ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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OP「IGNITE 」

ED「Los! Los! Los! 」


第40話「伯母と姪。二人っきりの買い物」

疾風が501についてから数日が経った。アイは形式上は伯母であるバルクホルンによく懐いていた。そして今日もアイはまるでカルガモの親子のごとくバルクホルンの後ろについていく

 

「伯母様」

 

「だから私は伯母ではない!」

 

「う~」

 

バルクホルンに冷たい言葉をかけられアイはシュンとしてしまい、そばにいたハルトマンが優しくアイの頭をなでる

 

「おーよしよし、怖かったねぇ。伯母さん!姪っ子には優しくしなきゃダメでしょ!」

 

「誰が伯母さんか!」

 

とまあ、こんなやり取りがよくあり、疾風はその光景を遠い目で見るすると・・・

 

「どーした?遠い目して」

 

「ああ、エイラか…いや……アイが義姉さんに懐くのは良いことなんだけど…なんか釈然としなくて」

 

「まるで娘を嫁に取られた父親状態だな」

 

「一様、俺はアイの父親だよ。エイラもそうだろ?」

 

「ああ、そうだった。ごめんごめん。」

 

「第一にもしアイにちょっかいを出す輩がいたら俺がぶん殴ってやる」

 

「まったくお前は心配性だな。」

 

「だってよ・・・」

 

「それに殴るんじゃ生ぬるいゾ疾風。そういう時は銃で狙撃してやっつければいいじゃないか。ほら良く言うだろ?『やられる前に殺れ』って」

 

「お、おお…その手があったな」

 

なにか間違っている親ばか二人。そして二人はアイとバルクホルンのことを見守るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・ふ~」

 

俺とアイが廊下を歩いているとアイがため息をつく

 

「お父さん・・・・・」

 

「ん?何だアイ?」

 

「バルクホルン伯母様。私のこと嫌いなのかな・・・・・」

 

アイが悲しい顔でそう言う。

 

「別にアイのことを嫌っているわけじゃないよ。ただちょっとな・・・」

 

「わたし・・・・伯母様と仲良くしたい・・・」

 

「なれるよ」

 

そう言い俺はアイの頭をなでる。

 

「そうだ。そう言えばアイ。明日街へ買い物に行くことになったんだよ」

 

「街に買い物ですか?」

 

「ああ、俺とアイの日常品を買うためだよ。それにアイ。お前は基地の外に出たことがなかっただろ?」

 

「いいんですか?ミーナさんは・・・・」

 

「その件なら問題ないわよ」

 

「あ、ミーナさん」

 

するとミーナさんに出会う

 

「あ、あの・・・・いいんですか?」

 

「ええ、止める理由はないわ。ただし疾風さんの言うことはちゃんと聞くのよ」

 

「うんっ!」

 

街に行けると知ってさっきまで暗い顔をしていたアイが嬉しそうに頷いてそして自室へと鼻歌を歌いながら行くのだった。

 

「やれやれ・・・・ミーナさん外出の許可感謝します」

 

「お礼はいいわよ疾風さん。ちょうどあなたたちの服装や日常品とかもそろえなきゃいけなかったしちょうどいい機会だったわ。それにしてもアイさん嬉しそうね」

 

「ああ、初めての街だからな・・・・」

 

「お父さん!はやく!」

 

「ああ、わかったよアイ!それじゃあミーナさん俺は明日の準備があるので」

 

俺はミーナさんに一礼をしアイを追いかけたのだった。

 

「ふふ・・・・まるで本当の親子ねあの二人は」

 

ミーナはその様子を見て微笑む。こうして明日はアイにとって楽しい日になろうとしていた。

だが・・・・・どんなに強い人でも決して勝てないものがあった。それは・・・・

 

「ごほっ・・・ごほっ・・・まさかこんな時に風邪をひくなんて・・・」

 

そう、風邪であった。疾風は今までの疲労が一気に来て身体を壊して今38度の熱を出していた軍医の人によれば今日1日は絶対に安静だと言われていた。

 

「大丈夫か疾風?宮藤から聞いたぞ流行風邪(インフルエンザ)らしいな」

 

「ああ、幸い宮藤やハルトマンそれに軍医の先生の調合してくれた薬のおかげでだいぶましになったんだけどな・・・・ゴホゴホ」

 

エイラに看護されながら、ハルトマンが医者の子だとは前に義姉さんから聞いたけど医術に詳しいのは驚きだ。人って見かけではわからないんだな・・・・

 

「まあ、とにかく今日は絶対に安静だな。それと流行風邪だからあまり近づかない様にって言われたよ」

 

「そうか・・・・じゃあ、今日のアイとの買い物は・・・・」

 

「残念ながら・・・」

 

「困ったな・・・・・私が行ってもいいんだけど、今夜は夜間の任務があるから無理なんだよな・・・・」

 

「そうか・・・・アイになんて言えばいいんだろう・・」

 

「私は大丈夫ですよお父さん。お母さん」

 

するといつの間にかドアのところにアイがいたのだ

 

「アイ・・・・」

 

「買い物も街に行くのもまた今度行けます。だから気にしないでください。だから早く体良くなってね」

 

