ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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OP「STRIKE WITCHES 2 〜笑顔の魔法〜」

ED「虹の音」


第57話「小さき侵入者(前編)」

まだ日も昇らない頃、みんなは自分の部屋でぐっすりッと眠っていた。その中で

 

「う~ん・・・・良く寝たな・・・」

 

と、疾風はベットから体を起こした。そして疾風はあたりをきょろきょろと見渡す。今回疾風のベットにはエイラはいなかった。

 

「えっと…エイラは…サーニャが夜間哨戒だったから、あっちの部屋だな。・・・・さて外に出て素振りでもしようかな」

 

そう言い疾風は服を着替えコートオブミッドナイトを着る。そして疾風は自分のベットで寝ているアイを見ると、アイはにうつ伏せになってすやすやと寝ていた。疾風はアイの頭を優しく撫でた後薩摩太刀を手に外に出るのであった。

 

 

しばらく歩いているていつも素振りをしている場所につくと先客がいた

 

「あれ?エミリア」

 

「ああ、疾風おはよう。剣の素振りか?」

 

「まあな。それよりもエミリアその構えは・・・・」

 

そうエミリアであった。腰には日本刀を差し、そして何かの構えを取っていた。CQCの格好ではなかった。あれは・・・・すると

 

「おや?疾風にエミリアではないか」

 

と、後ろからいつからいたのか坂本さんが現れた

 

「ん?だれだ?今『野生のもっさんが現れた』なんて考えた奴は?」

 

「「思ってない。思ってない」」

 

何処のゲームモンスターだよ。と二人は内心突っ込みを入れた

 

「二人とも、朝稽古か?」

 

「ええ、ということは坂本さんもですか?」

 

「ああ、ところでエミリア。なんだその構えは空手か?いや・・・空手にそんな構えはないな」

 

と、坂本さんもエミリアがしていたか前に疑問を持ちそう訊くと

 

「ああ、これは中華拳法の構えですよ」

 

「やっぱりか・・・・・・」

 

「中華拳法?なんだそれは?」

 

俺がやはりという顔をして坂本さんは首をかしげる

 

「中国の武術ですよ。私は幼い頃剣道の他にカンフーとかも習っていましたから」

 

と、エミリアは答えた。すると坂本さんは

 

「すまないが中国ってどこいらへんの国なんだ?」

 

「え?中国は日本・・・扶桑の隣にある大陸にある国家なんですが・・・・」

 

「ん?あそこは大昔から不毛の地で国なんてないぞ?」

 

「「え?」」

 

俺とエミリアは坂本さんの言葉に絶句してしまった。

その後聞いた話では大昔には確かに国家らしきものがあったらしいが突如謎の怪異によって滅ぼされたという。それを聞いたエミリアは『もう、三国志の本も読めないし、ラーメンや炒飯。餃子は食べれないのか!?』っとショックを受けていた。まあ、俺もラーメンが食えないことは非常に残念だが、因みにエミリアが中華拳法を使える理由は幼い時ジャッキーチェンの映画を見たことが原因らしい。まあ確かにあの映画は俺も好きだ。まあ、そんなこんなで俺たちはその後、坂本さんと一緒に県の素振りの練習をした後、起床ラッパが吹き始め基地に戻るのであった。

 

 

談話室

 

「みなさん、おはようございます」

 

どこか中学校のホームルームを思わせる感じで朝のミーティングが始まった。というよりミーナさんって本当に学校の教師とか向いてそうだな・・・・

 

「今日の通達です。先日来の施設班の頑張りにより、お風呂が完成しました。本日正午より、利用可能になります」

 

「わーい!やったー!」

 

「お風呂!オフロ!」

 

と、宮藤やルッキーニがはしゃぐ

 

「アドリア海を一望できる、野外に作ってもらったのよ」

 

「ほ~露天風呂か」

 

ミーナさんの言葉に坂本さんは嬉しそうな声でそういう露天風呂か・・・・夕方とかに入って夕日に輝くアドリア海を眺める・・・・いいな・・・

 

「うん。サーニャやアイが喜びそうだな」

 

と、エイラも嬉しそうに言う。

 

「では、各自今日は自由行動です。お風呂の件、他の人にも教えてあげてね」

 

「良かったね、芳佳ちゃん」

 

「うん!リーネちゃんも入ろうね。ペリーヌさんも」

 

「え?ま、まぁ、汗をかいた後にスッキリするのはいいことですわ」

 

「お風呂!お風呂!あたしがいちばーん!」

 

「待て、ルッキーニ」

 

はしゃぎながら入浴場へと走るルッキーニを坂本少佐が止める

 

「聞いていなかったのか?風呂が使えるのは正午からだ」

 

「えぇ~?まだダメなの~?」

 

と、ルッキーニががっかりした声でそういう

 

「ああ風呂に入るまで時間がある。そこで、風呂に楽しく入る方法があるんだが、」

 

「え?何なんですか坂本さん?」

 

と宮藤たちが機体の込めた目で坂本さんにそう訊くと彼女は少しニヤっと笑い

 

「訓練で汗をかけ!全員、基地の周りをランニングだ!たっぷり汗を流した後の入浴はかけ別だぞ!!」

 

と、体育の熱血先生みたいなことを言う坂本さん。そう言えば俺も訓練飛行生のころ、逸見先生に同じこと言われたな・・・・・まあ、その入浴後はハンバーグパーティーで結構みんなで盛り上がったけど。ハンバーグ嫌いな奴なんていないだろ?

