ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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とうとう501ストライクウィッチーズ2の最終章に入ります。



OP「courage 」

ED「Over Sky 」




第85話「嵐の前の静けさ」

ゴルゴダの戦いから数日後、とある日の夕方、ロマーニャ近くに接近した中型ネウロイを倒すべく俺たちは出動し迎撃をしていた。機銃が飛び交う中ネウロイの装甲がはがれコアが見える。そして

 

「烈風っーーー斬!!」

 

と、そう言い坂本さんが自身が編み出し話大技、烈風斬を放つそして坂本さんの愛刀烈風丸から放たれた大きな波動はその中型ネウロイをコアごと真っ二つにし、撃破したのだった。

 

「やったっ!坂本さん!!」

 

「やりましたわね少佐!!」

 

「ああ」

 

と、宮藤とペリーヌは喜んでいう。坂本さんはその声を聞いてそう返事をするが

 

「・・・・・おっと!」

 

と、急に坂本さんのストライカーが急に止まったがすぐに動き出した。

 

「少佐大丈夫ですか?」

 

「ああ、大丈夫だ。心配ない」

 

と、坂本さんはそう言うがミーナさんは深刻そうな顔で坂本さんを見るのであった。そして俺も坂本さんの違和感に気付きじっと見ている。すると坂本さんの背中に差してある烈風丸から何やら怪しい邪気を感じた。

 

「・・・・・・・」

 

「どうしたんダ?疾風?」

 

「え?」

 

と、俺の隣を飛んでいたエイラがそう訊く

 

「ああ、いやなんでもないよ。多分気のせいだ」

 

「?」

 

俺はそう言いエイラは首をかしげる。あの刀から感じる気・あれは普通の刀から出ない何かお揃いしい感じがした。本当に気のせいだといいんだが・・・・・俺はそう思いみんなとともに基地へと帰るのであった。そして坂本さんはというと・・・・

 

「(今の感じは・・・・・もはや魔法力が限界なのか・・・・・・)」

 

そう感じながら飛ぶのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日の早朝、俺はいつものように基地の周りを散歩していた。ここに来てもう半年以上。いろんなことがあった。まず元の世界で俺の愛機である紫電改が機銃暴発をし墜落したと思ったらなぜかこの世界に来ていた。そしてその世界で俺は大切な人であるエイラやみんなと出会い今に至るんだよな。初めてエイラと出会った時のことを俺はつい昨日のことのことのように思える

 

「本当に懐かしいぜ…あの頃は・・・・それにしても最初は驚いたな。エイラたちの履いているあれが」

 

そう呟きながら俺は歩く。すると・・・・

 

「あれ?あれは宮藤?」

 

基地の石机で宮藤が座っていた。しかもその顔は何やら申告そうでしょんぼりしたような顔であった。俺は宮藤の傍に行き

 

「宮藤。どうしたんだ?」

 

「あ・・・・疾風さん」

 

「どうしたんだ?そんな浮かない顔をして何かあったのか?」

 

「実は・・・・」

 

俺がそう訊くと宮藤はそのわけを話す

 

 

 

数時間前、

 

「坂本さん。宮藤です!ミーナ中佐から伝言です!」

 

と、宮藤はミーナさんの伝言を伝えるため坂本さんの部屋へ訪れたという。訪れたのはいいがいくら読んでも返事がない。留守だろうか?不思議に思った宮藤はドアに手をかけるとその扉が開く。

 

「あ、あれ?開いている?」

 

宮藤がそう呟き恐る恐るその部屋に入るとその部屋には坂本さんの姿はいなかった。その部屋には布団以外何も飾られてなくあるとすれば掛け軸くらいだ

 

「いない・・・・・まだ訓練中なのかな?」

 

と、辺りをきょろきょろしているとふっとあるものが目に留まる。それは

 

「烈風丸・・・・・」

 

そう、そこにあったのは坂本さんの愛刀である烈風丸であった。そして宮藤は前に聞いた坂本さんの言葉を思い出す。そうあれは前に宮藤がスランプになった時の朝のことだ

 

『私が会得したいのは烈風斬を超える烈風斬・・・・真・烈風斬だ』

 

『真烈風斬?』

 

『ああ、古より扶桑皇国に伝わる秘奥義だ。これを極めることが出来れば、どんなネウロイが来ようとも一撃で粉砕できる』

 

