ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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OP「STRIKE WITCHES 2 〜笑顔の魔法〜」

ED「虹の音」



第54話「空より高く」

「あーめが降っても?」

 

「気にしない~♪」

 

「やーりが降っても?」

 

「気にしない~♪」

 

「なーにがあっても?」

 

「気にしない~♪」

 

疾風とエイラが背中合わせで歌いながら飛び、お互いの予知と予測線で敵の攻撃を回避、息の合ったロールの間に射撃。射線に敵が飛び込んでいく様とはこの事か。放たれた弾丸は正確に敵を撃ち抜いていた。そんな戦いの中二人ともシールドは使っていない。この攻撃形態は、多数の小型相手の乱戦にはとても有効だった。未来予知の固有魔法と弾道予測固有魔法の持ち主である互いが信頼し合ってないとできない芸当だ。

 

「エイラさん、疾風さん。シールド使わないと危ないですよ」

 

と、宮藤が心配そうに言うがエイラは何を言っているんだと不思議そうな顔をし、疾風は笑ってこう言う

 

「ん?何処見てんダお前?」

 

「大丈夫だよこれくらいの数は」

 

そう言い二人は急上昇し新たに表れたネウロイに向けて機銃弾をお見舞いする。しかも互いに邪魔をせず息のぴったり合ったやり方でだ。

 

「「ほ~らよっと!」」

 

そして二人はガンダムポーズをし、その直後二人の周辺にいた多数の小型ネウロイは爆散し白い破片となって粉々に砕け散ったのだった。

 

「す、すごい・・・・」

 

「さすが夫婦ね・・・・」

 

宮藤はそれを見て驚き、エミリアは感心したようにそう言う。因みにエミリアの使い魔はミサゴであり、固有魔法は超神速の移動術である「縮地」だそうだ。まあ確かに向こうの世界のエミリアを高速を活かして敵の間合いに入り込み一撃を加えて相手を確実に撃ち落とすのが得意戦法だからな。長年彼女と戦ってきた俺だからわかるがあの戦法は本当きつい。かくいう俺のあの戦法で苦しんだことがあった。

まあ、

 

「あらかた撃墜したようだが…妙だな手応えがない」

 

「敵の本体を探しているんだが…」

 

と坂本さんが魔眼で周囲を索敵。隊のメンバーが集まっている

 

「まだ健在だと少佐?」

 

「ああ・・・」

 

ペリーヌの言葉に坂本さんは頷き、

 

「いつの間にかやっつけちゃったんじゃない?」

 

「コアを倒せば子機も消えるはずだよ」

 

ルッキーニの言葉にリーネがそう言うと坂本さんは何か感じたのか振り返るとそこにははるか先の山脈の向こうに一本の黒い線が伸びていた。

 

「なんだあれは…!」

 

「雲を突き抜けてますわ」

 

「もしかしてあれが本体か!?」

 

義姉さんとペリーヌとシャーリーが驚いた。その黒い線の正体はとんでもなくデカイタワー型ネウロイだ。その姿は近未来的な宇宙エレベーターを連想させる

 

「お前達はここで待て!」

 

「少佐!?」

 

坂本さんはそう言いタワー型ネウロイに近づき上昇する。しかもおかしなことにそのネウロイは敵である坂本少佐が近づいてもビームを撃たなかった。そんなことを不思議に思いながら坂本少佐はどんどん上昇していく。

 

「なんて高さだ・・・・」

 

そう思い坂本少佐は魔眼を発動させたするとその頂上付近のところで赤い点滅・・・コアの場所が映し出された。

 

「あれがコアか」

 

坂本はネウロイのコアを確認した。すると急に坂本少佐のユニットが減速し始め煙を拭きだした。気が付けば彼女は高度1万を飛んでいたのだ

 

「限界か・・・・・これは厄介だな・・・」

 

そう言い、坂本少佐は高度を下げてみんなのところに戻る

 

「一時撤退だ。帰って作戦を練り直す」

 

「ですが、まだ敵が…」

 

「かえって作戦を立て直す。今日は遠出をしすぎた。そろそろ戻らないと、基地に辿り着けなくなるぞ」

 

そう言い、俺たちは基地にいったん帰ることにしたのだった。そして夕方、夕日で空が赤く染まりその上には星が見え始めた。そしてその中エイラは何かの枝を手にしにこっと笑っていた。すると宮藤がエイラに近づき

 

「なんですか、それ?」

 

「ナ、ナンダヨ」

 

距離をとるエイラ

 

「何かの葉っぱですか?何でそんなの持ってるんですか?」

 

質問と一緒にさらに近づく宮藤

 

「うるさいナァ!関係ないダロ!」

 

エイラはそう言い回避するが宮藤はしつこくエイラを追いかける。

 

