戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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キラメイて唄え、戦士たちのキセキの唄!!
第820話 新たな前触れ


マリア「ん……」

 

ある日の朝、生暖かいの何かが顔に触れている感触でマリアが目を覚ますと見慣れた生き物が舌を出してマリアの顔に覗かせていた。

 

マリア「………おはよう、ホロ」

 

ホロ「ウォウ!」

 

白銀の狼、伝説の雷獣【轟烈暴獣 ホロボロス】こと【ホロ】(狼形態)に舐められて起こされたことを察したマリアが言うとホロは嬉しそうに鳴いた。

 

マリア「はい、朝食よ」

 

舐められた顔を洗い、マリアは朝食を作り、テーブルに並べるとホロを呼ぶ。

 

ホロ「ウォウ!」

 

呼ばれたホロは狼から狼耳と尻尾を持つ獣人形態の少女となり、椅子に座るとテーブルに並べられた朝食を食べ始めた。

 

朝食はトーストで焼いた2枚の食パンに、野菜とハムを挟んだサンドイッチとコンソメスープだった。

 

マリア「美味しい?」

 

マリアが聞くとホロは嬉しそうに頷いた。

 

しかも分かりやすいように尻尾をブンブン振り回していた。

 

マリア「それは良かった」

 

ホロの反応を見てマリアは安心して自身も朝食を食べ始めた。

 

マリア(今日はあの子たちと顔合わせだけど、緊張したりしないかしら?)

 

食べながらふとマリアはホロを見てそう思っていた。

 

 

 

朝食を食べ終えて、食器を洗い終わった時、インターホンが鳴った。

 

マリア「来たみたいね」

 

インターホンで誰が来たのか察したマリアは玄関へ向かった。

 

マリア「いらっしゃい」

 

玄関のドアを開けてマリアは来訪者たちを歓迎した。

 

響「お邪魔しまーす!」

 

来訪者たちこと響、翼、クリス、未来、切歌、調の5人はぞろぞろとマリアの部屋に入っていく。

 

 

 

ホロ「グルルルル!!」

 

だが響たちがリビングに入るなり、ホロは毛を逆立て、険しい顔をしながら牙を剥き出しにして威嚇していた。

 

クリス「おい、滅茶苦茶威嚇してんぞ」

 

マリア「そうね…」

 

さっきまで機嫌が良かったハズのホロが、打って変わって威嚇する姿にマリアは困惑していた。

 

切歌「きっと緊張してるんデスよ。こうやってすれば…」

 

視線を低くしてちょっとずつ切歌はホロに近づいて手を伸ばした。

 

ホロ「ガルルルル!!」

 

近づいてきた切歌を見て、ホロは今にも飛び掛かりそうに低い姿勢となって威嚇する。

 

切歌「デデデ!?」

 

威嚇されて切歌は引き下がる。

 

翼「さっきよりも怒っているぞ!?」

 

さっきよりも威嚇してきたホロに翼は驚いて言う。

 

調「もしかして、マリア以外の人に触ってほしくないのかも」

 

未来「っとなると、マリアさん」

 

マリア「えぇ」

 

調と未来に言われてマリアがホロの側面に回って頭を撫でた。

 

ホロ「くぅ~ん♪」

 

マリアに撫でられると、さっきまで威嚇していた姿とは逆に甘えた声を上げる。

 

響「うわっ!すごい変わり身!」

 

威嚇していた姿からマリアが触るなり甘えだしたホロの変わりっぷりに響は驚く。

 

切歌「じゃあ、マリアが触っている隙に…」

 

ホロ「ウォウ!!」

 

マリアが撫でている隙に切歌が触ろうとした矢先、ホロはその手にガブリと噛みついたのである。

 

切歌「デデデデデーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!」

 

噛みつかれた切歌は悲鳴を上げる。

 

マリア「こら、ホロ!離しなさい!!」

 

ぎょっとしたマリアが慌ててホロに切歌の手を離すように言うと、大人しくホロは切歌の手を離した。

 

切歌「デデデ~ス……」

 

噛みつかれた手を抑えながら切歌は泣いていた。

 

調「切ちゃん、大丈夫?」

 

切歌「歯形が残りそうデス…」

 

心配する調に切歌はくっきり残った歯形を店ながら言う。

 

マリア「ホロ、貴女やり過ぎよ」

 

ホロ「………」

 

マリアが怒るとホロはしょんぼりしていた。

 

翼「どうやら本当にマリアにしか懐いていないようだな」

 

しょんぼりしているホロを見て翼はマリアにしか懐いていないことを言う。

 

マリア「困ったわね…もうすぐアフリカに行かないといけないのに…」

 

未来「何か任務ですか?」

 

言葉を聞いて未来が聞くとマリアは頷いた。

 

マリア「えぇ、昨日司令に呼び出されてね」

 

昨日のことをマリアは話し出した。

 

 

 

それはいくつもの平行世界を巻き込んだ事件【時空事件】が終わって翌日のこと、マリアは本部からの招集を受けて発令室に来ていた。

 

弦十郎「マリアくん、休暇から帰ってきてすまないが、任務だ」

 

マリア「大きな戦いが終わったっていうのにまた戦いね…」

 

まるで出口の見えないトンネルを通っているような感覚でマリアは言う。

 

弦十郎「ああ。っと言ってもただの救援任務だ。明後日西部アフリカの某国に向かってもらいたい」

 

マリア「西部アフリカに?そこになにかあるのかしら?」

 

