ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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OP「Ignite」

ED「Los! Los! Los! 」



第44話「漆黒の悪魔、異空の空をかける」

翌日、三人は昨日と同じ水汲みをしていた。ただ昨日とは違いバランスよく、そして順調に飛んでいた。しかも昨日とは違い今日はバケツではなく三人で大きなたらいをつるす感じで運んでいた。

 

「初めからこうすればよかったね」

 

「うん。」

 

「今日こそお風呂を一杯にしようね。エミリアさんも水汲みしてるんだから。私たちも頑張んないとねリーネちゃん」

 

「うん。そうだね今夜は肩までつかりたいね。ね、ペリーヌさん」

 

「え?私はどちらでもいいんですけど」

 

と、三人はそう話し合っていると

 

「ん?」

 

ペリーヌが遠くに何か光るものを見つけた。

 

「何あれ……?」

 

その光は少しずつ大きくなっていき、やがて金属体の反射光である事が確認できた。この周辺は民間機や軍用機が飛べるエリアではない。っとなると正体は限られる

 

「まさかアレは……」

 

「ネウロイ!?」

 

 

 

 

 

501基地

 

「観測班からの報告では、ネウロイは出現場所のベネツィアからアドリア海沿岸をバーリー方向にまっすぐに移動しているわ」

 

「直線的にしか移動しないねネウロイか・・・・」

 

ミーナ中佐と坂本少佐が地図を見ながらネウロイの進路を見ていた。そして坂本少佐は定規で線を引き進路を書く

 

「ええ、アイさんによれば武力偵察らしいわ。調べたところ数は大型が1機と護衛の小型が2機らしいわ・・・・・」

 

「さすがネウロイ・・・・とすると迎撃地点は海上だな」

 

「それまでは陸地を少し掠るだけ。上陸はしなさそうね」

 

「これなら緊急出動は必要ないか・・・・・・・・いや」

 

と、坂本少佐はネウロイ予測進路線を引いたところをよく見る。するとその予測進路には小さな小島を通過する進路だった。

 

「ここは・・・!?」

 

「まずい!」

 

そう、その場所は今、宮藤たちが修行をしているあの島だったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「アンナさん大変です!ネウロイがこっちに来ます!!」

 

「今、アンタ達の基地から連絡があったよ。」

 

「誰か出撃してくれたんですか?」

 

「……基地からの部隊は、今から出撃しても間に合わないそうだ。この家は、諦めるしかないね……」

 

と悲しそうな顔でそう言うアンナさん。

 

「そ、そんな・・・」

 

そうしている間にもネウロイはこの島に近づきつつある。宮藤たちは森の外でその様子を見ていた。数は3機そのうち一機は大型の輸送機型まるでガンダムのミデア輸送機のような形で護衛の小型の2機はイギリスのエアスピードA.S.31に似ていた。

 

「まっすぐこっちに来ている・・・」

 

「このままじゃ、島も橋も!」

 

「確実にやられますわね」

 

三人がそう話していると

 

「アンタ達、何してるんだい!さっさと逃げるんだよ!」

 

と、アンナはそう言うが・・・

 

「ここを見捨てるなんて出来ません!」

 

「家族が帰ってくる家なんですよね?」

 

「それに、この橋が無くなってしまえば、お孫さん達が帰ってきた時の目印が無くなってしまいますわ。」

 

と、三人はそう言う

 

「あ、アンタ達……」

 

「それに三人協力してやればできます!」

 

「いいえ、四人よ」

 

「「「っ!?」」」

 

「は、ハルトマンさん!?」

 

4人は振り返るとそこにエミリアがいた。しかも彼女が着ている服はいつものお手伝いさん風の格好ではなく501のハルトマンと似た真黒い軍服と髑髏マークの軍帽をしていたしかも襟には白文字でssっと書かれていて重機関銃を片手に担いだ状態で立っていた。

 

「私も出撃するわ。この家にはアンナさんの家族が帰る場所だし、それにアンナさんには恩があるしね・・」

 

「でも、あなた魔法力が・・・・」

 

「ないと?誰がそんなこと決めたの?勝手に決めないでくれる?」

 

「・・・・そう言えばハルトマンさんの部屋にストライカーユニットがありましたよね…あれってもしかして・・・・」

 

「ええ、あれは私のよ・・・・・」

 

と、にっと笑うのだった。そして4人は出撃し、島に向かうネウロイ3機を迎撃しに行ったのだった。

 

「ハルトマンさん。飛べたんですね」

 

「ええ、半年間。くそば・・・・・アンナさんに教えてもらってたからね。それに箒も」

 

