ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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OP「STRIKE WITCHES 2 〜笑顔の魔法〜」

ED「虹の音」


第68話「ジブリールからのヒント」

「なぜお前がここにいるんだ・・・・ジブリール」

 

俺はジブリールを警戒した目でそう言う。なぜここに彼女がいるんだ。俺は背中に差している刀をいつでも抜ける体制を取っていた。すると

 

「疾風さん、エイラさん。彼女を知っているのですか?」

 

とミーナさんが言うと

 

「ええ、ペテルブルグで知り合いましたよ。そうだよなジブリール」

 

と、俺がそう言うとジブリールはにこっと笑い。そして一歩前に出て

 

「初めまして人類軍精鋭部隊の一つの501統合戦闘航空団の隊長、ミーナ・ディ―トリンデ・ヴィルケ中佐。私はネウロイ軍過激派の将軍職を務めていますジブリールと申します。因みに階級は中将ですので以後お見知りおきを」

 

『っ!?』

 

その言葉を聞き全員が驚き拳銃やら刀などの武器をジブリールに向けた

 

「ネウロイが何しに来た!まさかこの基地を破壊するために来たのか!!」

 

と、義姉さんが怒鳴るとジブリールはまるで敵意がないように笑い

 

「安心してください。別にそんな目的で来たんじゃありません。先ほどもおっしゃったようにただ単に飴を売りに来ただけですわ」

 

「飴?あの・・・・なんで飴を売りに来たのですか?」

 

と、宮藤がそう訊くと

 

「ここではなんですから中に入って話しませんか?話すと長くなるかもしれませんので。もし、私のことを信用できないのであればコアを撃ち抜いて殺してもかまいません」

 

「・・・・・・わかったわ」

 

彼女に敵意がないことがわかったミーナさんはジブリールを談話室へ連れて行く

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・謹慎命令?」

 

「はい。そうです」

 

談話室に入った後ジブリールは椅子に座り紅茶を飲みながら自分がなぜ飴売りなどをしている理由を話した。因みにジブリールの後ろでは義姉さんやハルトマンがいつでも拳銃や短機関銃で撃てる格好をしていた。

 

「実は私、前に502が攻略していた東部侵略部隊グリゴーリの動きを少しの間ストップさせたのを上層部にバレましてね。しばらくの間、戦闘禁止命令が出ていたのです。・・・で、いつまでも基地の中でゴロゴロするのも退屈なので趣味として飴売りとして活動していたのですわ」

 

その言葉にみんなはただ黙って聞いていた502グリゴーリ攻略のことは新聞やニュース映画で知っていたがその攻略にネウロイが一枚かんでいたことにミーナは驚いていた

 

「では、あなたがここへ来たのは単なる偶然?」

 

「ええ・・・・ここはお菓子好きのウィッチがいるって聞いたのでもしかしたら売れるんじゃないかと思いましてね」

 

「それよりもジブリール。貴様が持ってきた飴なのだが害はないのか?」

 

と、俺がジブリールが持ってきた飴を見てそう言うと

 

「ええ、この飴はネウロイにも人気の飴でしてね。それにこの飴はただの飴ですから人間が食べても害はありません」

 

「・・・・・洗脳薬とかは入っていないんだな?」

 

「ええ、坂本美緒少佐。どこぞのキザメトロンじゃあるまいしそんなことはしませんよ。あ、すいませんお茶のお代わりよろしいでしょうか?宮藤軍曹?」

 

「あ、はい」

 

ジブリールは宮藤に紅茶のお代わりを言う。すると坂本少佐は

 

「ん?ジブリールとか言ったな。なぜ私たちの名を知っている?私たちはお前に名を名乗ったことは一度もないぞ?」

 

坂本少佐がそう言うとジブリールは怪しい笑みを浮かべ

 

「あなたたちが我々を調べて知るのと同じように我々もあなたたち人類・・・・特にその精鋭であるウィッチを調べていたのですわ。いわゆる『汝敵を知れ』っというやつですね。ですから私たちは統合戦闘航空団のウィッチの名と顔くらいは知っていましてよ。特に宮藤軍曹と疾風大尉の名はネウロイ軍全員が知っています。なんてたって初めて我がネウロイとコンタクトをとった人物ですからね。その後我々はもっとウィッチを知ろうと虫型小型機を使っていろいろと、盗さ・・・・観察しようとしていたんですが何者かに壊されましてね・・・」

 

「あれ、あんたの差し金かよ・・・・てか、今盗撮って言いかけたよね?」

 

「ちょっと待て!?あの虫型がお前の差し金だということはやっぱり我らを攻撃しに来たんじゃないか!」

 

と、義姉さんは拳銃を突き付けるとジブリールは苦笑し

 

「誤解の無いように言いますが私が率いる軍はかつてペテルブルグで疾風大尉と勝負し負けそして今大戦に加わらないと約束をしました。ですからこの基地を破壊することはしません」

 