「見せてくれたって、いいじゃないですかぁ!」

 

「二人とも元気だな・・・・」

 

「そうね微笑ましい限りね・・・・で疾風あなた知ってるんでしょあの枝のこと」

 

「まぁ~な~」

 

と、俺とエミリアは二人のやり取りを見て話していた。そして宮藤は息を切らしながらエイラにある事を聞く。

 

「エイラさんも疾風さんも、なんでそんなにすばしっこいんですか?」

 

「フフーン、すばしっこいだけじゃこうは行かないサ」

 

「エイラは未来予知の魔法が使えるんだ。俺も似たようなのが使えるが、エイラには負ける」

 

俺のは敵機の攻撃予測だけだから未来を予知するエイラには負ける。

 

「ヘヘーン、自慢じゃないが私は実戦でシールドを使ったことが一度もないンダ!」

 

と、エイラは自慢げに言うすると

 

「そう言えば疾風さんやエミリアさんもシールドをあまり使っていませんよね?」

 

と、俺やエミリアにそういう。言われてみれば確かに俺はあまりシールドを使うことは少ない。

 

「ま、俺たちは戦闘機を動かす感じでやってるからな・・・・シールドを使えないってわけではないけど・・・」

 

「けど?」

 

俺の言葉に宮藤が首をかしげるとエミリアが答えた

 

「シールドを使うと少しだけ動きが鈍って隙ができるからできるだけ使わないようにしているのよ。」

 

「へ~そうなんですか・・・」

 

「まあ、あんなものに頼ってる奴は、私に言わせりゃ二流ダナ」

 

エイラはいたずらっぽい笑みでそういう。

 

「そんな~!私はシールドだけが取り柄なのに…!」

 

「安心しなさい宮藤さん。戦い方は人それぞれだから。メイン盾でも十分すごいじゃない」

 

「それフォローになってませんよエミリアさん」

 

と、宮藤が苦笑して言うと

 

『そんな言い方してはダメよ、エイラ』

 

と、エイラのインカムからエイラのお姫様の声が聞こえ

 

「おかえりなさい、みんな」

 

「サーニャ!」

 

「サーニャちゃん!」

 

一度すれ違い、反転。サーニャが編隊に合流する。そしてエイラはサーニャと一緒に話をしていた。すると

 

「あの二人仲がいいわね疾風・・・・・」

 

「ああ、本当だな」

 

俺と恋人関係になっても、エイラのサーニャへの溺愛は相変わらずだ。あの溺愛っぷりは……そうだな、アイの対応と似た感じだが少し違う感じかな。俺はサーニャに嫉妬等はしていない。まあ、ちょっとうらやましいなと思うことはあるが 見ていて面白いというか、理想の信頼関係の一つだと思うし、エイラを独占しようという気はない。そもそも、あの二人の関係は、そう易々と壊れるものじゃないだろうしな

 

「あの二人を信用しているんだな疾風」

 

「まあな」

俺がエミリアにそう言うと宮藤が

 

「そっか、これから夜間哨戒なんだ」

 

「うん」

 

「今日と明日の連続だっけか?すまないな、俺も出らればよかったんだが」

 

「良いんです。慣れてますから」

 

俺の言葉にサーニャはにこっと笑う。すると

 

「待て、サーニャ。今夜はいい。一緒に基地に戻れ」

 

「え?…はい」

 

と、坂本少佐がサーニャにそう言いそして

 

「疾風。ちょっと」

 

少佐が手招きする

 

「お前とアイの力を借りたい。後で部屋に来てくれ」

 

「…了解」

 

恐らくあのタワー型の件だろう・・・・・そう思い俺たちは夕暮れの中、基地に帰還するのだった。そしてその後、俺たちはブリーフィングルームに呼ばれた。そして全員が集まると部屋の明かりが消され、スクリーンに画像が映し出される

 

「空軍の偵察機が撮ってきた写真だ」

 

「ノイズしか写っていないようだが…?」

 

「これが今回現れたネウロイの本体だ。全体を写そうと思ったらこうなった。全長は3万を超えると推測される」

 

「3万!?高さ30kmってことか!?」

 

少佐の言葉に義姉さんは驚く高度3万・・・・それは成層圏に近く、宇宙への入り口であり無の世界だ。そして宮藤は

 

「え~と、それって富士山の…」

 

「大体、約7.944915254237288倍だ」

 

「疾風さん!?わかるんですか!?」

 

「まあな」

 

と俺がそう言い宮藤は目を丸くしてそういう。自慢じゃないが俺はガキの頃、士官学校入隊筆記試験の時、東大クラスの難問をすらすら解いたことがある。その知はわずかながら健在だ。すると少佐が一つ咳払いをしてから話を続けた

 

