学校が終わり、いつものように一人で帰り道を歩いていました。私の学校は田舎で、人数も少なく、決して有名といえるほどの所ではありませんでしたが、人数が少ない分皆仲が良く、とても平和なところでした。けれど私にとって学校は窮屈で退屈な場所にしか思えませんでした。人数も少ないし、田舎だし、本屋とか可愛い服が売っているお店とかないし...。とにかく楽しいものが一つもなかったからです。まぁ、あるとすればコンビニかレストランぐらいでしょう。そういえば今日友達と話した話題もこんなものだったっけ?
それはさておき、現実に戻りましょう。もちろんいつものように帰り道を歩いていると、ふと目にはいってきたものがありました。なにあれ、人?動物?と思いながらそろりそろりと近づいていきました。徐々に近づくにつれてそれがハッキリと見えてきました。それの大きさは大体3歳時ぐらいの子供の大きさとえよう。ここからみれば大体幼子にみえる。栗色の髪に全身おかしいと思うぐらい真っ白な服を着ていました。しかも半袖である。こんな寒い時期に半袖?私はフッと笑いながらその子供に近づいていきました。そして
「こんにちは。」
とあいさつをしました。その子は私の声に驚いたのか目を丸くしながらこちらを見ました。深い青みがかかったディープブルーの瞳でこちらを見上げると
「こんにちは。」
と抑揚のない声で言いました。
「どこから来たの?」
と私は唐突にその子に質問をしました。なぜこんな見知らぬ子にこんなことを聞くのだろう?と自分でもびっくりしながら...。
「空からやってきた。今この現世で仕事を終え、また空に戻らなければならないんだけど、戻れなくて困っているんだ。」
とその子は落ち込むそぶりをみせながら答えました。
「どうして帰れないの?」
と聞こうと口を開いた瞬間私はようやく頭の中で
「あぁ、そういうことか。」
と理解しました。多分背中に羽が生えていないからだ。先程のその子の背中から感じとれた違和感はそこにあったからだ。でもなぜ翼がないのだろう?その子は私の疑問を感じとったせいか、
「翼は元々ないんだ。」
と言いました。翼がない?それはありえるのか?そして
「なんだか今日は働きすぎて腹がお腹ペコペコなんだ。一晩泊めてくれないかな?」
とつけたし、半ば強引にその天使を泊まらすことになったのでした。
まだ肌寒い秋の頃、それは突然やってきて、私の色のない日常生活に入り込んできたのです。