と、そんな言葉を思い出しつつ宮藤はその刀に吸い寄せられるように近づきそして、ゆっくりとその刀を手にし、鞘を外す。すると烈風丸の奇麗な刀身が見え、そして烈風丸が光りだし魔力があふれ出す。その魔力を見た宮藤は

 

「これが烈風丸・・・・」

 

と、そう呟く。すると彼女の意識がだんだんと薄れていく。まるで何かを吸い取られていくかのように…そして宮藤が意識を失いそうになって倒れそうになると

 

「宮藤!!」

 

そこへ坂本さんがやってきて宮藤を支える

 

「宮藤、しっかりしろ!!」

 

と、坂本は宮藤の体をゆすると宮藤は目を開ける

 

「さ・・・坂本さん・・・・」

 

「良かった…立てるか?」

 

「は、はい」

 

「そうか・・・よかった・・・」

 

と、坂本さんは安心したようにそう言うと烈風丸を取り鞘に納める。

 

「あ、あの・・・・坂本さん。その刀は・・・?」

 

「馬鹿者っ!!」

 

「っ!?」

 

いきなりの怒声に宮藤は体をびくっと震わせる

 

「二度とこの刀に触るんじゃない!わかったか!!」

 

「は、はい・・・・・ごめんなさい」

 

と、怒り心頭の顔に宮藤はそう返事をするのであった

 

 

 

 

 

「・・・・・なるほど。そう言うことがあったのか」

 

「はい」

 

俺は宮藤の言葉を聞いてそう頷く。すると

 

「今思えば、私、坂本さんにすごい失礼なことしちゃったと思っています。聞けば刀って扶桑の軍人にとって魂のような物。それを勝手に触られていい気分にならないと思っています」

 

と、深く反省してそう言う宮藤。まあ確かに刀は武士また軍人にとって象徴であり魂のような物それを勝手に触られていい顔をする人はいないだろう。

 

「そうか・・・・で、坂本さんは今どこに?」

 

「あ、はい。数分前にミーナ中佐と一緒に司令部に行きました。なんでも重要な会議があるとか・・・・」

 

「重要な会議?」

 

二人が司令部に呼び出されたということはとうとうヴェネチア奪還作戦が始まるのか・・・・俺がそう思っていると、

 

「あ、あの・・・疾風さん」

 

「ん?何だ?」

 

「その背中に差している刀なんですが、かなり古いものですがそれは・・・・・」

 

と宮藤は俺の背中に差している薩摩太刀を見る。

 

「ああ、これは死んだ姉さんが愛用していた刀でもあり。疾風家の先祖代々から受け付け継がれている刀だよ。まあ簡単に言えばこれは家宝でもあり姉の形見でもあるのさ」

 

と、俺はそう言う。そう俺の愛用している刀は姉が愛用していたものであり、我が家に代々伝わる家宝でもある。俺の一族はどんなのかはよく知らない。知っているのは祖母の代から海軍の家系なのと刀の鞘に刻まれている長剣梅鉢の家紋が刻まれていた。それが何を意味するのかは知らないが・・・・

 

「疾風さんのお姉さんって確か戦争で・・・・あ、あの疾風さん。疾風さんの家族は?」

 

「みんな死んだよ。両親は俺を産んですぐに事故にあってな。それでしばらく姉さんと暮らしてたんだけど。さっきも言ったように姉さんも・・・・・」

 

「その後どうなったんですか?」

 

「ああ、姉が死んだあと俺の親族はいなくてな。身寄りがない俺は姉の親友であった北郷華琳さんて人に引き取られたんだよ」

 

「そうなんですか・・・・・」

 

初めて会った時はすごく怖い感じがしたな。とくに目つきとか、でも一緒に住んでいてとても優しい人だということを知った。けど剣術や学問の勉強の時だけは厳しかったな。特に剣術の稽古ではまさに地獄を見た素振りやら走り込みなんかの体力作りはまだ良かった。だが模擬戦でのけいこは常に真剣でのけいこだった。下手をすれば死ぬかの世がある危険な稽古だ。それだけではない。技の会得訓練もきつかった。義母さんは手取り足取りの技の稽古はしない。常に俺にその技を喰らわせて。その後やってみろというような体で覚える派の人間だった。今思えばよく生きていられたなと正直思た。

