ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
OP「STRIKE WITCHES 2 〜笑顔の魔法〜」
ED「虹の音」
まだ朝日も出てない暗い夜空、一機の輸送機が飛んでいた。その中では
「不機嫌さが顔に出てるわよ。美緒」
「何かと思って、来てみれば物資の受け渡しとは…まったく技術開発の連中は軍隊を宅配便と勘違いしてる。」
「まあ、いいじゃないの予算の削減とかの話じゃないんだから」
「まあ、そうだな…その所はガランド中将に感謝だな。」
じつは501は当時上官はトレヴァー・マロニー大将だったが、ウォーロック事件で解任され、その穴埋め上官にガランド少将が着任されたのである。
「どこの軍も自分の足元しか見ないな・・・」
「戦争屋なんてあんなものよ。・・・・もしもネウロイがいなければ恐らく疾風さんやエミリアさんの世界のように人間同士の戦争に突入していたかもしれないね」
「世界大戦っか・・・・アイが見せてくれた映像を見ても悲惨で残酷なものだ。私たちの世界もあんなことが起きないようにしなければな」
「そうね・・・・」
「ところで、技術省が渡した物って一体なんだ?」
「さあ?中身は見てないけど、なんでも新型ユニットらしいわ・・・」
そう言って、二人は輸送機の奥にある布に包まれたものを見るのであった。
ゴオオオッーー!!
朝、格納庫ですさまじい轟音が鳴る。その音の正体はストライカーユニットの発動機の音だ。そしてそのユニットを動かしていたのはシャーリーだった。エンジンの振動や風圧が格納庫全体を揺らす。
「ん~今日も調子いいな~私のマーリンエンジン」
と、にっこりと笑って自分の愛機を見るシャーリー。すると・・・
「朝から精が出るわね。シャーリー大尉?」
「おや?誰かと思えばエミリアか・・・・・昨日は眠れたか?」
エミリアが格納庫にやってくる。エミリアが配属になって数日後最初はギクシャクし、疾風との対立も(っといってもじゃれあい程度)あったが、今ではすっかり溶け込んでいた。
「まあね。おかげさまで、で、何してるの?」
「ああ、エンジンの調子をね。で、エミリアは何しに来たの?」
「ああ、私もエンジンの調子にね?」
そう言いエミリアは自分のストライカーを履く。それを見たシャーリーは
「へ~それがエミリアのストライカーか?もしかしてそれお前の世界の物なのか?」
「ええ、これが私の愛機fw190Exよ。」
「へ~」
と、二人が話していると
「おう、おはよう~」
疾風があくびをしながらやってくる。ちなみにアイはエイラと一緒に寝ている
「おう疾風かおはよう。お前もエンジン調整か?」
「まあな・・・・シャーリーやエミリアもか?」
「ええ。そうよ。・・・・そうだ。ねえ?三人同時でエンジン動かして誰が大きいか勝負してみない?」
「いいな~それ・・・・」
シャーリーはいたずらな笑みでそう言い
「・・・・で疾風はどうだ?」
エミリアの言葉に疾風はしばらく黙るが・・
「・・・・・・・・・ふっ面白い」
いたずら小僧のような笑みを出すのだった。
ゴオオオッーー!!
