戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第821話 始まりの悪夢

クリス「はあ、はあ……、いったいどうしてこんなことになった…?」

 

息切れしながらクリスはギアを纏っていた。

 

クリス「大体なんなんだよ、コイツら…」

 

怪人たち『ベチャ!』

 

疲労困憊のクリスの前に熊手のようなモノを持った茶色の身体にブーツと手袋、胴体へ鱗状の模様を持った前掛けを付けたシンプルな出で立ちで、眼鼻部分が緑の渦の様なマークが刻まれた仮面を付けた怪人たちが現れた。

 

クリス「くそっ、これ以上増えるんじゃねえ!」

 

ガトリング型にしたアームドギアで怪人たちを攻撃する。

 

怪人たち『ベチャ!』

 

だが怪人たちは攻撃が効いていないのか、ケロリとしていた。

 

クリス「やっぱり大して効いてないな……ッ!」

 

攻撃が効いていない怪人たちを見てクリスは言う。

 

何度も試したが、怪人たちに攻撃が効いていなかった。

 

クリス「くっ、誰か応答してくれよ!コイツらなんなんだ?アタシはいったいどうすればいい…?なんで誰も来てくれないんだ!」

 

通信しようにもノイズが入るだけで誰も出ず、クリスが叫んだその時だ。

 

赤い戦士「もう大丈夫だよ!俺が助けに来たから!」

 

どこからともなく、これまで出会ったスーパー戦隊のレッドみたいな赤い戦士が現れたのである。

 

クリス「うわっ!?また変な奴が現れやがった!?」

 

いきなり現れた赤い戦士にクリスは驚いてしまう。

 

赤い戦士「へ、変な奴…」

 

変な奴と言われて、赤い戦士はショックを受けていた。

 

赤い戦士「と、とにかく!ベチャットは俺がやっつけるよ!」

 

持ち直して、赤い戦士は怪人【ベチャット】を見て言う。

 

クリス「ベチャットって、アイツらのことか。だからさっきからベチャベチャ言ってるんだな」

 

ベチャットの名前の由来(違うけど)を納得する。

 

ベチャットたち『ベチャ!』

 

赤い戦士を見て、ベチャットたちはクリスよりも警戒していた。

 

クリス「……それで、アンタは何者なんだ?」

 

ベチャットたちのことを知っている赤い戦士に何者かとクリスは聞く。

 

キラメイレッド「俺はキラメイレッド!アイツらヨドン軍の侵略から、地球を護って戦ってたんだ!でも、ヨドン皇帝を倒して、ヨドン軍は侵略をしないって約束してくれたのに…ん?」

 

クリスに聞かれた赤い戦士【キラメイレッド】は名乗り、ベチャットを率いる悪の軍団【ヨドン軍】と首領の【ヨドン皇帝】を倒したと言ったが、歯切れが悪かったが、何かに気付いた。

 

怪人「ギャ〜ッ!助けてえぇ~ッ!!」

 

緑と白カラーリングの悍しい顔の仮面(口元の意匠を見るに、男女を模していると思われる)が2つ付いた、目元を覆う程の包帯状のバンドのような邪面を被った、赤い悪魔の様な出で立ちを持ち、首元にはベチャットが付けている物と同じ【邪面】を身に付けている怪人が縛られていた。

 

キラメイレッド「あれは、クランチュラ!?」

 

クリス「あの変な怪人は知り合いか?」

 

縛られている【クランチュラ】と呼ばれる怪人を見て驚くキラメイレッドにクリスは聞く。

 

キラメイレッド「知り合いって言うか…クリエーター仲間かな」

 

クリス「そ、そうか。じゃあ、協力して戦うか?なんか悪い奴じゃなさそうだし」

 

キラメイレッドとクランチュラのよく分からない関係を聞いて、クリスは協力を申し出る。

 

キラメイレッド「うん!信じてくれてありがとう!それじゃ俺はキラメイソードで…」

 

ベチャット「ベチャー!」

 

クリスから協力を受け入れたキラメイレッドは青い剣【キラメイソード】を出した瞬間、ベチャットが熊手型の武器【ヌマデ】で殴りかかってきた。

 

キラメイレッド「ぐっ!?」

 

いきなり攻撃されてキラメイレッドはガードするが間に合わず、諸に喰らってしまう。

 

キラメイレッド「ちょ、待って待って!?話の途中で攻撃なんてずるいでしょ!」

 

攻撃されたキラメイレッドはベチャットに言う。

 

クリス「お、おい!大丈夫か!?」

 

攻撃されたキラメイレッドにクリスは叫ぶが、ベチャットはヌマデから【ヘドロ弾丸】を発射した。

 

キラメイレッド「うわあぁぁーーーーーーーーー!?」

 

ヘドロ弾丸を喰らい、キラメイレッドは爆発の中に消えてしまった。

 