そう実はエミリアこの半年間、アンナにストライカーの飛び方や基礎である箒の飛び方をみっちり仕込まれていたのだった。まあ。毎夜、藁人形に釘を打っていて。その所をアンナに見つかった時はジョギングだと言って誤魔化し言い争いになったのはまた別の話。

 

「え?じゃあ、なんであの時、箒で飛ばなかったんですか?」

 

「あれは体力づくりのためよ」

 

「そうなんですか・・・・」

 

と、4人はそう話していると。ネウロイの姿が見えたのだった。

 

「見えた!リーネとペリーヌはあの大型へ編隊攻撃。宮藤は援護。私はあの小型を相手するわ!」

 

「え!?だ、大丈夫なんですか!?一人で二機相手にするのは・・・」

 

「大丈夫よ。伊達に8年間、あの(・・)空で戦ってきたからね・・・・」

 

「あの空?」

 

「エミリアさん・・・・そのストライカーといい、見たこともない国籍マークといい・・・・あなたもしかして・・・」

 

と、ペリーヌは何か気づいたのかそう言いかけたとき、

 

「しゃべっている暇はないわよ!じゃあ、頼むわね!」

 

「「「りょ、了解!」」」

 

三人はまるで上官の命令を聞くような違和感を感じながら、エミリアの号令で二手に分かれネウロイに攻撃を仕掛けた。

 

「攻撃開始!!」

 

「「はい!」」

 

ペリーヌの言葉でリーネと宮藤は輸送機型ネウロイを攻撃する。小型のネウロイ2機は輸送型を護ろうと三人に襲い掛かろうとするが・・・

 

「あんたらの相手は私よ!」

 

と、エミリアが機銃掃射で2機を攻撃。すると小型は標的を三人からエミリアに変えて赤いレーザーを撃ち襲い掛かる。エミリアはドイツの機関銃Mg42を撃ちまくり応戦する。その間にペリーヌたちは輸送型ネウロイに向かって攻撃をし続ける。ペリーヌが急降下してブレン機銃を撃つが全く歯が立たず、リーネのボーイズ対戦車ライフルを撃つがネウロイは表面の装甲がはがれてもすぐに再生してしまった

 

「硬い!」

 

「火力を上げないと、破壊できないよ!」

 

「3人で同時に攻撃しよう!」

 

「でも、3人で編隊攻撃なんて高度なこと―――」

 

「出来るよ!!私たちなら・・・・この三人ならできるよ!」

 

宮藤の言葉にペリーヌは笑って

 

「行きますわよ!」

 

「はい!」

 

三人は輸送機型に接近し輸送機型は放つビームを次々と避ける。そして三人は急降下して敵の腹に潜り込むネウロイもこれ以上近づけさせまいとビームを放つが三人はビームをよけて機銃を撃ちまくる。

 

「み、みんなの動きが見える!」

 

「ビームを躱せますわ!」

 

「箒のおかげだよ!」

 

あの特訓の成果が出たのか三人の息はぴったりとアイ、まさに三位一体となって攻撃しそして三人が力を合わせた結果。輸送機型ネウロイの装甲が大きくはがれそこから赤く光る球体。コアが見えたのだった。

 

「コアが見えた!!」

 

だがしかしネウロイは急いで再生しコアを守ろうとし始める。

 

「もう、再生が始まってますわ!」

 

「早くコアを壊さないと!」

 

「私がやります!」

 

リーネが対装甲ライフルを撃つも弾丸はコアとはほんのわずかに右にそれてしまい、やがて、傷を再生させたネウロイがビームを放つ。

 

「危ない!リーネちゃん!!」

 

宮藤がそう叫んだ瞬間一筋のビームが左側のストライカーユニットの先端を斬り裂いた。

 

「きゃあぁぁ-!!」

 

制御バランスを失いリーネは落下するが

 

「リーネちゃん!」

 

宮藤が全速力で急降下してリーネを海面すれすれで受け止め肩車状態になっていた。

 

「私のシールドでぎりぎりまで近づくから、リーネちゃんはコアを狙って!」

 

「了解!」

 

と、二人はぎりぎりまで輸送機型に近づこうとしたが、しかし、一機の小型ネウロイが二人に襲い掛かろうとした。

 

「「!?」」

 

小型がビームを放とうとした瞬間

 

ダラララッー!!