そう言って、アイはにっこり笑いそして部屋を出て行った。

 

「なんか、悪いことしたな・・・・」

 

「仕方がないよ。今度ばかりはタイミングが悪すぎただけだよ。それよりもお前は早く風邪治せよアイやみんなの為にもな。あ、あと後でリンゴ持ってくるからな」

 

「ああ、あんがとなエイラ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シュン・・・・」

 

一方アイは談話室の椅子に座りしゅん・・・・っとなっていた。その様子をミーナとハルトマンが見ていた。

 

「ねえ、ミーナ。アイ元気ないね・・・・お買い物が行けなかったからかな?」

 

「それもあるでしょうけどやっぱり疾風さんが病気で寝込んだことが原因みたい。彼女にとって彼は父親みたいな存在だからね・・・・・」

 

「ミーナ。何とかできないの?」

 

「何とかしてあげたいけど、どうすれば・・・・・」

 

と、ミーナが深刻な顔をしていると・・・・

 

「ミーナ。明日のロマーニャ街での資料受け取りの件なんだが・・・・・」

 

とバルクホルンがやってきた。二人は彼女の顔を見る

 

「ん?二人とも私の顔に何か変なものでもついているのか?」

 

「いいえ、違うわトゥルーデ。ちょうどいい時に来たわ♪」

 

「にっしし~♪」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

なぜこうなった。確か私は上層部からの書類を受け取りに行くはずだった・・・そのはずだったんだが。

 

「あ、あの・・・・伯母様」

 

「だから私はお前の伯母ではない。なんだ?」

 

「街へ何しに行くの?」

 

「日常品の買い出しだ。ほかにも用事はあるがそれは訊くな」

 

「わかった・・・・」

 

そう、なぜか私は人型ネウロイであるアイと一緒にトラックに乗ってロマーニャの街へと向かっていた。本当になぜこうなったんだ。私は基地でのことを思い出した

 

「はぁ?気は確かかミーナ。あいつを連れて行けってどういうことだ!?」

 

「そのまんまの意味よトゥルーデ。実は明日、疾風さんとアイさんが買い物に行くはずだったのは知っているわね」

 

「あ、ああ・・・・疾風風邪なんだってな。無事なのか?」

 

「幸い熱は引き始めたんだけど絶対安静で買い物に行けなくなったのよ」

 

「それでさ~買い物に行くことを楽しみにしていたアイちゃんがあの通り落ち込んじゃってね」

 

「は、ハルトマン・・・・・まさか」

 

「そう、そのまさかよトゥルーデ。明日あなたも街に出るみたいだし書類を受け取るついでにアイちゃんを街に連れてってくれないかしら?」

 

ハルトマンの代わりにミーナが答える

 

「理由がわかったが…なんで私が」

 

「だってトゥルーデはアイの伯母さんじゃん。姪っ子との買い物がそんなに嫌い?」

 

「だから私はおばさんではない!」

 

「でもさ~トゥルーデ。アイちゃんのあんな顔を見ても買い物に連れてけないってそう言えるの?」

 

ハルトマンにそう言われ、私は談話室を覗く。そこには椅子に座りクマのぬいぐるみをぎゅっと抱いたアイの姿があった。その姿は何やら悲しさにあふれていた。なんだろう私の心になんかぞくぞくしたのを感じる。まるで宮藤にお姉ちゃんって言われたようなそんな感か・・・いやゲフンッゲフンッ!

 

「それにさ~このままアイちゃんとの仲がよくないと義弟の疾風に嫌われるよ~」

 

「なっ!?」

 

疾風が私を嫌う!?それだけは避けなければ!だけど、相手はネウロイどうすれば・・・・

 

「まあとにかく。これは上官命令っということでお願いねトゥルーデ♪」

 

とまあ、そんなこんなで私はアイを街へと連れて行くことになった。そしてしばらくしてロマーニャの街につくのだった。私はアイと一緒だったが相変わらずあいつはシュンと俯いている。ネウロイにも感情があるのか?

まあとにかくまずは資料を受け取らないとな。

 

「アイ。おまえはトラックの中で待っていてくれ、用事を済ませてくる」

 

「待つだけ?」

 

「ああ、すぐに戻るからおとなしく待っていろ」

 

「・・・・・わかった」

 

そう言い彼女は頷き私は資料が渡される場所へと向かった。

 

「・・・・大きい街」

 

一方残されたアイはトラックの中でアウロラにもらった熊のぬいぐるみを抱きしめてあたりを見る。すると・・・

 

「お父さ~ん!お母さーん! 早くぅ~、こっちこっち!」

 

「そんなに走ると転んじゃうぞー!」

 

「♪~♪~」

 

するとアイの目の前に自分と近いぐらいの年の女の子が父親と母親と一緒に歩いているのを見る。

 

「・・・・・」

 

それを見たアイは複雑そうな顔を見せるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・こちらになります」

 

「すまないな、助かる」

 

バルクホルンはカールスラント兵士から、資料の入った封筒のような物を受け取った。

 

「…では、私はこれで失礼します」

 

バルクホルンは資料を渡した兵士に敬礼してアイが待つトラックへと戻る。

 