クリス「き、キラメイレッドォーーーーーーーーー!?」

 

爆発の中に消えてしまったキラメイレッドを見て、クリスは叫ぶ。

 

 

 

クリス「う……む……ハッ!ここは…?アタシの部屋…だよな?」

 

目が覚めたクリスは起き上がるなり、周りを見回して自分の部屋であることを確認する。

 

クリス「今のは…夢か……、それにしてはやけにリアルだったな…」

 

クリス(でも、なんであんな夢を見たんだ…?子供っぽくておかしいよな…)

 

妙なリアリティーがあるが、どうしてあんな夢を見たのか不思議に思っていた。

 

 

 

クリスが目が覚めた時、響、翼はS.O.N.G.本部へ向かって街を歩いていた。

 

響「ふあぁ~」

 

翼「どうした、寝不足か?」

 

大あくびしている響に翼は聞く。

 

響「はい……昨日の夜、変な夢を見てめがさめちゃって、その後なかなか寝付けなくて……」

 

寝不足の理由を響は言う。

 

翼「まさか、おかしな化け物と戦う夢を見たのか?やたらとベチャベチャ言ってる茶色の…」

 

響「そうなんですよ!攻撃が全然効かなくて、もうダメだーッ!って思ったら目が覚めましたッ!」

 

翼に夢の内容が合っていたのか響は言う。

 

響「あれ?どうして分かったんですか?」

 

翼「私も同じような夢を見たんだ」

 

なぜ自身が見た夢を言い当てれたのかと聞くと翼は答えた。

 

響「それじゃ、相手なんですけど……、変なお面を被ってませんでした?」

 

翼「あぁ。鍬のような形状の武器を持っていたな。ちょうど…」

 

響に相手を聞かれて、覚えている限りの特徴と丁度同じ姿で、近くにいた怪人【ベチャット】を見ながら言う。

 

翼「あんな…感じに…!?」

 

ベチャット「ベチャ!」

 

響「…あれ?私たち…今、起きてますよね…?」

 

ベチャットを見て翼は驚き、響は聞く。

 

リル「いや、紛れもない現実だからッ!」

 

スパーンと響の頭にハリセンを叩き込みながらリルが駆け付けて突っ込んだのだった。




とある空港にてマリアはBSAAのヘリに搭乗していた。

マリア「それじゃ、切歌、調!ホロのこと頼んだわよ!」

ローターが回りだし、マリアがホロを預かることになった切歌と調に大声で言う。

切歌「任せるデス!」

調「マリアも気を付けて!」

切歌と調は任されて自身たっぷりに言う。

ホロ「……」

片やハスキー形態のホロは留守番するのが嫌なのか、不満そうな顔をしていた。

マリア「我儘な顔をしないの。すぐ帰って来てあげるから、ね?」

そんなホロの心中を察したのか、頭を撫でてマリアは言う。

ホロ「ウォウ……」

撫でられたホロだが、まだ不満そうな顔をしていた。

マリア「それじゃ、後をお願いね」

まだ不満そうな顔をしているホロを切歌と調に任せて、マリアはヘリに乗った。

マリアが乗ったのを確認したパイロットは操縦桿を動かして機体を上昇させた。

調「いってらっしゃい、マリア!」

切歌「お土産期待してるデース!」

飛び立つヘリに向かって2人は手を振りながら叫ぶ。

その瞬間、白いモノが大ジャンプしてヘリに乗り込んだのである。

「「へ?」」

その白いモノを見て2人は目が点になる。

ホロ「ウォウ!!」

ヘリに乗り込んだのはなんとホロであり、尻尾を振っていた。

マリア「ちょっ、ホロ!?」

調・切歌「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」

すでに十数Mは上昇したヘリに大ジャンプして乗り込んだホロにマリアや切歌、調は驚く。

調「切ちゃん、ちゃんとリード付けてた!?」

切歌「ちゃんと付けたデスよ!ほら…この…通り…」

ホロが脱走しないようにリードを着けていたのだが、切歌がリードの端を持ってくると途中から噛み千切られていた。

切歌「か、嚙み千切られてるデス……」

調「よっぽどマリアと離れたくなかったんだ……」

リードを噛み千切るほどマリアと離れたくなかったホロを思い浮かべながら2人は飛び立ったヘリを見送った。

マリア「すみません、一旦戻っては…」

パイロット「すまないが、余分な燃料が無いんだ。このまま行くぞ」

一旦戻れるかとマリアは聞くが戻れないと言われてしまった。

マリア「はあ……」

引き返せないと聞いたマリアはため息を吐いてホロを見た。

ホロ「ウォウ!」

獣人形態になって、マリアの横に座っているホロは満面の笑みで鳴く。

マリア「全く、我儘な子ね…」

少し呆れながらもマリアはそう言って、アフリカへ向かうのだった。
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