ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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op「Crssing field」

戦闘bgm「TACのテーマ」

ED「ユメセカイ」


第87話「オペレーション・マルス」

夜が明けたころその日のロマーニャは、未だかつてないほど重苦しく張り詰めていた。巨大なネウロイの巣が迫っていると聞いてろロマーニャの国民は全員緊急避難し街には猫一匹いない状態だ。

そんな中501基地では

 

「ただいまより第501戦闘航空団はロマーニャに向かう過激派ネウロイを一掃するため最終作戦オペレーション・マルスに参加します!!我々の任務は連合艦隊旗艦大和の護衛。及び正体不明の人型ネウロイを倒すことです!各員の奮戦に期待します。総員、出撃ッ!!」

 

「「「「了解!!!!」」」」

 

日も高く昇った午後。ついに作戦の幕が切って落とされた。そしてみんなは格納庫へと急ぐ。

 

「行くぞエイラ」

 

「ああ!行こう疾風」

 

エイラと疾風も格納庫へ行こうとする。昨日の夜一度だけ名前で呼んでいたエイラだったがやっぱり恥ずかしくなってしまったのかすっかり慣れている元の呼び方に戻ってしまっている。すると

 

「お父さん・・・お母さん・・・」

 

と、そこへアイが来る。すると二人はアイの所へ行きそしてアイの目線までしゃがむ

 

「アイ。父さんと母さんはこれから行ってくる」

 

「アレッシアさんと一緒にいい子で待っているんダゾ」

 

「でも・・・・・」

 

「大丈夫だ。俺とエイラにはアイがくれたこのお守りがあるからな。だから大丈夫。アイ。俺たちを信じて待っててくれ」

 

俺がそう言うとアイは顔をあげて

 

「うん・・・わかった。いい子で待ってる。でも必ず帰ってきてねお父さん。お母さん。約束・・・・」

 

そう言いアイは小指を立てると俺とエイラはにこっと笑いアイの小指に自分の小指を引っかける。指切りというやつだ

 

「ああ、約束だ。必ず帰る」

 

「私も約束する。必ず帰って来るからナだから笑顔で見送ってくれナイカ?」

 

「うん・・・・行ってらっしゃいお父さん!お母さん!!」

 

「「ああ、行ってくるぞアイ」」

 

と、二人がそう言うとアイは満面の笑顔で返事をするのであった。そしてその笑みを身二人は微笑みアイの頭を撫でると二人は格納庫へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「おい!機材の搬出急げ!!」

 

「ユニットの調子は万全か?整備ミスはないな!?」

 

「機銃とハマーのロケット砲弾と弾薬は全部あるか!?」

 

「再出撃の可能性もあるぞ!予備の燃料と武装もウィッチたちが途中着陸する予定の空母天城に運び込め!!」

 

「おい!エテール補充はまだか!?いそげぇ!!」

 

「もうすぐ出撃だぞエンジン回せぇ!!」

 

と格納庫では501創立始まって以来の緊急事態に整備士たちは全力でユニットの最終チェックをし格納庫に引っ張り出し武器をウィッチたちに渡す。そしてストライカーを履き魔法力を注ぐそしてエンジンがかかりものすごい轟音が格納庫内に響き渡る。そして

 

「ストライクウィッチーズ。出撃!!」

 

ミーナ中佐の号令で一斉に出撃し、敵のいるヴェネチアまで飛ぶのだった。そしてしばらく飛んでいると今作戦に参加する艦隊とオペレーション・マルスの要である戦艦大和の姿とその隣に空母赤城の姉妹空母天城がいた。

 

「あれが大和か・・・・・」

 

「でっけ~」

 

と、それを見たバルクホルンとシャーリーが声を漏らす。そしてエミリアは

 

「あれが大和・・・・・生で見れるなんてすごいわね」

 

とスマホの写真機能で写真を取る。そして疾風たちはそのまま大和の上空を上昇しそしてまっすぐ飛ぶと

 

「見えた・・・・・」

 

「ええ」

 

「見えてきましたわ・・・・」

 

「芳佳ちゃん・・・」

 

「うん・・・・・」

 

「疾風・・・・・あれが・・・」

 

「ああ・・・・あれがヴェネチアだ・・・・」

 