そして俺の記憶に残っていたのは北郷流の技を会得している最中のことだ。

 

 

数年前

 

「なんで…なんで僕にはできないんだ・・・・」

 

母さんの住む道場の裏にある滝で俺は北郷流の技を得るため特訓していたが、まだ小さい俺は技の会得がなかなかできず悔し涙を流した。すると

 

「正!!」

 

と、何やら怒鳴り声が聞こえ俺が振り向くとそこには義母である北郷華琳が立っていてた。因みに『正』とは俺の名である「村正」の一字を抜いた名である。すると義母は険しい顔で

 

「その顔は何だ!?その目は何だ!?その涙は何だ!? 」

 

と厳しい怒声が響き渡るその言葉に俺は涙を流す

 

「義母さん!僕にはできない!!」

 

「たった数回やってだめだったくらいで諦めるの。あなたは?あなたはもう軍人の端くれよ。そんなんでいちいち諦めるな!」

 

「でも!」

 

「あなたがやらなければ誰がやるの村正!あなたのその涙であなたが言っていた姉である圭子の意思を貫けるの?その涙であなたは大切な人たちを守れるの?」

 

「・・・・・・・」

 

「皆必死に生きているのに・・・挫ける自分を恥ずかしいと思わないの!やるのよ。あなたならきっとできる。だから・・・!もう一度やるのよ!」

 

と、そう言われ俺は特訓を続け、今に至る。あの時は一瞬ひどい義母さんだと思っていたが今思えば義母さんは俺を本当に強くするため、俺の心情の決意を知ったうえで心を鬼にして鍛えてくれたんだと思った。本当に感謝してもしきれない。俺はそう思っていると

 

「あ、あの・・・・・疾風さん。大丈夫ですか?」

 

「え?ああ、大丈夫だよ。ま、とにかくそう言うことだ。話はそれたが宮藤。坂本さんに悪いことをし反省したならそれでいいよ。次から気を付ければいいから」

 

「はい。ありがとうございます疾風さん。すみません相談に乗ってくれて」

 

「別に俺も暇していたからな。・・・・さて、俺はそろそろ行くよ。じゃあ、宮藤またな」

 

「あ、はい」

 

と、俺は宮藤と別れるのであった。

 

 

 

 

 

 

そして一人残された宮藤は一人ぶらぶらと歩いていると

 

「あ、芳佳ちゃん!」

 

「お!宮藤発見!!」

 

「あれ?リーネちゃんにシャーリーさん?それにルッキーニちゃんも!?」

 

「丁度良かったよ。お前を探していたんだ」

 

「え?」

 

「ま、いいから気こっちに来なよ」

 

と、そう言いシャーリーは宮藤の手を握ろ何処かへと連れて行くのであった。

 

 

 

 

 

501露天風呂場

 

「「そぉ~れー!!」」

 

と、シャーリーとルッキーニが勢い良く飛び込み水しぶきが上がる。そしてその風呂場には疾風を除き501のウィッチメンバーが全員いた。

 

「な、なんでこんな朝早くからみんなでお風呂に入っているんですか?」

 

と、宮藤が不思議そうに言うとペリーヌが

 

「バルクホルン大尉が今のうちに英気を養っておけですて」

 

「ええ、それにここでの風呂が最後になるかもしれないからね。ねえ、そうよねバルクホルン?」

 

ペリーヌの言葉にエミリアがそう言うとバルクホルンが頷き

 

「ああ、もしかしたら今までとは違う戦いになるかもしれないからな」

 

「え?それってどういう・・・・」

 

「ミーナと少佐が司令部に行っただろ?そこで最終作戦が発動されるらしいよ。怖い、怖い」

 

と、犬かきしながら泳ぐハルトマンがそう言う

 

「最終作戦って・・・・・」

 

「ああ、ヴェネチア上空にいる過激派ネウロイの巣に向けて・・・・・・・最終攻撃を仕掛ける!」

 

バルクホルンは真剣な目でそういう。その中エイラは穏健派のネウロイであり愛娘であアイの髪を洗っていた。

 

「アイ。かゆいところはないか?」

 

「ううん。平気。お母さんの洗髪気持ちいい」

 

「そうか・・・・」

 

