それと試しに夏イベE-1を乙でやってみましたが、ギミック解除は意外にすんなり行けました。ただ、その後のゲージ削りと破壊が本番かもしれませんが
(もはや経験則)
「十勝、貴女のシーホークで空撮映像をこっちに回せるかしら?」
「分かりましたわ!」
三原は先程と同じように立体的なディスプレイを呼び出し、十勝もディスプレイを操作する。
諏訪はふと気になり聞いてみたが、軍艦だった頃に使えたデータリンク等の装備も使用可能で、こちらもイメージすればいいようだ。
艤装を展開した時とは異なり、思い起こすのは艦長達の戦闘時に指揮を執っていた薄暗いCICの内部。
他の艦と共有する戦術情報を把握し報告する戦術情報区画。
対艦対空対潜と分かれた管制区画。
艦載機への指示を管制する航空管制区画。
そこまでイメージした所でディスプレイの呼び出し方が分かったので、三原達と同じように呼び出してみる。
「……何よ、これ?」
諏訪が呼び出したディスプレイに映る映像を見て、いの一番に出た言葉がそれだった。
まず目に映るのは客船に似た船舶で、純白の生地に赤く塗り潰した円とそこから放射状に伸びる光線が描かれた旭日旗───つまり日本海軍に所属する船舶だと分かった。
更にその周囲で動き回る人影、一人一人が容姿と服装が異なるが艤装と思われるものを装備しているため、自分達と同じ艦娘であると推測できた。
だが、その次の存在が問題だった。
ひとつは鯨のようにも見えるが口と歯しか見えず、青白く目が光り不気味な印象を受ける。それは数える限り数十体はいた。
更にそれを率いる個体はそれを3つ繋げたような外見をしており、各部から赤い光を纏っている。
そしてそれらを指揮するような素振りを見せている個体は、異様に目立つ歯の生えた口を帽子のように被った魔女のような外見で、帽子の口からは黄色の光が怪しく揺らめいている。
その上空を白い球体に悪魔の顔が浮かんだような不気味な物体が飛び回っており、恐らく爆弾を投弾しているのだろう、海面に着弾した側から爆発を起こしている。
「私達艦娘とは異なる存在のようですね。形態も人型に近いタイプもいますが、そうでないタイプもいるようです」
「えぇ、そうね……」
三原の考察に諏訪は頷いた。たった今自分の考えていたこととまったく同じだったから。
「恐らく、あの船舶と艦娘達はあの異形の存在に追われています。
映像を見る限り上空を飛行する異形の物体は航空機と思われますが、艦娘に空母に相当するクラスがいません。
更に中破以上の損害を受けた艦娘が大半で後は小破しているため、損傷の無い艦娘は皆無です」
そうなると相手が異形の物体にしろ、撤退しながら航空機に対処するのは困難だ。
あの異形達がどこから来たにせよ、勢力圏から逃げる前に壊滅の危険すらある。
「十勝、戦闘が発生しているのはここからどれくらいの距離かわかる?」
「ここより東の海域、200kmの地点ですわ!」
「200km、私達の速力なら直ぐに着くわね」
「諏訪さん、では?」
三原の問いに諏訪は頷く。
「三原、私達は数時間前まで近衛艦隊として戦っていたわ。そしてそれは現時点で変更していない。三原達も同じ考えだと解釈していいわね?」
「はい、私達一遊戦は現時点では未だ近衛艦隊の所属です」
「わたくしも同じですわ」
「ボクも!」
諏訪の質問に淀みなく返事をする三人。
恐らく諏訪の言いたいことは既に分かっているのだろう、次に出る言葉を待つように諏訪に注目していた。
「恐らくあの船舶と周囲の艦娘は日本に所属する艦隊で、攻撃を受け窮地に至っています。よって我々第一遊撃戦隊は同盟国である日本艦隊の救助に向かいます!」
諏訪の決断に三原達は「了解!」と応え、三原は諏訪に指示を仰いだ。
「それで諏訪さん、作戦の内容は?」
三原は期待と緊張が混じった表情で聞いてきた。
恐らく彼女にとって諏訪が旗艦として指揮をとることによる期待と、この姿になって初めての実戦に対する緊張によるものだろう。
諏訪は緊張を解すように明るい口調を意識しながら話した。
「大丈夫よ、私達にとってはこの姿になって以来初めての実戦だけど、実戦はこれが最初じゃないわ。
あの頃と同じようにやればいいと思う。だから、頑張りましょ?」
諏訪のその言葉に三原は目を見開いた。
もしかすると三原にとって、諏訪のその発言は意外だったのかもしれない。そして少し表情を緩めて答えた。
