ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
ED「Over Sky 」
ドラマCDを見て思いつきました。
501基地
「おはようリーネちゃん!」
「おはよう。いい天気だね芳佳ちゃん」
「おはよう、宮藤」
と、宮藤が元気よく食堂の厨房で料理をしていたリーネとエミリアに挨拶する。今日の朝食の当番は彼女たちだ。そして三人は料理をしている中
「ねえ、芳佳ちゃん。疾風さんたちスオムスについたかな?」
「え?ああ、そう言えば疾風さんとエイラさんとアイちゃん・・・・休暇で今スオムスに行っているんだっけ?」
「新婚・・・・いや家族旅行ってわけね・・・・」
そう実は疾風は怪我が治ってしばらくした後、ミーナさんたちに休暇を言い渡され、ちょうど同じ休暇を言い渡されたエイラと一緒にアイを連れてスオムスに行っているのだ。
「あ、そう言えば確かミーナさんやハルトマンさんにバルクホルン大尉も今日、スオムスに行っているんだけ?」
「え?なんで?」
リーネの言葉に宮藤が首をかしげるとエミリアが野菜を切りながら
「なんでもフィンランド・・・・こっちではスオムスか・・・その首都ヘルシンキで統合戦闘航空団の司令同士の会議があるんだって。バルクホルンやハルトマンはその随行人として行っているのよ。たぶんだけどミーナ中佐と疾風はもしかしたら偶然会うかもしれないわね」
「へ~そうなんですか・・・・」
エミリアの言葉を聞き宮藤は納得し、そして三人はみんなの朝食づくりを再開をするのだった。
宮藤たちが朝ご飯を作っているその頃、スオムスの首都ヘルシンキで統合戦闘航空団司令による第2回の合同会議が会議が開催されることになった。そしてその会議に出席したのは501隊長ミーナさん。502隊長ラル少佐。そして503の副官であるフーベルタ少佐が出席している。そして上層部に報告した後三人は机に座り互いを見あっていた。するとまずミーナさんが
「さて・・・・これからは私たちウィッチの時間ね。以降の会議の出席者は一昨年と同じ501統合戦闘航空団司令ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケと502統合戦闘航空団司令ググンドュラ・ラルそれに第503統合戦闘航空団副司令フーベルタ・フォン・ボニー。そして本来は504統合戦闘航空団司令フェデリカ・N・ドッリオが出席する予定でしたが504は再編成で忙しく今回は欠席となっております。・・・書記は記録して」
とそう言うと書記係のウィッチが頷き、タイプライターのキーボードを打つ。
「統合戦闘航空団の司令官がこうやって集合することは滅多にないわ。この機会にそれぞれが忌憚なく意見を戦わせればと思います・・・・」
と、ミーナさんが言うとフーベルタ少佐が手をあげ
「いいか、ミーナ?」
「いいわよ。フーベルタ?」
「何を話すんだ?世間話でもするつもりか?」
「いいえ・・・・内容は一昨年の合同会議の続きよ」
「またあれをやるのか・・・・」
「ええ、どっかの誰かさんがまた書類偽造とかして無理やりウィッチの引き抜きをしていたみたいだからね・・・・・」
「まったく。困った奴がいたものだ・・・・・・・」
ミーナさんやフーベルタ少佐の言葉にラル少佐も頷いて言うと二人のジト目視線がラル少佐に向く
「ん?二人ともなぜ私を見る?」
「その原因を作ったあなたが言うことかしらグンドュラ?」
「ん?なんのことかなミーナ?」
「とぼけないであなた、数か月前のヴェネチアでのトライヤヌス作戦の後、疾風さんの書類を偽造して502に転属させようとしていたわよね?竹井大尉が直前になって気付いて書類を直したからよかったけど下手をすればあなた書類送検じゃすまないわよ」
「疾風大尉ほどの実力を持つウィッチ・・・・いやウィザードはなかなかいない。オラーシャに必要だとは思わんのか?」