愛の言葉にエイラは微笑み、それを隣で見るサーニャも微笑んでみていた。するとアイが

 

「お母さん。お父さんは今どこにいるの?」

 

「ん?ああ、疾風か?あいつなら今、隣の整備士や職員なんかの風呂を使っているゾ」

 

「?・・・・お父さんはお母さんと一緒には入らないの?」

 

「え///!?それはその///だなそれは深い訳があってだナ・・・・・男と女は一緒にお風呂に入れないっていうか・・・・」

 

「なんで?」

 

「まだアイにはそう言うことを知るのは早いんダナ」

 

「?」

 

アイの言葉にエイラは顔を赤くしてアイにそのことを説明するとアイは首をかしげるのであった。そしてエイラは

 

「(風呂か・・・・・あいつとの混浴もいいかもしれない・・・・・・かもナ///」

 

「エイラ。声に出てるよ・・・・」

 

と、サーニャがそうジト目で突っ込むのであった。するとサーニャは何か思いついたのか

 

「そう言えばエイラ。なんで疾風さんのことを名前じゃなくて名字で呼んでいるの?」

 

「え?」

 

サーニャの言葉にエイラは首をかしげる。

 

「(そう言えば私、疾風のこと名前で呼んでいなかったけ・・・・・)」

 

今思えばエイラは疾風と恋人関係いや夫婦関係になっても疾風のことを名字で呼んでいて名前で呼んだことは一度もなかった。いや実は言おうとしていたのだが妙に恥ずかしくて言えなかったのだ

 

「(・・・・・今度こそ、あいつの名前いえるかナ////?)」

 

と、エイラは少し顔を赤くしそう思うのであった

 

 

 

 

 

一方

 

 

 

「ハーックション!!!・・・・・何だろういきなり・・・・誰かが俺の噂でもしたのかな?」

 

一人別の浴場に入っていた。疾風はそう呟く。そして肩まで湯につかっていた疾風は先ほどの宮藤の言葉を思い出していた

 

「(それにしても坂本さんの刀か・・・・宮藤の話を聞いてもやっぱりなんか怪しい・・・それにあの刀から発するあの禍々しい気もそして宮藤の言っていた『なにか吸い取られる感覚』も・・・後で坂本さんに詳しく聞いてみるか。なんだか嫌な予感がする)」

 

と、俺がそう思ったその時

 

ドグンッ!!

 

「ぐっ!?」

 

急に心臓が痛み出した。あまりの痛さに俺はしゃがんでしまう。まるで心臓が握りつぶされるような痛みだ。呼吸が荒くなり冷や汗が流れる。すると痛みは消えた。俺は荒い息をつき

 

「(ど、どうなっているんだ急に?今までこんなことはなかったのに・・・・!?)」

 

俺がそう思うと手に何かの違和感があった。俺は自分の手を見る。すると

 

「(す、透けている!?)」

 

そう、ほんの数ミリだが俺の手は透けていた。一体なぜ・・・俺がそう思っていると不意にあのジブリールの言葉を思い出した。

 

『異世界への転移した人にはその地に留まるため莫大なエネルギーが必要となります。しかもあなたの体にある魔法力は消耗率が激しく自分の体にかなり負担を抱えてしまいます。ですからあまり無理な行動は控えてくださいね。出なければあなたに待ち受けるのは身の破滅・・・・・下手をするとこの世界にいられなくなってしまいますから』

 

その言葉を思い出し俺は寒気が走る。するとさっきまで透けていた手が元に戻る。

 

「ま、まさか・・・・・ジブリールの言っていた身の破滅とはこれのことなのか?」

 

俺は冷や汗を流しそう呟くジブリールが言っていた身の破滅それは俺自身がこの世界から文字通りこの世界から消える。・・・・そんなの認めたくねえ。俺には・・・俺には・・・・・ここに来て大切なものが出来すぎた。大切な家族が出来た。そして大切な人が出来た・・・・・・

 

「俺はまだ消えるわけにはいかないんだ・・・・だから、もう少しだけ待ってくれ・・・・」

 

俺は決意に満ちた声でそう呟き、風呂から出て自分の部屋へと戻るのであった

 

 

 

 




ほとんど疾風の話が中心になってしましました。さて次はとうとう運命の最終決戦が始まります!!次回も楽しみにしてください感想やアドバイスなどお待ちしております

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