ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
ED「虹の音」
「…と、いうわけで、臨時補給作戦を実施することになりました」
食糧や物資が不足したため俺たちは買い物に出かけることになった。
「大型トラックが運転できるシャーリーさんと、ロマーニャの土地勘があるルッキーニさんはまず決定とします」
「「了解!」」
「よっしゃぁ!久しぶりの運転だぁ!」
と、シマパフコンビは嬉しそうにそう言う。その中、リーネが二人が一緒に行くと聞いて不安そうな顔をした。
「敵の襲来がいつあるかわからないので、人数が出せなくてすまんな」
「わぁ~い!ドライブ!ドライブ!!♪」
「偶には基地の外に出たかったから、こんな任務は大歓迎だよ」
坂本少佐が申し訳なさそうに言うがルッキーニはドライブに行けると聞いてはしゃいでいて、シャーリーも嬉しそうに言った。
「他に、宮藤さんとリーネさんも同行します」
と、ミーナさんがそう言うとリーネが恐る恐る手をあげて
「あの…私はやっぱり待機で…」
「え!?どうして?」
「え?それはその・・・・・」
宮藤はどうしてか訊くがリーネは何かいいずらそうだった。
「わかりました。では、宮藤さんお願いね。あっ!?それと疾風さんもお願いできますか?たぶん重いものを運ぶかもしれませんから」
「わかりました俺も行きます。それとですが・・・・」
と、俺はアイを見るアイは何か言いたげに俺のコートをクイクイっと引っ張っていった。それを見てミーナさんが俺の言いたいことを理解して
「止める理由はないわ。行ってらっしゃいアイさん」
ミーナさんがそう言うとアイはパアァーと花が咲いたような笑顔を見せる。
「良かったなアイ」
「うん♪」
と、笑顔でアイが言う中宮藤とリーネは
「(疾風さん。すごいね~アイちゃんのしぐさだけで言いたいこと理解してる。さすがはお父さんだね)」
「(うん。すごいね芳佳ちゃん)」
「二人とも聞こえているぞ~」
「「っ!?」」
俺の言葉に二人はびっくりする。まあ、俺もそうだがエイラも大体同じである。いい例がサーニャの時だ。サーニャの「エイラ」っという単語だけで何を求めているかすぐ理解できてっしまうという。因みに「エイラ~」は甘えたいときだってエイラが言っていた。すると・・・
「待て疾風ぇ!」
と、義姉さんが俺のところに来る
「な、なに?もしかして反対?」
俺がそう言うと義姉さんは懐からあるものを取り出し俺に渡す
「(お前なら刀や素手で撃退してくれるとは思うが、万が一アイや宮藤に近づく不埒な男どもが現れたらこれを使え)」
そう言って義姉さんが渡したのはM24型柄付手榴弾通称(ポテトマッシャー)だ。
「(ありがとう義姉さん。これさえあれば百人力だ)」
「(ああ・・・)」
「「(アイ(と宮藤)は絶対に嫁に出さん!!お父さん(伯母さんでありお姉ちゃん)が絶対に守り抜く!!ふふふ・・・・・)」」
バルクホルンと疾風は黒い笑みを出し笑うのであった
「笑ってる・・・なんか笑ってる?」
「あそこの日独・・・いや扶カ姉弟すごく怖い・・・」
「まあ、似た者同士ですからね・・・・・」
と、みんな少し引いたような顔をするのだった。
「さ、さて気を取り直して、道案内は頼むぞルッキーニ」
「まっかせなさ~い♪」
と、坂本少佐が気を取り直して言うとルッキーニが返事する。
「宮藤、任務中はシャーリーか疾風の指示に従うようにな」
「はい!」
「では、欲しいものがある人は言ってください」
と、ミーナさんがそう言うと、坂本少佐が
「欲しいものか…新しい訓練器具とか…」
「はいはい…そういうのじゃなくて、皆の休養に必要な物よ」
「休養か…訓練をしっかりしてしっかり休む、重要だな」
義姉さんがうんうんと頷いて言うと
「うーん、それなら訓練の後に士気を保つには風呂が必要だな」
と坂本さんがそう言う。この人しまいには温泉とか掘りそうだな・・・・坂本さんの言葉を聞いてミーナさんは頭を抱える。
「はぁ~…貴方達の頭って訓練しかないの?誰かもうちょっとまともなものを・・・・」
「あの、私は紅茶が欲しいです」
と、リーネが手をあげて言うと
「そうね、ティータイムは必要ね。それじゃあ私はラジオをお願いしていいかしら?」
「カールスラント製の立派な通信機があるじゃないか?」
「ここに置くラジオよ。皆で音楽やニュースが聞けるといいでしょう?」
「そう言うことか・・・・それなら賛成だ。頼むぞ宮藤」
「はい!任せてください。紅茶にラジオですね」
坂本さんの言葉に宮藤が頷きメモを取る。すると
「ピアノ!ピアノを頼む!」
と、エイラが手をぶんぶん振ってそう言うがミーナさんが笑って
「ふふっ、いくらなんでもピアノは運べないわ」
「ちぇ、サーニャのピアノが聞きたかったのに…ナァ、サーニャ、欲しいものはないか?」
「エイラ、自分の欲しいものを頼んだら?」
エイラの言葉にサーニャがそう言うと宮藤は義姉さんのところに行き何か欲しいものはないか訊いたら妹の服を頼んだ。その時の義姉さんの顔は赤信号のように赤かった。すると宮藤は今度はペリーヌのところに行き
