戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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芥子「どうも、地獄で獄卒をしてます雌の兎『芥子』です。分からない人は『鬼灯の冷徹』を読んでください。あとアニメも第二期やってます」

閻魔大王「自己紹介プラス宣伝になってるよ、これ」

鬼灯「まぁ、良いじゃないですか」


第86話 調と書いて『つき』と読む

弦十郎「そうか、あの地下鉄工事の現場には龍脈が流れていたのか」

 

緒川「はい。調査の結果、あの地下鉄工事により龍脈が真っ二つにされていたようです」

 

エルフナイン「あの怪獣は龍脈を工事で寸断されてしまったのを怒り現れたのかと」

 

弦十郎「じゃあガウが工事現場を破壊したのは…」

 

エルフナイン「あの怪獣の怒りの原因を突き止めたからじゃないかと」

 

弦十郎「そうか」

 

潜水艦の通路を歩きながら弦十郎はミズノエノリュウが現れた原因とガウが地下鉄工事現場を破壊した理由を聞いていた。

 

ミズノエノリュウは工事で寸断されてしまった龍脈を復活させようとして出現し、ガウが工事現場を破壊したのは寸断された龍脈を復活させようとしたのだ。

 

その結果、寸断されていた龍脈は復活してミズノエノリュウは姿を消したのだがガウはマリアにお仕置きされている頃なのだ。

 

 

 

マリア「物を壊さない約束だったでしょ!」

 

ガウ「ぎゃう!!」

 

マリアの平手打ちがお尻に当たりガウは悲鳴を上げる。

 

只今絶賛マリアによるガウのお仕置きである『お尻叩き』が行われていた。

 

クリスは周りでそれを見守っていた。

 

二人のギアは対消滅バリアの影響により反動汚染でその除去のためのメンテナンスが行われていて、残りはシュミレーションルームでユニゾンの訓練をしていた。

 

マリア「次したらお尻叩きじゃすまないわよ」

 

ガウ「がう~」

 

やっと解放されたガウは半泣きでクリスの所にいく。

 

クリス「全く、お前が悪いんだから自業自得だぞ」

 

ガウ「がう~」

 

そう叱責するが優しくガウの頭を撫でるクリス。

 

弦十郎「どうやら終わったようだな」

 

そこへ弦十郎たちが入ってきた。

 

クリス「あぁ、丁度お仕置きが終わったぜ」

 

エルフナイン「それにしてはやり過ぎじゃ…」

 

赤くなっているガウのお尻を見て言う。

 

マリア「これくらいは当然よ」

 

クリス「それで何か用か?」

 

弦十郎「響くんたちの訓練のチェックついでに寄っただけだ」

 

ガウ「がう~…」

 

(ついでなのね…)と言う風に鳴くガウであった。

 

 

 

プレラーティ「あのおたんちん…元詐欺師が一人でかっこつけるからこうなったワケダ」

 

ダメージが完治したプレラーティは二つあるグラスにワインとミルクをそれぞれ入れて死んだカリオストロのことを言いながら治療されていたことを思い出す。

 

『大祭壇の設置に足りない生命エネルギーはあーし達から錬成する…仲間に犠牲を強いるアダムのやり方は受け入れられない。きっとあいつは他にも何か隠してる…ま、女の勘だけどね』

 

プレラーティ「女の勘ね…生物学的に完全な肉体を得るため後から女となったくせにいっちょ前なことを吠えるワケダ」

 

皮肉っぽく言うとミルクを飲むプレラーティ。

 

プレラーティ「だけど確かめる価値はあるワケダ」

 

不敵に笑うプレラーティだった。

 

 

 

その日の響たちはマリアの運転する車にてある場所を目指していた。

 

調(つき)神社だ。

 

響「埼玉県の調神社?そこに何かあるの?」

 

エルフナイン『多くの神社はレイライン上にありその神社も例外ではありません。さらに神出ずる門の伝承があるとすれば…』

 

クリスの持っているタブレットから説明するエルフナイン。

 

マリア「つまり指し手の筋を探ることで逆転の一手を打とうとしてるわけね」

 

将棋の解説みたいに言うマリア。

 

クリス「ん?」

 

袋を開ける音を聞いて振り向くと切歌がお菓子の袋を開けて食べていた。

 

クリス「つーか特訓直後だってのに元気だな」

 

切歌「嫌ですよ、褒め殺す気デスか?」

 

クリス「何をどう聞いたらそうなる…」

 

ガウ「が~う」

 

切歌「あーっ!ガウくん勝手に食べないでほしいデース!!」

 

クリス「聞けよ!!」

 

お菓子の取り合いを始める切歌とガウにクリスは怒るのだった。

 

そんな中、調だけはボーっと外を眺めていた。

 