ラル少佐の言葉にフーベルタ少佐は
「疾風って言うと、あの『レッドファイター』こと疾風村正大尉か?確か世界初のウィザードであり現在トップの撃墜数を誇るハルトマンやバルクホルンと肩を並べるほどのエースと言われている奴かミーナ?」
「ええ、そうよフーベルタ。・・・・・それとグンドュラ。疾風さんは今のロマーニャにも必要よ。それにそれだけじゃないわ。疾風さんの他にもエイラさんのも混じっていたけどこれはどういうことかしら?」
「おいおい・・・ミーナ。あいつには娘がいるんだぞ?その娘の母親であるユーティライネン中尉もセットしなくてどうする?二人を引き裂いたらあの子が泣くぞ?」
「だったらなおさら、疾風さんとエイラさんは渡すわけにはいかないわね・・・・いちいち移動ばっかりさせたらアイさんにストレスとかかかるかもしれないからね」
「・・・・ん?ちょっと待て、グンドュラ、ミーナ。今お前疾風大尉とエイラ中尉の娘って言っていたな?あの二人に娘がいるのか?っというよりあの二人って結婚しているのか!?」
「ええ、まだ式は上げてないけどまるで夫婦のように仲がいいわ」
「ああ・・・・。それに娘の件なら・・・・お前も風の噂には聞いたことがあるだろフーベルタ?」
「噂・・・・もしや疾風が保護しているというあの穏健派とかいう派閥に属している人型ネウロイのことか?噂は本当だったのか・・・・だが二人ともいいのか?疾風が保護しているそいつはネウロイなのだぞ?それにネウロイを娘って言うなんて・・・・」
「疾風さんやエイラさんにとっては娘同然なのよフーベルタ・・・・それにアイさんは人に危害を加えないわ」
「ああ、私もその子に会ってはいるが人間と見分けがつかないし顔もあの二人の特徴を受け継いでいる娘っと言っても信じられる・・・・それにアイは、元気があり思いやりがあるお利口な子だ。問題ない・・・・・・フーベルタ。一つ訊く。その子を研究施設に送ってしまえなどという馬鹿な上層部の連中と同じ考えは持っていないだろうな?」
と、その瞬間ラル少佐の目が少し吊り上がり、ミーナも少し警戒した目でそう言うと、フーベルタ少佐は
「いいや、それはない。第一その話はただの噂だと思ってたしな。もし仮にそうだと言ったらどうする?」
「その時はあの夫婦に八つ裂きにされるだろうな・・・・・ある意味ネウロイより敵にしたくない相手だ・・・・それに私も許さん」
「あら?珍しいわねグンドュラ」
「大したことはないミーナ。私にとってもアイは可愛い妹みたいな存在だからな。ネウロイだからって邪見するようなことはしない・・・・・で、ミーナ。あの三人は元気なのか?」
「ええ、とっても微笑ましいくらいよ」
「なるほど・・・・大体想像できた・・・・・・・さて、話を戻そう・・・・・・で、なんの話だ?」
「・・・あなたの無理やりによる引き抜きの話のことよグンドュラ。さて‥‥それについてはじっくり三人で話し合いましょう」
「長くなると思うか?」
「あなた次第ね」
「はあ~・・・・せっかく二度目のヘルシンキなのに街の見物と買い物はまた今度にしてあの二人に任せるか・・・」
「部下はいつもの二人かグンドュラ?」
「ああ・・・・ミーナの方もか?」
「ええ・・・さあ、会議を始めましょう(あれ?そう言えば疾風さんやエイラさんたち確か休暇でここにきているような・・・・・?)」
そう思いながら三人の統合戦闘航空団司令同士に会議が今始まったのであった。
一方、同時刻ヘルシンキ街中、疾風とエイラそしてアイが街中を歩き買い物をしていた。あのマルタ島作戦の後、二人は休暇を取り、今エイラの故郷であるスオムスにいるのだ。そして・・・・
「お父さん、お母さん!早く早く!」
「こら、アイ。あまり走ると転ぶぞ?」
「そうダゾ。それに一人で走り回ると迷子になっちゃうゾ」
と、初めて両親と一緒の買い物が楽しいのかアイがはしゃぎながら街の中を走る。
「アイ楽しそうだな疾風・・・・」
