ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
ED「ブックマークア・ヘッド」
「・・・・・嘘だろ」
俺が目にしたのは今まで戦ってきた戦闘機ではなく、エイラたちが履いていた「ストライカーユニット」というものに変わっていた。確かに機体の胴体に日の丸と隊長機の証の赤いストライプ模様そして決定的なのは尾翼に白いイナズマのマーク。間違いない俺が愛用していた紫電改だった。
「機体整備をしようとしたら、急に光りだして光が収まったらストライカーユニットになっていました。」
「あははは・・・まさかこんなことになるとは・・・・」
「疾風さん・・・・大丈夫ですか?」
「あ、あぁ・・・・・源田司令に無理やり女装させられた時に比べれば・・・・」ボソッ
「え?」
「あ、いいや何でもない。ところでミーナさん、ストライカーユニットってどう動かすんですか?脚に履くっていうのはわかるが・・・・」
「え?あぁ確か疾風さんは魔法力がありましたね。ええ疾風さんがさっき言った通り、脚にはいて・・・・・」
「ヒャッホー!!」
「「「!?」」」
いきなり、シャーリーさんがものすごい笑顔で大声をあげながら俺の機体に乗った。
「ちょっ!シャーリー大尉!?」
「悪い、疾風!!ちょっとだけ飛ばさせてくれ!!大丈夫壊さないから」
「そういう問題じゃないだろ!リベリアン!!」
バルクホルンが言ってくるが、そんなことはお構いなしにシャーリーは機体を滑走路へ移動させようと魔導エンジンに魔力を注ぐが‥…
し~ん
紫電改はうんともすんとも動かない
「あれ?動かない?」
「あ~、やっぱりそうか・・・・まさか、ユニットに変形しても同じだとは・・・・」
「なにがやっぱりなんだ?」
「こいつは、なぜだか知らないけど俺にしか動かせないんだ」
「・・・どういうことなんですか?」
「この紫電31型改は他の紫電型と違って初期型・・・・・つまり試作型なんだ。」
「試作型?つまりこれは試作機なのか?」
「あぁ、量産型との違いは、俺の紫電改は新型改良エンジンを使っていますが、テスト飛行の際、こいつを完全に乗りこなせるやつはいなかった。それ以前にエンジンすら始動しなかった。
動かせた奴もいたが、全員口をそろえて「操縦が難しすぎる。欠陥品だ」と言っていましたよ。よって量産型の31型は前モデルであった21型のエンジンを使っている。当然この試作型は「欠陥品」ということで分解処分になるところだったんだけど、俺が操縦してみるって言ってこいつに乗ったら・・・」
「エンジンも始動し、操縦できたと・・・・」
「あぁ・・・なぜだか知らないけどね。難しいのは離着陸だけで風にさえ乗れればいい機体だよ。」
「シャーリー残念だったね」
「あぁ・・・・あの疾風・・・その・・・・勝手にお前の機体に乗って悪かったな。本当にごめん!!」
「別に気にしてませんよ。でもなぜ、あんなことをしたんですか?」
「いや・・・あの・・・もしかしたら・・・音速を超えられるかもって思ってさ…」
「だったら俺の機体じゃなくて、シャーリー大尉の愛機で音速を超えた方がいいんじゃないですか?その方がシャーリーさんの愛機も喜ぶと思いますよ」
「・・・・・そうだな・・・・その方がムスタングも喜ぶな。ありがとな疾風」
「音速を超える挑戦、俺も手伝いますから」
と二人は握手をしこの問題は終わった。
「よかったですね。シャーリーさん。でも、今度こうゆうことをしたら・・・・・(黒笑顔)」
「イ!イエスマム!!」冷や汗
(怖つ!! ミーナさんの笑み、華琳義母さん並みに怖い)
「・・・・・でミーナさん、ユニットの動かし方なんだけど・・・」
「あら、そうだったわね。まず疾風さん、脚をユニットに入れてみてください」
「こ、こうか?」
言われた通りに、ユニットの口のような場所につま先から足を入れる
すると・・・・
フオオォォン ピョコン
「うわっ!なんか耳としっぽが生えた!!」
「使い魔ダナ」
「これは・・・犬?」
「いや、これはフソウオオカミか?」
「いや、少佐どっちかというとニホンオオカミの方が正しいんじゃないか?」
なんで狼?いや、確かに子供のころのあだ名は「チビ狼」だったけど・・・・まあ、それはさておき・・・・
「よし、じゃあ、始動してみろ」
不思議だ・・・・初めてストライカーユニットを使うのに魔法力の注ぎ方が手に取るようにわかる・・・・・まるで紫電改に乗っている感じと同じだ・・・・・俺は目をつぶり
(いくぜ・・・・・相棒!!)
スーと息を吸いそして・・・・・
カッ!!
