ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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OP「Ignite」

ED「Los! Los! Los! 」


第42話「修行っていうのは簡単そうで大変」

「‥…バケツ?」

 

修行に来た宮藤たち、そして修行してくれる訓練教官こと、アンナ・フェラーラに出会い、修行を付けてもらうことになった。しかし納屋の外に出て待っていれば、アンナがやってきて三人に渡したのはバケツだった。

 

「あ、あの・・・・これは?」

 

「じゃあまず、アンタ達には今晩のお料理とお風呂の為に、水を汲んできてもらおうかね。」

 

「水汲みですか?」

 

「えっと……」

 

宮藤は井戸を探すが、それらしきものはない

 

「井戸ならあっちだよ」

 

と、アンナが指さしたはるか先、石橋を渡った向こう側にある崖の上に小さな井戸があった。

 

「ええっ!?あんな遠くに……」

 

「あんな所から水を……」

 

「うわぁ……」

 

「ここは海の上だからね、水が出るのはあそこだけさ」

 

そう言われ三人は困った顔をする。するとリーネが何か思いついたような顔をして

 

「あっ!でもストライカーを履けば!」

 

「あっそっか!」

 

「あ、それいいアイデアですわリーネさん。ストライカーで飛んでいけばあっという間ですわ!」」

 

二人はそう言い、納屋においてあるストライカーを取りに行こうとしたが、アンナさんに通せんぼされる。

 

「誰がそんなの使っていいって言ったんだい?ほれ、これを使うんだよ!」」

 

「て、まさか?」

 

「「箒?」」

 

と、三人は驚いてそう言う。するとアンナは三本の箒を渡す。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、アンナが指定した井戸では・・・・・

 

「これで良し・・・・まったくあのばあさんは人使いの荒い・・・・それにこの世界に来て早半年。ここにいてもなんも情報が手に入らない・・・・困ったものだ」

 

と、ため息をついてバケツを手に取るエミリア。

 

「・・・・それにしても前に新聞で『レッドファイター』という名を見たが、まさかあいつもあの世界に・・・・まあ、いいわ。とりあえずあのばあさんに頼まれた仕事やんないと・・・・」

 

そう言うとエミリアはアンナさんが住む小屋のある方向を見る

 

「・・・・・さて、あの三人。うまくできてるかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方宮藤たちは、箒にまたがり魔法力であがろうとした、しかし・・・・・

 

「うぅ・・・・食い込む」

 

「い、痛い・・・」

 

「あ、ぐぐっ……」

 

箒にまたがった事がない三人は箒が宙に浮くとあるところが食い込み痛がる。どこが食い込むかというとそれはご想像にお任せします。しかもそれに耐えながらバランスを保ち飛ばなきゃいけない。だが、そんなに世の中上手くいかず三人はただ宙に浮くのに精いっぱいだった。

 

「いつまで地面をウロウロしてるんだい!さっさと飛ばないと、晩ご飯に間に合わないよ!」

 

と、手をパンっと叩く。すると三人の乗っていた箒が暴走し始め、宮藤とリーネのは箒が回転し宮藤はそのまま上昇リーネは耐えきれず箒から落ちてしまう。ペリーヌは耐えているが、

 

「全く情けない……これで魔女とは片腹痛いね。」

 

そう、ため息をつくとアンナさんがリーネに近寄り

 

「アンタは無駄にでっかいものつけてるから、バランスが取れないんだよ!」

 

ギュっ!

 

「きゃあ!?」

 

と、いきなり、リーネの胸をつかむ。そしてアンナさんは今度は宮藤の床に行く宮藤はいまだに回転していた

 

「いつまで回ってんだい!」

 

「ほ、箒に訊いてくださぁーい!!・・・・・・うっ」

 

宮藤が大声でそう言うがやがて長い間回転し続けたせいか気持ち悪くなってやがて箒から手を放し落下する。幸い下は茂みだったので大事には至らなかった。

ペリーヌは元貴族の誇りなのか耐えて宙を飛んでいた

 

「ちょっと!元じゃなくて今も貴族ですわよ!」

 

すみません・・・・

 

「あんた、誰に話してるんだい?」

 

「え?いや、なんでもありませんわ?」

 

「そうかい。それにしてもあんたなかなかやるね」

 