みんながそう声を漏らす中、疾風はエイラの言葉に頷く。かつてオペレーショントライヤヌスで穏健派のネウロイを皆殺しその巣を破壊してヴェネチアを占領した過激派の巣。そしてその巣は彼女らの目の前にはヴェネチアの街が見えその上空には禍々しい怨念のようなオーラを放った超巨大なネウロイの巣が浮かんでいたのだ。

 

「あれが・・・・ネウロイの巣」

 

「そうよ」

 

「あれが敵の親玉だ・・・・」

 

そう言いみんなはそのネウロイの巣を見る。するとその巣の中から大量の円盤形型ネウロイが現れこちらへとむかこちらへとむかってくるのであった。それを見たミーナ中佐は

 

「来たわ!総員戦闘配置!これよりオペレーション・マルス作戦を開始! 戦艦大和がネウロイ化するまで守り抜きます!!」

 

「「「「「了解!!」」」」

 

そう言い、ウィッチとウィザード合わせて13人は大和を守るべく敵に向かうのであった

 

 

戦闘bgm「宇宙大戦争マーチ」

 

 

「まもなくヴェネチアに到着、ネウロイの防衛圏内に突入します大和ネウロイ化まであと3分!」

 

一方連合艦隊の空母天城の艦橋の中で船員の一人がそう言うと同時に空では激しい空中戦が始まっていた。それを見た杉田艦長は

 

「(頼むぞ・・・・・501)」

 

と、そう願うのであった。そして上空では数機の円盤ネウロイが大和に向かって攻撃をするが

 

「芳佳ちゃん!!」

 

「うん!」

 

リーネが対戦車ライフルで撃ちネウロイを迎撃し宮藤は巨大なシールドで大和を守る。それを見たミーナたちは

 

「攻撃が大和に集中しているわ」

 

「奴らめ、大和が普通じゃないことに気が付いたか!?」

 

と、驚く中、ほかの皆は

 

「来いルッキーニ!!」

 

「あいよ~!!」

 

と、そう言いシャーリーはルッキーニの手を取りぐるぐると振り回すとネウロイに向かって放り投げた。そして放り投げられたルッキーニは高速でネウロイたちを素通りするその瞬間の風速でネウロイたちはくるくると回転し始めその隙にシャーリーは機銃掃射して倒す。そして別の場所では

 

「こっちだこっち!ヤッホーイ!」

 

と、エイラが手を振り逃げるそしてそれを無数のネウロイが一列になり追いかけるのであった。ネウロイはビームを放つがエイラは得意の未来予測の固有魔法でそれを避ける。そして彼女の目の前で待機していたサーニャを見つけると

 

「サーニャ!」

 

「うん!」

 

サーニャは頷くとフリーガーハマーの引き金を引きそこからロケット弾一発が発射される。そしてその一発のロケット弾が一機のネウロイに命中し爆散する。そしてそれに続いた小型ネウロイたちは急ブレーキをかけたのだが間に合わず追突しそのまま爆散し始める。それを見たサーニャは

 

「一発しか撃っていないのに・・・・」

 

「すごいゾサーニャ!!」

 

と、不思議に首をかしげるサーニャにエイラは喜びながらそう言うそしてその上ではばバルクホルンとハルトマンが激しい空中戦をしていた。

 

「ねえ、全然減らないよトゥルーデ!!」

 

「いいから黙って敵を倒せ。勲章が向こうから押し寄せてくると思えばいい!!」

 

「そんなのどうでもいいよ!!」

 

と、そう話し合いながらMg42を撃ち続ける。そして

 

「エミリアくるぞ!!」

 

「おう!いっちょ、大暴れをして見せるわ!!」

 

疾風やエミリアも機銃を撃ち続け小型ネウロイを撃ち落とす。すると

 

「なあ、疾風!今思えば不思議なものよね!!」

 

「何がだ!?」

 

「だってそうでしょ?本来敵同士である(ナチス)あなた(連合軍)がこうやって共に戦うなんてね!」

 

「ははっ!確かにな!言われてみれば変な気分だぜ!また背後に来るぞ!やられるなよ!」

 

「はっ!武装親衛隊をなめないでちょうだい!あんたこそやられるようなへまをするんじゃないわよ」

 

「『抜刀隊』隊長である俺をなめるなよ。エミリア!また来るぞ!!」

 

と、そう言い二人は息ぴったりの攻撃で相手を撃ち落とすのであった。そして大和を守っている宮藤とリーネは

 

「大丈夫芳佳ちゃん!?」

 

