕を俺から離し、敵のほうへ向け ネウロイビームを放ち正確な射撃で二機を撃ち抜き、二機の小型ネウロイは粉々になる。
「ありがとうアイ。それと君」
俺はアイと人型に礼を言った人型の名前がわからないため君呼びだけどな。そんなこんなで何とか基地近くの場所まで来た。だが、俺は本当にこれでいいのだろうか。仲間を見捨ててまで・・・彼女らとは出会ってまだ数日だが、それでも大切な仲間だ。だが、この二人を置いていくわけにもいかない・・・・どうすれば・・・俺がそう考えていると
『疾風大尉。聞こえるか?応答せよ疾風大尉。』
と、無線から基地内に待機しているフェデリカ少佐の声が聞こえる
「こちら疾風。」
『話は醇子から無線で聞いたわ・・・・・・・疾風大尉。あなたの機影を捉えた。着陸を許可するわ』
「…少佐。保護対象引渡し後、残存部隊の支援に向かいたい」
『だめよ。残念だけど情報が錯綜していて、殿に出ていた部隊は撤退はし始めているのだけど、現場の細かな状況が把握できないわ』
ドッリオ少佐はそう言うが声は悲しさと悔しさが混じった声だった。ドッリオ少佐自身ももユニットを履いて仲間を助けに行きたい。だが、魔法力を上がりを迎えつつあるいまの自分じゃ足手まといになってしまう。
「(本当に…本当に俺はそれでいいのかよ・・・・・)」
疾風はそう思った。するとアイが疾風の手を握る
「アイ?」
「お父さん。行ってください。私たちなら大丈夫です」
「こくこく」
「でも・・・・」
「大丈夫です。もう基地の目の前なので、ですからお父さんは早くみんなを助けに行って」
「アイ・・・・・・・わかった。でも少佐の言う通り場所が・・・・」
「キュイィィン・・・・」
すると人型ネウロイがまるで『大丈夫ですよ』っというような感じの声を発する
「アイ、彼女はなんだって?」
「はい。『その件なら大丈夫です。あなたの仲間が今いるところはxxx方向のx地点です。まだ交戦しているみたいなので早く助けに行ってください』っと言っています」
さっきのキュイィィだけで結構セリフが長かったな。まあそれはいい、xx地点か…俺の紫電改の最高スピードなら約10分の距離だ。とにかく今は速度が必要だ。もし彼女の言うことが本当なら急がないとまずい。
「わかった。ありがとう」
俺は人型にお礼を言い、その後アイや人型ネウロイを滑走路で待っていたドッリオ少佐に預けると、すぐにエンジン全開にして先ほど人型が教えてくれた場所へと向かうのであった。
一方殿部隊は・・・・・
「くそっ!次から次へときりがないわ!」
「またフォルゴーレが一機やられた!」
「こいつら、今までのやつよりてごわいわ!」
「ルチアナ!後ろ!」
「くそ!数が多すぎるわ!」
撤退命令を受け、撤退する504のウィッチたち、だがネウロイたちは逃さないと次々と襲い掛かりあたりはレーザーや機銃弾の嵐となっていた。
「3時方向に敵!」
「くそぅ!情報が錯綜してる!一体誰から見て3時なんだ!」
当たりはパニックになっているためなかなか連携がうまくいかなかった。するとネウロイのビームがアンジェラのほうへと向かう
「アンジー!左!!」
「!?っ」
あジェラがその方向を振り向いた瞬間、すでにビームが目の前に来ていた。このままだと命中する。しかし・・・・
バシュッ!!
何かが切り裂くような音がし、アンジェラに迫っていたビームが二つに割れる。そして目の前には黒服に黒いコートを着て片手に刀を持った少年がいた。
「お、おまえは・・・・・」
「どうやら間に合ったようですね」
彼女の前にいたのは人型ネウロイやアイを連れて基地に向かったはずの疾風がいたのだった。