「ペリーヌさんは?」
「あ、私は別にいりませんわ」
「え、でも、せっかくだし…」
「いらないって言ってるでしょ」
そう言いペリーヌは部屋を出てしまった。唖然としている宮藤にリーネが小声で理由を話した。
「実はペリーヌさん、頂いたお給料と貯金をガリア復興財団に寄付してて…そうだ芳佳ちゃん、紅茶の他に花の種をお願いしていい?」」
「うん・・・・・えっと。エミリアさんは何か欲しいものはありますか?」
「え?そうね・・・」
そう言いエミリアは考え込むすると俺の顔を見て
「なあ、疾風・・・」
「なんだよ・・・・」
「ここ、ツインファミコンとかメガドライブとかバーチャルボーイとかないかな?」
「あるわけねえだろ!?ここ1945年だぞ!?Wiiどころかファミコンすらまだできてないんだぞ!!てか、古いよ言い方が!」
「な、なんと!?じゃ、じゃあ。もうマリ〇にはもう出会えないのか!?もう復活しないのか!?で、では疾風!!あのコンプレックスの塊の弟も出てこないのか!?」
「いやな言い方すんじゃねえよ!お前にル〇ージの何がわかるんだよ!?それ以前にこの時代じゃあマリ〇もル〇ージも生まれてないよ!」
俺がそう言うとエミリアは舌打ちをし懐からあるものを取り出す
「む~仕方がない・・・それじゃあ、このソーラー充電機付きのスマホゲームで我慢するか」
「スマホ持ってたんかい!?いや、俺も持ってるし・・・・・てか、エミリアそれ何やってるんだ?まさか流行りのwarサ・・・・」
「いや。ただの恋愛ゲームよ。ちなみにこのヒロイン。なかなか落とせん・・・」
「そ、そう言えばお前恋愛ゲーム好きだったよな・・・・そう言えばお前、ヒロインじゃなくてヒロインじゃなくてその未亡人のお母さんを口説いてたよな・・・もしかしてお前・・・・」
「い、いや!私は人妻好きではないぞ!!私が好きなのは寝取られだぁ!!」
「いや、それ思いっきり恥ずかしいこと暴露してんじゃねえかよ」
俺とエミリアがそう激論してると
「何話してるんでしょう?」
「ふぁ、ふぁみこんって何?それにバーチャルボーイって?」
「マリ〇とル〇ージて誰でしょうか?名前からしてロマーニャ人?」
と、首をかしげてそう言う501メンバー。するとエミリア一息入れては宮藤の方へ顔を向き
「はぁ・・・・仕方がないわ。じゃあ宮藤さん。インスタントコーヒーをお願いできる?」
「コーヒー、ですか?」
「軍用の代用コーヒーはまずくてね」
「わかりました。インスタントコーヒーですね。あとはハルトマンさん…」
「ん?ハルトマンの奴、まだ寝ているな」
宮藤はハルトマンを探すが、周りにその姿が無かった。義姉さんはは思い当たることがあるらしく、宮藤とともに部屋を出た。まあ恐らくハルトマンの部屋だろう・・・・
「さて・・・・俺は整備士たちのところに行くか」
そう言い俺は部屋を出て整備士たちの欲しいものを聞いて回ったりしたのだった。そしてその翌日。俺、アイ、シャーリー、ルッキーニ、宮藤を乗せた軍用トラックはロマーニャの街へと向かうのであった。その時にリーネが心配顔で送っていた。
数時間後。
「うぇ~、ぎぼぢわるい~」
トラックの座席で宮藤がうずくまっていた。シャーリーの運転は、かなり乱暴で、宮藤にはこたえたようだ
「皆なんで平気なんですか~」
「運転してるのあたしだし」
「何度も乗ってるし!」
シマパフコンビはそう言い
「もっとひどいのに乗ったことあるし」
俺がそう答える。そうシャーリーの今の運転。イギリス軍のローズヒップ中尉の運転に比べればまだましだ・・・・アイのほうはというと
「荷台の床から3㎜浮いてる・・・」
「アイちゃん!?それ反則だよ~」
ネウロイパワー恐るべし・・・・
そしてトラックはロマーニャの街中に入る
「芳佳、芳佳!ローマの街だよ!」
「え?」
ルッキーニの言葉に宮藤は窓を覗くとそこにはきれいな街並みが見えた。
「うわぁ~!!うわぁ~!!すご~い!!」
と、宮藤は興奮して言う。
「あれ?芳佳ローマ初めて?」
「うん!あれ何?」
「あれは昔の闘技場だよ」
と、ルッキーニが地元自慢をしていた。それにしてもローマか・・・・戦争が始まる前は何回か招待されていったな・・・・・そう言えば戦時中、俺の副官だった杉田が遭難した時、彼女、偶然遭難して出会った友軍であるイタリア共和国軍のパイロットを敵であるファシストイタリアと勘違いして『敵じゃねえかっ!このパスタ野郎!!』と、殴りかかったことがあったって言ってたな・・・・・あの後、杉田と一緒に謝りに行ったけ・・・・そんなことを考えているうちに目的地の雑貨屋に到着した。
「ここでいいのか?」
「うん!ここなら大抵のものが揃ってるんだ!」
「アイ。分かってると思うが…」
「大丈夫ですお父さん。街中ではネウロイの力は使いません」
「よろしい。じゃあ、行こうか」
「はい!」
そう言い俺たちは買い物を始めるため、雑貨屋さんへと入るのだった。