ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~ 作:疾風海軍陸戦隊
ED「Fly Away」
「ふわぁ~まさかまたこの基地に厄介になるとは思わなかったな・・・・・」
明朝、俺はあくびをしながら基地の森の中を歩く、目的はいつもの素振りでエイラやサーニャやアイはまだ寝ていた。因みに部屋は完全に分けられていて俺は個室の部屋だ。アイの言う謎の低気圧が発生するまで並行世界の501に厄介になった俺たち、ここに来てもう3日経つがいまだにネウロイの襲撃もなくいたって平和であった。そして俺は海の良く見える場所へ着くのだがそこには先約がいた。
「ん?おお、疾風か。よく眠れたか?」
そう、皆さんもよく知っている人物坂本さんだ
「え?ああ、おかげさまで坂本さんはいつもの朝稽古ですか?」
「ん?いつも?お前は向こうの世界に私と交流があるのか?」
「当たり前ですよ。俺は501統合戦闘航空団の隊員なんですから。まあ、向こうの世界での話なんですけどね」
「ああ、そう言えばそう言っていたな。でだ、疾風お前は何しに?」
「俺も剣の稽古ですよ坂本さん」
「そうか・・・・・・そうだ疾風。私と試合をしてもらえないか?」
「試合ですか?」
「そうだ。お前も501のウィッチいや、ウィザードであり剣客なのだろ?」
と、挑発じみた言葉で俺に言う坂本さん。その言葉に俺はふっと笑い
「・・・・・ふっ・・・・・わかりました。」
そう言い俺は背中の太刀を抜き構える。それを見た坂本さんは
「・・・はっはっはっはっ!!それでこそ扶桑男児だな!」
そう言い坂本少佐はうれしそうに笑う
「少佐、俺は扶桑男児じゃなくて日本男児なんですけど・・・・」
「ん?同じようなものだろ?」
「・・・・そうかもしれませんね」
あれ?なんかデジャブ・・・・・前にもこんなことがあったような・・・・・・まあ、それはともかく俺は剣を構えて坂本さんと試合をするのであった。
一方、別の場所では
「ん・・・・・・ここは」
エイラが目をこすりながら目を覚ます。
「・・・・・・あ、そうか私たち並行世界へ来たんだっけナ・・・・・」
と頭を掻きながらそう呟き隣を見ると左にはサーニャが寝ていて右にはアイが寝ていた。エイラはアイの頭を軽く撫でると
「・・・・・・疾風。まだ寝ているかな?寝てたら寝顔でも見てヤッカ」
と、そう言いエイラは二人が起きないようにゆっくりとベットから離れ、そして疾風のいる部屋へと向かうのであった。そしてしばらく歩き疾風の部屋につく。そしてそっとドアを開ける
「疾風~起きてるカ~?」
と、覗き込むがその部屋には疾風の姿はなく布団が奇麗にたたんであった。
「・・・・・いない・・・・また朝稽古かな?・・・・残念ダナ」
とエイラは少し残念そうな顔をした。もし疾風が寝ていたら添い寝の一つでもしようと思っていたからだ。すると・・・・・
「何が残念ナンダ?」
「だから、疾風が部屋に・・・・・・て、ウェイ!?」
と、急に後ろから声がし売り向くとそこには並行世界の自分がいた。それにエイラは驚く
「ナンダヨ。そんなに驚くことないじゃないか?」
「い、いやさ、やっぱり振り向いたらもう一人自分がいるとなんかびっくりするダロ?」
「まあ、確かにナ・・・・普通はありえないヨナ」
と、エイラの言葉に並行世界のエイラは頷く
「で、なんでお前はこんなところにいるんだよ?」
「それはこっちにセリフだ。お前こそなにしてたんダヨ~その部屋、確かあいつの部屋だろ?」
「ちょ、ちょっとナ///」
と、エイラが少し顔を赤くしそう言うと並行世界のエイラが
「ふ~んあんな弱っちそうで女みたいな顔の奴のどこがいいんだ?」
と並行世界のエイラが少し小ばかにしたように言うとエイラが少しむっとした顔になり
「おい、いくら並行世界の私とはいえ疾風を馬鹿にすんナヨ!それに疾風はとっても強いぞ!」
「ほんとかよ?いくら別世界の私でも信じられないな~それにそいつがお前のことを本当に好きなのか?」
「なっ!お前いきなり何言うんだよ!失礼じゃナイカ!!」
「いやさ~ちょっと気になってな~」
「そんなことないゾ!!は、疾風は私のことを・・・・///」
と、エイラは顔を赤くし並行世界のエイラの言葉を否定する。すると並行世界のエイラが
「そんじゃさ、そいつが本気でお前のことを想っているのか一つ試してみるか?」
「へ?」
と並行世界のエイラはいたずらっぽい笑みでエイラにそう言うのであった。
「はあぁ‥‥はぁ‥…やるな疾風まさかお前の腕がこれまでとは」
「そちらこそ・・・・向こうの坂本さんと同じかなりの凄腕ですね・・・・」
一方、剣の試合をしていた俺と坂本さんは息切れしながらそう言う。試合の結果は引き分けで両者相打ちという結果になった。この世界の坂本さんも向こうの世界の坂本さんと同じ結構強かった。もし少し判断が遅れていたら面打ちをもらっていたな。すると坂本さんが
「疾風。少し訊きたいことがあるがいいか?」
「ん?何ですか?」