「こ、これくらい…ウィ、ウィッチとして当然ですわ・・・・・ら、楽勝ですわ・・・」

 

と、苦痛の表情でそう言う。

 

「ほ~それは感心、感心・・・・・・ほれ」

 

そう言いアンナさんはペリーヌの箒をとんっと触ると箒は垂直になる。そうなると・・・・

 

「うっ・・・・す、擦れる・・・」

 

そう言いペリーヌは倒れこむ。それを見てアンナは深いため息をつき

 

「やれやれ・・・・・アンタ達には永遠に合格やれそうにないねぇ」

 

「そんな・・・・」

 

リーネがそう言うとペリーヌはきっとアンナを睨み

 

「今時ウィッチの修行に箒だなんて時代遅れにも程がありますわ!やってられません!」

 

そう言いペリーヌは箒を投げ捨てる。

 

「おや、もう音を上げたのかい」

 

「ペリーヌさん・・・・」

 

躍起になっているペリーヌをリーネが見ている。すると宮藤が

 

「アンナさん」

 

「ん?」

 

「あの……私も知りたいです。こんな修行で本当に強くなれるんですか?」

 

宮藤の真剣な問いにアンナはじっとその目を見る。宮藤の真剣な目にアンナの目が変わる

 

「……アンタ、強くなりたいのかい?」

 

「はい!」

 

「なぜだい?」

 

とアンナがそう訊く、その目は真剣な目だった。宮藤は目を背けずアンナの目を見てこう答える。

 

「私、強くなってネウロイからこの世界を守りたいんです!困っている人達を助けたいんです!」

 

「芳佳ちゃん……」

 

すると宮藤の言葉を聞いたアンナは・・・・

 

「……見ておいで」

 

そう言うと箒にまたがりどこかへ飛んで行った。

 

「あ、アンナさん……?」

 

「行っちゃった……」

 

「ふん!もう戻ってこなくて結構ですわ!」

 

三人はしばらくポカーンと見ていると、しばらくしてアンナが戻ってきた。しかも水のたっぷり入ったたらいを吊り下げて。それを見た宮藤たちは驚く

 

「わぁ、こんなにいっぱい!」

 

「こ、これを一人で!」

 

「すごいです!」

 

「で、でもアンナさん。これで本当に強くなれるんですか」

 

「信じられないかい?けどね、あんたたちの教官だってここで訓練して一人前の魔女になったんだよ」

 

「え、教官って……」

 

「坂本少佐が?」

 

「ああ、あの子は素直な子でねえ。最初っからあたしのこと尊敬して一生懸命練習したもんさ、お陰で見事な魔女に成長したってわけだ?それにほかの奴らだってみんな素直で私の指導を受けたもんだよ」

 

と、アンナが胸を張って言うと

 

「よく言うよ・・・・寝室部屋に書かれてあった。世界各国のウィッチたちの罵倒の声はなんなのよ」ボソッ・・・

 

「わぁ!?は、ハルトマンさん。いつの間に!?」

 

と、宮藤の後ろにいつの間にか大きなバケツを二つを持ったエミリアがいた。

 

「ミリア。何か言ったかい?」

 

「いえ、何も・・・・・それよりアンナさん。水汲み終わりましたので私は夕食を作っときます。メニューは何にしますか?」

 

「ああ、ご苦労だね。それと夕飯のメニューはお前に任せるよ」

 

「わかりました。では・・・それとあなたたち。あなたたち3人はまだ修行初日なんだから、できないのは当たり前。明日から頑張りなさい。」

 

「あ・・・はい・・」

 

そう言いミリアは小屋に戻るのだった。

 

「ハルトマンさん・・・・・アンナさん。ハルトマンさんって・・・」

 

「あいつかい?さあね~半年前に岸に流れ着いたところを発見してね。行くとこがないから住み込みで働かせてくださいって言われて、私の手伝いをしているんだよ。見た目と名前からしてカールスラント人らしいけどそれ以上のことは知らないね‥…まったく不思議な子だよ」

 

そう言いアンナはエミリアのほうを見てそう言う

 

「そうですか・・・・」

 

宮藤もエミリアの後姿を見てそう言う。すると・・・・

 