そして格納庫はシャーリーのP51Ⅾ、エミリアのfw190Ex、そして疾風の紫電改のエンジン音であたりが揺れ始めるまさにエンジンの音轟々とっだ。
「それにしてお二人のストライカーの音、すごいな~」
「まあな。少しエンジンいじっているからな。それにしても今日の紫電改は調子がいいぜ」
「私のヴィルガーもよ」
「私のもだ。それにしても暑いな~格納庫の中は」
「まあ、エンジン回しているからね。疾風は大丈夫なのか?黒コート着てるけど」
「鍛え方が違うんだよ。そう言うエミリアだって
「この軍服は私にとって誇りある制服よ。この服を着ている限りこんな暑さ大したことじゃないわ」
「二人とも強いんだな~私は暑いのは苦手だよ。・・・・・・・脱ぐか」
「「えっ!?」」
シャーリーの言葉に二人はぎょっとした顔になりシャーリーを見るとシャーリーは今にも服を脱ごうとした
「な、バカ!何をやってるんだ!?」
「何って?暑いから服脱ごうと・・・・・」
「あなたねもっと慎みを持ちなさい!一応、華の17歳でしょ!?男子がいる前で服を脱ぐのは痴女のやり方よ!?」
「あ、それもそうか・・・・じゃあ、水着は?」
「それなら…‥てそう言う問題じゃなくてだなシャーリー!?」
「大丈夫大丈夫疾風はスケベじゃないって知ってるから。あ、どうしてもっというなら揉んでもいいぞ?」
「エイラに殺されるからやめろ!?」
「あはは!そりゃあそうだな。」
「だから、脱ごうとするな!?」
と、笑いながら言うシャーリー。すると・・・
「シャーロット・イェーガー大尉!!エミリア・ハルトマン大尉!疾風村正大尉!」
と、誰かが俺たちを呼ぶ声が聞こえ、振り返ると光を背に義姉さんが両腕を腰に当てて立っていた。
「ああ、義姉さん。おはよう」
「ああ、おはよう疾風・・・・・・て、そうじゃなくてだな!三人ともこんなところで何をしている!?」
「「「ん?エンジンテスト」」」
と、バルクホルンの問いに三人は息ぴったりで答える
「そんなの見ればわかる!なぜリベリアンが服を脱ごうとしているのか聞いているんだ!」
「ああ・・・・それはだな」
と、エミリアが訳を説明する。そしてバルクホルンは話を聞いて顔を赤くし
「リベリアン!貴様、恥じらいっというものを知らんのか!?それに今は戦闘待機中だぞ。ネウロイが来たらどうするつもりだ!!」
「え~でもハンガーでエンジン回すと暑いじゃん。ほら、あッちでも」
と、シャーリーが指さしたのは格納庫の梁で暑そうに寝っ転んでいるルッキーニの姿があった
「うじゅ~」
ルッキーニは暑そうにぐったりしている
「いつの間に・・・・」
「よく落ちないね・・・・・・あれ」
疾風とエミリアが梁で寝ているルッキーニを見てそう言う
「全くお前達はいつもいつも・・・」
「へぇ~カールスラント軍人は規則に厳しいってか、どうなんだ?ハルトマン」
何故かハンガーでフラフラと歩いていたハルトマンが歩みをやめる
「あっつい・・・」
と、完全下着姿で言った。しかもぐったりした姿で
「は、ハルトマン!お前まで!?疾風は見るんじゃないぞ!」
「見てねえよ・・・・」
目を手で隠してそう言う疾風・・・
「う~お前!それでもカールスラント人か!エミリアお前からも言ってやれ!」
「え~私、カールスラント人じゃなくてドイツ人なんだけど。後、疾風は見るなよ。見たらあんたの彼女に言うから・・・・」
「だから見てないって」
「く~!!」
「あははは!!」
バルクホルンが悔しそうに唸るのを見てシャーリーは笑う。するとハンガーに一台のトラックが入ってきた何やらストライカー発進装置らしきものを運び入れているみたいだ。
「お、なんだろアレ?」
ハルトマン中尉が何やら資料を見ながら坂本少佐と話し合っている所に行く。それを見たバルクホルンたち4人もそこに向かうのであった。そしてミーナ中佐の前には
彼女たちの目の前には赤色のした少し大きなストライカーユニットがあった。
「ほう・・・これがさっき言っていた。カールスラントの新型か」
「正確には試作機ね。Me262 V1 ジェットストライカーよ」
「ジェット?」
「ハルトマン中尉?」
「どうしたんだその格好は?」
ミーナ中佐と坂本少佐は下着姿のハルトマンの姿に驚く。
「こらハルトマン!服を着ろ服を!」
「そんな格好でうろつくと風邪をひくぞ。私の軍服貸してやるからそれを着ろ」
「え~でも暑そうだよそれ?」
「文句言うな」
バルクホルンやエミリアが一足先にハルトマンに追いつきバルクホルンは注意し、エミリアは軍服の上着を脱いでハルトマンに被せる。
「ん?何だこれは?」
「ジェットストライカーだって・・・」
「ジェット?研究中だったあれか?」
「ジェット・・・・もしかしてMe262シュヴァルベか?」
