ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
ED「虹の音」
今回は疾風の出番ほとんどありません
あれから翌日、俺たちはブリーフィングルームに集まり会議をしていた。
「連合軍司令部によると明日にはロマーニャ地域の戦力強化のため戦艦大和を旗艦とした扶桑艦隊が到着する予定です」
「いよいよ到着するのか」
ミーニャさんの言葉に坂本さんが頷いて言うと
「え?大和?」
と、宮藤が驚いて言う。無論、俺やエミリアも内心驚いていた。
「芳佳ちゃん。知ってるの?」
「うん。扶桑の港で見たことあるんだ。すっごく大きんだよ」
「へ~おっきいってどのくらい?宮藤?」
「え?え・・・と・・・」
と、ハルトマンがそう訊き宮藤は考えると
「戦艦大和。大和型戦艦1番艦で全長はおよそ263メートル、排水量64000t。出力は153553馬力、最大速力は27・46ノット。主砲は45口径46センチ三連装砲が9門。原子力空母が登場するまで世界最大の軍艦で戦艦の完成形ともいわれた、まさに戦艦の種類では最強クラスよ。因みに艦名は日本の奈良県の旧国名である大和国が由来とされているわ」
と、俺の隣にいたエミリアがすらすらと説明した。お宅本当にドイツ人ですか?
「え、エミリアさん詳しいですね・・・・・」
「ええ、こう見えて私、ミリラーだから(ミリタリー好きの略称)。初代大和のスペックなら大体知っているわよ。実家にも大和の模型飾っているし、大和のBⅮとかも持ってるしね」
「そ、そうなんですか・・・・まるでみっちゃんみたい。BⅮはなんだかわかりませんけど」
と、宮藤は驚いた風に言う。因みにエミリアが言った初代大和とはご存知の通り第二次世界大戦の大和のことである。第三次大戦でも大和は建造されたいわゆる二代目大和だ。初代との違いは外見はあまり変わらないがやはり船体は大きくなっており主砲も51センチ三連装砲となっていし、対空機銃も25㎜の他にアメリカの40ミリ機関砲を搭載しているのが特徴だ。後、これは余談なのだがイタリア戦艦のローマの主砲の射程は大和より長い。
「エミリア。さっき、大和のBⅮ持ってるって言ってたよな?それじゃあ、あれも見たか?」
「え?ああ『男たちの大和』でしょ?あれは面白かったわ。特に臼淵大尉の名台詞なんか・・・・」
「あれか・・・・確かにあれはかっこよかったけど。あれって小説に書かれた空想台詞で本人はそんなこと言ってないぞ?」
「え!?ほんと!?」
「ああ、ほんと」
と、そんな話をしていると電話が鳴る。そしてそれをミーナさんが受話器を取り耳に当てる
「はい・・・・・・え!?大和が事故!?」
「なんだって!?」
「事故・・・・」
ミーナの声にみんながが驚く。そしてミーナさんは受話器を置くと
「救助要請です。先ほど大和の医務室で爆発があって多くの負傷者が出たらしいわ。大至急、医師を派遣してほしいそうよ」
「よし。すぐに二式大艇で・・・・」
と、坂本さんがそう言おうとした瞬間、宮藤が立ち上がり
「私に行かせてください!戦闘は無理でも飛ぶことと治療ぐらいはできます!!」
「私も行きます!包帯くらいなら巻けます!!」
と、リーネも立ち上がってそう言うするとみんなは「やはりな・・・」っというような笑みを漏らす
「そのほうが飛行艇よりも早く着くな・・・・」
と、坂本さんも頷く
「わかったわ。宮藤さん。リーネさん。大至急、大和へ向かってください」
「「了解!!」」
ミーナさんの言葉に二人は返事をし出て行った。それを見ていた異世界の二人組は
「・・・・・エミリア」
「わかっているわよ。今回は私たちの出る幕はないみたいだね」
と、小声でつぶやいていたのであった。
ユニットを履き扶桑艦隊へと向かった宮藤たちは・・・・・
「うわっ!?」
順調に飛んでいた二人だが宮藤のユニットがまたぐらっっと揺れ始める
「大丈夫芳佳ちゃん?」
「う、うん・・・」
宮藤はそう言うが彼女のユニットから火が出ていて今にも止まりそうだった。
「(どうしよう・・・・上手く飛ばないだんだんひどくなってきてる)」
不安な顔をする宮藤。すると扶桑艦隊が見えていた。そしてその艦隊のど真ん中に巨大な軍艦があった。そうあれが扶桑海軍の象徴であり世界最大の戦艦大和であった。
