ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
ED「Los! Los! Los! 」
501統合戦闘航空団「ストライクウィッチーズ」基地
執務室
「・・・・・はぁ~」
「どうした、ミーナ。ため息なんかついて?」
501の執務室でミーナはある書類を見てため息をつきそばにいた疾風の義理の姉であるバルクホルンが心配そうに訊く
「トゥルーデ。これを見て頂戴…」
ミーナは何枚か束になった書類のうちの一枚をバルクホルンに差し出す
「ん?…おお、疾風もここに転属になったのか。これで十二人揃うな」
義理の弟である疾風がここに転属になることを知って彼女は嬉しそうにそう言う。しかし
「トゥルーデ。そこじゃなくて下を見てちょうだい」
「下?」
そう言い、バルクホルンは下に書かれている文章を見るそこに書かれていたのは
『疾風村正大尉の転属と同時に、以下の者を保護下に入れること。ネウロイ番号X-13。コードネーム「ai」人型ネウロイ。ペテルブルグで502JFWに保護され、現在は疾風大尉の保護下にある。非常に好意的で、攻撃性はないため… 以下略』
「ネウロイを保護!?しかも基地に入れる!?何だこれは!?」
バルクホルンは文章を読み切った後、怒りの声をあげる。
「正規の命令だから、断るわけにいかなかったの…」
「上層部はまた厄介ごとを押し付けて……で、疾風とこのネウロイはいつ来るんだ?」
「今日よ」
「今日ッ!?」
その言葉にバルクホルンは驚くのだった。
504統合戦闘航空団「アルターウィッチーズ」基地
「扶桑からの物資、助かったわ。ありがとう」
501から回されてきた、扶桑の救援物資の引渡しは無事に終わり、坂本は旧友である竹井と話していた。
「報告書は読んだ。あの内容は事実なのか?」
「・・・・ええ。でもアイちゃんのことなら、直接彼女に聞くといいわ。ほら、ちょうど噂をすれば・・・・」
「?」
竹井はハンガーの一角、入り口付近に目をやる。そこには・・・・
「坂本少佐。」
疾風がこちらにやってきたのだ
「おおぅー!疾風か。久しぶりだなかれこれ半年ぶりかな?」
「ええ、お久しぶりです」
「お前も元気そうで・・・・・ん?」
坂本少佐は疾風に挨拶する。すると、ふっと彼女の視線が彼の足元に行く。そこには小さな銀髪でクマのぬいぐるみを持った少女が疾風の後ろに隠れていた。
「疾風・・・・・もしかしてその子が?」
「はい。書類に書いてあった。アイです。」
「そうか・・・・」
じ~
「はうっ!?」
坂本少佐がアイの方をじっと見ると、するとアイは怖がって俺の後ろに隠れてしまう。少佐は普通の顔で見ても少し怖い顔つきだからな・・・・・
「ん?疾風、わたしは何か悪いことでもしたか急に隠れてしまったが?」
「いえ、アイは人見知りなんですよ。時期になれると思いますんでお気になさらず・・・」
「そ、そうか・・・・・それより転属の話は聞いている。またよろしく頼む」
「こちらこそ」
敬礼する坂本さんに対し俺も返礼で答えた。
「さて、そろそろ帰るか。宮藤!」
「あ、はい!」
荷物の運び込みを手伝っていた宮藤が、こちらに駆け寄ってくる
「久しぶりだな、宮藤」
「はい!疾風さん、背、伸びました?・・・・・・て、あれ?疾風さんその子は?」
「え?ああ、アイのことか。それはあとで話すよ。それよりもお前に会わせたいやつがいるんだが…」
「会わせたい人?」
「ああ・・・・竹井大尉」
「ええ、すぐに彼女を呼んでくるわ」
そう言い、竹井は基地の中に入りしばらくすると一人の黒いセーターの上に白衣を着た少女を連れて戻って来た。その少女はハルだった。
「お待たせてすみませんでした。」
ハルはそう言うと。宮藤に顔を向ける。
「あなたが宮藤さんね」
「あ、はい」
「本当に会えてうれしいです。この前は妹が大変お世話になったわね」
「い、妹?」
いきなりの言葉に宮藤は首を傾げ、心当たりがないのか必死に思い出そうと頭をひねるが・・・・思い出せない。
