ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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OP「Ignite」

ED「Los! Los! Los! 」


第43話「やっぱり訓練は基本が肝心」

訓練二日目、昨日は浮くのがやっとだったが今は飛べるまで成長していた宮藤たち、だが・・・

 

 

「「「うわあぁぁ-!?」」」

 

飛べるようにはなったんだがコントロールができず、宮藤はスピードがコントロールできないのかものすごい勢いでまるでピンボールみたいに石橋にぶつかってしまう。リーネは安定がうまくいっていないのか箒から落下する。ペリーヌは箒の暴れっぷりにもうお手上げ、もしかして箒に嫌われているのかもしれない。その姿を見てアンナは・・・

 

「はぁ~・・・・・三人ともちょっと来な!」

 

深いため息をついた後、アンナは三人を呼ぶのだった。

 

「アンタ達3人とも魔法力は足りてんだ。足りないのはコントロール。今まで機械がしてくれたものを、自分でコントロールしなきゃダメなんだよ。」

 

そう言ったアンナは宮藤に近寄り、箒の柄をぐいっと持ち上げた。

 

「はうっ!!?い、痛いですアンナさん!」

 

「痛いのは箒に体重がかかっているからだよ。アンタも!」

 

「んあっ!?」

 

「アンタもだよ!」

 

「ひっ!?ひぅぅぅぅぅぅ!!?」

 

と無理やりグイっと箒をも持ち上げられ三人はある所に激痛が走り悶絶する。え?どこかって?そこはご想像に・・・・まあ、気を取り直してアンナは厳しい目でこう言う。

 

「いいかい、アンタ達はストライカーユニットって機械にずっと頼ってた。まずそれを忘れて、箒と一体化するんだ。」

 

「箒と一体?」

 

と、宮藤が首をかしげてそう言う

 

「そうだ。箒に乗ろうとするんじゃなく、箒を身体の一部と仮定しな!」

 

「身体の、一部?」

 

「そして、自分の足で一歩前に踏み出す。そんなイメージで魔力を込めるんだ。ふっ。ちゃんとした魔女なら簡単な事さ!」

 

そう言うアンナ。そのか顔はまさにウィッチに教官らしい厳しい顔だった。

 

「自分の脚……」

 

そう言い三人とも目をゆっくりとつぶりゆっくりと魔法力を箒に流し込む。すると青白い光が三人を包み込む

 

「・・・一歩前へ」

 

宮藤がそう呟くと、箒がゆっくりと上昇する。

 

「わあぁー!飛べたー!」

 

「私も飛べた!」

 

「と、飛べましたわ!」

 

宮藤に続き、リーネ、ペリーヌも上昇した。そして彼女たちは笑いながら宙を飛ぶ。それを見たアンナは少し嬉しそうな顔をするのだった。

 

「すごい、すごいよリーネちゃん!ペリーヌさん!本当に箒で空を飛べた!」

 

「うん!」

 

「と、当然ですわ!」

 

とペリーヌはそう言うが心なしか彼女も嬉しそうな顔をしていた。

 

「なんだかストライカーで飛ぶ時の風と違うような気がする。……気持ちいい~っ!」

 

「うん、気持ちいいね~」

 

と、彼女たちは今まで体験したことのない爽やかな風を体験をして嬉しそうに言う

 

「で、でもまだちょっと擦れて……」

 

と、ペリーヌはもじもじしながらそう言う。すると・・・

 

「いつまで遊んでるんだい?さっさと水を汲みに行きな、日が暮れちまうよ」

 

と、箒に乗って来たアンナがそう言う

 

「言われなくても行きますわ!」

 

「行ってきま~す!!」

 

こうして三人は水を汲みに行くのだった。

 

「やれやれ・・・・最初はどうなるかと思ったが・・・・」

 

アンナはそう言い、地上に降りて箒から降りる。すると

 

「どうですか?あの子たち?」

 

「ああ、坂本と同じかと思ったがあいつらは見どころがある・・・・・・ん?てっ!ミリア!あんたいつの間にそこにいたんだい!?」

 

アンナが変な違和感を感じ後ろを振り返るとそこには天秤棒に水のたっぷり入ったたらいを2枚担いだエミリアの姿があった。

 

「ついさっきです。それとこれ今日の水です」

 

