初投稿です。よろしくお願いします!
部屋の扉の前に立つ。部屋の中にはたくさんの記者やカメラマンが居ると聞いている。自分が記者会見をするなど少し前には思いもよらなかっただろうな。そんなことを考えていると隣に立つ二人の女性がこちらを見てきた。
右側に立っている凛とした女性は俺とおそろいの白い軍服を着ており、彼女のきれいな長い黒髪が映えている。提督として共に背中を預けて深海棲艦と戦った仲だ。
左側に立っている女性は紺色のスーツを身に着けほんわかとした雰囲気をまとっている。資金や物資などの支援はもちろんだが、何よりも彼女の笑顔に助けられた。
ふと二人が手を握ってきた。びっくりしていると二人が微笑む。それを見ると肩がストンっと落ちた。どうやら自分でも気が付かないうちに緊張していたようだ。ありがとう。見慣れた二人の笑顔はとても落ち着く。この二人が居なければ今の自分は居ないだろう。
そろそろ時間だ。大きく深呼吸をする。部屋に入る前に三人で目を合わせる。言葉はない。しかし一緒に戦ってきた俺たちは通じ合っていた。小さくうなずき目線を二人から部屋の扉へと移す。
扉を開け、部屋に入ると大量のフラッシュが焚かれた。
まぶしい…。
目をくらませながら中央の日の丸に礼をして壇上に上がる。
マイクの前で一礼し、部屋が静まるのを待つ。
静かに一呼吸し、堂々と言い放った。
「我々は太平洋の制海権を奪還しました。」
これは一人の男性と二人の女性の物語である。深海棲艦によって制海権を失い陸地に閉じ込められていた人類の反撃はこの三人から始まった。
辻 健一。軍神のごとく多種多様な戦術を用いて次々と深海棲艦を破り、自身も前線基地で艦娘を指揮して反攻作戦を成功させ、制海権を奪還した英雄。「アドミラル・ツジ」といえばナポレオンに並ぶほどの有名人であり、世界中の教科書にその名が載っている。
横須賀に着任して幾度となく首都東京を防衛、また辻が反攻作戦で不在の際には日本全土を守り抜いた守護神。その美貌から女神とまで言われた天才、沢井 ゆき。
代々政治家の名家に生まれ、多様な言語を操りたぐいまれな話術で交渉を進めて提督と艦娘たちを支えた文官。各国の政治家から敬意と畏怖を込めて東洋の魔女と呼ばれた伊藤 ゆめ。
人類にとって制海権を奪還し元の世界に戻すという目標の下、提督と艦娘は希望であった。我々はその目標を達成するために、提督と艦娘たちがどのようにふるまったかを追っていく。
小さな島国から地球の7割を占める海へ、そして平和な世界へと3人と艦娘は向かっていく。
坂の上の雲を少しイメージしています。