「ならなんであの虫型は基地の電気をだめにしたんだ。そしてそれと同時に中型ネウロイが基地にやって来たんじゃないか!」

 

「ああ~あれですね。あれには誤解を与えて申し訳ありません。あの虫型盗さ・・・・いえ偵察機はよく電流漏れをするんですよ。ですから基地の電気を巻き込んで停電が起きたのですわ・・・・それにあの中型はあの虫型の収納機だったのですが・・・ご迷惑をおかけしたのなら謝罪します」

 

ジブリールは頭を下げる。すると坂本さんが

 

「ジブリールお前は確か過激派のネウロイだと言ったな」

 

「ええ、そう言いましたが?」

 

「なら、ヴェネチアにいる過激派の情報を教えてはくれないか?」

 

「・・・・・それは無理な相談です。仲間を売る気は毛頭ありませんから敵に作戦とか教える気はありません。ただ簡単な情報くらいは教えます」

 

と、ジブリールは紅茶を飲み

 

「ヴェネチアにいる過激派は我々やほかにいる過激派とは違い、上層部が精鋭の中のさらに精鋭を集め強化訓練させた特殊軍団。我々が戦っても勝てないほどの強さです」

 

「敵の指揮官の名は?」

 

「ヴェネチア過激派軍団のことですか?そうですね・・・・あの指揮官はいろんな名がありますから…ただ私たちは『ヤプール』と呼んでいます」

 

「ヤプール・・・・・」

 

あれ?なんかどこかで聞いたような名だな・・・・・すると宮藤は

 

「あ、あの・・・ジブリールさん。話合いとかで戦争ストップさせるのはできませんか?」

 

「宮藤軍曹。確かにその手もありますが連中は殲滅し滅ぼすことを生きがいとする鬼畜軍団・・・・・・穏健派ならともかく難しい話ですね。それに人間と和解しようにもできないでしょう」

 

「なぜだ?」

 

「どこのネウロイも最初ヴェネチアにいた穏健派の二の舞を恐れているのよ」

 

「・・・・・なるほど、人間と和解する考えの持つネウロイがいれば地球を侵略しようと考える上層部や過激派ネウロイにとっては邪魔なもの。よってそいつらを消そうとする・・・・・だから動けない」

 

「はい。さすが疾風大尉、察しがいいですわね。では私はそろそろ基地に戻ります。そこの加護に入っている飴は今回とそして虫型のお詫びっということで無料でお渡しします。では・・・」

 

そう言いジブリールが立ち上がると、義姉さんが

 

「まて・・・・さっき基地っと言っていたがお前がいるネウロイの巣は・・・・」

 

「・・・・・カールスラント。私はそこの巣の指揮官ですわ」

 

「っ!?」

 

その言葉を聞いて義姉さんはジルリールに拳銃を向け引き金に指をかけた。それはそうだろ祖国を奪ったネウロイの指揮官が今自分の目の前にいるのだから。現にカールスラント出身のウィッチたちも彼女のことを睨んでいる。するとジブリールは

 

「私を殺すのはかまいませんが殺しても意味がないですわよバルクホルン大尉。殺したところであなたの祖国カールスラントは解放されませんしそれに私が死んでも新たな指揮官が配属されるだけですから」

 

「くっ!・・・・」

 

ジブリールの言葉に義姉さんは悔しそうな顔をする。するとジブリールは

 

「では、501の皆様・・・・また会える日を楽しみにしています…‥あ、そうそう。ヴィルケ中佐。もし502のラル少佐にあったらよろしくと伝えてください。それとさっきの飴の他に少しだけヒントを与えましょう」

 

「ヒント?」

 

「ええ、もし・・・ネウロイと話がしたいっというのなら北緯約35度、東経約14度の場所に行きなさい」

 

「え?」

 

「では・・・・また縁があればお会いしましょう」

 

そう言いジブリールは目にも止まらない速さで窓から飛んで行ったのだった。

 

「行っちゃった・・・・・」

 

「そうだね・・・・」

 

「わ~いこんなに飴がたくさん!!」

 

と、宮藤とリーネは窓の外から出て行ったジブリールを見てポカーンと口を開け、ルッキーニはただで大量の飴が手に入り大喜び、そして残されたメンバーは地図を見ていた。

 

「えっと・・・・・たしか北緯約35度、東経約14度だったけな?」

 

「そのほういが示す場所は・・・・・」

 

俺がそう言うと義姉さんが地図に線を引き緯度と経度の目盛りをなぞる。そして二本の直線が交わった場所は、ロマーニャのシチリア島から南に93キロにある小さな小島。そこは

 

「「「「マルタ島?」」」」

 

そこは世界で初めて、海水から生活用水を生み出した島であるマルタ島だった

 

 

一方、エミリアは自分の部屋で両腕両足を縄でぐるぐる巻きにされており

 

「(・・・・・いつになったら縄ほどいてくれるんだろう・・・・)」

 

と、シャーリーたちが夜に気付いて縄をほどきに来るまで部屋のクローゼットに閉じ込められているのであった

 

 

 

 


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