「(資料の受け取りは終わった。後は……)」

 

バルクホルンは歩きながらアイのことを考えていた。

 

「(伯母さんっか・・・・・)」

 

彼女はアイが笑顔で自分のことを伯母さんっといったときのことを思い出す。

 

「(いや、いや、何を考えているんだ私は。あいつは人の姿をしているが正体はネウロイだ!私たちから祖国を奪い、大地を瘴気で汚染させ、仲間を殺し、クリスをあんな目に合わせた、憎い敵。そのはずなのだが・・・・・)」

 

そんなことを考えているうちにトラックにつく。するとその中にアイがじっと待っていた。

 

「すまない待たせたな」

 

「ううん。大丈夫」

 

と、アイはにこっと頷くのだが、それと同時にやはり元気がない・・・・

 

「どうしたんだ?」

 

「何でもない。おば・・・バルクホルンさん。これからどこに行くんですか?」

 

そう言えば、私は日常品の買い出しに行くはずだったな・・・それなら

 

「服屋だ。後、お前のも含めてだがな」

 

「わたしの?」

 

「ああ、ずっとその服のままのわけにはいかないだろ?」

 

「うん・・・・」

 

そう言い、私はアイを連れて服とかに買い物に行ったのだが、やはりアイの元気があまりない。どうしたのか・・・・もしかして身体の調子でも悪いのか?

いや、私は何を気にしているんだ・・・・・・だがあの顔を見ていて見ぬふりはできないな・・・・・

 

「アイ。どうしたんだ?さっきから元気がないぞ?」

 

私はアイに訊いたのだが・・・・

 

ぽたっ・・・・

 

「ん?」

 

何やら水が垂れるような音がした。私はアイの顔をよく見ると彼女の顔は涙で濡れていた。

 

「なっ!?お、おいどうしたんだ?いきなり泣いて、もしかしてどこか痛いのか?」

 

実際ネウロイに痛覚があるかはわからないがそんなことは気にせず私は慌ててアイに訊く。だってクリスと近い感じの子が泣いたら誰だって(特に姉は)慌てるだろ?

すると・・・・

 

「お父さん。大丈夫かな‥‥」

 

アイは涙をぽろぽろと落とす

 

「本当はお父さん。すごい悪い病気で・・・・・お父さん死んじゃったらどうしよう・・」

 

とアイは涙を流しながらそう言う

 

「(そう言うことか・・・・)」

 

私はアイが今まで元気がない理由がわかった・・・・疾風のことを本当に心配していたんだな・・・・私はアイの頭に手を乗せる

 

「安心しろ。疾風は風邪くらいでは死なない・・・・それともお前のお父さんは嘘を言うような人間なのか?」

 

「そんなことはないです!お父さんは嘘をつく人じゃありません!」

 

「なら、大丈夫だ。だからお前は疾風を信じろアイ」

 

まったく私はネウロイ相手に何をしているのやら・・・・まあ、とにかくアイは少しは元気を取り戻したみたいだがやっぱりどこか不安を感じているのか俯いていた。やれやれ仕方がない・・・・

 

「アイ。ちょっと待ってろすぐに戻る」

 

そう言い私はある所に向かってしばらくしてあるものをもってアイのもとに戻ってきた。

 

「ほら」

 

「これは・・・・」

 

「クレープだ。すぐそこの出店で売っていた。これを食べて元気を出せ」

 

そう私が持ってきたのはクレープだ。

 

「いいんですか?」

 

「ああ、遠慮するな。ほら」

 

「ありがとうございます・・・・・・おいしい」

 

クレープを食べたアイに笑顔が戻る。よかった・・・・・

 

「そうか・・・・それじゃあ、アイ。日常品も買いそろえたし、そろそろ基地に戻るか」

 

「うん」

 

そう言い二人はトラックに乗って基地へと帰る。そしてトラックの中

 

「アイ。一つ聞いていいか?」

 

「なに伯母様?」

 

「お前にとって疾風はなんだ?」

 

「私にとってお父さんはお父さんです。ネウロイであった私を優しく受け入れてくれて俺の娘だっと言ってくれたんです」

 

「はい伯母様・・・・」

 

「あ、あのな・・・・アイ。何度も言うがその伯母さまはやめてくれ」

 

「?だって、お父さんのお姉さんだから・・・・」

 

「確かに間違ってはいないが私はまだおばさんって言われるほど年を食っていないし、まだ19だ。だからその・・・・・なんだ私のことはお姉ちゃんって呼んでくれ。お前が良ければでいいんだがな////」

 

「はい!よろしくお願いします!お姉ちゃん///」

 

「ああ、よろしくなアイ・・・・(伯母って呼ばれるのもいいがやっぱりお姉ちゃんって呼ばれるのがいいな///)」

 

その後、バルクホルンはアイに再びお姉ちゃんと言われ悶えて危うくハンドル操作を誤って基地にぶつかりそうなったとかならなかったとか・・・・・

 

 

 

                        

                   次回「漆黒の鉤十字」

 

 

 

 




次回は疾風のライバルを出す予定です。感想お待ちしております

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