この話のテーマは「提督の秘密」って感じですかね←(笑)
提督の一言に開いた口が塞がらない3人とため息をつく3人に見事に別れた。
「……言いやがった」
「あー…………。ちょっと状況の説明を要求するネ……」
金剛が額に手を当てながら首を左右に振る。
ほかの2人は未だに固まったままだった。
「説明も何もまんまこの通りなんだけどね」
「これがあるから球磨姉さんは提督に指揮させたくないって言ってたくらいですし」
大井の言う通り。
実のところ、最近の出撃で艦隊指揮の役をほとんど球磨が一任しているのはこれが原因だった。正確には一任していると言うより球磨に出させてもらえないと言った方が正しかったかもしれない。
真昼曰く、
「だって私は特に深海棲艦に対して憎しみとか敵対意識とかそう言うのはあんまりないんだよね~。
との事。
とはいえ、確かにそれができれば苦労はしないが…………。
「まぁ強いて言うなら…………うちの提督はそもそも、アホだから」
「そうだねぇ」
「そうですね」
「''聞 こ え て る わ よ!!!''」
…………
と、そんなこんながありつつ無事に出撃から帰還した6人。
戦果は、
結果としては良かったが、目的達成とは行かなかった。
目的はボーキサイトの回収だったはずなので、別に
要は、
それから忘れてはいけないのが、重巡リ級の鹵獲。
「いやっはっは♪ご苦労様♪ボーキサイトは充分に回収できなかったけどまぁ、
「あぁー…………提督?一応アンタの言うことだから連れては来たけどよ。どうするんだ?こいつ」
木曾が背中の気絶したままの大破状態のリ級eliteとを見ながら言う。
「まぁ、私は別にいいとは思うんだけどね…………」
「私も今日は失敗無かったから機嫌が良いし♪」
と、球磨型の3人はいつも通りの反応を見せた。
そして、3人とは違う反応…………(いや、恐らくこちらの反応が普通の反応なのだろう)を見せる金剛たち。
「深海棲艦を鎮守府内に入れる事には反対デス!」
「そ、そうですよ!深海棲艦なんか入れたらそれこそ内側から攻められるじゃないですか!」
「…………提督は何を考えているんですか?」
確かに、深海棲艦を鹵獲するなんて正気の沙汰じゃないことは誰が見ても明らかだと思う。
「ん?何って?そりゃあ決まってるじゃない♪」
と、真昼は腕を組んで仁王立ちをすると、1度ニカッと笑ってから言った。
「可愛いからよ♪」
そう言い放つと、帽子を抑えながらその場でくるんと一回転。
「まぁ、後はヲ級ちゃんとか来てくれるとそれはもう…………うふふ、うふふふ♪」
「はぁ、北上姉、大井姉、後は頼むわ。俺はこいつを取り敢えずドッグにぶち込んでくる」
「ん。でも、提督の世話は面倒だから私もパス。大井っちよろしくね」
「私だって嫌ですよ」
「別にいいじゃない。共存なんて出来ることにデメリットなんて無いでしょ?♪」
「いやぁ、それはそれでいいんだけどね?」
「デメリットが無いわけないわよ。深海棲艦よ?意思疎通すらできると思えないし」
「私も大井サンの言う通りだと思いマス。深海棲艦を鎮守府に入れるなんて…………」
「もしも何かあったらどうするんですか!」
金剛に続いて比叡も僅かに語調を荒らげた。
「もしもって?」
「それは…………鎮守府の機密情報が相手に漏れる、とか」
「とか?」
「…………寝ている間に奇襲を受ける、とか」
「とか?」
「……と、とにかく、危険だって事ですよ!」
「大丈夫大丈夫♪そもそも、ウチの漏れて困る情報とかたかが知れてるんだからw例えば…………」
そう言って私は人差し指を顎に当てた。
「そうだなぁ。大井がベッドの下に誰とは言わないけどとある人物の写真を貯めて毎晩眺めていることとかw」
「なっ!?」
「それから、北上が妖精さんから受け取った装備を定期的に自分で整備し直してる所とか?w」
「うわ……バレてた」
私の言葉に2人が反応を見せる。
逆に何故バレてないと思ったのか……。
「これ以外にも色々あるけど、とにかくウチで漏れたら困る情報なんて大したことないのよ」
「それもそれでどうかと思うんですけど……」
「ま、でも球磨にバレないようにしないと。怒られるけど」
全く、細かいわよね?と付け足してふっと笑う。
「あぁ……、怒られることは分かってるんだね?…………あ」
「…………て、提督?私達は先に間宮の方に行ってますね」