「大和だ!」
「大きい・・・・」
と、二人は大和の大きさに驚きつつも大和の格納庫に降下してユニットを置き、医務室へと向かう。そして二人は医務室へたどり着き扉を開ける。すると衛生兵の一人が気づく。
「あっ!?宮藤さんとリーネさんですか!?」
「はい!」
と、宮藤たちは衛生兵のところに行く。すると彼の目の前には重傷を負った患者がいた。
「一番の重篤間者です。ここの設備ではこれ以上手の施しようがないと・・・・・」
「酷い怪我・・・・」
「わかりました!」
そう言うと宮藤は患者の体に向けて手をかざし治癒魔法をかける。すると負傷していた患者の流血が止まった。
「出血が止まった!?」
「よし・・・リーネちゃんは包帯を!」
「はい」
と、その後、宮藤は数十人の患者に治癒魔法をかけた。それを見た衛生兵は驚いていた
「芳佳ちゃん大丈夫?もう十人以上治療しているけど?」
「うん。大丈夫。まだまだできるよ」
と、そう言い、患者を手当てする
「はいこれでよしっと!次の人は?」
「いません。これで最後の負傷者です」
「最後・・・・」
「はい。お二人のおかげで全員無事に済みました。本当にありがとうございます!」
と、衛生兵は軍帽を取り頭を下げる。それを聞いた宮藤たちは安心した顔をするのであった。一方、大和の艦橋では・・・・
「そうか・・・・みな無事に済んだか・・・」
「あれほどの規模で・・・・奇跡です」
と、大和の艦長であり前回空母赤城の艦長でもあった杉田と副官らしき士官が話していた
「今度のお礼は何にしましょうか?」
「あはは。確か前回は陸軍の扶桑人形だったな」
と、そんな話をしていた瞬間。艦内に非常ベルが鳴る。
「なんだ!?」
「電探室より報告!方位340!距離6万に大型ネウロイの反応あり!」
「馬鹿な!?ここは安全圏なはずだぞ!?」
「艦長!」
「うむ。全艦戦闘準備急げ!!」
と、艦長の指示で各艦対空戦闘準備に掛かるのであった。無論その警報は宮藤たちのいる医務室にも伝わった。
「ネウロイ!?」
「行こう!リーネちゃん!」
そう言い二人はストライカーのある格納庫へと向かう。一方501基地でもそのネウロイをレーダーでとらえていた。
「ネウロイ出現!」
「場所は?」
「グリットⅮ15。進路方向165」
坂本の問いにレーダを見ていたハルトマンがそう言う。それを聞いたミーナが
「待ってその海域って」
「っ!?・・・・大和!?」
「そんな!?ネウロイのある海域から500キロ離れているわ」
「ああ、今までそんな遠くに現れた例はない」
「でもレーダーに映っているよ?」
と、ハルトマンが言うとそばにいた疾風はそばにいたアイに訊く
「アイ。わかるか?」
「はいお父さん。恐らく過激派は大和の存在に気付いて、これを叩くため試作段階であった長距離型を派遣したんだと思います!」
「長距離型だと!?・・・・・くそ・・」
そう言い坂本さんと俺はスクランブル発進し大和のもとへ向かうのであった
一方、大和では空母「千歳」「千代田」から零式艦戦21型が飛び立ち大和へ向かうネウロイに攻撃するのであったが、大型ネウロイのビーム攻撃で瞬く間に撃墜されていく
「全艦。対空戦闘準備。主砲発射用意!」
「主砲発射用意!!」
杉田艦長の命令で大和の主砲が回りだす
「目標!右70度300!」
そう言い大和は旋回しつつ主砲を大型ネウロイに向ける。
「ネウロイめ・・・・大和の46センチ砲の威力を見せてやる」
「発射準備良し!!」
「主砲撃ち方始めー!!」
杉田艦長の号令で大和の46センチ砲が火を噴いた。そして大和の九一式徹甲弾は大型ネウロイに命中し爆発した。それを双眼鏡で見た杉田艦長は
「見たか。これが大和の力だ・・・・」
と、そう言った瞬間。ネウロイがさっきのお返しだとばかりに強力なビームを放ち大和のすぐ近くに着弾し大和は大きく揺れた。そして大和も反撃に撃ち返し大型ネウロイに命中。だがしかしネウロイは久津ついてもすぐに再生し巨応力なビームを放ち巡洋艦に命中する
「高雄!被弾!!」
「くそ!再生が速すぎる!!」
と、艦長は焦ってそう言うのであった。一方、宮藤たちは格納庫へと着きユニットを履いてエンジンを始動させる。しかし・・・