そう言いエミリアはたらいを置く。

 

「まったくお前は心臓に悪い・・・・・寿命が十年縮まったよ」

 

「ははっ!それは悪いことしたわね。」

 

「まったく・・・・で、お前から見てあの子たちは?」

 

「そうですね・・・・あの三人はいいウィッチになると思いますよ。それでは私は夕飯を作りますんで・・・」

 

「そうかい・・・・・ああ、そうだ夕飯は私が作っとくから。お前はいろいろと働いてくれたから休みな」

 

「いえ、お世話になってるのに休むわけにわ・・・・そうだ。ではアンナさんの料理作りの手伝いでいいでしょうか?」

 

「まあ、あんたの勝手にしなさい」

 

そう言い二人は家へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

夕方、宮藤たちはバケツでためた水をたらいに入れる。

 

「まぁ、今日はこの辺でいいだろう。」

 

「やった!」

 

「良かったね!」

 

「と、当然ですわ!このくらい!」

 

と、努力して集めた水を見て嬉しそうにそう言うのだった。そして夜はあんな特性の夕食でメニューはあんな特性のシチューとパンとこの島で取れた新鮮なサラダだった。

 

「「「いただきま~す!」」」

 

と、三人はご飯を食べる。宮藤がパンをちぎって食べ、リーネとペリーヌはシチュ-を食べる。すると三人は目を輝かせて

 

「「「美味しい~!!」」」

 

同時に叫ぶ3人。まあ、努力して何かを成し遂げた後の食事はどんな豪勢な料理よりもおいしいからそれはそうだろう。アンナも自分の作った料理をおいしいっと言われて思わず笑みを浮かべる。だがすぐにきつい顔になり

 

「食べたらさっさと風呂に入りな!」

 

そう言うのだった。そして三人は食べ終わると食器を洗いものをしていたエミリアに渡して風呂に入りに行くのだった。そしてエミリアは食器を洗っていると

 

「ミリア。後は私がやっとくから、あんたも風呂に入ってきな」

 

「は?はい。」

 

あんなにそう言われてエミリアはアンナに一礼をしてその場を後にするのだった。

 

 

 

 

 

一方、宮藤たちは野外風呂を楽しんでいた。今回はエミリアが余分に水を運んできてくれたおかげか、へそより上あたりまで水が溜まっていた。そして湯舟の中には宮藤とリーネが入っていて、ペリーヌはバルコニーで外を見ていた。

 

「気持ちいいね。芳佳ちゃん」

 

「うん。でも、もう少しお湯が欲しいな・・・・」

 

「たぶん私たちの運んだ水が少なかったからだよ」

 

「そっか。明日はいっぱいになるように頑張んなきゃ」

 

「そうだね・・・・・・んあれ?ペリーヌさんは入らないんですか?」

 

「え?ああ、もちろん入りますわ」

 

と何やら苦笑いでそう言うペリーヌ。そして湯に腰を掛けた瞬間・・・・

 

「きゃぁ!」

 

いきなり悲鳴を上げて立ち上がる

 

「ど、どうしたんですかペリーヌさん!?」

 

宮藤が心配そうに訊くと・・・

 

「し、しみる~」

 

と涙目でそう言うペリーヌ。どこかしみるのは言うと彼女にトネールをかけられるので言えません。

 

「あ~びっくりした。」

 

「大丈夫ペリーヌさん?」

 

「だ、大丈夫ですわ・・・」

 

そう言い三人はそう笑いあう。すると・・・

 

「おや?三人とも仲がいいわね」

 

「あ、ハルトマンさん!」

 

その時エミリアがやってきた。しかも一糸まとわない姿で

 

「入ってもいいかしら?」

 

「どうぞ」

 

「ありがと」

 

そう言いエミリアはリーネと宮藤の間に座る

 

「ふ~いい湯加減ね・・・・やっぱり一仕事を終えて入る風呂は格別ね~」

 

とエミリアは気持ちいよさそうにそう言う。

 

「すごい・・・・・リーネちゃんより大きい」

 

宮藤はエミリアの胸を見て目をキラキラさせながら小声でつぶやく

 

「ん?何か言ったか宮藤?」

 

「い、いえ!なんでもありません!・・・・・あっ!エミリアさんそのお腹!?」

 