「うん。だ、大丈夫だよリーネちゃん(頑張らないと・・・・私が頑張れば坂本さんは無理に戦わなくて済むんだ)」」

 

 

 

 

 

 

 

一方、ミーナや坂本たちは別上空で敵と戦っていたが坂本さんは息を切らして飛んでいた。するとミーナが心配そうに近づき

 

「大丈夫?少佐?」

 

「何のこれしき・・・・宮藤たちが頑張っているんだ。私も負けてはいられない!!」

 

と、そう言い上昇する。そして海上では

 

「対ネウロイ用台風弾。全艦砲撃開始!!」

 

と、杉田艦長の指示で護衛についていた戦艦や巡洋戦艦などが援護射撃をしネウロイを打ち払う。対ネウロイ用台風弾とは言えば爆風によって相手を倒す砲弾であるその威力に無数のネウロイが白い破片となり散っていく。そんな中、背中合わせに戦っていたペリーヌとリーネが敵ネウロイに囲まれていた。

 

『っ!?』

 

「リーネちゃん!ペリーヌさん!!」

 

宮藤はそう言い助けに行こうとするが敵の攻撃が激しくシールドを張るので精いっぱいなので助けに行けない。すると上空から坂本さんが急降下し

 

「させるか!!烈 風 斬 ッ ! ! ! 」

 

と、そう言いネウロイに対し直接刀を振るいネウロイに斬りかかったのだが彼女の得意技の烈風斬が出ずそして固い金属音がしただけでネウロイの装甲を斬ることが出来なかった。そしてその衝撃で、刀は坂本さんの手を離れて、偶然にも戦艦大和の甲板に刺さる。唖然とする坂本さんにそのネウロイはさっきのお返しといいたいのか彼女にビームを浴びせようとするが、間一髪のところに宮藤が防御シールドを張り助けることが出来た。そして坂本さんを攻撃したネウロイはミーナ中佐の手によって破壊されペリーヌもリーネも包囲網から脱出することが出来た。

 

「坂本さん!大丈夫ですか!?」

 

と、宮藤がそう言うが。彼女は顔を青くし唖然として自分の手を見ていた

 

「(魔法力が・・・・・・烈風斬が・・・・・効かない)」

 

と、絶望した顔でそう呟くのであった。そして大和では

 

「目標とも距離、一万一千。ネウロイ化まであと30秒。魔導ダイナモ始動準備!!」

 

「追い込まれた人間の恐ろしさを奴らに思い知らせてやれ」

 

と、天城艦内で乗員の一人がそう言い杉田艦長がそう言うとカウントダウンが始まった。そしてカウントがゼロになった時

 

「カウントゼロになりました!」

 

「よし!コアコントロールシステム改、起動!!」

 

「魔導ダイナモ起動!!」

 

杉田艦長の号令で大和に搭載されている魔道ダイナモが起動するのであった

そして上空ではその知らせをきいたミーナが

 

「そろそろ時間ね。魔法力が消耗したものは直ちに空母天城に退避して!」

 

と、号令をかける。そしてミーナは坂本さんの方を見ると彼女は

 

「もう・・・・私は戦えないのか?もう誰も救えることが出来ないのか?」

 

と絶望した顔でそういう坂本にミーナは声を掛けられずにいた。そしてその後みんなは空母天城に避難し坂本さんたちも天城に着艦するのであった。

 

「艦長!大和ネウロイ化完了!制御可能時間約9分です!」

 

「大和、浮上!!」

 

 

 

 

そんな中大和のネウロイ化が始まった。

 

「始まったか!」

 

「みたいだね」

 

「エイラ見て!」

 

「うわっ!?本当にネウロイ化している」

 

と、天城に着艦した。みんなはそう声を漏らす。俺自身も驚いている。だが驚くのはまだ早かった。なんと大和が急に速度を上げ浮上し始めたのだ。

 

「大和が・・・・・飛んでいる」

 

それはさすがに俺も驚いた。そして隣にいるエミリアも

 

「さらば~地球よ・・・・・」

 

と、某有名宇宙戦艦の主題歌を口荒んでいて目を丸くしていたやはり俺同様、驚ききを隠せないのだろう。だがそれはみんなも同じであった。みんなキツネにつままれたような顔をしていたのであった。そしてネウロイと化した大和はそのままネウロイの巣へと向かう。それを見たミーナは