「こうすればわかるかしら?」
すると、ハルが右手を前に差し出す。肘がピンと伸びている
「(握手のつもりか?何がしたいんだ?)」
「え?…あ、まさか…」
俺が困惑していると、宮藤が驚きの声を上げる
「もしかしてガリアにいたあの時のネウロイ!?そう言えばさっき妹って・・・・もしかしてあのネウロイのお姉さん!?」
「え゛宮藤、わかるのか?」
先ほどの行動に一体どんな意味が…
「はい、あのネウロイと巣の中でお話ししたときと同じしぐさなんです」
「それで、思い出したと?」
なるほど、さっきのハルのやったしぐさはこう意味が・・・・
「なるほど、…‥と、言うことはこいつもネウロイなのか醇子!?」
「ええ、美緒そうよ。彼女はトライヌスで保護したネウロイなの」
「じゃあ、なんで報告書では消されたって書いてあったんだ?」
「それが…そのいろいろあってね。それで彼女はここに・・・・504いることになっったの。詳しくは聞かないで。それとこのことは他言無用でお願い」
「・・・・わかった」
坂本さんと竹井さんが何か話しているが小声のためあまり聞こえなかった。一方、宮藤はハルと話していた。そしてしばらくして会話も終え、俺たち坂本さんと宮藤、俺とアイはトラックに乗り504を後にするのだった。
そしてトラックの中、幸い中は3人乗りになっていて運転は坂本さん真ん中は宮藤そして恥に俺、アイは俺の膝の上に座っている。
「え、え~と・・・要するにアイちゃんはネウロイに作られた人工ネウロイってわけだね」
「簡単に言えばそうです」
「一つ聞いても良いか?」
「はい?」
「トライヌス作戦の時、なぜ、ネウロイがネウロイを攻撃したんだ?」
坂本少佐の問いにアイは・・・
「私たちネウロイには穏健派と過激派の二つの勢力がいます」
「そう言えばペテルブルグで話していたな。」
「はい。おそらくですが過激派の上層部が穏健派が人間と接触することに気付き、過激派の精鋭部隊を送り込んだと思います。」
「それじゃあ、ヴェネツィアにあった穏健派の巣は・・・・・」
「はい。宮藤さん。さっき宮藤さんが話したハルさん以外。皆殺しにされましたっと聞きました。」
「皆殺し・・・・…じゃあ、今、ヴェネチアにある巣は、」
「過激派の集まった巣。あらゆる面において以前の個体を上回っています」
「報告書に書いてあったな。攻撃、防御、戦術。すべてが、今までのネウロイより優れている、と」
坂本さんが運転をしながら呟く。
「過激派の中でも精鋭中の精鋭で楽には倒せません」
アイが珍しく表情を若干険しくして言った。俺も戦ってみて本当にやばかった。アイが言うにはあの時、追撃に来たネウロイはまだ下っ端の奴だという。 となるとその上はかなり強い・・・・
「疾風、504は今、再編途中だったな?」
「はい。幸い死人が出ませんでしたが重症を負って、後送になったウィッチの代わりを集めています。ですが、いかんせん時間が…」
「地上勢力の抵抗もいつまで持つか…」
「今、ヴェネツィアにいる過激派を抑えられるのはお父さんたちだけです」
アイが俺のほうを向く
「アイ・・・・・」
すると宮藤が
「…坂本さん、私、戦います!」
「!」
「戦って、このロマーニャを守ります!」
と、彼女は坂本少佐にそう言うその目は強い決心と信念が感じられた。
「よく言った、宮藤!それなら早速帰って訓練だ!」
「はい!」
「…宮藤さん。ありがとう」
すると、坂本さんはふと何かに気付き俺やアイのほうへ目を向ける。
「ん?そう言えばアイ。お前、疾風のことを『お父さん』って呼んでいたな?それってどういう・・・・」
「あっ、それ私も気になります」
「少佐。その話は結構長くなるのですが・・・・・。」
「ん?かまないさ。まだ基地に向かうまで時間があるからな。ははははっ!」
大笑いして坂本さんがそう言う。
「はい。実は…かくかくしかじか」
俺はアイとの出会いを軽く言うのだった。
「なるほど・・・・・」