「コンタクト(エンジン始動)!!!」
ヴゥォォァァァ―――!!!!!!!!!!(エンジン音)
ゴォォ――
そういうとユニットのエンジンがかかり爆音が鳴り響き、風が吹く。そして地面には魔方陣が展開される
「うっ・・・・風が!!目が開けられない」
「すごい音・・・・!」
宮藤は強風のあまり目が開けられずリーネは驚いていた
「(すごい魔方陣、宮藤さん並みだわ!!)」
「スゲー!!」
「よしっ!訓練も兼ねてひとっ飛びしてこい!エイラ先導してやれ」
上空
「すげー、本当に飛んでる」ブーン
「どうだ?生身で飛ぶ感想は?」ブーン
「あぁ!最高だよ!!」
コックピットの中で飛ぶのとは大違いだ。しばらく飛んでいると・・・
「・・・・・・なぁ疾風・・・質問していいか?」
「? 何?」
「元の世界に帰りたいとか、そういうこと考えたことないか?」
真剣な顔で聞いてくるエイラ
「ん~元の世界に帰りたいっか・・・・そういうことを考えもしなかったな~う~ん」
・・・ん?ちょっと待てよ。そういえば俺はあの時、戦闘中だったよな。だったら俺は戦死扱いになってるんじゃないか?まぁどっちにしても戦争はもうすぐ終わりそうだったし、俺がいなくても大丈夫なはず・・・・・・・・・
「・・・・疾風、悩むくらいならここに居たらどうだ?」
「え?」
「えっと・・・お前のいた世界よりこっちの世界の方がましっていうか、えっとその、もし帰れても死んじゃったら意味がないっていうか・・・・」
因みに俺はエイラに、俺の世界のことを話した。その時のエイラの顔は少し悲しそうな顔をしていた。まぁ同じ戦争とはいえ、人間同士の戦争はやっぱり嫌だからな。戦争自体嫌だけど。とにかく彼女は彼女なりに俺を励ますつもりだろうか、身振り手振りでつなげようとし言葉をつなげようとしている。
「エイラ・・・それは「ここに居てくれ」という意味でとってもいいか?」
「ナッ////!そ、そういう意味じゃなくて、え、えーとまだこっちの方が安全というかなんというか・・・」アセアセ
・・・マイペースでどこか、つかみ所のない不思議な子だと思っていたけど、年相応にかわいいじゃないか。・・・・・・なんだろうな、なぜだかわからないけど、この子のそばに居たいと思った。
「ハハッ、そういうことにしときますよ。この先よろしくエイラ」
「////////////(さっきからなんなんだろこの感情、なんかドキドキする)」
「エイラ?」
「ふぇ!?」
「どうした?顔が赤いぞ?」
「何でもない!何でもないんだナ」
「そ、そうか、じゃあ帰りましょうか」
「うん///////」
ウィッチーズに正式配属になってから早1週間、基地の雰囲気にも慣れてきた。もちろん、女性の下の光景も・・・・・・これは慣れちゃいけないもの慣れた気がする…‥だけどまだ慣れないものがあるそれは坂本少佐の滑走路10周ランニングだ、滑走路はとても長くマッ平らで、最初は大丈夫だったが次第に疲れてきた。予科練時代、逸見教官に鍛えられて、結構体力に自信があったんだけどな・・・まだまだ未熟ってことだな。
「はぁ・・・はぁ・・・疾風さんすごいですね。私なんて5周で限界でしたよ」
「私も」
「予科練でかなりしごかれたからな。ペースを落としたら10周追加されたし・・・」
本当にあの時は死ぬかと思った。ほんの少しでも気を緩んだら、容赦なく10周増やしてたな。気が付いたら24時間走っていたな。正直オリンピック選手になれると一瞬思ったよ。でもあの教官、プライベートだと優しいんだよな。しかも大のハンバーグ好きで、ハンバーグのうんちくに1日以上しゃべってたな・・・・・今思うと懐かしい。
「・・・・なんか大変ですね。疾風さんも」
「こら!まだ訓練が残ってるぞ!!」
「「「は、はい!!」」」
「ん~やっと終わったけど結構こたえるな。予科練以来だな、こういうような訓練」
「おい、新入り、」
訓練から帰る途中、俺のもとにバルクホルン大尉がやってきた
「ん?・・・・バルクホルン大尉」
「ここは最前線だ、常に即戦力が求められる」
「・・・・・・」
「そんなんじゃ、すぐに落されることは目に見える。死にたくなければ故郷に戻れ」
「生憎、おれは元の所で幾多の激戦を経験してるんでね。それに・・・・簡単に帰れるなら苦労はしないよ」
「・・・・・・・・何?」
「何でもないですよ、大尉。それじゃこれで」
「・・・・・・・異世界か・・・・馬鹿馬鹿しい」
訓練が終わったその夜
「・・・・・・・・・似ているな・・・姉さんに・・・・・・」
自分の部屋で俺はそう呟いた。
続く
次回「姉と弟(前編)」
誤字脱字などの報告待っています。
さて次はバルクホルンとの話です。エイラもいいですがやっぱ姉貴分的にはバルクホルンがいいですね。
では次回をお楽しみに~