今までは任務と言えば、アメリカやバルベルデのように情勢不安な軍事国家、パヴァリア光明結社残党が巣くう欧州などが主であった。

 

それで今まで任務地と異なるアフリカへの任務にマリアは聞く。

 

弦十郎「緒川」

 

緒川「この西部アフリカの某国は現在政変が発生して情勢が混乱しています。その混乱のどさくさに紛れて生物兵器の密売取引が行われると国連の直轄対策部隊が入手しました」

 

マリアに聞かれた弦十郎は隣にいた緒川に言うと、緒川はアフリカに起きることを言う。

 

マリア「国連の直轄組織?」

 

S.O.N.G.以外にも国連直轄の対策部隊がいることにマリアは首をかしげる。

 

弦十郎「BSAAだ」

 

マリア「BSAA?」

 

【BSAA】と聞いてさらにマリアは首をかしげる。

 

弦十郎「Bioterrorism(バイオテロリズム) Security(セキュリティ) Assessment(アセスメント) Alliance(アライアンス)、元々は1998年に発生した大規模バイオハザード【ラクーン事件】により瓦解したアンブレラ社が開発していた【B.O.W.】や【T-ウイルス】などの生物兵器が世界中に拡散し、テロよる悪用の危険を危惧した製薬会社の組合である【製薬企業連盟】が結成した民間NGO団体だ」

 

1998年に発生した都市丸ごと1つの住人が、製薬会社【アンブレラ社】が軍事兵器として研究されていた【T-ウイルス】流出により【ゾンビ】と化した事件【ラクーン事件】以降、アンブレラ社はその責任を取らされ崩壊したが、そのどさくさで研究されていた生物兵器【B.O.W.】が犯罪組織に流れ、テロに利用される可能性があり、それに対抗するために組織されたと言う。

 

緒川「現在では、2005年に発生した【クイーン・ゼノビア号事件】で解散したアメリカ合衆国の対バイオテロ組織である【FBC】に代わり、他国への調査・テロ制圧が可能となるように国連直轄の対策部隊になっています」

 

弦十郎「まあ要するに俺たちS.O.N.G.が超異常災害専門の対策部隊なら、BSAAは対バイオテロ専門の対策部隊だ」

 

マリア「その組織と合同任務ってこと?」

 

2人が簡潔にBSAAを解説し、理解したマリアは任務の内容を確認する。

 

緒川「そうなります。ですが、本来ならBSAAとS.O.N.G.とでは扱う管轄が違うのですが…」

 

マリア「蛇竜ね」

 

弦十郎「そうだ。ガウいや、蛇竜が例の腰巾着にプラーガ改良を依頼していた奴が今回の取引相手もしくはその背後の黒幕となれば、俺たちも黙っているわけにはいかん。超異常現象は俺たちの管轄だからな」

 

本来ならお門違いの任務にS.O.N.G.が関わることになった理由、時空事件にて黒幕と目される少年【蛇竜】はジェイデッカーの世界で、パヴァリア光明結社残党錬金術師【キム・ジェイン】に寄生生物【プラーガ】を改良を依頼しており、さらに並行世界の戦士たちが倒してきた怪人たちを甦らせ、戦力としている。

 

これを国連は【超異常災害】と認定し、S.O.N.G.が担当していたからだ。

 

マリア「分かったわ」

 

アフリカでのBSAA救援任務参加をマリアは了承した。

 

 

 

マリア「ってことだから、私が任務中の間ホロを預かってもらおうと思ったのだけど…」

 

いくらマリアに懐いているとはいえ、連れていくわけにはいかず、誰かに預けようと考えていたのだ。

 

しかも相手はウイルスやそれから作らろた生物兵器ならばなおさらである。

 

クリス「その状態じゃ、無理だろ…」

 

マリア「はあ、困ったわ…」

 

だが目論みは外れて、ホロはマリアにしか懐かないことに、マリア自身は頭を悩ませるのだった。




とある場所にて蛇竜は両手で、印を組んでブツブツと何かを呟いていた。

蛇竜「甦れ、邪な存在よ」

そう言うと紫色の魔方陣が目の前に現れると五線譜とガイコツマイクの先端を模し、口元から伸びる赤くて長い舌でト音記号を形成した様な外見で、顔面のマイクの隙間から黄色い双眸が見える怪人が姿を現した。

音符の怪人「こ、ここは?」

怪人は辺りを見回して戸惑っていた。

蛇竜「ここは貴様がいた世界とは別世界だ」

音符の怪人「何者だ!?」

蛇竜に言われて振り向くなり、怪人は警戒して聞く。

蛇竜「貴様を蘇らせた命の恩人と言っておこう」

聞かれた蛇竜は怪人に言う。

音符の怪人「オレを蘇らせただと!?何が目的だ!?」

蛇竜「目的か…そうだな、敢えて言うなら闇エナジーを回収し、貴様らの皇帝陛下を蘇らせようと思ってな」

怪人に目的を聞かれて蛇竜は言う。

音符の怪人「まさか、ヨドン皇帝をか!?」

蛇竜「ああ、そうだ」

目的を聞いた怪人がそう言うと、蛇竜は頷いた。

音符の怪人「良かろう。このオレに任せておけ!」

そう言って、怪人は踵を返し、マントを翻してどこかへ歩いていくのだった。

蛇竜「期待しているぞ」

蛇竜(ま、貴様はただの時間稼ぎ。あの町に奴らが来ないようにしないといけないからな)

怪人を見送った蛇竜はそう言いながらも内心は怪人を捨て駒と考えていたのだった。
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