ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
ED「Over Sky 」
501基地談話室
「なあ、そう言えば宮藤あの話聞いたか?」
「あの話って何ですか?シャーリーさん」
シャーリーの言葉に宮藤が首をかしげるとハルトマンが
「なんか新しい統合戦闘航空団がギリシャにできたらしいよ確か・・・・は・・・・は・・・・なんだけ?」
「509統合戦闘航空団『ハリケーンウィッチーズ』だ。5人と少ないらしいが結構な凄腕のウィッチたちがいると聞いたな。近々、501と共同で過激派ネウロイに占領されたヴェネチアを奪還する予定みたいだな」
と、坂本さんがそう言う。そう実は数日前、ヴェネチア奪還のためと過激派ネウロイに対抗すべく新たに編成された統合戦闘航空団が結成されたのだ。そんな話がされている中
「はあ・・・・・」
「どうしたのエイラ?」
エイラは上の空でため息をしサーニャが心配そうに言うとエイラが
「実は疾風のことなんだけどさ~」
「疾風さんがどうかしたんですかエイラさん?」
と、サーニャと一緒にいた宮藤がそう言うとエイラは肩を落とし
「なんか疾風の様子が変でさ~」
「変?」
エイラの言葉にサーニャは首をかしげる
「うん。最近さ、疾風がなんかこそこそして何かしているらしいんだよ。それにちょくちょくいなくなるし・・・・サーニャ。何か知っていないか?」
「う~ん・・・・ごめんエイラ。私は知らないわ」
「そうか・・・・」
と、エイラはしょぼんとする。そう、この頃、疾風は何やらこそこそした動きをしているのだ。そのことにエイラは不安でたまらないのだ。
「そう言えば確かにこの頃、疾風の様子が変だよな~最近あまり姿も見ないし」
「そう言えばそうですわね。会うとしても今朝のごはんの時ぐらいでしたわよね?」
と、ルッキーニやペリーヌがそう言うと
「まさか、こっそり基地から出てどこかの女と口説いて浮気とかしていたりして」
と、シャーリーが冗談交じりに言うと
「オマエ!ナニイッテンダヨ!!」
「そうだリベリアン!言っていいことと悪いことがあるぞ!」
「そうですよ。エイラさん一筋の疾風さんが浮気だなんて絶対にしないよ!」
と、エイラとバルクホルンと宮藤がシャーリーにそう言う。するとハルトマンが
「あ、そう言えばこの前疾風の部屋からエミリアが出ているところを見たっけな~」
『っ!?』
ハルトマンの言葉にみんなが固まる。
「ま、まさか・・・・本当に疾風が」
「エイラ。まだそうと決まったわけじゃないよ。それにあの疾風さんが浮気なんてするわけないでしょ?エイラと同じヘタ・・・・奥の手な人だし」
「そ、そうだよな・・・・疾風がエミリアと浮気しているなんてありえないよな・・・」
「そうですよ、それにあの二人って付き合っているようには見えませんし・・・・あれ?そう言えばエイラさんアイちゃんは?」
「アイなら私の部屋で寝ているぞ」
「そうなんですか・・・」
「でもいいじゃないかよ二人が仲がいいのはいいことだし」
ハルトマンの言葉にシャーリーがそう言うと
「まじめに考えなさいシャーリーさん・・・・・・・エイラさんやアイちゃんの家庭と隊の風紀のためです」
「は、はい・・・・」
ミーナさんの黒笑みでシャーリーはそう、返事する。
「とにかく今は疾風の浮気疑惑だ!情報あるものは協力してくれ!」
とバルクホルンがそう言い、疾風についての会議が始まった
「まずはさっきハルトマンさんが言っていた疾風さんお部屋からエミリアさんが出てきたことについてね」
「ただ単に思い出話をしに来ただけじゃない?あの二人って元の世界ではライバルであり友人だったんでしょ?」
「本当にそれだけなのでしょうか?それに疾風大尉やエミリア大尉も一応男女ですし・・・・」
「確かにそうね・・・・これは詳しく調べる必要があるわね・・・・」
と、ミーナさんがそう言うとサーニャは窓を見るすると
「あ、疾風さんとエミリアさんがいる」
「え?」
サーニャお言葉にみんなが窓の外を見ると確かに窓の外で疾風とエミリアが楽しく話しながら歩いている
「何か話してますね」
「そうだね」
「何話しているのでしょうか?」
「さあ、もしかして『エミリア。俺はもう君しかいない!』『そ、そんな・・・・疾風、お、お前にはエイラとアイが・・・』なんて話しているんじゃないの?」
「それはない。ぜ~ったいにない!!エミリアがそんな言い方はしないよ。」
「でも、もし本当に、疾風さんがエミリアさんと浮気をしていたら・・・・・」
そう言いみんなはエイラの方を見る。エイラはもし本当に疾風が浮気をしているのを信じたくはなかった。エイラはしばらく考えると
「・・・・今日、疾風に会ったら訊いてみる」
そう言いこの場はいったんお開きになった。一方窓の外にいるエミリアと疾風はというと・・・・
「この頃、ネウロイの動きが大人しいな・・・・」
「ええ、そうね。まるで嵐の前の静けさってやつかしら・・・・・この世界に来てもうすぐ一年が過ぎようとしている」
「そう言えばそうだな。・・・・・あの戦争で死んだと思った俺がこの世界に来て初めてウィッチを見た時は驚いたっけな・・・・あの時はあの世に来たのかと思ったよ」