「ああ、そうだな」
そしてエイラと疾風はそんな愛のことを注意しつつ微笑ましくその様子を見ていた。
「・・・・・て、のんびり見ている暇ないな。急がないとほんとにアイを見失うぞ!」
「そ、ソウダナ!ア、アイ!」
疾風とエイラは、すぐにアイを追いかけるのであった。そしてアイは楽しそうに走っていると疾風たちが心配したとおりにはしゃいだ挙句、角を曲がろうとしたとき誰かとぶつかって尻もちをしてしまうのであった。そして尻もちをついたアイはお尻をさするとぶつかった人は手を差し伸べて
「大丈夫?立てるかい可愛いお嬢さん?」
「うん・・・・・ぶつかってごめんなさい・・・」
と、ぶつかった人に謝る。
「いや。別に気にしては・・・・・・・あれ?君は・・・・」
ぶつかった人はアイの顔を見てきょとんとするすると後ろから
「まったくクルピンスキー、あなたってこんな小さな子も口説こうと・・・・・・あれ?あなたはアイちゃん?」
と、そのぶつかった相手の傍にいた女性がそう言う。するとその時に疾風たちがたどり着いた。すると・・・
「あれ!?」
「お、お前は・・・!?」
と、二人はアイにぶつかった二人を見て驚くのであった。
そして疾風とエイラの二人がその人物に会って驚くほんの数分前・・・・ヘルシンキのとある店で一人の背の高い女性が立っていた。誰かを待っているのだろうか?すると店のドアが開きそこから買い物袋を持った小柄の女性が出てくるすると背の高い女性はその子に駆け寄り
「先生・・・買い物終わった?」
と、そう言うがその子は無言で歩き始める。そして少女も彼女を追いかけて
「先生ってば・・・・・やだな~ロスマン先生ってば無視しないでよ」
と、クルピンスキーはロスマンに話しかけるとロスマンは振り向き
「・・・・あら?いたのクルピンスキー」
「ずっといたよ。僕のこと見えていたよね?」
「見えていたわよ。無視していただけ」
「またまたそんなことを言う~・・・で何を買ったの?」
「あなたに言うと思う?」
「一昨年もそうだったけどつれないね~先生は。そう言えば一昨年はハルトマンやトゥルーデとあったね~」
「そんなこともあったわね・・・・」
とそんなことを話しながら歩く二人、すると・・・
「おや?」
「どうしたの?」
「あそこのバス停にカワイ子ちゃんがバス待ちかな?・・・・」
と、そう言いすぐそばにあるバス停にいる女の子を見てそれを除こうとよそ見をしながら歩いた瞬間・・・・
ドンッ!!
「「「っ!?」」」
急に誰かにぶつかるのであった。そしてクルピンスキーがぶつかった相手を見ると相手は6~7歳くらいの少女であった。そしてその少女は尻もちをついていた。それを見たクルピンスキーはしゃがんで手を伸ばす。
「大丈夫?立てるかい可愛いお嬢さん?」
とそう言うとその少女は頷いてクルピンスキーの手を取り立ち上がりクルピンスキーは少女の服についたホコリとかを掃ってあげる。するとその少女は持っていたぬいぐるみをぎゅっと抱きしめ
「うん・・・・・ぶつかってごめんなさい・・・」
と、頭を下げて謝る。するとクルピンスキーはにこっと笑い
「いや。別に気にしては・・・・・・・あれ?君は・・・・・」
と、そう言うのだがその少女の顔を見た時少し驚く。そう、その少女の顔に見覚えがあったのだ。すると後ろからロスマンが追いつき
「まったくクルピンスキー、あなたってこんな小さな子も口説こうと・・・・・・あれ?あなたはアイちゃん?」
「・・・え?」
ロスマンもその少女の顔を見て知人である子の名を言う。すると後ろから見慣れた人物二人がやって来た。
「あれ!?」
「お、お前は・・・!?」
そしてその二人はロスマンとクルピンスキーの顔を見て驚く。そしてクルピンスキーたちも
「あれ?君たちは・・・・」
「疾風大尉とユーティライネン中尉!?』
そう、二人があったのは休暇でスオムスに来ていた疾風とエイラだったのであった。