「宮藤さん。エミリアさんにお腹に・・・・てこれは・・・」

 

「これって銃弾の痕ですか?」

 

宮藤がそう言いリーネとペリーヌがエミリアの腹を見るするとそこには弾痕みたいなの痕があった。それを聞いたエミリアは・・・

 

「え?ああ、これね。これは・・・その・・・昔はしゃいでた時にね私より年下のやんちゃ坊主と喧嘩した時に怪我しちゃった痕なのよ。だからこれは弾痕じゃないわ」

 

と、何か誤魔化したように言うエミリア

 

「そうなんですか・・・・・」

 

「そうよ。変に見えたかしら?」

 

「いえ、私は別にそんな・・・」

 

「ははは…冗談よ。それよりあなたさっき弾痕って言ってたけどそういうの見たことあるの?」

 

「え?はい。知り合いの方で疾風さんって言うんですけど右目の少し上あたりにそういう傷があるんですよ」

 

と、宮藤がそう話すと

 

「・・・・疾風・・・・」

 

疾風の名を聞いた時エミリアの目が細まってギラギラと光った。だがそのことには3人とも気づかなかった。

 

「ハルトマンさん?」

 

「あ、いえ。なんでもないわ。さて、私はもう上がるから」

 

「え!?もうですの!」

 

「ええ、私、あまり長湯はしないほうなの。じゃあ、三人ともお風呂楽しんでね。それと明日も水汲み頑張ってね」

 

「はい!明日はここを水でいっぱいにします!ハルトマンさんも楽しみにしてくださいね!」

 

「ふふっ・・・・・楽しみにしているわね」

 

そう言うとハルトマンは風呂から出て行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

その後宮藤たちも風呂から出て、お風呂で火照った体を冷ますため石橋の上に座り夜風に当たっていた。

 

「いい風~」

 

「うん。」

 

星の奇麗な夜空を見上げ三人は景色を楽しむ

 

「すごいね。ストライカーが出来る前のウィッチって、みんな箒で空を飛んでたんでしょ?」

 

「私のお母さんも昔は使ってたって言ってたよ?」

 

「でも、箒で飛んだくらいで本当に強くなるのかしら?」

 

と、ペリーヌは疑うようにそう言うと

 

「疑り深いねぇ~……」

 

「アンナさん」

 

とそこへ寝巻き着姿のアンナがやってきた。

 

「明日も早いってのにこんな所で何してんだい?」

 

「橋、見てたんです。」

 

「橋?橋がどうかしたのかい」

 

「あの、アンナさんはあんなに上手く箒で飛べるんだから、橋なんて要らないんじゃ無いかなって・・・」

 

宮藤がそう言うとアンナは顔を背け悲しい顔をする

 

「……あたしの娘は魔法が使えなくてね」

 

「え?」

 

「娘さん……?」

 

「ああ、ずいぶん前に嫁に行っちまったけど、年に数回孫を連れて会いに来てくれるんだ。この橋を渡ってね。」

 

「あ、あの・・・娘さんは今どこにいるんですか?」

 

「ヴェネツィアさ」

 

「ヴェネツィア……」

 

「そこって、ネウロイに占領された・・・・・」

 

宮藤たちはその場所を聞いて驚いた。そこはトライヌス作戦での激戦地であり今は過激派ネウロイに占領されているからだ。するとアンナは宮藤たちの心配な顔を察したのか

 

「大丈夫だよ。家族全員無事に逃げたって報告があった。今はこっちに帰ってくる途中だよ。」

 

と、安心させるように言う。それを聞いて宮藤たちは安心するのだった。

 

「早く帰ってくるといいですね」

 

「そうだね」

 

「ですわね」

 

三人は微笑んでそう言うと

 

「さっさと寝な!明日は朝から修行だよ!」

 

少し顔を赤くし家に戻るのだった。そして三人はその姿を見てさらに微笑むのであった。

 

 

 

一方、森の中では、エミリアが刀の素振りをしていた。月あかりで刀の刃が怪しく光る。そして想ぶりをしながらこう呟いた

 

「‥‥やはりお前もこの世界に来てたのか・・・・・疾風」

 

そう言い彼女の瞳が怪しくギラギラと光るのだった。

 

 

 

 

 


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