ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
ED「虹の音」
あれから翌日の朝、みんなは作戦開始の日までいつものように訓練をしていた。まず朝の走り込み。みんなが基地の滑走路を走っていた。その訓練にはもちろんマルセイユも加わっていた。そしてその先頭をマルセイユとシャーリーが走っていた。すると
「なに!?」
「一番!マルセイユ大尉!」
マルセイユがシャーリーを追い抜き先にゴールする。そしてそれに続きシャーリーが二位、疾風、エミリアが同着三位であった。因みにハルトマンはビリであった。それを見たマルセイユは
「私の勝ちだ!」
と、ガッツポーズをしていた。そしてその後、みんなでご飯をべていた。今日のメニューは久しぶりの日本食・・・・いや扶桑食であった。すると
「もう一杯」
「はい
マルセイユはお茶碗を宮藤に渡し、宮藤が受け取りご飯を盛る
「あ、あの。扶桑の料理、お好きですか?」
「ああ、うちの部隊にも扶桑のウィッチがいるからな」
ご飯の盛られたお茶碗を受け取りマルセイユは再びご飯をかっ込む。すごい食欲だな・・・・・・それを見ていた疾風とエミリアは
「すごい食欲ね・・・・・」
「ああ・・・そだな・・・・・それにしても久しぶりの日本食。かれこれ1年ぶりだな」
「欧州戦線で食わなかったのか?」
「まあ、一応、欧州にもあったんだよ?でもさなんちゃって日本食が多くてさ・・・・」
「なるほど・・・・」
と、そんな話をしていると
「だが・・・・扶桑料理でもこればっかりはだめだな」
「え?でも納豆は体にいいんですよ?」
と、マルセイユは納豆を見る。ペリーヌもそうだがやはり外国の人にとって納豆はやはり苦手なのだろう。するとマルセイユは牛乳を一杯飲むと
「すまんが、ご飯もう一杯頼む」
と、お代わりを所望したが
「え?も、もうご飯がありません」
「なに?」
宮藤の言葉にマルセイユは、少し驚くがすぐににやりと笑うとハルトマンの方を見て
「私の勝ちだ!・・・・・・う」
そう言い、無理にご飯をかっ込んだのか顔を青くしそして、ハルトマンはどうでもよさそうな顔をしてゆっくりとご飯を食べる。それを見た疾風とエミリアは
「さっきからマルセイユ大尉は勝ちだ勝ちだって言っているけど誰と勝負しているのかしら?」
「さあな・・・・俺には関係のないことだ。・・・・・・ご馳走様」
とそう言い、疾風は食器を下げて部屋を出ようとしたが・・・
「待て、疾風大尉」
と、マルセイユが疾風を呼び止める。マルセイユが基地に来てその後、彼女は疾風を避けるような行動は取らなかったのだが、疾風は少し引け目を感じていたのか、なるべく関わらないように立ち回っていたのだがさすがに無視することはできないのか
「・・・・何ですか?マルセイユ大尉?」
「私と模擬戦をしろ!」
「・・・・またですか大尉?」
と、マルセイユがそう言う。そう、実はマルセイユは昨日ハルトマンと同じ部屋にあった後何度も疾風やエミリアに模擬戦を申し込んでいたのだがエミリアは上手いこと逃げ、疾風はずっと断り続けていた。そして今日もマルセイユが模擬戦の申し込みをすると疾風はため息をつき
「・・・・・昨日も今朝の訓練でも言いましたが、お断りします。では」
そう言うと疾風は黒コートを手に取り部屋を出る。するとマルセイユは今度はエミリアの方へ向くと
「エミリア大尉。模擬戦をお願いできないか?」
とそう言うとエミリアはご飯を食べながら無言であるものをマルセイユに渡す。それはゴムでできたサバイバルナイフであった。
「これは・・・?」
マルセイユがエミリアにそう訊くとエミリアは箸を置き
「私は疾風と違って断る理由はないわ。でも私は今ミーナさんに模擬戦を禁止されてね。だから飛行模擬戦はできない」
そう、実はエミリア。前にハルトマンと模擬戦をしたとき誤って危うくハルトマンを殺しかけたためミーナさんから実戦以外のユニットを装着されるのを禁止されたのだ。彼女も初めはそのつもりがなかったのだがエミリア曰く、『模擬戦をやっているうちに、昔の記憶がよみがえり、さっきまでの記憶が飛んでいた』とのことだ
「けど、私はさっきも言った通り断る理由はない。だからあんたはそのゴムナイフでそれで私に一撃当ててみなさい。もし一撃当てられたらあんたの勝ちでいいわ。私を刺すタイミングは食事以外いつでもいいわよ。宮藤、ご馳走様」
そういい、エミリアは宮藤にそう言うと食堂を出た。そしてマルセイユはエミリアに渡されたゴムナイフをじっと見るのであった。そしてミーナは