エミリアはそのストライカーを見て呟く
「シュヴァルベ?シュヴァルベって確かカールスラント語で燕って意味だけど。エミリア大尉これのことを知ってるの?」
「ええ、ミーナ中佐。こいつは・・・・ああ、私たちの世界での話だけどね。結構足の速くて攻撃力の高い戦闘機だったわよ」
「シュヴァルベか・・・・・戦ったことがあるが手強い相手だったな・・・・」
「あら疾風さん。おはようございます」
「ああ、おはようございます。ミーナさん」
「疾風、シュヴァルベと戦ったことがあるのか?ん?・・・・そう言えば。前に同僚でMe262の搭乗員隊長のヴィルターが紫電改にやられたって・・・・もしかしてあんたが?」
「さあ~どうだろうね?」
と、エミリアの問いに疾風は目を泳がし誤魔化す
「まあ、それはさておき。ミーナこの試験機の性能は?」
「エンジン出力はレシプロストライカーの数倍。最高速度は、時速950km/h以上とあるわ」
ほ~950か、さすがジェット機速いな・・・・
「950!?すごいじゃないか!」
ジェットストライカーの性能を聞いてシャーリーは目を輝かせその試作機を見る。
「レシプロストライカーに取って代わる新世代の技術ね」
そう言えば俺やエミリアの世界いや、時代って音速を超えるジェット機の時代だったが第三次大戦の奇妙な交戦規定で第二次大戦時の兵器になったんだっけ。もしも、そんな規定がなければ俺もF15JかF2戦闘機で戦ってたのかもしれないな・・・・
「ん?これは?」
すると義姉さんが、一緒に運ばれてきた大砲に注意を向ける。随分とバカでかいな・・・・
「ジェットストライカー専用に開発された武装よ。50mmカノン砲一門。他に、30mm機関砲四門?」
30㎜ならまあ納得できるあっちでのシュヴァルベも30㎜四門だったからな。だけど50㎜カノン砲ってもはや対空砲か対戦車砲だぞあれは・・・・エミリアも同じ心境なのか苦笑いしていた。
「そんなに持って大丈夫なのか?」
「なあ、なあ。これ私に履かせてくれよ」
と、シャーリーがウキウキしながらそう言う。まあ、スピードをこよなく愛するシャーリーなら当然だろう。
「いいや、私が履こう」
と、義姉さんが待ったをかけて自分が乗ると言い出した。
「なんだよ。お前のユニットじゃないだろ?」
「何を言っているリベリアン。カールスラント製のこの機体なら私が履くべきだ」
「国なんて関係ないだろ?950キロだぞ。超音速を知っている私が履くべきだ」
「お前のことはスピードのことしか頭にないのか!」
と、二人は口喧嘩を始めた。
「また始まった・・・・」
「しょうがない奴らだ・・・・」
「疾風。お前の義理の姉って・・・・・あれだな・・・」
「あはは・・・・」
エミリアの問いに俺は苦笑する。すると・・・・
「いっちば~ん!!」
「「ルッキーニ!?」」
二人が言い争いをしている中、ルッキーニがジェットストライカーを履く
「おい!」
「ずるいぞルッキーニ!」
二人はそう言うがルッキーニはそんなことも気にせずジェットエンジンを起動させる
「「(・・・・・・ん?)」」
その時、疾風とエミリアはそのエンジン音に違和感を覚える。そしてそんなこともわからずルッキーニは
「早い者勝ちだも~ン!」
そう、無邪気な笑顔で言うルッキーニ。しかしルッキーニの履いたジェットストライカーが急に火花を出す。
「うにゃ?」
ルッキーニもその違和感に気付く。すると彼女の身体に何か電気が走る感覚が襲ったのだった。
「んにゃぁぁぁぁぁッ!?」
いきなりルッキーニが飛び上がり、装着解除して私の発進装置の横に隠れ震えだす。
「ルッキーニ!」
シャーリーはルッキーニのいるところへ駆け出す。
「どうしたんだ?ルッキーニ」
「なんかびびびってきた・・・」
「びびび?」
シャーリーはルッキーニの言葉に首をかしげる
「あれきらい・・・シャーリー、履かないで・・・」
訴えるように、ルッキーニはシャーリーに呟いた。その目を見てシャーリーも何か感じ取り
「やっぱ私はパスするよ」
「え?」
「考えればまだレシプロでやり残したことがあるからジェットを履くのはそれからにするよ」
「ふっ。おじけづいたかリベリアン。まあ見ていろ。私が履く。」
と、ジェットストライカーを履くのを棄権し、ジェットストライカーは義姉さんが履くことになった。
「・・・・エミリア。あのエンジン音・・・」
「ああ・・・なんか嫌な予感がしたわ」
俺と同じ考えなのかエミリアも頷く。
「(義姉さん・・・・・何も起きなきゃいいが・・・・・)」
俺は心配そうに義姉さんを見るのだった。
だがこの時、俺は・・・いやこの基地にいたみんなが気づかなかった。この後、このジェットストライカーがとんでもない事件を起こすことを・・・・・・