「そうね・・・・・私もこの世界に来た時は驚いたわ。まさか異世界に来たなんて元の世界に戻ってそれを言っても誰も信じないでしょうね」
「確かにな・・・・もしかしたらあの戦争で死んだ連中ももしかしたら俺たちみたいに別の世界かもしくは別の時代に飛ばされたのかもしれないな」
「もし、そうだったらけっこう夢があるわね」
と、そんなたわいもないことを話す二人。すると
「あ、そうそうエミリア。昨日はありがとな相談に乗ってくれたついでに買い物にまで付き合ってくれて」
「いいさ。お前と私の仲だ。それより疾風、あれをいつ渡すつもりだ?」
「ああ・・・今夜にでも渡そうと思うんだ」
「そうか・・・頑張れな」
エミリアにそう言われて疾風は頷き部屋へと戻ったのであった。それを見たエミリアは
「やれやれ・・・・疾風もなかなか隅にはおけん奴だな」
と、笑ってそう言うとそこへミーナさんたちがやって来た
「あら、ミーナ中佐にバルクホルン大尉。どうかしたのですか?」
「・・・・エミリアさん。ちょっと隊長室に来てくれないかしら?」
「え?は、はい」
一方、疾風は自室に戻ろうとする疾風、すると背後から
「疾風・・・・・」
疾風が振り返るとそこにはエイラがいた
「ああ、エイラ。ちょうどよかったよ・・・・・話があるんだ」
「え・・・・・」
その言葉を聞いてエイラは不安な顔をする。まさか本当に浮気を・・・私、意外に好きな人ができたんじゃないかと・・・・
「ここではなんだし、俺の部屋で話さないか?」
と、疾風がそう言うとエイラは頷いて、二人は疾風の部屋に向かう。そして部屋につくと
「まあ、座れよ」
「うん・・・・・」
そう言いエイラは布団の上に座りその隣に疾風が座る。するとエイラは
「・・・・なあ、疾風」
「ん?なんだ?エイラ」
「私のことが嫌いか?」
「・・・・・・はい?」
いきなりの言葉に疾風は目を丸くする。そして疾風は今一瞬、エイラの目から光が消え、背後になんか渦巻くものが見えた気がするのが見えた。因みになんだがアイは今サーニャの部屋にいる。
「私のこと嫌いになっちゃったのか?私はもう必要・・・・ないのか?」
「あ・・・あの・・・ちょっとエイラ何で泣いているんだよ?いきなり何を言っているんだ?お前を嫌うわけないじゃないかよ」
疾風が慌ててそう言うとエイラは
「だって、この頃疾風、私に内緒で何か私に隠れてコソコソしているし・・・・もしかして疾風が私を嫌いになってエミリアと浮気を・・・」
「はぁ!?ちょ、ちょっと待てよ。浮気?何言ってるんだよ?」
「だって、この頃エミリアと一緒じゃないか。一緒の部屋にいたり買い物に行ったり」
「あ~、それか。あれはただ単に彼女に相談しに行ったんだよそれと買い物は俺が買いたいも物の付き添いだよ」
「買い物?何買ったんダヨ?」
エイラがそう言うと疾風は懐から小さな四角形の箱を取り出しエイラに渡す
「これは・・・・箱?」
「開けてみてくれよ」
そう言われてエイラは箱を開けるとそこには銀に光る指輪が入っていた。
「これは・・・・・」
「これは俺の気持ちだよエイラ。俺にはお前しかいない。サトゥルヌスでも言った通り魔法のあがりをむかえてもずっと一緒にいたい。だからエイラ・・・・これを受け取ってほしい」
そう・・・これは婚約指輪であった。疾風はこの日の為に疾風はエイラに内緒で行動をしていたのだ。エイラはその指輪を見て涙が出てくる
「エイラ!?ご、ごめん嫌だったか?」
「いや、違うんだ!嬉しいんだ・・・・本当に嬉しいんだ・・・・疾風、これ大切にするよ・・・これつけてもいいか?」
「ああ、いいぞ」
そう言い、疾風とエイラは小箱に入った指輪を手にしお互いの薬指にはめた
「な、なんか恥ずかしいな・・・・こういうの本とか映画でしか見なかったから・・・・」
「実を言うと俺もだ」
と、二人はそう互いに苦笑しあうのであった。その後二人は抱き合う形でベットに寝る。こうしていると、すごく落ち着く感じがするのだ。これ以上のコトに進まないのが二人なのです。そしてその二人を見ている人がいた
「上手くい行ったみたいだね」
「うん。お父さん、お母さん幸せそうだねサーニャお姉ちゃん」
と、それを見たアイとサーニャは微笑んでみていたという。因みになんだがエミリアは隊長室に連行され浮気の疑いが晴れるまで5時間以上尋問されたとかされなかったとか・・・・
一方、疾風がエイラに婚約指輪を渡している時、別の場所、ヴェネチア上空では過激派ネウロイの巨大な巣が禍々しい光とともにそびえたっていた。今のところマルタ島攻略で悪魔型ネウロイを派遣した後からその巣からなんも動きがなかった。ヴェネチアを占領する過激派ネウロイは一体何を考えているのだろうか?何を企み何をしでかそうとするのか?
「誰にもわからない。わかるはずが無いんだよ、地球人の馬鹿供め!!フハハハハハハ・・・・・!!!」
と、その巣の中でまるで怨念の塊のように禍々しいオーラを漂わせた人型のネウロイが不気味な高笑いをしていたのであった。
「奴らとの決戦の日は近い・・・だがその前に新たに出た芽を潰しなきゃいけない。ダークブルーメ!!ギリシャに行き我々には向かう羽虫を殺せ!!」
人型ネウロイはそう叫ぶのであった。この時501のウィッチたちは知らなかった。刻一刻と決戦の日が近づいていることに・・・・・