戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第792.5話 子を思う母の涙

エルフナイン「はい、もう大丈夫です」

 

体調検査のためにベッドで横になっているシグナムに、エルフナインは検査が終わったことを伝えるとシグナムは起き上がった。

 

エルフナイン「体に深刻なダメージはあまり確認されていません。ですが、すぐに戦闘に参加するのは…」

 

シグナム「分かっている…」

 

エルフナインに皆を言われる前にシグナムは言うが、その表情は暗かった。

 

ようやく再開し、取り返した我が子を再び目の前で敵に拐われてしまったのだ。

 

肉体的ダメージよりも精神面でのダメージが深刻なのはエルフナインは分かっていた。

 

シグナム「治療、感謝する」

 

ベッドから起き上がったシグナムは服を着て、エルフナインに短くお礼を言うと治療室を後にした。

 

アギト「シグナム!」

 

声をかけられて振り向くと先に治療を終わらせたアギトが近付いてきた。

 

シグナム「アギトか…傷の具合は?」

 

アギト「ここの治療器のおかげで大分な。それより、その、リュイのことだけど…」

 

シグナム「分かっている…必ず…必ず、取り返す。例え、この身が引き裂かれる痛みが襲うとしても」

 

拳を握りながらシグナムはブロッケン伯爵の操るブロッケーンT9に連れ去れたリュイを思い出しながら奥歯を噛み締め言う。

 

アギト「確かに取り返すには賛成だけど、無茶をしないでくれよ。リュイを心配しているのは私だって一緒なんだからな」

 

シグナム「……」

 

アギト「シグナム!」

 

自身の言葉に返事しないシグナムにアギトは詰め寄った時だ。

 

はやて「せやでシグナム。1人で解決しようなんて考えたらアカンで」

 

聞きなれた声で、アギトの後ろから見るとはやてを戦闘に未来、ヒサメ、カゲチヨが来ていた。

 

シグナム「過去の主はやて…それに、お前たち…」

 

未来「シグナムさん、リュイくんが拐われたのは私たちにも責任があります」

 

ヒサメ「私たちがあの時、あのアマゾンに不意打ちを受けなかったら…」

 

未来とヒサメが蝶アマゾンの鱗粉で麻痺状態にされ、戦うことが出来ず、拐われるのを見ることしか出来なかったことを悔やみながら言う。

 

シグナム「しかし、それはお前たちのせいでは…私は母親なのに…」

 

はやて「せやったら、ウチはあの子の父親なんに連れ去られるのを見るしか出来ひんかった」

 

母親なのにとシグナムが言うとはやてが言うなり、驚いてしまった。

 

はやて「あの子は…リュイは未来のウチら八神家の子や。父親として慕ってくれとる子を連れ去られるのを見ていることしか出来んかったあの時、悔しい思いしかなかった…」

 

未来から来た存在であっても、八神家の子であり、大切な家族が連れ去られたのを見ることしか出来なかった悔しさははやても同じだった。

 

シグナム「過去の主はやて…」

 

アギト「シグナム」

 

はやての言葉に動揺しているとアギトが言うとシグナムは顔を両手で覆った。

 

シグナム「すみません…すみません…」

 

涙を見せないように顔を覆ったのだろうが、隙間から涙が流れるのが見えていた。

 

自身1人でリュイを助けに行こうとシグナムは考え、そのことへの謝罪と子を思う母としての涙だった。

 

カゲチヨ「今、この世界の情報機関が探ってくれてるみたいだから大丈夫ッスよ」

 

シグナム「あぁ、そうだな」

 

涙を拭き取りながらシグナムはカゲチヨから緒川たちがリュイを連れ去ったブロッケン伯爵とあしゅら男爵の行方を追ってくれていると聞いて言う。

 

はやて「それなら今からエルザさんの家の片付けの手伝いに行こうか」

 

シグナム「はい」

 

エルザの家の片付けを手伝いに行こうと言われて了承した瞬間だった。

 

爆発音がしたかと思いきや艦内が大きく揺れ、緊急事態を知らせるアラートが鳴り響いた。

 

未来「司令!何があったんですか!?」

 

状況を確認しようと未来は持っていた通信端末で弦十郎に連絡した。

 

弦十郎『最悪の状況だ!ブロッケン伯爵とあしゅら男爵の2人が魔導機兵とミケーネの機械獣軍団を率いて現れやがった!!』

 

ヒサメ「うそ!?」

 

カゲチヨ「リュイを手に入れたから邪魔な奴らを一掃しようってか!」

 

未来と一緒に通信を聞いていて、ヒサメとカゲチヨは言う。

 

シグナム「丁度良い、奴らを捕らえてリュイの居場所を聞き出す!皆、手を貸してくれ!」

 

はやて「任されたで!」

 

未来「はい!」

 

シグナムに協力を要請されて、はやてと未来が言うのだった。

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