「了解」
短い一言だけだが、それが三原の性格を表しているようにも感じ取れたので言及しないことにした。内容の説明に入る。
「作戦の内容はこうよ。まず私の艦載機で第一次攻撃隊を編成、日本艦隊と交戦する敵性勢力を攻撃。
それに合わせて三原と影縫で先行して交戦、可能なら殲滅して。
私と十勝はその後方から続く、内容としてはそこまで複雑じゃないわね。ここまで意見のある人は?」
そこまで言って全員を見渡すと直ぐに返事があった。
「いいんじゃない? 少なくとも航空攻撃可能なのは姉さんだけだし、ボクと三原姉さんならグングニルなしでダメージは与えられる訳だし」
「ゲイボルグやグングニルは強力ですが、友軍まで巻き込みかねない以上使用には注意が必要ですからね」
「それにお姉様の護衛ならわたくしに断る選択肢はありません、是非やらせていただきますわ!」
三者三様の返事は諏訪の聞く限り反対意見もないようだ。
「なら私の艦載機を発艦させてから移動を開始します。少し待ってて」
三原達にそう告げて諏訪は飛行甲板に手を伸ばした。
艦載機の発艦手順は何故かは分からないがハッキリと理解していた。
左腰に接続された飛行甲板ユニットの艦尾部分から艦載機が入ったマガジンを取り出す。
マガジンは機種毎に用意されていて、取り出したいと思えば望んだ機種のマガジンが艦尾部分右側面から排出される。飛行甲板ユニット自体がマガジンラックと同じのようだった。
取り出した震電改のマガジンをクロスボウに取り付け、前方の海上に向けた。
「第一次攻撃隊、発艦!」
号令と同時に引き金を引き、マガジンの矢は射出されると同時に衝撃波を周囲に拡散させる。
射出された矢は緩い放物線を描いてから紅蓮の光を迸らせ、次の瞬間には濃緑の塗装がされた異色の機体、震電改が複数出現した。
震電改は機体の尾部にターボジェットエンジン一基を搭載し、機関砲、バルカン砲を2門ずつ計4門機首に集中して装備したプッシャー式の機体だ。
加えて主翼が通常のレシプロ式戦闘機より後部にあるエンテ型で、ジェット戦闘機としては先進的だったその性能は、前世で開戦当初の太平洋戦線や欧州でのゲイルヴィムル作戦で機種更新するまで制空戦闘を支えた優秀な機体だった。
それからは震電改のマガジンを再装填して発艦させた後、違うマガジンを取り出して同様の手順で発艦させていく。
震電改に続いて取り出したのは同じターボファンジェットエンジン搭載の攻撃機橘花改、爆撃機火龍、そしてレシプロ機の偵察機彩雲だ。
橘花改と火龍は用途と大きさが少し違う以外は外見上の差異はなく、2基のターボジェットエンジンを後退翼に懸架した機体だ。単発の68cm酸素魚雷を超える強力な航空魚雷と、61cm主砲75口径一発に迫る威力の1500
最後に彩雲だが、レシプロ機としてはかなりの高速機体だ。加えて対水上、対空捜索レーダー。潜望鏡深度なら捕捉可能な対潜レーダーを搭載している。行動半径1500kmを索敵範囲として解放軍の貴重な目となり、敵艦隊や超兵器の先行偵察等で活躍した。
それらも射出された直後に上空の震電改と合流、諏訪の意思に従って彩雲を先頭に、東の海域を目指して大気を切り裂いて翔んでいった。
◇◇◇
諏訪が第一次攻撃隊を送り出した頃。
その東の海域、ミッドウェー島より北西約二百kmの洋上で日本の艦隊───MI攻略作戦鎮守府連合撤退支援部隊は海と空から攻撃を受けながら必死に撤退を続けていた。
「比叡ッ! 敵機がそっちいったデース!」
「了解! このぉーー!」
上空を飛び回る敵の艦載機を激しい回避運動をとりながら艦娘達が弾幕を展開する。
彼女達の所属は日本国防海軍、それに属する鎮守府と呼ばれる場所だ。
AL・MI攻略作戦のため日本の横須賀鎮守府を中心に、各地から戦力を抽出した攻略艦隊として作戦に参加していたが、早期に作戦が失敗し主力である空母の悉くが戦闘不能の損害を受けた。他の主力の艦娘も損害の薄い部隊を殿として撤退を開始していた。
そして彼女達の敵対する勢力は人類によりこう呼ばれていた。
『深海凄艦』
1980年代前半に最初の個体が出現して貨物船が撃沈される事件が発生するが、当時米国を含む主要国はテロリストの犯行だと判断した。