「エミリアさん…また勝手なことを・・・」
と頭を抱え、ため息をつくのであった。一方、疾風はベットに寝っ転がって目をつぶっていると
コンコン
と、ノックの音がしたのと同時に
「疾風いるカ?」
「お父さん?入ってもいいですか?」
と、ドアの向こうからエイラとアイの声が聞こえた
「エイラ?アイ?開いているぞ」
と、疾風は起き上がってそう言うとドアが開きそこからエイラとアイが入って来た。そしてエイラが俺の隣に座ると、俺の顔をじっと見てる
「ん?どうしたんだエイラ?俺の顔に何かついているか?」
「いや、そうじゃないんだけどさ・・・・・なあ、疾風。ちょっと訊いてもいいか?」
「ん?なんだ?」
「お前この頃マルセイユ大尉のこと避けてないか?」
と、エイラが言うと図星なのか疾風は目を泳がせた、
「やっぱりナ・・・・・で、どうするんだこれから。いつまでもこのままのわけにはいかないだろ?」
「そうなんだけどさ・・・・昨日、怒りで我を忘れてあんなこと言っちまったから・・・・・その・・顔を合わせづらくてな・・・・」
「そうか・・・・なあ、疾風。この際だからマルセイユ大尉に疾風が異世界から来たって話したらどうだ?」
「私もそれがいいと思いますお父さん」
「え?」
「このままだと、かなり深い溝ができるぞ。そうなったら作戦の時・・・・」
と、エイラは心配そうに俺の顔を見てそういう。確かにエイラの言うことにも一理ある。このままギクシャクした状態だと次に行われる作戦に支障が出る。幸いマルセイユはアイがネウロイであることは知ってる。だが、疾風やエミリアが異世界人であることは彼女は知らない。だから、アイやエイラは、そのことを大尉に話そうと提案したが・・・・・
「いや・・・・俺が異世界人だということはまだ言わない」
「え?どうして?」
「・・・・確かにエイラの言う通りこのままじゃいけないって思っている。だが今は・・・・・まだ心の準備ができていない・・・・・だが必ず彼女に言うつもりだよエイラ、アイ」
「そうか・・・・・・わかった」
と、エイラは疾風の意思を尊重してその言葉に頷いたのであった。
同時刻、談話室ではエミリアとミーナ、そして坂本さんが紅茶を飲んでくつろいでいた。
「はあ~エミリアさん。あなたって問題を起こすのが好きですね・・・・・・」
「まあ、私は元の世界でも問題児でしたからね。それにああでもしないと彼女は絶対に引き下がらないと思いますよ?それに飛行模擬戦はミーナ中佐は絶対に許可しないでしょ?」
「当たり前よ。この前のこともう忘れたの?」
「あれは本当に悪かったですよ。どうも私は模擬空戦で加減することができない女らしいですからね」
「いや、だがあの飛行技術はなかなかのものだぞ?」
「もう美緒ったらそう言う問題じゃないでしょ?」
「ん?そうか?・・・・・それよりもエミリア。お前あんな勝負をマルセイユに提案したが大丈夫なのか?」
「大丈夫ですよ・・・・なぜなら・・・」
と、エミリアが紅茶を飲みながらそう言いかけた時、
「隙あり!!」
と、談話室の入り口からいきなりゴムナイフを持ったマルセイユが現れ、そして魔法力を利用してものすごい速さでエミリアに突進し、今にもゴムナイフで彼女の体を当てようとしたが
「・・・・・・っ!」
その瞬間エミリアは鋭い目線となり、彼女のナイフを持った右手をつかみバンッっと、机の上にたたきつけた。そしてエミリアはマルセイユのこめかみ目掛けて膝蹴りをするが当たる3センチあたりで寸止めをするのであった。
「っ!?」
そのあまりの速さにマルセイユはおろかミーナさんや坂本さんも驚くのであった
「・・・・・カールスラントのトップエースとは言え、人殺しの世界を経験した事のない小娘が、ここにきて半年前まで
と、殺気のこもった目でマルセイユにそう言う
「(・・・・・つ、強い。な、なんだこの殺気は・・・・)」
マルセイユは冷や汗をかく。するとエミリアは攻撃態勢や殺気を解き。マルセイユの持っていた。ゴムのナイフを取る。そしてエミリアはポンとマルセイユの肩を叩き
「・・・・さて、この勝負。私の勝ちっと言いたいところだけど引き分けにするわ。でも魔法力を生かしての突進はなかなかよかったわ。でもやっぱりナイフを当てる直前あなたはほんの一瞬躊躇した。それがあなたの失敗したところよ。今度はちゃんとした模擬空戦で勝負しましょうね大尉」
と、そう言い、エミリアは談話室をで、マルセイユはただ唖然としているのであった。そしてその後、作戦成功のためまた訓練が始まるのであった。そしてその訓練が終わった後、マルセイユはハルトマンとともに露天風呂に入っていた。