「あれ?」
宮藤のユニットが動かない、宮藤が思いっきり魔法を込めてもうんともすんとも動かなかった
「なんで・・・・なんで動かないの?」
「芳佳ちゃん?」
「ちょっと待ってね!?」
そう言い彼女はさらに魔法力を注ぐがユニットは動かないままだった。
「(お願い・・・・動いて)」
宮藤はそう願うが週に大きな揺れと爆音がし
『重巡洋艦高雄。大破!』
と、艦内アナウンスがなるそれを聞いたリーネは
「芳佳ちゃん・・・・・私先に行くね」
と、そう言い彼女は先に発艦するのだった
「リーネちゃん!?待って!待っててば!!リーネちゃぁーん!!」
宮藤がそう言う中リーネは振り替えもせず発艦するのであった。一方、外ではネウロイの攻撃を撃受けた高雄が黒煙を噴いていた。それを見た杉田艦長は
「いかん!高雄の行き足が止まる!!」
「このままじゃ的にされます!!」
そう言った瞬間、ネウロイのビームが高雄に向かって行った。すると間一髪のところでリーネがシールドで高雄を守った。するとリーネは無線で
『みなさん!聞こえますか!?私が攻撃を防いでいる間に避難してください!!そんなに時間はかかりません!早くお願いします!!』
そう言い、それを大和の甲板で聞いた宮藤は
「リーネちゃん・・・・・何を言ってるの?」
驚いた顔をしていた。すると大和は旋回し始め海域を離脱しようとした。それを感じた宮藤は格納庫に戻り、ユニットを再度履いた。
「お願い動いて!お願い・・・私を飛ばして!!」
と宮藤がそう叫ぶ中、殿に出たリーネは大型ネウロイの攻撃をシールドで防ぎつつ対戦車ライフルで攻撃するが弾かれた
「嘘・・・効かない!?」
リーネが驚く中、宮藤は座り込み泣いていた。こんな時に友達を・・・・仲間を救うことができないことに泣いていたのだ。
「どうして・・・・どうして飛ばせてくれないの?」
すると宮藤の頭に幼い頃、父親と約束したある言葉が浮かんできた
『芳佳。お前には母さんやおばあちゃんに負けない大きな力がある。その力でみんなを守るような立派な人になりなさい』
「・・・・・ごめんなさいお父さん。私約束守れない。もう飛べないの!もう誰も守れないの・・・・リーネちゃん・・・」
と、涙を流しながらそう言う宮藤すると・・・・
「・・・・・・泣いてるの?」
「え?」
急に後ろから声が聞こえ宮藤が振り返るとそこには海軍の第2種軍装の服を着た短い茶髪の女性が立っていた
「あ・・・あの・・・あなたは?」
「私のことはいいわ。それよりもあなたはなんで泣いているの?」
と、優しい声で宮藤にそう訊く。
「わたし・・・・わたし・・・」
「・・・・諦めるの?」
「え?」
「あなたはここでただ泣いて諦めるの?」
「だって・・・・わたし・・・飛べなくなっちゃたから・・・」
「・・・・・・・あなたはなんでそこまでして空を飛ぼうとしたいの?」
と、その女仕官がそう訊くと宮藤はその人の目を見て
「誰かを守るためです」
「守る?」
「うん・・・・わたし・・・・小さい頃お父さんと約束したんです。『傷ついた人、病気な人、沢山な人のために私の力を役立てる』ってそう約束したんです!!」
と、そう言うと、その女性士官はふふっっと笑い
「そう・・・それなら行きなさい。あなたを待つ人たちがいるあの空に・・・・」
「え?でも私飛べなくなってしまったんですよ?」
と、宮藤がそう言った瞬間。横から
『芳佳。大丈夫だお前は飛べなくなったわけじゃない』
「え?」
と、急に父の声が聞こえ宮藤がその声のするシャッターの方を向く。するとまた父の声が響いた
『これがお前の新しい翼だ』
すると宮藤の目の前にあるシャッターが開きそこには深緑のストライカーがあった。
「これは・・・・ストライカーユニット?」
と、驚いていると先ほどの女性士官が
「さあ、早くいきなさい」
「はい。ありがとうございます」
と言われ宮藤は頷きユニットに近づく
「あ、あの・・・・あれ?」
宮藤は先ほど女性士官がいた所を見るがそこには誰もいなかった。まるで初めから誰もいなかったかのように・・・・・
「・・・・今行くよ・・・・リーネちゃん!」
そう言い宮藤はそのユニットを履くのであった。