 

「え~…」

 

「でも、坂本さん。訓練だったらいつでも…」

 

と、ルッキーニは不満そうな声をあげ宮藤が坂本さんに訊くと 

 

「いいからつべこべ言わずに、走れっ!」

 

『は、はい~!』

 

と、言われてリーネ、ペリーヌ、ルッキーニ、宮藤は談話室を走って出るのであった。因みにエイラは話の途中どこか消えた。恐らく未来予知でこうなることを予想していたんだろう。

 

「まったく、何で風呂如きであんなにはしゃげるんだ」

 

「いいじゃないですか。それで英気が養えるなら。それに言うじゃないですか風呂は心の洗濯の場って」

 

「あら、居たの疾風さん?」

 

さらっと酷いこと言うな~ミーナさん・・・・

 

「さっきからいましたよ。」

 

「あらごめんなさい。それよりも疾風さんの言う通りよ美緒。」

 

そう言いミーナさんは肩をたたき、疲れた顔を見せる

 

「だいぶお疲れのようですが?」

 

「ええ、最近はネウロイと戦うよりも、上層部と喧嘩してることの方が多い気がするわ」

 

「ご心中お察しします」

 

「そういえば出撃する機会も減っているな。ネウロイの撃墜数も確か…」

 

「長い間、199機のままね。後、一機墜とせば勲章らしいけどね。でも、そんなのはいらないから、書類を減らしてほしいわ・・・・・そう言えば疾風さんのネウロイ撃墜数って確か500機越えをしていたわね」

 

「そう言えばそうですね・・・・・今まで気づかなかったですけど」

 

そう今の俺の撃墜数は500機以上となっていてハルトマンの300機を超えていた。500という桁外れな数ができたのはロマーニャでのトライヤヌス作戦の殿戦で100機以上のネウロイを倒したことが一番の原因である。因みにエミリアのこの世界での撃墜数では299機である。

 

「トライヤヌスでのことは竹井から聞いたが、たった一人で100機以上のネウロイを倒すなんて鬼や死神もびっくりだな。」

 

「私もたまに疾風さんが敵じゃないことに感謝するときがあるわね・・・」

 

と、坂本さんは肩をすくめてそう言いミーナさんは肩をたたきながらそういう。

 

「俺のことはいいですよ。それよりもミーナさんもお風呂に入ったらどうですか?」

 

「おお!それはいいな疾風。風呂に浸かって温まれば、疲れもとれるぞ。どうだミーナ?」

 

俺がそう言うと坂本さんは感心したような顔をしミーナさんにそういう。実際にお風呂は疲れを癒す効果があるからな。絶対ミーナさんにもいいはずだ。

 

「ありがと二人とも。でも今はまだ書類の整理が残っているから考えておくわ」

 

苦笑してそう言うミーナさん。書類整理か・・・俺も大尉になったころはうちの部下の始末書とか書類整理とかあったな特に上層部の連中にか顔を出すとき『こいつも大変だな~』ッと憐みの目で見られたこともあった。あの時はさすがにイラっとしたな・・・・・

 

「あまり無理はするなよ」

 

「ミーナさん。俺、手がすいてますので手伝いますよ二人でやれば早く終わりますし」

 

「ありがと疾風さん。じゃあ、お願いしようかしら?」

 

と、その後、俺はミーナさんの書類整理を手伝うため隊長室へと向かうのであった。

 

 

 

 

一方ルッキーニたちは海岸沿いをランニングしていた。

 

「え?虫?どんな?」

 

「えっとね~このくらいですごいキラキラしてるの!あとで芳佳にも見せてあげるね!」

 

「へえ~楽しみ~」

 

そう実はルッキーニは今朝木登りをして虫の最終をしていた時テントウムシサイズの黒い虫を見つけ瓶の中にいれて基地に持って帰っていたのだ。だがその虫が今回の騒動の原因になるとも知らずに・・・・・・

 

 

 

 

 

疾風の部屋

 

「・・・・・ん」

 

アイが目を覚ました。

 

「あれ…お父さんがいない…寝過ごしちゃったのかな?」

 

と、アイは目をこすりながら、体を起こす、すると・・・・

 

「(ん?・・・・何か感じる・・・・・)」

 

と、アイは何かの気配を感じた。501の皆でも整備士たちの気配ではない何か・・・・それ以前に人間とは違うものを感じた。

 

「(・・・・もしかして・・・いや、気のせいかな?それよりもお母さんやお父さんのところに行かないと・・・)」

 

そう思いアイは部屋から出てエイラと疾風を探しに行くのだった。

 

 

 

一方、その頃エミリアはしばらく基地内を散歩していたら、偶然にバルクホルンと出会い、今ハルトマンを起こす手伝いをしていた。そして彼女が最初に目にしたものは

 