絆のユニゾンでの訓練でどう言うわけか調だけがフォニックゲインの引き上げに失敗し続けているのだ。

 

切歌「調!」

 

調「え?」

 

切歌に呼ばれて調は我に還って切歌の方を見る。

 

切歌「どうしたデスか調?鋸じゃないから車酔いデスか?」

 

調「ううん…なんでもない」

 

誤魔化すように言う調。

 

そんな調を隣をバイクで走行している翼は見ていた。

 

 

 

切歌「およ~。ここ狛犬じゃなくてウサギがいるのデス!」

 

調神社に来て狛犬の代わりにウサギがいることに切歌はテンションが上がる。

 

だが調だけは暗い顔をしていた。

 

マリア「ウサギさんがあちこちに…かわいい!」

 

神社全体にいるウサギを見て言うマリア。

 

宮司「話には伺ってましたが…いやぁみなさんお若くていらっしゃる。皆さんを見ていると事故で亡くした孫を思い出しますよ」

 

声の方を向くと宮司らしき男性がいた。

 

宮司「生きていれば丁度みなさんくらいの年頃でしてなぁ…」

 

クリス「…ん?おいおいあたしら上から下まで割とバラけた年齢差だぞ!いい加減なことぬかしやがって!」

 

宮司のセリフを聞いたクリスは全員の年齢がバラけているのを気付いてツッコム。

 

宮司「冗談ですとも!単なる小粋な神社ジョーク。円滑な人付き合いに不可欠な作法です。初対面ではありますがこれですっかり打ち解けたかと」

 

クリス「むしろ不信感が万里の長城築くってのはどういうことだ…」

 

呆れるクリスに苦笑いする響だった。

 

宮司「では早速本題に入りましょうか。ところでみなさんは氷川神社群をご存じですかな?」

 

「「「「「「え?」」」」」」

 

宮司に言われて全員が首をかしげた。

 

 

 

マリア「これは…オリオン座?」

 

客間にて古文書に描かれたオリオン座に似た形の図形を見せてもらっていた。

 

宮司「正しくはここ調神社を含む周辺7つの氷川神社により描かれた鏡写しのオリオン座とでも言いましょうか」

 

描かれているオリオン座『鏡写しのオリオン座』を説明する。

 

宮司「受け継がれる伝承において鼓星の神門、この門より神の力が出ずるとされています」

 

翼「憶測と推論にすぎないがそれでもパヴァリア光明結社の狙いと合致する部分は多く無視はできない…」

 

伝承を聞いて翼はそう推測する。

 

宮司「ですがこの鏡写しのオリオン座には古龍と呼ばれる2頭の龍が守護していると聞き及んでおります」

 

クリス「2頭の…」

 

切歌「龍デスか?」

 

宮司「はい。これがその龍たち、ミズノエノリュウとナツノメリュウです」

 

そう言って宮司は2頭の龍が描かれた古文書を出した。

 

ガウ「がう!がうがう!!」

 

響「どうしたの?」

 

マリア「この龍が何か…」

 

クリス「この龍は!?」

 

切歌「あの時の怪獣デース!!」

 

龍に反応するガウに響たちは見ると描かれている龍の内の1体、『壬龍』と書かれた龍の姿に全員が驚く。

 

その龍こそ先日ゴジラと交戦した怪獣―ミズノエノリュウであったからだ。

 

宮司「ミズノエノリュウは大地の守護者、ナツノメリュウは空の守護者と呼ばれております。ひとたび己の守護する龍脈が汚されれば怒り狂い姿を現すと言われております」

 

翼「司令とエルフナインの予測が当たるとは…」

 

弦十郎とエルフナインの予測が当たっていると証明された。

 

響「神出ずる門と守護の古龍…」

 

響が真剣な顔でそう言った瞬間、お腹の音が鳴った。

 

真剣な時に空気が読めない音を出した響に全員の痛い視線が響に集まった。

 

切歌「けたたましいのデス」

 

響「わ…私はいたって真面目なのですが私の中に獣がいましてですね…」

 

見苦しい言い訳を言う響。

 

宮司「では晩御飯の支度をしましょうか。私の焼いたキッシュは絶品ですぞ」

 

クリス「そこは和食だろ、神社らしくねえ」

 

翼「ご厚意は有難いのですが…」

 

宮司「ここにある古文書を全部調べるにはお腹いっぱいにして元気にしておかないと」

 

断ろうとした翼に宮司はそう言うのだった。




鬼灯「なぜ神社でキッシュ?」

閻魔大王「キッシュかぁ、ワシも食べてみたいなー…」

鬼灯「閻魔大王には金魚草の特別ドリンクを…」

閻魔大王「普通の飲み物はないの!?」

芥子「金魚草が分からない人は『鬼灯の冷徹』を読んでください」

作者「サラッと宣伝すんな!!」

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