「向こうの世界の私はどうしているんだ?翌年ということはもう魔力が・・・・・・」
と、坂本さんが興味本位で聞く。その顔は少し不安な顔をしている。自身ももうそろそろ魔力の上りを迎えることは良く分かっていたからだ。俺は返答に困ったが正直に言うことにした
「あくまでこっちの世界の坂本さんのことですが、彼女は現在、魔法力のあがりを迎えて扶桑に帰国しました。でも彼女は魔法力を失っても悔いはしていませんでしたよ。最後は『ウィッチとして自分のやるべきことを果たした』と満足げに笑いながら言っていましたから」
と、俺は坂本さんたちと別れた日のことを思い出す。扶桑にか帰る前日の夕方、俺と坂本さんは最後の剣道の試合をし、試合が終わった後俺は坂本さんに「本当にこれでよかったのか?」と訊いたら坂本さんは
「疾風・・・・確かに私は魔法力を失った。だが後悔はしていない。たとえ魔法力が無くなっても私の志や意志は次の世代へと受け継がれていく。例えで言うなら私はあの波間に沈む夕日だ。そして明日に昇る新しい太陽は次の世代の若きウィッチたちだ。今の私には引退して言った先生や先輩ウィッチたちの気持ちがよくわかる。それにたとえ飛べなくても私には新人のウィッチ達を育成できる知識や経験がある。これを機にウィッチの学校の座学の教師になってもいいかもしれんな。ハッハッハッ!!」
と、笑ってそう言っていた。その笑顔は悔いなんか微塵もないような清々しい笑顔であったのを覚えている
「そうか・・・・・」
俺の言葉に坂本さんはそう言うとあとは何も言わなかった。すると起床を知らせる喇叭が基地内に鳴り響く
起床ラッパが鳴りましたね」
「そうだな。今日はここまでにして戻るか」
と、俺と坂本さんは刀をしまい基地へと戻るのであった。そしてその後、俺は部屋へ戻りコートを脱ぎ普段着に着替えてて部屋を出る。すると
「や、やあ…疾風」
「ああ、エイラ。おはよう」
部屋を出た時、そこにいたのはエイラであった。因みに今俺の前にいる彼女は俺やアイのいる世界のえいらのはずなんだが・・・なんか少し違和感があるなんか喋り方が少しぎこちない。すると
「な、なあ・・・疾風。今日ちょっとだけ空いてるカ」
「え?ああ、今日は別になんも予定とかないけど?」
「ソッカ。じゃあ、買い物に付き合ってくれないか?たまには二人っきりで買い物とか行かないか?」
「え?ああ、別にかまわないけど・・・・そうだアイも一緒に連れて行くか」
「ア、アイなら。なんか今日、こっちの世界のルッキーニやミヤフジと一緒に遊ぶとか言ってたぞ」
この並行世界に来てからアイは最初は人見知りしていたがだんだんと打ち解け合え、今ではこの世界の宮藤やルッキーニと仲良くなっている
「そうか‥…それなら二人で行くか。出発は朝食の後でいいか?」
「ああ、イイゾ」
ということで、俺とエイラは朝食後、買い物に行くことになった。無論ミーナ中佐から許可をもらっている。そして部屋で仕度を整える。
「・・・・・そう言えば初めてエイラと二人っきりで買い物に出かけたのって丁度ブリタニアの基地にいたときだっけな・・・・・懐かしいぜ」
そう、コートを羽織り昔のことを思い出しながら俺は仕度を整え終えて部屋を出る。そしてしばらく廊下を歩いていると
「疾風さんおはようございます」
「おはようなんだナ」
「ああ、おはよう、エイラ、サーニャ」
と、並行世界のエイラとサーニャに出会い挨拶をする
「どこか出かけるんですか?」
「ああ、エイラと買い物にね。ああ、エイラといっても俺たちのいるエイラのことなんだけどな」
「そうですか。楽しんで来てくださいね」
「ああ、ありがとう。それじゃあ、行ってくるよ」
と、そう言い俺はその場を後にしようとしたが
「お、おい疾・・・・・お前」
と、並行世界のエイラに呼び止められる
「ん?何ですかエイラさん?」
「言っとくけどたとえ恋人でも、向こうの世界の私に変な事すんなヨナ」
と、何やらすごい睨んでくる。・・・・・あれ?何だろうこの感じ。なんか落ち着くというかなんというか、なんか、なんか なじみ深い感じがする。なぜだろう。同じエイラだからなのかな?
「エイラ?どうしたの?」
「え?・・・・・あっ!なんでもナインダナ」
「「?」」
と、並行世界のサーニャが首をかしげて言うとエイラが何か誤魔化してそう言う。それを見て俺と並行世界のサーニャは首をかしげる
「まあ、良いか。じゃあ、とにかく行ってくるよ」
「行ってらっしゃい」
と、そう言い俺はその場を後にしたのだった。疾風がその場を去った後、並行世界のエイラは疾風のいる方をずっと見ているのであった。すると並行世界のサーニャは
「大丈夫よ・・・・・エイラ。彼は過ちを犯さないと思うから」
「・・・・・・・うん」
と、意味深げな会話をするのであった。そして疾風はというと格納庫の前に着きしばらく待っていると
「ま、待たせたな疾風」
と、そこへエイラがやって来た
「いや、今来たとこさ。じゃあ、行くか」
「ソダナ」
そう言い二人は街行きのバス停に向かい。そしてそのバスが来た時二人はそれに乗り街へ買い物に行くのであった。