 

機関銃の音が鳴り響き小型ネウロイは粉々に砕け散る。そして上からは

 

「大丈夫!二人とも!?」

 

「は、ハルトマンさん!」

 

エミリアが二人に近づいて無事かどうか訊く。そう、あの銃撃はエミリアが撃ったのだった

 

「はい。大丈夫です!」

 

「そう、小型の奴はさっきので全部始末したわ。後はあのデカブツだけよ!」

 

「は、はい!」

 

「もうすぐ島ですわ!急いで!援護しますわ!」

 

「私もよ!」

 

そう言いペリーヌとエミリアは同時射撃でネウロイの装甲をはがす。そしてネウロイの装甲が崩れそこからコアが見えた。

 

「今ですわ!」

 

「リーネちゃん!」

 

「はい!」

 

そう言いリーネは対戦車ライフルの引き金を引く。放たれた弾丸は寸分の狂いもなくコアを砕き、輸送機型は白い破片へとなり粉々に砕け散った。その様子をアンナは見ており、驚いたように唖然としていた。そしてその顔も笑顔になり

 

「・・・・ふっ。三人・・・・いや、4人とも合格だよ」

 

そのころ上空では魔女たちが喜びあっていた

 

「やりましたわ!!」

 

「やった!やったよリーネちゃん!!」

 

「うん!アンナさんの家も橋も守れたね!」

 

と、三人は喜んで、エミリアは

 

「ふ~久しぶりに暴れたわ。Sieg Heil(勝利万歳)ね・・・」

 

と、肩をたたきながらそう言う。

 

「あ、あのハルトマンさん!」

 

と、宮藤がエミリアに話しかける

 

「ん?なに?」

 

エミリアがそう言うとペリーヌが

 

「あなたは一体何者なんですの?」

 

と、訊く。すると

 

「わたし?そーね~・・・・・私はね」

 

そう、間をあけて次にこう言った

 

「私はナチス第4帝国・・・ナチスドイツ武装親衛隊大尉のエミリア・ハルトマンよ」

 

と、いたずらな小僧のような笑みでそう言うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「坂本です。この度はお世話になりました。」

 

501の司令室で。坂本は三人が合格したことを知ると電話であんなにお礼を言っていた

 

『うん~!全然大変じゃなかったよ!誰かさんと違って、ベッドで泣いたりしなかったしねぇ、へっへっへ!』

 

と、アンナは笑って電話をしていると彼女の孫がソファーをジャンプしたりと走り回っていて彼女の娘が自分の娘を注意していた。

 

「(・・・・クソババ#)」

 

一方、坂本は眉間に少ししわを寄せて心の中で悪態着いていたが

 

「私は泣いてなどいませんよ!はっはっはっはっは!!」

 

と、笑って誤魔化していた。すると・・・・

 

『静かにおし!聞こえないよ!!』

 

と、受話器からアンナの叱り声が聞こえた

 

『まぁ、とにかくあれだね。』

 

「はい」

 

『なかなか見込みがあるよ、あの子達は』

 

その言葉を聞き坂本は嬉しそうに微笑み

 

「私もそう思います」

 

というと・・・・

 

『こらぁ!テーブルに乗るんじゃないー!!!』

 

とものすごい大声が聞こえるしかもさっきのとは違い雷レベルの声だった。その声に坂本が驚いていると

 

『それよりも坂本』

 

「はい。なんでしょうか?」

 

『あんた、もう一人ウィッチが欲しいとは思わんのかい?』

 

「え?それは確かに今の状況一人でも多くウィッチがいたほうが助かりますが・・・・」

 

『それなら、うちの弟子を一人送っとくよ』

 

「…弟子ですか?」

 

『ああ、腕は私が保証するよ。』

 

「そうですか…アンナさんが紹介するなら凄腕でしょうね」

 

『そりゃあもう、こことは違いいろんな修羅場を超えてきているらしいからね~じゃあ、後日その子を送っとくから。』

 

「は・・・はい。ありがとうございます」

 

と、アンナの言葉に変な違和感を感じながら坂本があんなにお礼を言うと・・・・

 

『こらぁー!オーブンの中へ入るんじゃないよ!?』

 

とすさまじい声が響いた後電話が切れるのだった。

 

「・・・・・新入隊員っか・・・・」

 

「どうしたの美緒?」

 

と、今まで隣で書類仕事をしていたミーナが坂本に訊く

 

「ああ、なんでもアンナさんが一人ウィッチを派遣してきてくれるらしい」

 

「あら、それはいいわね。どんな人が来てくれるのか楽しみね」

 

「ああ、そうだな・・・・」

 

 

一方、修行を終えた宮藤、リーネ、ペリーヌの三人は一緒のベットですやすやと眠っているのだった

 

 

                    次回「宿敵」

 

 




長かった…修行編を書くのは本当に大変だったです。さて次回は異世界のエースパイロットが再開します。
次回もお楽しみに

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