「今回の訓練も私の日勝だな」
「勝負してないってば」
「勝利はすべてにおいて優先される」
「だから勝負していないってば」
「・・・たく。お前はそんなんだからいつまでも中尉のままなんだ」
「そんなのどうでもいいよ~」
と、そんな話をしているとマルセイユは腕大きく伸ばし
「やっぱ風呂はいいな。固まった筋肉がほぐれる」
「アフリカにはお風呂ないの?」
マルセイユの言葉にハルトマンが首を置かしげるとマルセイユは頷き
「ああ、アフリカじゃ・・・・・「水の一滴は血の一滴でしょ?」・・・・っ!?」
「あ、エミリア」
ハルトマンが振り向くとそこにはエミリアがいた
「ごめんなさい。二人の時間邪魔しちゃったかしら?」
「いや、そんなことはないさ」
マルセイユの言葉にエミリアはにこっと笑って湯舟に入る
「マルセイユ。先ほどはすまなかったな。手首大丈夫か?」
「いや、なんともないよ。けどさすがに驚いたよ。まさか私が抑え込まれるなんてね。どうやったらあんなに強くなる?」
「ん?そうね・・・・・・強いて言えばくぐった修羅場の数の違いかな?」
「ん?修羅場?」
マルセイユはエミリアの言葉に疑問を感じたがハルトマンが
「あ、エミリア。さっきアフリカのこと詳しく言ってたみたいだけどアフリカにいたことがあるの?」
「まあね、ほんの数か月だったけど。でもあそこはいいわね。ねえマルセイユ大尉?」
「ああ、確かにあそこはいい」
「上層部がうるさく言わないし」
「怪しい連合の上層っ部がかかわってこないしうるさい上官もいない」
と、エミリアとマルセイユは腕を組んでうんうんと頷き合いながら言う。
「じゃあ、なんでハンナは今回の作戦に参加したんだよ?」
「ま、上層部の人気取りぐらいなら付き合ってやるさ」
そしてマルセイユは湯舟に浮かぶ形で寝っ転がり
「それでアフリカ部隊が守れるのなら安いもんだ」
「ふ~ん」
「そう言うこと」
マルセイユの言葉にハルトマンとエミリアが少し感心した声を出すとマルセイユは立ち上がり
「それに501にはエーリカハルトマンがいたからな」
「・・・・・・何だそれ?」
「随分とハルトマンに拘っているみたいだけど何か因縁があるの?」
と、エミリアがそう訊くとマルセイユはハルトマンとの関係を話した
「なるほど・・・・・決着をつけるためか・・・・・それなら私とし少しだけ似ているわね」
「え?」
「私にも決着つけたい相手がいるのよ。そいつとは何度も死合いをしたが結局、決着は今になってもつかずじまいだわ」
「それって疾風のこと?」
「ええ・・・」
「だが、あいつは私との模擬戦を何度も断っているぞ?そんなに凄腕なのか?」
「まあ、あいつは無駄な戦いを避ける奴だからね。でもあいつの腕は一流よ。だから私がこの手で倒さなければならない。ほかの誰でもない私の手でね。だから昔あいつとある約束をしたのよ」
「ある約束?」
「ええ、『どちらかが殺れるまで、絶対にほかの奴には負けるな。勝ち逃げは許さない』ってね」
「ああ、だから疾風と再会した時思いっきりビンタしたのか」
「ええ、そう言うこと。」
と、その後三人は黙って星空を眺めていたが、のぼせそうになったため風呂から出るのであった。そして風呂から出ると三人はシャーリーたちと会う。
「あ、マルセイユさんとアルトマンさん。それにエミリアさんも」
「お~♪」
と、宮藤はびっくりし、ルッキーニは何やら楽しそうな声をあげる。するとシャーリーが
「どうだった?初めての風呂は?」
「ああ、なかなかよかった・・・・///っ!?」
と、マルセイユがそう言いかけた時ルッキーニがマルセイユの背後を取って胸をもんだ
「揉めた~♪」
「おのれ!いつの間に私の背後を!」
と、マルセイユは驚いて言うが
「う~ん大きい!・・・・・でもやっぱシャーリーの勝ち、あ、それとエミリアは二位!」
「ふっふん♪」
と、ルッキーニの言葉を聞いてシャーリーは胸を張る。その間胸についていた二つの餅が大きく揺れた。それを聞いたマルセイユは悔しそうな顔をし
「なっ!?私が三位で負けだと!?・・・・・・みろ!形は世界一だ!」
「形なんて好みだろ?」
「形がマルセイユが一位なら、私は弾力が一位だ!」
「て、なにエミリアまで張り合ってんだよ!?」
と、シャーリー、エミリア、マルセイユは胸の大きさや質とかで張り合い。そしてその中
「うわ~♪」
「芳佳ちゃん・・・・・」
宮藤が目をキラキラさせて三人の胸を見る、そしてその隣ではリーネがジト目で見るのであった。