だがそれから民間船舶の撃沈が相次いで起こり米国は艦隊を動かして調査するが、調査に出た艦隊からの交信が途絶えしばらくは船舶の撃沈は発生しなかった。
その数年後1980年代後半に太平洋の国々を結ぶシーレーンに突如正体不明の勢力が出現、米国はハワイを拠点とする太平洋艦隊で攻撃するが通用せず壊滅的な被害を被った。
それから間もなくしてハワイは制圧されて太平洋艦隊は残存部隊を西海岸へと撤退、米国はこの正体不明の勢力を何もない洋上に現れたことから深海凄艦と呼称した。
深海凄艦は他の地域でも同様に各国の海軍力を奪い制海権を掌握、人類は陸地に追いやられた。
その直後同じように海から艤装を身につけた少女達が出現し、深海凄艦を攻撃し始めた。
彼女達艦娘についてはこれ以上は割愛するが、今回行われた作戦はミッドウェー島、アリューシャン列島を同時に攻略する作戦だったが早期に攻略のための機動戦力が甚大な被害を被った。
そして彼女達MI攻略作戦鎮守府連合艦隊はまだ損害の少ない部隊を集めて撤退支援部隊を編成、殿として交戦し勢力圏から逃れようとしていた。
「きゃあああっ!」
悲鳴と共に佐世保第2鎮守府の軽巡洋艦名取が敵機の至近弾で衣服を吹き飛ばされ、中破相当の損傷を受ける。
「名取さん!」
損傷を受けた名取に同じ佐世保第2鎮守府の駆逐艦陽炎が弾幕を上空に向けて展開しながら駆け寄った。
撤退を開始して当初はまだ損害は小さかったが既に大破して艦娘待機船『海洋丸』に帰還した艦娘が数隻出始めている、このままでは全滅の可能性もあった。
「でえええーい!」
重巡洋艦摩耶も弾幕を展開するが、敵機は彼女達がそれまで交戦した経験のあったものより性能が数段上で思った以上に数が減らせなかった。
「対空電探に反応、新手の敵機、来ます! 東の方角10km、数は200以上です!」
弾幕を展開していた駆逐艦白露が悲鳴染みた声で報告した。
見れば東の方角から新手の敵機群が近付いており、もしかすると他の空母を中核とする艦隊が差し向けたのかも知れなかった。
ただでさえ上空を数十機以上の敵機を相手にして損害が増え続けて、更に200以上の敵機が増援として飛来する。
そんな絶望的な状況でそれでも抵抗を続けようと彼女達が覚悟を決めた時だった。
「! 対空電探に反応、西の方角からです! 数は40以上、接近中!」
駆逐艦白露の続いての報告に撤退支援部隊旗艦金剛は舌打ちした。
「また新手のENEMYデスカ!?」
「分かりません! でも、西の方角は本隊が撤退した方です! もし敵機なら、本隊は……!」
絶望的な状況下で冷静な対応が難しくなった金剛の剣幕に、白露は自分の予想する最悪の展開を言う。
もし西の方角から来たのが敵機なら、本隊の進路に先回りした機動部隊が本隊を壊滅させ、こちらに攻撃隊を差し向けたことになる。正に最悪のシナリオだった。
だが、実際には本隊の進路に深海凄艦の機動部隊が先回りした訳でも、本隊を壊滅させて送り込んだ攻撃隊でもなかった。
西の方角から飛来する機体は日本軍機に一般的な緑色に塗装された胴体、更には主翼を持った航空機で深海凄艦の艦載機でないのは彼女達が視認した時には理解できた。
だが形状が独特だった。
小翼と思われる部位が機体前部に、機体後部に主翼が配置され軍艦としての記憶を持った彼女達にも見覚えのない代物だった。
しかもそれは通常のレシプロ機とは思えない速度で接近、更には大気を揺らすような騒音を撒き散らしていた。
しかもそれだけではなく、後から彼女達にも記憶にある形状の機体、橘花や火龍、彩雲と思われるものも続いて飛来してきた。だが、おかしい。
最初と最後の機体はともかく、橘花と火龍は戦争末期に完成した機体で試験飛行しただけで実践配備されなかったはずだ。
更にそれらが開発されて配備されたという話は聞いておらず、この状況であるのもあるが、どこの所属なのか判断出来なかった。
この時の彼女達には知る由もないが、この正体不明の編隊は諏訪が発艦させた第一次攻撃隊である。
レシプロ機なら平均30分かかる距離をジェットエンジンが生み出す強力な推進力でわずか10分前後で到達出来るぐらいには、200kmという距離は短いと言えた。
そして諏訪の攻撃隊はそんな彼女達の困惑をよそに上空の敵機に機首を向けて加速し接近、編隊前面の機体───震電改が機首に取り付けられた30mmバルカン砲で発砲した。