「?どうしたのよ。一緒に行きましょう?」
「…………(ちょいちょい)」
北上がいきなり回れ右のジェスチャーをする。
「後ろ…………あ」
「という訳。じゃあね」
北上はビシッと左手を上げると大井、金剛達と共に間宮へ行ってしまった。
残されたのは私と…………アホ毛が雷形のようになって額に青筋を浮かばせたうちの秘書艦と監視長官がいた。
「ふっふっふ……。なるほどクマ。まさか球磨が怒るとわかっててやってるクマね?」
「あ、いやぁ、その~…………」
「言い訳ならたぁ~~~~~~っぷり聞いてあげるクマよ」
「ほら………………艦隊の……戦力アップ?」
「他にはあるかクマ?(ジャキン)」
「いや…………あははは」
「提督の鹵獲癖も相変わらずだにゃ~。ま、もっとも…………」
「多摩!」
何かを言いかけた多摩を遮る。
「大丈夫だにゃ~。ここにはもう多摩達しかいないにゃよ」
「どこで聞かれてるか分からないんだから…………もし……」
「…………はぁ。全く。心配症も程々にするクマよ。毎回怒る損な役回りになってる方の身にもなってほしいクマ」
「…………」
私は提督帽を目深に被ると口をつぐみ、夏場の温い潮風に若干の苛立ちを感じながら袖口で汗を拭う。
「……言わないつもりかクマ?」
球磨の横を通り過ぎようとした時、小さく球磨が問を投げかけてきた。
いつかは言わなければならない事情ではあるが…………。
私自身の事…………。
ま、とは言っても、
「言うわよ。いつになるか分からないけどね」
「先延ばしにしてると言いづらくなるクマよ」
「分かってるわ。でもね…………」
「……」
1テンポ間を置いて、息を吸って…………吐く。
「こう見えても私は…………臆病なのよ」
「はぁ。そんなこと球磨たちが1番良くわかってるクマ」
真昼が間宮の方で北上達に合流した頃、港に残った球磨はため息を漏らした。
「本人がいいって言ってるんだから大丈夫だにゃ~」
「多摩は気楽でいいクマね」
「前みたいにめんどくさい仕事はもうゴメンなんだにゃ~。ふわぁ~あ」
そんな自分の妹の姿にもう1度ため息をついた。
多摩……。
球磨型の2番艦にしてこの第三号鎮守府の最初期からのメンバー。
そして、この鎮守府内で球磨に次ぐ実力の持ち主…………なのだが、面倒事が大の苦手で鎮守府設立当初は着任してくる艦娘の人数も少なく、出撃せざるを得なかったこともあり、球磨と妹たちと共に出撃していたのだが、最近になって鎮守府の拡大とともに着任してくる艦娘も増えてきた頃、いの一番に第一艦隊から外れたいと志願したほどだった。
曰く、「今まで十分頑張ったから休息は必要なんだにゃ~♪」とのこと。
今は
まぁ、勘だけはやたらと鋭い所はある。
それを物語るエピソードとしては、以前第一艦隊に所属していた時期に、旗艦に球磨、そして多摩、そして一航戦の2人と二航戦の2人を引き連れて出撃した際、海域が海域だったこともあり、空母4人全員で索敵を行った時、何故だか索敵機を飛ばし終わった4人の空母よりもはるかに早いスピードで敵の艦隊の編成と場所をピンポイントで言い当てた時があった。
流石に嘘かと疑うかもしれないが、当時一緒に出撃していた赤城や加賀、飛龍や蒼龍にでも聞けばみんな口を揃えて嘘ではないと言うだろう。
球磨だって当時は目を疑ったのだから……。
本人曰く猫の勘との事だが…………。
「そうは言ってもちゃんとやる事はやるあたり多摩らしいクマよ」
「それはお互い様にゃ。それに、提督の事は時間がなんとかしてくれると思うんだにゃ~」
「また安直クマね……」
「物事は簡単に考えて方が思いの外良い方に倒れたりするんだにゃ。ほら、くじ引きとかと同じにゃよ」
「どういう事だクマ?」
「考え過ぎると「ハズレ」を引くってことにゃ」
「…………」
「でも、多摩はもう第一艦隊は外れたのにゃ。「助ける」ことは出来ても「導く」事は出来ないんだにゃ~」
「…………昼寝ばっかしてるヤツに言われてもピンと来ないクマよ。そもそも、監視室は昼寝部屋じゃないクマ」
そう言うと、多摩はくるりと振り返る。
若干薄めの紫の髪が揺れた。
「多摩にとって部屋=昼寝部屋にゃ。と言うより、基本どこでも寝れるからこの地球上は全てお昼寝スポットだにゃ♪あ、でも、出来ればお日様ぽかぽかなところだと尚良しだにゃ〜」
「相変わらずで姉ちゃん安心するクマ」