こうして4人を乗せたトラックは501の基地へと向かうのだった。
数時間後 501統合戦闘航空団基地 執務室
「アイ。大丈夫か?」
「だ、大丈夫ですお父さん・・・」
そうはいってるがアイは緊張のためかカチンコチンになっている。俺は深呼吸をして、そしてドアをノックする。
こんこん
「入りなさい」
ドアの向こうでミーナ中佐の声が聞こえる
「失礼します」
俺はドアを開け中に入りそして敬礼する
「疾風村正大尉、ただいま到着しました」
「ご苦労様。それで、書類にあった、人型ネウロイって言うのは、」
「この子です」
「はわわ・・・」
アイはまたも人見知りを炸裂させ、俺の背中に隠れている
「すいません、こいつ、人見知りが激しくて…」
「いいのよ。だんだん、時間をかけて、ここの雰囲気に慣れていけば良いわ。よろしくね」
「‥‥よろしくお願いします」
ミーナ中佐の年齢以上の貫禄、母性あふれる笑顔 。それを見て、アイは人見知りを少し落ち着かせたのか、緊張していて強張っていた顔が少し緩んだ。そして・・・・
「…アイ」
「え?」
「それが私の名前…」
「…良い名前ねアイさん」
「…ありがとう」
アイは少し嬉しそうな顔をする。ミーナ中佐には案外早く懐きそうだな。すると・・・・・
「おい、お前」
「ひっ!?」
突然、さっき黙って見ていた義姉さんにいきなり声をかけられ、アイがビックリし、再び俺の背中に身を隠す。
「はっきり言おう、私はお前を信用していない」
「…」
「何かおかしな真似をしてみろ?その時は分かっているだろうな?」
「う、う~」
義姉さんに睨みつけられ、アイがおびえる。背中越しでも分かるほど震えていて今にも泣きだしそうだった。
「やめてくれ、姉‥…大尉。アイが怖がってるじゃないか」
俺はアイをを庇うように手を広げる。すると義姉さんは少し驚いた顔を見せるがすぐにじっと俺のほうを睨む
「疾風・・・・敵かもしれない奴を庇うつもりのか?」
義姉さんは俺の前に腕を組んで立ちふさがる。
「アイは敵じゃない。信じてくれ」
「残念だがそうはいかない。人の姿をしているとはいえ、ネウロイはネウロイだ。敵には違いない」
「すべてのネウロイが敵なわけじゃない」
「お前はネウロイの違いが分かるほど、戦場に立っていたのか?」
「これでも、スオムス、502,504の最前線で戦ってきた。だから敵か味方か見る目はあるつもりだよ」
「ほ~面白い」
二人は互いの信念をぶつけ合い今にも喧嘩になりそうな雰囲気だった。
「二人ともやめなさい!」
そして喧嘩が始まりそうな空気を、ミーナ中佐が声をかけ制した。
「アイさん、言われていると思うけど、基地内では疾風さんの指示に従うようにね」
「・・・・はい」
「…ではミーナさん。自分は荷解きがあるので」
「分かったわ。二人とも、部屋に戻って良いわ」
「失礼しました」
俺たちが部屋を出ようとすると
「…あの」
「なにかしら?」
アイがミーナ中佐に話しかける。
「またここに来てもいい…?」
「…ええ、いつでもいらっしゃい」
「パァァ!」
「アイ行くぞ」
「うん♪」
ミーナ中佐の優しい言葉にアイは、花が咲くような笑顔を見せた後、一礼し、鼻歌を歌いながら部屋を後にした。
「…人と見分けがつかん」
「ホントにね。ネウロイといわれなきゃ分からない」
「ミーナ、あいつがネウロイのスパイだとは考えないのか?」
「本物のスパイなら、ネウロイだということは隠すはず。それか、人を洗脳してスパイ代わりにするわ。それにスパイにしても彼女はまだ小さいしね」
「確かにそうだが…」
「やっぱり信用できない?」
「…どこかで疑っている」
バルクホルンとて本当は彼を信じてやりたいのだが、ネウロイにカールスラントを破壊されたことがあってすぐに信じることができないのだ。むろん疾風も自分の義姉である彼女のことを理解している
「大丈夫よトゥルーデ。あなたの弟がついているんだから」
「だといいが…」
バルクホルンは心配そうにドアの先を見つめるのだった。