敵機は突然の展開に対応が遅れ被弾、文字通り粉砕される。粉砕された敵機の残骸とすれ違いながら急上昇する。
他の敵機は突然現れた編隊を敵と認識したらしく、艦娘達の上空にいるのも含めて東より接近していた敵機群も攻撃のためのコースを取る。
だが、そこからは一方的な展開だった。
敵の戦闘機は速度をあげても急上昇するの機体に追い付けず、逆に急降下を許して位置エネルギーを利用した圧倒的な速度で上昇中の敵機とすれ違い、その下にいた爆弾と魚雷を抱えた機体で編隊された雷爆連合を強襲する。
上空から不意を突かれた雷爆連合の機体はやはり、先程の敵機と同じように粉砕された。
更にその下方海上に展開していた空母ヲ級flagshipを護衛する、軽巡洋艦ト級eliteを旗艦とする二個水雷戦隊に襲いかかる部隊があった。
双発のジェットエンジンで生み出される大出力で護衛部隊の対空砲火を爆撃機火龍が掻い潜り爆弾を投弾、直撃を受けた軽巡洋艦ト級eliteは一撃で撃沈される。
更にその周囲でヲ級を中心とした輪形陣を形成する駆逐艦イ級eliteも、水面すれすれまで高度を下げて接近する攻撃機橘花改が魚雷を投下。
普通なら確認できるはずの航跡は航空酸素魚雷であるため見分けるのが難しく、未来位置を正確に予測した雷撃でイ級達は次々沈められていった。
金剛を含めて撤退支援部隊の艦娘は誰もが呆然としてMIを拠点とする深海凄艦の追撃部隊と、正体不明の編隊の戦闘を眺めていた。
いや、もはや戦闘とは言えない。そう思えるほどに一方的な蹂躙だった。
自分達は元々MI攻略の為の水上打撃部隊や護衛部隊で、護衛対象の空母の艦娘達はそれまで確認されなかった白い球体の新型機から機動部隊を戦闘不能にするほどの損害を受けたのだ。
だが目の前の正体不明の編隊はまるで蝿を叩き落とすように敵の新型機を瞬く間に撃墜し、更に護衛部隊に多数の損害を与えた。
しかも敵の損害に対して、目立って損傷した機体は確認できず、敵の攻撃隊を全滅させた今では悠々と上空を旋回していた。
先程の攻撃で護衛部隊は壊乱状態となり、それでも艦隊を統率した空母ヲ級は残存艦を連れて既に撤退していた。
そんな誰もが信じられないような現実を前に茫然とする中、新たな知らせがもたらされた。
「水上電探に反応! 西の方角から2、その後方に2の4つの反応が接近しています!」
駆逐艦白露の報告で呆然としていた艦娘達が我に帰り、次いで報告にあった西の方角を誰もが注視していた。
あの正体不明の編隊が何であるにせよ、ここは何もない太平洋の洋上。
艦載機であるなら母艦がいるはずで、その編隊が現れた方角に注目するのは当然と言えた。
そして直ぐに彼女達は姿を現した。
水平線の向こうからまず出て来たのは白衣を着た学者風の人影と、小柄な体格をした青を基調とした士官服と思われる服装の人影で、更にその後方から巨大な艤装を身に付けた人影が2つ、大きな水飛沫をあげながらこちらに向かってきていた。
次に撤退支援部隊の全艦娘に聞こえるように全周波数で通信が入り、名乗りの言葉が聞こえてきた。
『こちらはウィルキア王国海軍近衛第一艦隊所属第一遊撃戦隊旗艦、諏訪型航空護衛艦諏訪。
貴女方日本艦隊の救援に参りました』
ここに、異世界の最強を誇った艦隊とその旗艦、そしてこの世界の艦娘達が邂逅した。
この時出会った二者の邂逅が何を意味するのか、この時はまだ誰も予想できない。
───諏訪型重武装装甲航空護衛艦諏訪以下第一遊撃戦隊。
───MI攻略作戦任務部隊、横須賀第7鎮守府・佐世保第2鎮守府連合撤退支援部隊、合流───!
細かいところとか直したいところを編集し直した感じでしたが、第3話目から変化の幅が大きくなると思います。どうなるかは今後の更新次第ですね。書き貯めたのは以上なので、遅くならないように頑張ります。
オリキャラでタイタニック(WW1)を出したいけど出したいけどどうしよう?
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良いんじゃない?
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ふっざけるな!
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追加でブリタニック(姉妹船)もオナシャス