 

「美緒・・・・私たちの役目はこれで終わったわ。任務は成功よ」

 

と、そう言うが

 

「ミーナ・・・・・・私にとって生きることは戦うことだった。だが・・・もうシールドを失い烈風斬も使えない・・・・・」

 

「でもあなたは十分に戦ったわ・・・・」

 

と、ミーナさんは泣いている坂本さんの肩ををそっと抱くのであった。そして大和はどんどんネウロイの巣へと向かって行く。そしてそれを阻止せんと小型ネウロイたちがビームを発射し始める

 

「このままじゃやられちゃう・・・・」

 

「いいえ、大丈夫ですわ。ちゃんと再生しています」

 

「これがネウロイ化の力・・・・・」

 

大和を攻撃するがネウロイ化された場所が再生する。それを見た杉田艦長は

 

「そうだネウロイとかした大和は無敵だ!」

 

「艦長。ネウロイの巣まで距離一千!!」

 

と、緊迫した状況が続いていた。そんな中エミリアは

 

「我々の任務もこれで終わりだな疾風・・・・・疾風?」

 

と、エミリアは疾風の方を見るが疾風は何か深刻そうな顔をする

 

「ドウシタンダ?疾風?」

 

エイラも心配そうに疾風に近づくと

 

「・・・・・おかしい。何か上手くいきすぎている・・・・・・それにさっき上層部で報告があった人型ネウロイも姿を見せていない・・・・」

 

「そう言えば確かに・・・・・さっきの戦いで人型は出てこなかったわね・・・・」

 

と、みんな違和感を覚える。するとエイラはこっそり自分の持っていたタロットで占う。するとそこに書かれていたのは『死神』のカードであった。エイラはそのカードを見て不安になりもう一度カードを引く。すると今度は『塔』のカードどれも不吉を表すカードであった。

 

「(なんでこんなカードが出てくんダ?大和に何か起きるのか?・・・・・・・・・・まさか!?)」

 

と、エイラは疾風の方を見る。すると・・・・

 

「疾風大丈夫か?顔色が悪いぞ?」

 

「だ、大丈夫だよただ単に疲れただけだ」

 

「このぐらいでつかれたなんてやっぱりあんた腕が落ちたんじゃないの?」

 

「アハハ・・・・・そうかもな」

 

と、エミリアの言葉に疾風は笑いながらそう言う。しかしその顔には少しだけやつれたような顔が見えるのであった。

 

「(疾風・・・・・)」

 

エイラはそんな恋人である疾風の顔を心配そうに見るのであった。そしてそうしている最中、大和はネウロイの巣に到着する。そして主砲が発射されようとしたが何も起こらない

 

「どうして撃たないの?」

 

ミーナさんがそう呟くと坂本さんは何かに気付いたのか

 

「まさか!!?」

 

と声をあげる一方、天城艦橋内では

 

「艦長大変です!火気管制システムが作動しません! 外部からのコントロールも一切効かず……! 魔導ダイナモが停止してます! 主砲撃てません!!]

 

「なんだと!?」

 

「ぐうっ! なんてザマだ!!」

 

とその言葉を聞き杉田艦長は悔し顔でそういう。そして艦長は無線を取り

 

「皆・・・・良く戦ってくれた。しかし大和の魔道ダイナモが起動せず主砲が撃てない・・・・作戦は失敗した」

 

と、艦長の言葉を聞いてみんあは驚く

 

「なっ!?失敗!?」

 

「そんな。負けちゃうの!?」

 

「そんな馬鹿な・・・・・」

 

「マジかよ・・・・」

 

「わぁーーーーーーんっ!!!」

 

作戦は失敗・・・つまりロマーニャをネウロイに明け渡すことにみんなが絶望しルッキーニは泣き出す。そんな中艦隊は戦線離脱しようとしたが

 

「まだだ!! まだ終わってなどいない!! わたしが終わらせるものか!!」

 

「美緒!?」

 

「坂本さん!?」

 

突然、坂本さんは先ほど脱いで置いていた、ストライカーユニットをもう一度履きそして出撃し全速力で大和の方へと向かって行く

 

「美緒!?あなた何を!?」

 

と、ミーナは無線機を取り坂本さんにそう言うと

 

「私が大和に乗り込み……魔力を使って魔導ダイナモを再起動させる!」

 

「「「っ!?」」」

 

 

 

 

 

 


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