「ま、その提督をサポートするのが秘書艦の仕事にゃよ」
その一言に、何となく肩から重りが1つ外れたような気がした。
球磨がテートクをサポートしなければならない。
テートクが困ってたら助ける。
初めてあった時にそう思った。
「じゃ、そういう事で、多摩は
多摩はそう言い残すと、欠伸をしながら監視塔の方へ入っていった。
「考え過ぎると「ハズレ」を引く…………。確かに、考えすぎクマね」
そう1人で声を漏らすと、左手で頭をガリガリと掻いた。
「はぁ~あ!もう、考えるのはやめやめクマ!何だか考えるのが面倒くさくなってきたクマ!」
テートクはさっき間宮に入っていったから恐らく木曾たちと合流してるんだろう。
ということは、
「今日は帰ってこないクマね。全く、執務をほったらかして、球磨の上官とは思えないクマよ!…………でも、たまにはこういうのも必要クマね。よし!さっさと終わらせて球磨もひと眠りしたいクマ」
その夜。
ドクン……。
ドクン…………ドクン……。
「うっ…………くぅ…………ぐ!!」
私は夜間急に発作を起こした。
「ぐっ…………!!!」
丁度昼間鹵獲したリ級のところに行く途中だった。
「おい!提督!無理をするな…………明日落ち着いたらでも……」
いつも通り木曾に肩を借りながらリ級の入ったドッグに向かっていた。
「……あはハ、私は大丈夫ヨ。こんなの……毎度ノ事…………じゃナい。心配シないで。はぁ…………ハぁ…………」
「…………っ。(俺達は………………クソ!)」
木曾が下唇をかんだ。
「木曾ッてば…………優しいんダから♪」
その一言で木曾の顔がこの月明かりの下でさえ分かるほど真っ赤になった。
「お、大きなお世話だ!さっさといくぞ!」
「はいはイ♪」
「……もう少しで着く…………っ!?提督!その目…………」
「目……?」
不意に木曾が声を荒らげる。
どうやら私の目のことを言っているらしい。
「あァ、これ?なんなんダろうね?」
「そんな呑気な。その目…………どう見ても深海棲艦の……」
「やっぱリ……そウなのかな……。でも、実害ハ……出テないシ……大丈夫ヨ」
そんな強がりを口にしながらスッと左目に触れる。
もはやこちらの目の視界は赤みを帯びており、なんか違和感を感じる程だった。
と、そんな事を話しているうちにドッグについた。
地下への隠し階段から地下に降り、そこで先に待っているメンバーに合流。
広さにして8畳そこそこの部屋の中心に診察台、周りには様々な機械類が配置してある。
そんな機械のうちの一つを弄りながら北上と大井が喋る。
「…………準備は出来てるよ」
「…………毎月の事とはいえ……慣れないです」
「リラックスリラックス、にゃ」
「……」
壁に背中を預けて腕組みをしている球磨も険しい表情のまま私を見据える。
「なニヨ球磨。私ノ顔に何かついテる?」
「別に。今回はやけに侵食が早いクマね」
「何デだろうネぇ」
多分先月あれだけバタバタして忙しかったからじゃない?とか言って若干はぐらかしながら真ん中の診察台に横になった。
ヒンヤリとした診察台が背中に触れ、心地よさとともに一種の安心感さえ感じてくる。
そんなことを考えているうちに大井と北上が台の両脇に立つ。
そして、それは始まるのだった。
「…………提督、これからリ級のコアをあなたに移植します」
「……多分先月と同じタイプのコアだから拒絶反応とかは無いかもしれないけど…………もし…………拒絶反応が出たら……」
北上がスッと球磨に視線を移す。
「その時は球磨がやるクマ」
「エぇ、ソレでイいワ。頼ムわネ?大井、北上…………球磨」
「…………任せるクマ……」
私は麻酔が効き始めた頭で彼女達に謝罪をしながら眠りにつくのだった。
「……行くよ、大井っち」
「えぇ、分かってます」
「……」
「……大井、もっと肩の力を抜くんだにゃ~」
「……俺は外に出てる」
こうして、深海コアの移植が始まった。
どうも奇稲田姫です♪
続きやっと書けました……
今回は結構重要な回になったかもしれないですね~♪
①金剛さんが提督の行動に疑問を抱く←
とかw
②球磨多摩の実力
とかw
③鹵獲したリ級のコアを移植する提督
とかとかw
一応、③は次元を交差させるにあたって一番大事になってくる事柄かな~♪
ま、でも、そんな細かいことは考えずにゆるゆる読んでくれたら嬉しいです♪
艦これサイド編
後書きでした♪