戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第889話 逮捕作戦(後編)

エイジアに入った響、クリス、切歌、充瑠、為朝、瀬奈、リルたちは階段を降り、明けられたステージの扉前に隠れていた。

 

響「師匠。現場に到着しました」

 

切歌「中には郷田と要救助者もいるデス」

 

ミラーボールが回転して周囲を明るくしており、ステージにあるポールに縛られている中学生くらいの少女、その前に郷田がいるのを確認し、

 

クリス「今から内部を映すぞ」

 

小型カメラをこっそりと入口の床に設置して、本部に内部の様子と会話を送る。

 

郷田「お前は……」

 

少女に見覚えがあるのか郷田は少し驚いていた。

 

?「見覚え、ありますやろ」

 

少女に驚いている郷田に奥から二階堂が現れて言う。

 

二階堂「五年前に会うてるいう話やないですか」

 

二階堂の言う五年前、それは東城会と近江連合の大規模抗争。

 

その黒幕こそ郷田であり、少女はその時も人質として捕らわれていたことがあったのだ。

 

二階堂「この娘は堂島の龍……桐生一馬の泣き所ですわ」

 

拳銃を少女に向けながら二階堂は五年前、郷田を倒し、計画を阻止した【堂島の龍・桐生一馬】という人物の泣き所であると言う。

 

弦十郎『桐生一馬だと!?』

 

桐生の名を聞いて話をカメラ越しに聞いていた弦十郎は驚いた声を上げた。

 

充瑠「知ってるんですか?」

 

弦十郎『元堂島組舎弟頭補佐であり、東城会四代目会長…伝説の極道だ。一時は死んだとも噂されていたが…まさか生きているというのか?』

 

聞かれた弦十郎は桐生について話す。

 

郷田「どういうつもりや?テツ」

 

バイオテロだけでなく、人質まで取る二階堂に郷田は理由を問う。

 

二階堂「東城会はほっといてもしまいです。せやけど、まだ桐生が残っとる。この娘は奴を誘き寄せる餌ですわ」

 

自身が引き起こしたバイオテロで、ほぼ壊滅状態の東城会は放置してもいいが、まだ最大の難敵である桐生がおり、彼を倒すためにこのバイオテロで地獄と化したこの神室町へ誘き寄せるためだと答える。

 

為朝「つまり、あの子はその桐生って元ヤクザの娘ってことか?」

 

弦十郎『いや、桐生一馬は四代目就任と同時に引退を表明している。それに結婚しているという情報は聞いたことが無い』

 

少女が桐生の関係者であるのは間違いないが、娘かどうかまではハッキリしていなかったようで弦十郎は言う。

 

郷田「テツ……」

 

二階堂「兄貴。わしともう一度、昔の郷田龍司を取り戻しましょうや。今の近江連合はもうあきまへん。せやけど、わしと兄貴が組めば近江連合も変わる。兄貴はたこ焼いてるような男やないでしょう」

 

タコ焼きを焼いているという郷田に、二階堂は二人で東城会も近江連合も超越した頂点に至ろうと言う幻想を語る。

 

郷田「くだらんわ」

 

二階堂「は?」

 

予想外の言葉が帰って来たのか、二階堂は聞き間違いかと言うように言う。

 

郷田「ワレ、そんなことでこないふざけたことしとんのか?外見てみぃ!どんだけ人が死んどる?近江も東城会もないやろが!!」

 

自身を盲信する余り、東城会と桐生への度が過ぎる逆恨みの感情から、町一つ壊滅させる程の無差別バイオテロを引き起こし、近江も東城会も関係なく、一般人にも甚大な被害が出るバイオテロを起こしておいて何も感じないのかと激怒して問う。

 

二階堂「そら、わしひとりですさかい、東城会潰すいうたら手段なんて選んでられまへんわ。せやからこうなったんは、わしのせいちゃいまっせ。指ひとつ動かさん近江連合と兄貴のせいや」

 

郷田「話にならん」

 

悪びれもしない二階堂に郷田は失望して言う。

 

二階堂「交渉決裂…いうわけでっか?」

 

郷田「交渉なんかあらへん。ワレがひとりでダダこねとるだけや」

 