「あ、あの……坂本少佐が使われていた箒って?」

 

ペリーヌがあんなにそう訊く

 

「さっきアンタが投げたやつだよ」

 

「えっ!?あれがっ!!?」

 

あんなにさっき投げた箒が敬愛する坂本少佐が使用した箒だと聞くとペリーヌはすぐさま投げ捨てた箒を取り

 

「こ、これが坂本少佐がお使いになった箒ぃ~っ!」

 

と、ほおずりしながらそう言うそれを見たアンナは

 

「なんだいありゃ?」

 

頭にクエスチョンマークを出したような顔をしてそう言う。その後、宮藤たちは何度も練習したが結局、井戸までは行けずただ宙に浮きコントロールするのがやっとの状態で訓練初日が終わった。

 

 

 

 

 

 

夜、宮藤たち3人は客室用の部屋で寝ていた。すると宮藤が目を覚ます。

 

「う・・・・トイレ・・」

 

そう言いベットから起き上がろうとする。

 

「あれ?」

 

宮藤の目に入ったのはベットに書かれた数々の文字だった。その無数の中でとある単語が目に入った。その文字とは・・・

 

「く、クソババ・・・・」

 

宮藤が起き上がりその文字をじっと見る。

 

「こ、これ・・・・坂本さんの字だ」

 

それを見て宮藤は苦笑する

 

「あ、いけないトイレ、トイレ」

 

そう言うと宮藤は部屋を出てトイレに行くのだった。

 

「さて、明日は頑張んないと」

 

用を終え、宮藤は部屋に戻ろうとする。すると目の前の部屋が空いていた。

 

「あれ?開いてる」

 

そう言い、宮藤はその部屋に入る。中はベットがあり、ほかには掃除用具とかそう言うのがあった。だがその用具の中にあるものがあった。それは・・・・

 

「これは・・・・ストライカーユニット」

 

そう、宮藤の目の前にはストライカーユニットがあった。しかもそれは宮藤が使っていたものではなく、全く違うストライカーだった。形はバルクホルンが使っているものと似ているが機首部分が短く黒とダークグレーの迷彩模様。しかも国籍を記す場所には奇妙なマークがあった。それは・・・・

 

「これって・・・・鉤十字?」

 

「何やってるの?私の部屋に、こんな真夜中で?」

 

「え?わぁ!?は、ハルトマンさん!?」

 

急に後ろから声が聞こえ振り返ってみるとそこには、汗をタオルで拭くエミリアの姿があった。

 

「す、すみません。トイレの帰りにこの部屋が空いていたので・・・・ハルトマンさんは?」

 

「剣の素振りよ。」

 

「剣の素振り?」

 

「ええ、毎夜毎晩はこれをやるって決めてるのよ」

 

「そうですか‥…て、あれ?それって扶桑刀ですか?」

 

宮藤はそう言う。そうエミリアが持っているのはペリーヌが持っているようなレイピアではなく欧州にはない刀だった。

 

「ああ、これ?変かしら?」

 

「いいえ、でも欧州の人だと西洋剣を持つかと思っていたので・・・」

 

「レイピアやサーベルだと脆いからね。私はにほ・・・・扶桑刀を所持してるのよ。やっぱり剣なんかの刀剣類は扶桑の刀が一番だからね・・・」

 

そう言ってにこっと笑う。だが宮藤には一瞬その笑みに恐怖を感じた。まるで人を殺したようなそんな怖い感じの笑みだった。

 

「そ、そうですか・・・・・・あ、それと先ほどの夕食おいしかったです」

 

「そう?そう言われて嬉しいわ。それじゃあ、あなたはもう寝なさい。明日も訓練なのでしょ?」

 

「あ、はい!・・・・あ、あのハルトマンさん!」

 

「・・・・なに?」

 

「私って強くなれますか?」

 

「・・・・・・・それは私にはわからないわ。強くなれるかどうかはあなたの頑張り次第だから。けど応援はするから・・・それじゃあ、おやすみ」

 

「あ、おやすみなさい」

 

そハルトマンは宮藤にそう言うと部屋の扉を閉める。それを見た宮藤は

 

「・・・・・頑張らないと」

 

そう言い、宮藤も部屋へと戻るのだった。

 

 

 

 

 


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