「話を続けるぞ。こいつが、毎時10kmという低速でローマ方面に向かっている。それよりやっかいなのは、こいつのコアの位置だ」

 

ここ、と指示棒で写真の一箇所――タワー型ネウロイの先端を指した。つまり・・・・

 

「てっぺん?」

 

「ああ、私がこの目で確認した」

 

「ですが、私たちのストライカーユニットの限界高度は精々1万メートルですわ…」

 

と、ペリーヌが言う。俺やエミリアの紫電改やfw190Exでも出せて1万5千が限界だ。それ以上の高度行けるのは俺の世界でも震電や桜花改そしてエミリアのナチス空軍爆撃機のヨルムンガンドの2万が限界だ。

 

「ジェットなら話は別だが……ん?」

 

ジェット、に何か引っかかるところがあったのか、義姉さんがアイに振り返る。因みにアイは俺の膝の上に座っている

 

「アイ。お前なら3万まで上がれるんじゃないか?」

「そうか!アイのジェット型ネウロイユニットなら楽々…」

 

義姉さんの言葉にシャーリーが頷いて言う確かにアイのネウロイユニットは俺たちの世界のイギリス軍のグロスター ミーティアに似ている。アイの高速があれば確かに可能だが一つ問題があった

 

「それはだめだ。忘れたのか?アイはあくまで保護対象だ。前線に出すわけには行かない。それにだ。穏健派であるアイが過激派の前に出たら確実に連中は邪魔ものである穏健派のアイを必ず抹殺するぞ。そういう危ない橋は渡せたくない」

 

「あ…そうか」

 

と、シャーリーたちは「失念していた」っという顔をするのだった。

 

「じゃあ、どうするの?」

 

「こういう時の為に第二作戦がある。これだ」

 

そう言い画面が切り替わり何かの設計図が移る。

 

「タワー型を撃破する第二作戦の具体的な方法なのだが…こいつを使う。ロケットブースターだ」

 

「これがあれば、コアのあるところまで飛べるんですか」

 

「いや、そんな単純な話ではないはずだ」

 

義姉さんの言葉にミーナさんは頷く

 

「ええ、ブースターは強力だけど、一度に大量の魔法力を消費するから、短時間しか飛べないわ」

 

「だったら、あたしたち皆で誰かを3万まで運べばいい」

 

「そう言うことだ」

 

と、シャーリーの言葉に坂本少佐が頷くするとエミリアが

 

「しかし高度3万か・・・・・極寒の世界な上、空気がないしな・・・・・」

 

「え!?空気無いの!?」

 

「じゃあ喋っても聞こえないね」

 

「おお、かもな!」

 

「え!?聞こえないの!?」

 

エミリアの言葉にルッキーニは驚き、ハルトマンやシャーリーの言葉を聞いてさらに驚くのであった。そしてその後、誰をそのコア攻撃隊に行かせるかっという話になり、話し合った結果。広範囲の攻撃ができるウィッチとしてサーニャが選ばれることになった。そしてその護衛にだれが行くかっという話になると

 

「ハイハイハイ!だったら私も行く!」

 

光の速さでスタンダップしたエイラが身を乗り出して言う

 

「うむ…時にエイラ、お前、シールドを張ったことはあるか?」

 

「シールド?自慢じゃないが私は実戦でシールドを使ったことが一度もないんだ」

 

と、どや顔で言うエイラだが・・・・・

 

「なら無理だ」

 

「うん、ムリダナ・・・・え”っ!?」

 

坂本少佐の言葉でエイラは驚きの声をあげて固まる

 

「そうね、こればっかりは…」

 

「ナ、ナンデ…」

 

「さっきも言ったろエイラ?ブースターは一気に魔力を消費する。飛行と攻撃に魔力を取られて、防御に回す分がないんだ。おまけに成層圏という極限環境における生命維持も必要…そこで、サーニャを守る盾となるものが必要なんだよ」

 

俺はそう言うがエイラは

 

「わ。私は別にシールドを張れないわけじゃないゾ!」

 

「でも実戦では?」

 

「使ったことがない!」

「どや顔で言うな・・・」

 

俺と坂本少佐そしてミーナさんが頭を抱える。まあ、そのどや顔のエイラも可愛いからいいが・・・・

 

「しかない・・・・宮藤、お前がやれ」

 

「は、はい!………へ?」

 

「もっとも強力なシールドが張れる、お前なら適任だ」

 

「は…はい………ん?」

 

坂本少佐の言葉に宮藤は返事をするがふっと後ろで何かの気配をし宮藤は後ろを振り返ると

 

「ガルルルルゥー!!!!」

 

「え?え~!?」

 

餌を横取りされ怒った野良犬状態のエイラが居たのだった・・・・・

 

 

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