くだらない幻想を押し付けて有難迷惑な上に一般人を巻き込んでの無差別バイオテロという極道の道にすら外れた外道に郷田ははなから交渉の余地は無いという。

 

郷田「その子ぉを話すんや、テツ」

 

二階堂「まぁだ目ぇ覚めへんっちゅうわけやな」

 

少女を解放するように言う郷田に二階堂はまだ幻想を諦めていないことを言う。

 

郷田「寝言をほざいとんのはワレだけや」

 

二階堂「ほな……兄貴には頭冷やしてもらいますわ」

 

郷田「あ?」

 

二階堂の言葉に首を傾げていると、ちょうど扉のかげから一人の男性がいた。

 

男性の気配に気づいて郷田は振り向くと、そこにはたこ焼き三昧と書かれた半被を着て、右胸にアラハバキ改やオンラキと同じく器具が付いている男性がいた。

 

郷田「お、おやっさん!」

 

異様な気配を醸し出すおやっさんに郷田は、警戒しながらおやっさんの目がゾンビたちと同じ赤い目をしていることに気づく。

 

二階堂「もう一度考え直しといてください」

 

不適に笑いながら二階堂は部下たちに少女を連れて行かせて言う。

 

郷田「テツ、ワレぇ……!」

 

おやっさんが自身にとって大切な恩人であることを知っている二階堂が何かしたと察して睨み付ける。

 

二階堂「それと、そこでこそこそ隠れとる国連の皆さんも。これ以上わしらの邪魔せんどいてください」

 

瀬奈「気づかれてた!?」

 

クリス「仕方ねぇ、行くぞ!」

 

二階堂にすでに気づかれていたことに驚きながらクリスたちもステージ内に入る。

 

郷田「お前ら」

 

クリスたちを見て、郷田はなんでここにと言いたげな顔をする。

 

二階堂「蛇竜の言う通りでしたわ。ホンマに、小娘ばかりやったか」

 

やはり蛇竜と手を組んでいたのか、二階堂はクリスたちを見て言う。

 

為朝「やっぱ蛇竜と手を組んでやがったか!」

 

二階堂「えぇ。そちらのおチビさんが、あの有名な怪獣王様っちゅうのも聞いてますよ」

 

為朝に言われて二階堂は頷いて言う。

 

リル「ガルルルル!!」

 

二階堂にチビと言われてリルはカチンと来て唸り声を上げる。

 

クリス「だったら逃がす訳にはいくかよ!」

 

そう言ってクリスはコンバーターギアを出す。

 

二階堂「おっと、こっちには人質がいますよって」

 

コンバーターギアを出したのを見て、二階堂は拳銃を部下たちが押さえている少女に向ける。

 

クリス「くっ!」

 

二階堂側に人質である少女がいる限り、クリスたちでも下手な手出しができなかった。

 

二階堂「それにわしらの相手ばかりしててええんですかね?」

 

そう二階堂が言うとおやっさんの体が変化し始めた。

 

頭部が風船のように膨れ上がり、背中から左右に4本ずつ計8本の触手が伸びるタコのような姿になった。

 

ヤツカハギ「グオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

変異を遂げたおやっさんことB.O.W.【ヤツカハギ】は雄叫びを上げる。

 

郷田「おやっさん」

 

目の前で変異したおやっさんに流石の郷田も動揺を隠しきれなかった。

 

郷田「ぐお!!」

 

そんな郷田をヤツカハギは触手で殴り飛ばす。

 

郷田「おやっさん……」

 

殴り飛ばされながらも郷田は起き上がる。

 

郷田「わしのせいで、こんな……こんな……!」

 

自分に関わったばかりに、かつての弟分であった二階堂に狙われたことに後悔しながら郷田は右腕をガトリングガンに変化させる。

 

ヤツカハギ「グオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

郷田「堪忍や!」

 

謝罪しながら郷田は臨戦する。

 

クリス「アタシらも行くぞ!」

 

『うん!/おう!/デース!』

 

同時にクリスたちも変身して臨戦するのだった。

バイオハザード5篇について!

  • 明日からでもいいからOTE篇と交互に!
  • OTE篇のあとでいいよ!
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