「ゴミ屋敷?」

 

「くっ、何者もジークフリート線を超えることは許されない!!」

 

と半分ゴミまみれの部屋を見てエミリアは唖然とし、バルクホルンは互いの部屋の境界線である柵にハルトマンの黒軍服がかけられたのを見てそれを取りハルトマンへと投げる

 

「ジークフリート線ね・・・・・・私はベルリンの壁の方がしっくりくるけど?」

 

「ベルリンの壁?エミリアなんだそれは?ベルリンに壁などないぞ?」

 

とエミリアの言葉に首をかしげるバルクホルン。

 

「あ、そうか・・・・この世界にはないのか・・・まあ、それはいいわ。それよりもハルトマン起きなさいもう昼よ」

 

「う~ん・・・・後40分…」 

 

「またか!何が40分だぁ!!エミリア!こいつを叩き起こすの手伝え!世界や国名は違えど同じカールスラント人として頼む!!」

 

「わかった!それにハルトマンの部屋も何とかしないとね」

 

と、二人はハルトマンを起こすのに奮闘するであった。

 

 

 

「お母さんたち・・・・・どこだろう?」

 

一方アイは疾風たちを探すため廊下を歩いていた。すると

 

「ん?アイ」

 

坂本さんが話しかけた坂本さんのほかにも何人かが集まっている

 

「あっ!お母さん」

 

「ああ、アイか今起きたのか?風呂が使えるようになるのを待ってるんダ」

 

「お風呂ですか?」

 

「うん。あったかくて気持ちいいんだよ」

 

「アイちゃんも一緒に入ろ」

 

「それがいい。風呂はいいぞ…っと、時間だ。入って良し」

 

坂本さんがが手元の懐中時計をしまいながら言った。そしてルッキーニを先頭に浴場へと入る

 

「さっ!アイ行くぞ。髪の毛洗ってあげるから」

 

「うん♪」

 

そう言いアイはエイラの手を握り風呂場へと入った。基本ネウロイは水とかだめなのだがアイの場合、人の姿になっているため水をかぶっても平気なのだ。みんなが浴場へと向かう中ペリーヌはなぜか坂本さんの方を見ていた。

 

「ん?どうしたペリーヌはいらないのか?」

 

坂本さんが首をかしげて言うとペリーヌは

 

「あ、あの…少佐は入らないのですか?」

 

「ん?ああ、私は朝練の後に行水をしたからな。今日はもういい」

 

「え?そ、そうですか…」

 

とがっかりしたような顔で風呂場へと入っていくのだった。一方、風呂場の中では

 

「いっちば~ん!」

 

「にーばんっ!」

 

宮藤とルッキーニの二人が水しぶきを上げながら浴槽に飛び込む そしてそれにつられみんなも風呂に入る。するとリーネは体の前をタオルで隠し湯舟に入りアイもゆっくりと初めてのお風呂を楽しむ。

 

「どうだアイ?初めてのお風呂は?気持ちいいか?

 

「はいとても気持ちいいです」

 

「そっか。それはよかった」

 

と、エイラの言葉にアイは嬉しそうに言いエイラもその姿を見て微笑むそれを見た宮藤たちは

 

「なんかエイラさん。ほんとのお母さんみたいだね」

 

「そうだね。子供ができると自然にああなるのかな?シャーリーさんやルッキーニさんもそうですし・・・・」

 

とひそひそ声で話す中、

 

「うりゃ!」

 

「きゅあっ!!ちょ、・・・・・・て、エミリアさん!?いきなり何するんですか?というよりいつの間にいたんですか!?」

 

誰かがリーネの胸をつかむリーネは後ろを振り返るとそこにはハルトマンの部屋にいるはずのエミリアがいた。

 

「ん?今さっき、バルクホルンにさ『あとは私だけで大丈夫からエミリアは湯に入ってくれ』って言われてね~それにしてもリーネ。あなた本当に15歳?」

 

「キャー!///やめてエミリアさん!!」

 

リーネが悲鳴を上げる中エミリアは幸せそうな顔をして胸をもむ。宮藤はその光景をうらやましそうに見ていると

 

「芳佳はどれどれ…えいっ!」

 

「うひゃぁ!うう~…///」

 

ルッキーニが背後から胸をもまれた宮藤が恥ずかしそうな顔をする

 

「あ~、やっぱり残念賞…」

 

「残念………残念って何!?」

 

「残念無念…」

 

と、そんな話をしている中エイラも・・・

 

「ア、アイ!?何してんだよー///!?」

 

「ほうほう…」

 

とアイがエイラの胸をもんでいた。

 

「何がほうほうだ…‥て、あれ?なんかデジャブ。そ、それよりアイなんだよその手慣れた感じの揉み方は!?誰に教わったんだ!?」

 

「?502のクルピンスキーお姉ちゃんに?」

 

「クルピンスキー!!アイに変な事教えんなぁー!!!」

 

と、大声で叫ぶエイラ。そして浴場はパニック状態になった。だがこのパニック騒動はまだ序章に過ぎずこの先さらに大パニックになる騒動が始まるのであった。

 

 


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